記者会見 2026年10月22日

 

連合記者会見

記者会見 2026年10月22日

芳野会長、神保事務局長、仁平副事務局長(2026年10月22日)

連合記者会見全文
芳野会長

 本日も大変お忙しいところ、定例記者会見に足をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。はじめに、熊本地震への対応について、ご報告も兼ねてお伝えしたいと思います。9月5日よりスタートしました救援ボランティアについては、現在第6クールの活動を進めております。八代市のボランティアセンターと連携しながら、市内での被災物の運搬作業などを中心に作業を行っているところでございます。当初の予定では、来週の第7クールで終了の予定でしたけれども、平日にまとまった人数で活動継続している連合ボランティアをご評価いただき、現地から継続の要請がございましたので、11月半ばまで活動を継続することにいたしました。また、連合として取り組んできましたカンパについてですけれども、約1億3,700万円が集まりました。準備が整い次第、熊本県にお届けする予定になっております。連合は今後も被災地に寄り添った取り組みを継続してまいりたいと考えております。引き続き、ご関心をお寄せいただければ幸いです。
 次に、現在、第222回臨時国会が開かれております。今週から飲食料品の消費税減税や、就業者負担軽減支援金に関する法案の審議がはじまったと承知しております。本法案に対する連合の考え方は、お手元の資料に掲載しているとおりでございますので、対応方針に基づき連合出身議員政治懇談会の皆様と連携して、国会対応をはかってまいりたいと思っております。
 次に、本日は2027春季生活闘争の基本構想について確認いたしました。記者の皆様には一昨日、担当局によるレクを開催させていただき、基本構想の内容についてご理解をいただいたと考えております。3年連続5%以上の賃上げを継続してきており、賃上げノルムが定着しはじめておりますが、実質賃金を1%以上の巡航軌道に乗せていくためには、もう一段の努力が必要であると認識しております。記者レクでも説明があったかと思いますけれども、5%以上の賃上げ率となった加盟組合の比率は、未だ5割に届いておりません。全体の底上げの余地はまだまだあると思っております。みんなで賃上げを継続していかなければならないと考えておりますので、2027春季生活闘争にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 以上、簡単ではございますが、冒頭の挨拶といたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

神保事務局長

 本日13時半から第13回中央執行委員会を開催いたしました。大きくは報告事項、協議事項、確認事項、その他となるわけでございますけれども、報告事項につきましては、この間の取り組みについて報告・共有をしたところでございます。
 1点目の日本成長戦略会議は、第8回が10月1日に開催されましたけれども、その報告になります。そして、第211、212回の労働政策審議会の労働条件分科会、これらの報告も行い、現下の状況やこれからの論点などについて共有をしたところでございます。
 そして協議事項ですけれども、少し会長挨拶と重複しますが、改めてこの熊本地震に対する各構成組織、地方連合、この協力に対する御礼と、そして、また2クール、ボランティア派遣を延ばしましたので、そこに対する対応、具体的な取り組みについて協議・確認をしたところでございます。
 そして、国会も開催されておりますので、この第222回の国会における法案対応、さらには2027年度の予算編成などに対する対応について、そして税制改革実現に向けた取り組みなどについて、連合の考え方をご説明し、また協議し確認をしたところでございます。
 そして、2027春季生活闘争の基本構想の確認、あとは政治関係でございますけれども、3つの県の知事選、1つの市長選挙についての推薦議員の協議・確認をしたところでございます。
 いくつか確認事項があり、そしてその他の項目で、速報ベースでは皆さんにご説明したかと思いますけれども、連合が実施しました労働時間制度に関する緊急アンケートの調査・分析結果も改めてご説明・共有をし、これから労働政策関係の審議が本格化してまいりますので、そこに向けて状況を確認したところでございます。
 私からは以上です。

質疑応答[1]
Q.(NHK・ササキ氏)

 NHKのササキです。芳野会長にお伺いしたいんですけれども、冒頭に消費税の関連法案についてご言及ありました。審議入りしましたけれども、かねてから連合さんとしては意見あったと思いますが、改めてこのタイミングで、政府が出した法案に関して、どのように受け止めているのかというのとですね、審議入りして、これから具体的な議論が委員会などではじまるわけですが、どういう点を明らかにすべきとお考えか、その2点教えてください。

A.(会長)

 この間もご説明させていただいているかと思いますが、消費税は社会保障の財源になっていますので、消費税減税について連合としては反対の立場をとっています。給付付き税額控除の導入を求めていくということで、連合の政治懇談会のメンバーの皆さんにも連合の考え方についてお示しをしているところですので、連合としては引き続きめざしていきたいと思います。また、消費税減税の問題だけではありませんが、国民に分かりやすいように、熟議の国会を求めていきたいと思います。

Q.(NHK・ササキ氏)

 すみません、今ご言及いただいたところで、「国民に分かりやすい議論を」ということでしたが、消費税法案については具体的にどういう議論を深めてもらいたいと思っていらっしゃいますか。

A.(事務局長)

 少し補足しますけれども、これから本格的な論議になろうかと思います。まだ財源や対象がどういう層なのかなど、産業によっては大きく影響を与えるところもありますけれども、そういったところへの対応など、あるいは2年後どうしていくのかという、いろいろな懸念材料がたくさんある中ですので、まだその論議の前提が見えてこないというのが現状だと思います。そういったところを、国会を通じて、透明性高く、そして納得性のある審議を求めてまいりたいという意味でございます。

質疑応答[2]
Q.(共同通信・エモリ氏)

 共同通信のエモリと言います。よろしくお願いいたします。芳野会長に伺わせていただきます。春闘の関係です。来年の春闘に向けて「6%中心、5%以上」ということを掲げられていらっしゃると思うんですけれども、新たにこの「6%中心」という文言を盛り込んだ狙い、メッセージの部分をお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。

A.(会長)

 3年連続5%以上の賃上げが実現できているという中で、2027春季生活闘争は非常にポイントになってくるかと思います。その意味では、5%以上をめざしていくということであれば、目標値も高く設定していくということが1つの鍵になるかと思いますので、「6%中心」という目標を掲げています。2026春季生活闘争のときにも、要求の水準を見てみますと、6%台が中心的に多かったということもありますので、そこを狙っていきたいということと、あと私の思いとしては、この間も記者会見で申し上げてきましたが、2026春季生活闘争は「結果にこだわる」ということで、その中でも中小・小規模事業所のところを、格差是正ということも含めて、何とかそれなりの水準に持っていきたいという思いがありました。要求の段階では中小・小規模事業所もかなりいい水準ではありましたが、3月に入って中東情勢がかなり緊迫化してきたということもあり、また4月に入ってから、連合としては加盟組織、企業に対して中東情勢の実態調査なども行い、その中小・小規模事業所の春季生活闘争の足を引っ張らないようにしなければということで様々な取り組みをしていましたが、中小においては4月、5月、6月が交渉のヤマ場になっていきますので、先行き不透明という中で、協議・交渉がちょっと停滞してきたかなということがありました。そういったことも含め、2027については「6%中心」、そして歯止めということではありませんが、5%以上を目標として狙っていくという中で、今回こうした方針を立てたということになります。

質疑応答[3]
Q.(読売新聞・タカタ氏)

 読売新聞のタカタです。芳野会長にお伺いします。消費税関連のことでして、資料を拝見しますと、2年間の飲食料品の減税に関しては給付であるべきと、それから就業者負担軽減支援金は評価されているのかなという印象を受けたんですけれども、これについて、それぞれもう少し丁寧にご説明していただけると幸いです。

A.(会長)

 小原さん、いいですか。

A.(小原総合政策推進局長)

 政策担当しております小原です。まず2年間を限定した消費税の引き下げについては、社会保障の検討会の中でも、様々な課題が指摘されております。今回の法案の中でも様々な措置が必要となっており、その措置が必要となること自体が、この2年間限定した消費減税の課題だと考えております。あわせて支援金への評価ですけれども、ご案内のとおり、いくらからいくらの人にどのような支援をするのか全く明らかになっていないというのは課題だと思っております。ただ、連合が長年求めてまいりました給付付き税額控除の仕組みとしては評価ができると考えておりますので、仕組みの構築を求めるものでございます。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 説明のとおりなのですが、連合はあくまでも給付付き税額控除を求めていますので、そのつなぎで就業支援が入るということは、一歩前進になっているのではないかと考えております。

質疑応答[4]
Q.(ブルームバーグ・テルキナ氏)

 ブルームバーグのテルキナです。よろしくお願いいたします。芳野会長に春闘の目標について、「6%中心」というところで、去年よりも高い水準を狙っていくという理解でいいのかどうかというところをお願いします。

A.(会長)

 はい、その理解で結構です。

Q.(ブルームバーグ・テルキナ氏)

 分かりました。「5%以上」という表現を残された理由は何かありますでしょうか。

A.(会長)

 はい。4年連続5%以上をめざしていきたいということで、ある意味歯止めの、これから交渉がはじまるので今から結果を求めてはいけないと思いますが、最低基準としては5%以上をめざしていきたいという思いが込められております。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジと言います。春闘構想について事前レクから今日の段階で変更がなかったのかどうかというのを確認の上で、事前レクからいろいろ考えたんですけど、これ「5%」って数字を出さずに、例えば「6%程度」を基準とか、「6%基準」とか、過去の日本語に沿ったものではいけなかったのかって、ふと思ったりもしたんですが、そのあたりについてはどう考えたらいいのか。

A.(仁平副事務局長)

 事前レクのところから、若干脚注の番号の付け方が間違っていたりする技術的な話はありますけど、同じです。同じものを今日ご提案し、その内容で確認をされたということが本日決めたことであります。
 後半の話は議論の過程の話、プロセスの話をたぶん聞かれているということかと思っておりますけれども、そういう意味では、会長の先ほどの質問にもありますけれど、5%以上についてやっぱり粘り強くやっていくことが大事だと、皆さん議論の過程においても引き続き大事にされたいという思いはあったと思います。単純に5%以上というのをなくして「6%中心」とか「6%程度」に置き換えていくという意見はそこまで強くなかったと思っております。

A.(会長)

 私からも一言いいですか。2026のときに5%以上の目標をクリアできたのが43%にとどまっているという実態から、「5%以上」というのは残しておいたほうがいいのではないかという判断もありました。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 別の件で、協議事項の集団的労使関係の強化・構築に向けた基盤整備の取り組みのところ、これは今までと比べて何か違いがあるのかと、あと特にその過半数代表でない組合が過半数代表の選出への積極的な関与に対する支援の中で、職場点検ツールを作成・展開しって書かれているんですけど、これは今までと比べて何か違いがあるのか、あと具体的に何かやっていくのかを確認させてください。

A.(会長)

 菅村さん、いいですか。

A.(菅村総合政策推進局長)

 労働法制を担当しております菅村です。職場点検ツールは毎年提供しておりまして、連合の組織局が調査をした結果、過半数に達していない組合がそれなりにありました。過半数労組がなければ、労使協定を結ぶというところでは過半数代表になってきますので、その過半数代表選出の点でしっかりと労組として代表者に選出されるよう関与していくということを改めて今回確認をするとともに、ツールはチラシなどを作成し、毎年配付しておりますので、それに基づいて組織拡大も含めて取り組んでいただくということを構成組織、地方連合会にお願いするものでございます。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 そうすると、この資料2-2の具体的な取り組みっていうのは何か新しいものがあるわけではないですね。

A.(菅村総合政策推進局長)

 そうですね。2021年に確認した内容に基づいて大体毎年同じ取り組みなんですけれども、一方で、各構成組織などでも調査をされた結果に基づいて実態を把握され、組織ごとにオーダーメードで取り組んでいらっしゃる部分もあると思いますので、そういう部分についてアップデートされているという認識をしております。

質疑応答[6]
Q.(日本経済新聞・セキグチ氏)

 日本経済新聞のセキグチと申します。よろしくお願いします。春闘の目標の関連について会長に伺います。「6%中心」と「5%以上」という2つを並べた1つの背景として、産業別であったり企業規模別の格差があって、なかなか賃上げはしたいんだけれども高い水準というのは難しいというところへの配慮というか、というところもあるのかなというふうに考えておるんですけれども、そういった企業さん、組合さんへの、賃上げを進める上での支援というか必要になることというのを教えていただけますでしょうか。

A.(会長)

 連合としては、世間相場を作っていくということも、役割であるかと思います。それと、連合の春季生活闘争は労働組合のない企業で働く皆さんへも波及をさせていくということを考えますと、「6%中心、5%以上」という今回の2027の考え方は、裾野を広げていくというところに配慮をしたというか、そこも狙っているということでご理解いただければいいのではないかと思っております。そして2027についても、企業規模間格差、雇用形態間格差、男女間賃金格差の是正など、あらゆる格差是正をめざしていますので、そういう中での今回「6%中心、5%以上」ということでご理解いただければと思います。

質疑応答[7]
Q.(日経新聞・マツイ氏)

 日経新聞のマツイです。春闘について、芳野さんにお願いします。今回、要求の中に中期の賃金水準目標というのが位置づけられたんですけれども、ある意味これは過年度業績に基づいて賃上げの要求水準を決めるという、これまでの春闘交渉の原則の修正じゃないかなというふうに思います。こういう要求の組み立てが、なぜ今必要になったのかということを改めて教えてください。また、こういう要求というのが経営側にどんなふうに受け止められるのかということについてもお考えをお願いします。

A.(仁平副事務局長)

 マツイさん、私からでもいいでしょうか。

Q.(日経新聞・マツイ氏)

 芳野さんからも一言。

A.(仁平副事務局長)

 はじめてこういった形で中期的なものを示させていただいております。ただ、「未来づくり春闘」の中で、必ずしもマツイさんが言われるように過去の業績とか過年度物価だけを見て決めてきたわけではないので、未来志向で今どういう賃上げをすべきかを提案してきたということは、誤解のないようにまず前提は言っておきたいと思っております。なぜ今このときなのかと言われると、去年も未来づくり春闘の評価委員会の中でもご提起がありましたけれども、将来に向けてどのような方向で中期的にめざしていくのかというメッセージをちゃんと出していく、そういう意味で「こういう方向なんだよ」とフォワードガイダンス的なものを示していく。どうしても今、様々な経済・社会状況の中で、足元の上げ幅が去年から上がったとか下がったとか、そういうところに目線がいきそうな気はしますので、もうちょっと長い目線で、まさに今向かうべき日本の国の賃上げのトレンドのようなことを労働側としてはこう考えているんだというメッセージを打ち出していくということは、意味があることなんじゃないかなと。そういう意味で今回議論し、はじめて提起をさせていただきました。

A.(会長)

 国際的に見ても、日本の賃金水準はまだまだ低い状況にありますので、全体的な底上げをしていくということはとても重要なことだと思います。その意味では、中長期の目標設定をしていく、すべての組合でそれをめざしていくということはとても重要なことだと思っています。加盟組織の中ではそれぞれ賃金ビジョン、賃金目標みたいなものを持っているところもあるんですが、それが連合でも賃金ビジョンやそういったものを示していくことは非常に重要であり、賃金ビジョンができたらいいなという思いは持っていましたので、そこを仁平さんのところで汲み取っていただいたのではないかなとも思っています。

Q.(日経新聞・マツイ氏)

 経営側の受け止めについて、どんなふうに。

A.(会長)

 これから交渉していくので、経営側の受け止めについてはコメントを控えたいと思いますが、組合が要求書を出して、そしてこれから協議・交渉がはじまっていく中で、労使で賃金ビジョン、賃金目標を持っていくということも、私はとても大事なことだと思いますし、生産性三原則にもありますけれども、しっかりと利益を出してその分労働者に分配してもらうということもとても大事ですので、そういった中期目標を立てていくということは有意義なことではないかなと思います。

質疑応答[8]
Q.(時事通信・ミフネ氏)

 時事通信のミフネです。よろしくお願いいたします。芳野会長にお伺いしたいんですけれども、政治関係で、民主改革の会と立憲民主党のほうで合流を模索するといった声が相次いでいますけれども、民主の小川代表は民主党勢力の結集が必要だ、再結集が必要だとお話をしていて、一方で同じ民主党系の玉木さんはそういったことは考えてないという発言もされています。この一連の発言、この動きについてどう思われているかお伺いできればと思います。

A.(会長)

 この間も申し上げてきたとおり、連合としては立憲民主党と国民民主党が連携政党であるということに変わりはないということと、また政党がそれぞれ考えることについては、連合としてコメントは差し控えたいと思います。

Q.(時事通信・ミフネ氏)

 重ねて関連なんですけれども、民主改革は衆院だけ、立憲民主党は参院だけということで、党のあり方として少し限界がある部分があるのが実態だと思うんですけれども、率直に合流を求めたいかということと、その合流の議論で政策やビジョンの打ち出し方、時期、どんな議論とかあり方を求めたいか、一言お伺いできればと思います。

A.(会長)

 合流ありなしに関わらず、政策をきちっと詰めていくということが、とても重要ではないかと思います。

質疑応答[9]
Q.(シカタ氏)

 シカタと言いますが、春闘について細かい数字は仁平さんで、闘い方、特に分配構造の問題については芳野会長にお願いしたいと思うんですが。事前のレクに行かなかったもので資料を持ってないんです。そのときも質問が出たかもしれませんが、物価プラスベア1%に関わって、要するに物価を何%ぐらいに見て、それでGDPを何%ぐらい見ているのか、そのあたりの数字をちょっと知りたいということと。それからあと芳野会長にお聞きしたいんですけれど、6%にしてさらに去年よりも積極的な闘いを進めたいということで、その闘い方の問題で賃金原資を獲るために価格転嫁を重視されて世論を作ったと思うんですが、もう1つ分配構造の転換と言いますか、そのあたりが非常に27春闘を含めて重要になってきていると思いまして。しばしば言われるように、実質賃金はプラスだけれど個人消費は9カ月間マイナスですよね。数字を見ても実質賃金のプラスよりも個人消費のマイナスの幅のが大きいですよね。ということは、連合も健闘して実質賃金を確保しているんだけれど、それが個人消費の拡大というところに回ってないという点では、もう少し消費に回るような賃金水準というのを追及することが重要だろうし、あと、その闘い方についての分配の点では、特にこの5年間を見ていきますと企業の収益は良く、経常利益は結構8%とか9%に上がっているけれども、内部留保も過去最高を更新し続けているわけです。一方で、付加価値のうち人件費を見ると、要するに労働分配率ですね、下がり続けて、25年の場合は5年連続マイナスになってきて、低下してきているんです。さらに、株主には18%の配当を増やしているという点では、やっぱり企業は賃金を上げているんだけれど、その賃金を相対的に抑えて、それでもって株主とか内部留保に回しているという傾向が見られるわけで、GDPというのは個人消費が5割占めるわけですけれど、その結果日本のGDPも、世界から比べても下がってきているという傾向があるわけです。そういう点では27春闘の場合、価格転嫁とあわせて分配の歪み是正、要するに連合で言ったら公正配分、成果の公正配分をもっと強めていくとか、世の中には言ってみれば儲けの還元、そのあたりをもうちょっと世論化していくことも、27春闘ですね、積極的な賃上げという点では重要なポイントになってきていると思うんですが、そのあたりのこともお聞きしたいと思います。

A.(仁平副事務局長)

 資料を見ていただきますと92ページ、脚注に書いております。前から申し上げておりますけど、連合は必ずしも足し算でやっていないというのはありますが、どのようにマクロ経済の見通しを見ているのかと言うと、年央見通し、直近で行くと内閣府の7月に出ている年央見通しを1つ基軸として見ています。ですからGDP、2026年度の実質の成長率でいくと、政府の見通しだと0.9、そして消費者物価は2.2という見方なんですけれど、ただこの2.2というのも政策によって振れている部分もあったりするので、単純にこういうのを足したりするのがいいのかどうかっていうのを議論はしていますけれど、数字としてはそういったことを見ているところでございます。

A.(事務局長)

 労働分配率の話は重要なテーマだと思うんです。我々も先ほどから適正な配分と申し上げていますけれども、当然、労働分配率を上げていくということは我々の考え方にこれまでもありましたし、ただそれが今は大分低下傾向にある。企業収益との関係もありますけれども、そういったことを常に意識しながら要求案を組み立てていく必要があると思いますし、また産別なり単組においても、それぞれの産業の収益状況あるいは労働分配率などを踏まえて要求し交渉していく。戦術という言葉を先ほど使いましたけども、その中には当然分配率の話も入ってくるので、そこはしっかりと産別と我々連携取りながら進めていく必要があるんだろうと思います。
 その中で個人消費の話ありましたけれど、賃金のみならず、今の為替の問題もそうでしょうし、また利息が上がってきたということから家計への影響も大きく、そういったことも総合的に見ていかなければいけないと思います。当然生活に与える影響という点から言えば賃金を引き上げていく、こういったことを継続的にさらに強化していかなければいけないということはありますけど、その環境整備ということで言えば、春闘のみならず全体の環境整備、そこには当然これまで取り組んできました価格転嫁の問題や、適正取引の問題も含まれてきますけれども、もう1つは、労働分配率のところで言えば、今日本は人への投資以外にもモノとか技術開発の投資も遅れてきていますから、そことのバランスとも我々は見ていかなきゃいけないんじゃないかと思います。

A.(会長)

 この間、答弁で出てきていますけれども、連合の役割としては価格転嫁の課題はまだまだ道半ばということがありますので、この取り組みはもう一段考えていかなければいけないと思っています。その中で、まだ日程が明確になっていませんが、政労使の意見交換、地方版も含めてですけれども、政府に求めていきたいと思っています。

質疑応答[10]
Q.(月刊FACTA・ミヤジマ氏)

 月刊FACTAのミヤジマです。「働いて、働いて、働いて、働いてまいります」と叫んでですね、はじめて女性の首相が就任して、私はやっぱり多くの国民が感動したと思うんですよね。労働界の、やっぱり5年前にですね、はじめてトップになられたわけですけどね、この女性初の首相のご苦労というんでしょうか、この1年間を芳野さんはどう評価されるか。芳野さんの初年度は、男社会と男文化に「悔しくて、悔しくて、悔しくて」と私は伺った記憶があるんですけど、高市さんの苦労をですね、同じトップリーダーとしてですね、労働界の、この1年間、毀誉褒貶はあると思いますけど、どうご覧になりますか。

A.(会長)

 政治の世界も労働組合の世界も男性中心の世界なので、運営の仕方ですとか、流儀ですとか、様々な男性の視点になっているのではないかなというところで、政治の世界でもその女性がトップになっていくというご苦労は多々あるのではないかということと、共通する部分もあるのではないかと思っています。直接総理とそういったことでお話しする機会はありませんが、国会答弁などでプライベートのことを様々お話しいただいているので、そのようなところも共有ができるかなと思いつつ聞いております。ただ、私としてはトップになった以上はあまりそういうことは表に出してほしくないなとは思います。

Q.(月刊FACTA・ミヤジマ氏)

 化粧、入浴、家事でね、3、4時間かかると。高市さんの場合はご持病もありますからね、入浴はたぶん1時間ぐらいかかるとか、様々なことがあると思うんですけど、周りも少し配慮が必要なんじゃないかなと。国会の審議なんかですね、ずっと座ってたら腰が固まっちゃったという事件もありましたよね。もうリモートの時代ですから、そのへんは私なんかそう思うんですけど、女性だからって問題じゃないんですけどね、どうご覧になりますか。

A.(会長)

 そういう意味では、例えば、女性だけではなく男性議員もそうだと思いますが、小さいお子さんを抱えているだとか、議員ではなくても共働きであったり介護を抱えていたり、どういう状況であっても議員活動ができる仕組み、やり方に変えていくということが、これから多様性の時代の中では重要ではないかなと思います。今見ていると、たぶん片働きではないとなかなか務まらないのではないかなと思います。課題が多様化しているということは、その多様な人たちが集まった方が課題が明確になり、課題解決のスピードが上がると考えていますので、どういう立場であれ議員になれるということがとても重要ではないかなと思います。

質疑応答[11]
Q.(モリ氏)

 フリーの記者のモリです。賃上げの基本構想についてちょっとお尋ねしたいんですが、これ「6%中心」といえばもうこれ「5%以上」含むので、本来「5%以上」なんていらないと思うんです。だけど、あえて置かれたのは、会長も先ほどから粘り強く5%以上をやんなきゃいけないと、取り組むとおっしゃった。2つありますけど、重点としてはやっぱり、基本構想の重点は「5%以上」のほうにあると受け止めてよろしいでしょうか。

A.(会長)

 「6%中心の5%以上」です。

Q.(モリ氏)

 それ2つ並べますとね、「5%以上」って、かつて会長は繰り返し「5%以上というのはいくらでもいいんですよ、上は。天井はありません」とおっしゃっていたので、今度「6%中心」というのを置かれると、5%以上で6%中心ですから、6%っていうのが1つの天井だということになるんでしょうか。

A.(会長)

 そういうことではないです。

Q.(モリ氏)

 ちょっと分かりにくいんじゃないですかね、2つも並べて。

A.(会長)

 それぞれの構成産別によって状況があるということが1つあるのと、先ほども申し上げたとおり、その43%が5%に届いていないということを考えますと、2026の要求の段階では6%中心で来ていたということを踏まえ、要求の目標としては6%中心で、5%以上狙っていくということは、2026の実態からきた目標ですので、それはしっかりと狙っていきたいと思っています。

Q.(モリ氏)

 ついてこられない業種、組合に対する配慮ですか、「5%以上」を置かれたのは。

A.(会長)

 これから協議・交渉がはじまっていきますのでそこはコメント控えたいと思いますが、その未来づくり春闘を掲げてから、みんなで賃上げしていかないとなかなか水準は上がっていきませんので、それは連合一丸となって5%以上をめざしていくというところは変わりないということは申し上げておきたいと思います。

質疑応答[12]
Q.(毎日新聞・アベ氏)

 毎日新聞のアベと申します。芳野会長にお尋ねします。選択的夫婦別姓および政府が検討している旧姓単記について質問します。高市首相は維新との連立合意文書を踏まえ、旧姓の通称使用の拡大にかねてより意欲を示しています。その中で、自民党内では住民票、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートはこれまで通り旧姓併記ができるにとどめた上で、不動産登記や法人登記、国家資格などを旧姓のみで単記できるようにする法案を検討しています。銀行口座名義や民間資格についても民間事業者に必要な措置を求めていく方針です。このような自民党の検討状況について、どのように評価されるかお尋ねします。選択的夫婦別姓を求める立場にとって歓迎すべき部分もありますでしょうか。

A.(会長)

 報道ベースで知り得ておりますが、まず旧姓使用の拡大では、国際社会の中では通用しないということだけではなくて、人権尊重というところにも応えられていないと思っています。婚姻前の氏を名乗れるかどうかということについては、個人の尊厳ですとか人権に関わる重要な問題である、ということはこの間も申し上げてきていますけれども、働く職場からすると、キャリア継続、キャリアの分断ですとか、ダブルネームの弊害、もしくはマネーロンダリングが起きるのではないかという様々な問題がはらんでいますので、非常に旧姓使用の拡大というのは問題が多すぎるのではないかと思います。それから、非常に旧姓使用の拡大になると、行政や企業でコストがかかる、手間がかかるということで、非常に大変な問題がはらんでいるんじゃないかなということと、この間の国会審議ですとか様々な女性団体の皆さんの考え方ですとか、いろいろ聞いていると、選択的夫婦別氏制度導入であれば法改正は4法案で済む、しかし旧姓の法制化になると法律は650、政省令では2,700の見直しが必要だということで、非常に大変になってくることを考えると、私たちが求めているのは選択的夫婦別氏制度であって、「選択肢が増える」ということがとても重要だと思いますし、このことによって人権が担保されますので、連合としてはあくまでも選択的夫婦別氏制度を求めていきたいと思います。政府には、なぜ選択性が駄目なのかということが、国民一人ひとりに分かりやすいように説明が必要ではないかなと思います。

Q.(毎日新聞・アベ氏)

 関連して、連合が連携する政党や国会議員に対して、政府がこの旧姓単記の法案をいつ提出してくるのかというのはまだちょっと不透明な状況なんですけれども、対案の提出も含めてどのような国会対応を求めていきたいか教えていただいてもよろしいでしょうか。

A.(会長)

 まず連合の政治懇談会の皆さんには、連合の考え方についてすでにお示しをしています。そこから先については、まだ政党との意見交換はできていないので、求めていくとすれば連合の考え方を求めていきたいと思います。この間、立憲民主党の女性議員の皆さんとは意見交換を繰り返ししているので、かなり連合の考え方に近いのではないかなと思っています。

質疑応答[13]
Q.(読売新聞・タカタ氏)

 すみません、芳野会長に追加の質問なんですけども、連合としてあくまでも給付付き税額控除を求めていくということで、その間のつなぎに関しては給付で、現金給付で行うべきだということでよろしいか、その言葉をお願いいたします。

A.(会長)

 そのとおりです。

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