記者会見 2023年9月14日

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長(2023年9月14日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れ様でございます。9月に入っても暑い日が続いておりますが。本日も定例記者会見にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の中央執行委員会は、来月開催の第18回定期大会に向けた各種議案の確認を中心に議論をいたしました。今期も残りわずかとなりましたが、来期を展望しながら引き続き取り組みを進めてまいりたいと思っております。 先月末に新しい資本主義実現会議において、岸田首相より最低賃金を2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円をめざすとの表明がございました。会議において私からは全国加重平均では1,000円を超えたものの、39の道県では依然として1,000円に達しておらず、1日も早く都道府県で1,000円以上に引き上げる必要があること、ポスト1,000円については数字の根拠や時間軸の置き方などしっかり検討すべきであることなど発言をしております。連合としても「誰でも1000円」を目標にしていますので、引き続きそれに向かって努力してまいりたいというふうに思います。
 昨日の内閣改造について、顔ぶれについてのコメントは控えたいと思いますけれども、ジェンダーバランスについて関心を持っておりましたが、女性閣僚が前回より3名増えて5名となり過去最多タイとなったことは前進したと思いますけれども、日本のジェンダーギャップ指数が125位であることを踏まえますと、国政においてより努力して社会を牽引していただきたいと思っています。もちろん労働界としてもジェンダー平等・多様性推進の取り組みを引き続き進めてまいりたいと思います。
 また、2023春季生活闘争では30年ぶりの高水準での賃上げが実現しましたが物価高は依然として続いており、国民の生活は疲弊をしております。これまでも申し上げてきたとおり、たった一度の賃上げでは満足しているわけにいきませんので、岸田内閣におかれましては価格転嫁対策をはじめ、労使が賃上げについてしっかり議論できるよう引き続き様々な環境整備に全力を挙げていただくことを期待したいと思っております。
 先ほど司会のほうからもありましたように、今日の定例記者会見後に「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」のブリーフィングをさせていただきます。記者さんの中には子育て中の記者さんもたくさんいて、こうした課題について非常に関心が高いという認識を持ってございます。5時からのブリーフィングということで、私としてもぜひ記者さんにも早くお家に帰って家族と食事をしたりお子さんとお風呂に入ったりということをしていただきたいというふうに思っていますので、記者会見の時間帯については来期以降検討させていただきたいというふうに思います。また、この間本当に多くの記者の皆様にこの記者会見にお越しいただいて、コロナが落ち着いてから2階の会場からこの8階の会場に記者会見の場を移しておりますけれども、たくさんの皆さんに来ていただいてちょっと手狭になってきているということも感じておりますので、これも来期以降になりますが、皆さんが窮屈にならないように会場についても検討していきたいと思いますので引き続き皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 簡単ですが冒頭の挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 今日の中央執行委員会、先ほど会長からの挨拶にもありましたが、10月5日、6日の定期大会に向けての議案の検討が中心でございました。
 まずは2024年25年度の運動方針について、この間も議論してまいりましたが今日最終的に案としてまとまりましたので、この案をもって大会に臨むということが中央執行委員会として決定をしたところでございます。 また、地域ゼネラル連合の創設についての案についても、これもご決定をいただきました。この案を第18回の定期大会にはかり組織決定をして、その後、創設準備会というものを設置して以降準備期間に入るということでございます。そして2026年の1月から新しい地域ユニオン、そしてそれによる地域ゼネラル連合をスタートさせるということで、今日案として確認をしたところでございます。前回も少し質問ございましたが、現在規約に基づかない形でそれぞれ地方連合会に加盟をしていたりというようなところがございます。そういったところを整理すると同時に、新地域ユニオンという形で、現在の地域ユニオンに加盟する組織や個人はもとより、建設関係を除きますが、特別参加組織あるいは地方直加盟組織、そういったものを総合して新しい地域ユニオンを作り、その地域ユニオンによって地域ゼネラル連合を創設していくという形でございます。連合としては、700万を割ったということもあって、フリーランスとともに、こういった形で地方連合会に加盟している、そこだけに加盟している方についても、大きくしっかりと連合の組織として固めていきたいということでございます。そんなことについて大会にかける案の今日確認をしたところでございます。
 政治関係で、第50回衆議院選挙の候補予定者の推薦を行いました。前回までに35人の推薦を決定してますが、今日新たに15人を決定して合計今50人の小選挙区の推薦を決めたところでございます。また、10月22日に衆議院の長崎の第4区の選出議員の補欠選挙が行われるということで、それに向けての候補予定者についても推薦を決定いたしました。先に参議院の高知と徳島の選挙区の補欠選挙についてもすでに推薦決定しておりますので10月22日に向けての体制は整ったということでございます。
 また、23年度の決算の報告、剰余金の処分、また、24年度の予算案について決定をしたところでございます。いずれにしても、10月5日、6日にこういった議案をかけての第18回の定期大会になるということを今日確認させていただきました。私から以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(日経新聞・マツイ氏)

 芳野会長に2つお願いします。岸田首相が2030年代半ばまでに最低賃金の全国加重平均を1,500円まで引き上げるという方針を表明されました。十数年間で500円、年間ですと40~50円程度の引き上げです。国際的に低い日本の最低賃金の水準を考えると低すぎるという見方もあるかと思います。30年代半ばに1,500円という目標をどう評価されますか。
 もう1つの質問ですけど、そごう・西武労組のストライキに関連して、日本におけるストの現状一般についての質問です。団体行動というのは憲法で認められている権利であるにもかかわらず、諸外国と比べて日本では非常に実施が少なくなっています。労組の交渉力の弱さの裏返しであるという分析もあります。なぜ日本でストが少ないのかということについて会長の考えをお願いします。

A.(会長)

 まず、今年の審議の結果について、全国加重平均で1,004円となったことを受け止めて、ポスト1,000円の中期目標について総理のお考えが表明されたというふうに、まずは受け止めています。毎年の引き上げについては、やはり三者構成の最賃審議会でしっかりやるとしている点は大切であり、労使ともに言い続けてきたことだと思います。この間も私も申し上げているとおり、やはり日本の最低賃金は国際水準に比べて非常に低い水準ですので、やはり国際的に見て見劣りしないように持っていくということが非常に重要だと思いますが、現在連合としては海外調査なども含めて目標設定について検討を進めているところですので、連合としての考え方をこれからまとめていきたいと思います。
 それから、ストの関係ですが、これは個別の労使関係の中でその労組が判断をしていくことだと思いますので、連合として少なくなってきている状況をどういうふうに受け止めるのかということについてはコメントを差し控えたいと思いますが、やはり社会対話が今国際標準になっている中では、もちろんストというのは労働組合としての権利ではあるものの、やはりその会社との労使交渉を通じて課題解決をしていくということが基本ではないかなと思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・マツイ氏)

 国民民主党の玉木代表と榛葉幹事長が、先日お二人と面会されました。自民・公明との連立についてどんなやり取りがあったのか改めてお聞かせください。また、その場でのやり取りとは別として、連合としてどのように連立についてお考えなのか、そのスタンスについてもお聞かせください。

A.(会長)

 玉木代表と榛葉幹事長が来られたというのは代表選挙終わっての挨拶の場でいいですよね。はい、代表選挙が終わって代表と幹事長が連合にご挨拶に見られました。その時に連立のことについての話題は出てないです。その時は限られた時間の中で雑談がずっと続いてしまったので、最後の最後に連合の考え方をお示しをして、その先は党が考えることですので、そういう話をこちらから一方的にさせていただいたということです。 連立については、この間皆さんからの取材でお答えしているとおりに連合としては「ありえない」ということです。

Q.(朝日新聞・マツイ氏)

 関連で、その連合としてその「ありえない」という理由をもう少しだけ詳しくお聞かせいただきたいのと、連立も含めて、今回の内閣改造では実際に閣僚入りはなかったわけですけれども、今後将来的に含めて閣僚とかいろんな形での例えば政府での重要な役職を務めたりですとか、いろんな形での連携のあり方があると思うんですけれども、そうしたことを国民民主党が今後行うことについてはどのようにお考えですか。

A.(会長)

 党が考えることに対して連合として何かコメントをするということは避けたいと思いますが、やはり連合としては与党と野党とやはり緊張感を持った政治体制の中でしっかり運営をしていただくという基本スタンスがありますので、その意味ではやはり連合が連携をしている国民民主党と立憲民主党については野党の側でしっかりと政府に対してものを言っていくということが基本となるかと思いますので、これが連立入りしてしまうと、やはりこれからの政策実現に向けて難しい、良い部分もあるかもしれませんけど、難しい部分も出てくるかと思いますし、連合の中が割れる可能性も出てきますので、私としてはそういったことは絶対避けたい、避けるべきだというふうに思いますので、連立について連合としてはありえないということを申し上げてます。

質疑応答[3]
Q.(東京新聞・ハタノ氏)

 東京新聞のハタノと申します。最低賃金に関して2点ほどお伺いしたいんですが、ちょっと先ほどと重複するかもしれないんですが、この2030年代までに全国加重平均1,500円をめざすというこの目標額とその達成時期っていうのは妥当だと考えるのかどうかっていうところが1点目と、2点目が、この週末から欧州のほうに最賃の調査に行かれると思うんですが、連合としての1,000円達成後の目標を示すとしたらいつ示すつもりなのか、それは新しい資本主義会議の場で表明するのかっていうところを教えていただけないでしょうか。お願いします。

A.(会長)

 まず、目標については、連合は連合としての考え方、最賃の考え方がまずありますので、それを実行していくということと、やはり三者構成の審議会の中でしっかり議論をしていくということがベースにありますので、そこで連合として発言をしていきたいと思います。
 それから、調査をした結果どのタイミングでということは、これからその調査結果を見ながら担当の委員会の中で議論をしていくかというふうに思いますので、その結論をまずは見ていきたいと思います。

質疑応答[4]
Q.(NHK・タカハシ氏)

 先ほども出た国民民主党の関連で、芳野会長が国民民主党の連立政権入りはありえないというふうにおっしゃったことに対して、榛葉幹事長からは「お世話になっている連合といえども、党運営は外の人から言われる問題ではない」という不快感が示されましたが、こうした発言についてどのように感じていらっしゃるか教えてください。

A.(会長)

 党運営というよりは、やはり団体であり個人であれ、やっぱり支援者であれば、その支援している相手方に対してこうであってほしいという気持ちは誰であれあると思います。そういう中で、支援団体の1つとして連合の考え方を申し上げたということ、それに対して榛葉さんの、直接私言われてないのでマスコミベースでしか知り得ていませんが、それを見た時の私の率直な感想としてはやはりこれまで国民民主党に対してもそうですし、榛葉幹事長に対してもそうですし、様々な形で支援をしてきているわけなので連合としてもそうですし、榛葉さんを支援している組合員さんたちに対してちょっとそういう発言はどうなのかなというふうに率直に感じました。

Q.(NHK・タカハシ氏)

 ありがとうございます。続きで、ちょっと話題変わるんですけど、内閣改造・党役員人事に関してなんですが、先ほども言及ありましたけれども、今回11人が初入閣、女性閣僚が5人最多タイということで、改めて受け止めをお聞かせください。

A.(会長)

 この間もやはりジェンダーギャップ指数について関心を持っていましたし、労働界としてのジェンダー平等を進めてきていましたので、今回の改造で期待はしていましたので、せめて30%は達成していて欲しかったなと思います。過去最多タイの人数ではありますけれども、やはりもう国際基準は最低でも40%、ジェンダーバランスをとって50、50というのがもう国際基準になっていますので、早くそれが達成できるように政府を挙げてやってほしいと思いますし、やはりそういう政府の動きが経営者だったり、私たちのような民間団体だったりに与える影響ってすごく大きいと思いますので、先んじてやってほしいなという期待を持ってます。

質疑応答[5]
Q.(読売新聞・ソバタ氏)

 内閣改造の関係で、首相補佐官に元参院議員の矢田わか子さんを起用することが検討されているという報道があります。今回、国民の連立入りは見送られたわけですけれども、先ほど会長からは連立はありえないという発言ありましたが、こうした形で政府与党と国民の連携が深まることを、首相補佐官の起用によってですね、そのことについてどのようにお考えか教えてください。

A.(会長)

 まだ報道ベースで決定事項ではないというふうに受け止めています。昨日夕方、電機連合のほうから報告がありました。内容は、政府が矢田わか子さんが所属している、要は会社のほうに何らかのアプローチがあったということで、電機連合さんとしては今確認中ですという報告をいただいています。今日になってマスコミの皆さんからの情報で補佐官ということが言われてきたんですけれども、まだこれ確定じゃないというふうに思っていますので、想定の中でのコメントは控えていきたいと思います。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 朝日新聞のカタダと申します。芳野会長にストライキの件でお伺いします。会長はJUKIで組合活動を始められましたけども、他労組のストの影響を受けたなど、ご自身のストライキのご経験やご体験からストライキに対してどのような印象をお持ちでしょうか。また、そのストライキの意義ですとか、労使交渉とストの評価についての考えを教えてください。

A.(会長)

 連合の記者会見ですので、私の加盟組合のことのコメントは避けさせていただきたいというふうに思いますが、先ほども申し上げたとおりストライキというのは労働組合にとっての権利ですので、それぞれの加盟組合の中で判断をしていくことだというふうに思っています。

Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 追加で、話が変わるんですけども、最低賃金についてお伺いします。新しい資本主義の実現会議で政府は労使で議論するとしていましたけども、新資本主義会議での議論は1回限りで芳野会長もビデオメッセージの参加でした。そういったところから、こう十分な議論ができたというふうにお考えでしょうか。

A.(会長)

 すいません、先ほども申し上げたとおり、やはり最低賃金は三者構成の最賃審議会でやるものだというふうに思っていますので、そちらの審議を見守りたいというふうに思います。

質疑応答[7]
Q.(日経新聞・ハンザワ氏)

 そごう・西武のストでまたお願いしたいんですけども、個別の是非とかストライキ云々という話じゃなくてですね、今回のストっていうのは、先ほど芳野さんもおっしゃったように労使協議のあり方とか重要性っていうところに一石を投じたのかなと思ってます。これからM&Aとか事業再編がいろいろこう出てくる中で、ちょっと不安もあるのかなって気がするんですけど、先程それで芳野さんが世界的に社会対話っていうのは当たり前だし労使交渉を通じて課題解決していくことが重要だっておっしゃいました。これをもうちょっと深掘りしてですね、現状はできているのかどうなのかとかですね、あと経営側、労働組合側がですね、これからいろいろ事業再編でこういった雇用そのものについてのいろんな問題が出てくる中で、どういうふうに向き合っていけばいいのか、その辺の考えをお聞かせください。

A.(会長)

 それぞれの労使にはやはり労使の歴史があると思います。やはり日々の活動の中で労働組合として経営チェックをしていくということをしっかりやっていくということだと思います。おそらく多くの組合が経営計画のチェックというものはやられているかと思いますが、やはり経営権の問題でなかなか労働組合が入手できない課題などもあるかと思いますけれども、やはりその労使の信頼関係があればどこかのタイミングで会社のほうからきちっと説明があるかと思いますし、その説明の中で労使協議を重ねていくということがベースになってくるかと思いますので、課題があった時だけ労使協議・団交をやるということではなくて、毎月の日々のその活動の中で労使交渉・団体交渉を重ねていくということではないかなと思います。今回のストは個別の組合のことですので、これはUAゼンセンさんのほうに委ねたいと思いますけれども、やはりこれから様々複雑になっていく中では、やはりその対話の重要性というのは増してきてるのではないかなと思いますし、やっぱり経営者サイドもそこで働いてる人たちが理解・納得できるようにきちんと説明するということが今求められているのではないかと思います。

質疑応答[8]
Q.(共同通信・ノダ氏)

 芳野会長にお伺いしますけれども、ちょっと前半のほうの、代表選後の玉木代表と榛葉幹事長との会談の件なんですけれども、連立のことは話題に出ていないと、限られた時間だったので最後のほうに一方的にお話をされたということだったんですけども、これに関しては玉木代表と榛葉幹事長はやはりそういう「連立についてのやり取りは記憶にないです」とか「なかった」というふうに認識を示されてますけども、これは本題ではなかったけれども最後のほうに芳野会長からそういったことを伝えられたので、話題にならなかったというか、「記憶にない」とおっしゃっている、玉木代表おっしゃるのは、そういう何でしょうか、最後のほうにちょっとだけ話があったからそういうふうにおっしゃってるとお考えになるのか、そのあたりを教えてください。

A.(会長)

 こちらから一方的に連合の考え方を申し上げているので。このことに対してやり取りをしたということはないです。

Q.(共同通信・ノダ氏)

 それに関連して、榛葉幹事長が党としての考えを芳野会長に伝えたいというふうに会見でもおっしゃってますけども、それはまだご連絡はいかがでしょうか。

A.(会長)

 はい、まだご連絡いただいてないです。

質疑応答[9]
Q.(時事通信・タカハシ氏)

 芳野会長に賃上げの関係で1点伺います。昨日の内閣改造後の総理の会見で、賃上げの関係で、物価上昇率プラス数パーセントの賃上げを継続的に実現するための政策、これに取り組むということを総理発言されました。現状の物価上昇率を見ると4%前後で、かなり野心的な目標かなというふうにも見えるんですが、会長このことについてどのように受け止められたかということと、併せて、かなり高い水準かと思うんですが実現可能性含めてですね、これを実現するために例えばどのようなことが求められるかご所見を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 連合としては、やはりこれまでも言ってきたとおり賃上げは今年かなり高水準、30年ぶりの高水準だったわけなんですけれども、これが今年で終わってはいけませんので、来年再来年とやはりしっかり賃上げをしていくということと、今年も中小が非常に頑張ってくれましたけれども、様々な意見交換の中で中小の経営側のほうが「今年は頑張ったけど来年は難しいよ」というような話も出てきていますので、来年以降もこの賃上げが継続できるような、その情勢づくりを積極的に連合としてはやっていきたいと思っています。じゃあどうやって実現していくのかということになるかというふうに思いますが、やはりその価格転嫁、労務費を含めた価格転嫁、そして適正取引というものをもう少し強化していかないと、やはりその中小のところは非常に厳しいかと思いますので、ここを強化していきたいと思っています。来年以降のことはこれから担当局と専門委員会が議論をしていきますので、その議論を見ていきたいと思いますし、構成産別のそれぞれの考え方も状況もあるかと思いますので、それも含めてこれから議論をしていくということになるかと思います。

Q.(時事通信・タカハシ氏)

 実現可能性について、どのように会長としては見られてますでしょうか。

A.(会長)

 実現可能性については、これからそれぞれの産別の状況を見ながら判断していきたいと思います。

質疑応答[10]
Q.(産経新聞・ムラヤマ氏)

 ちょっと話題がかなり変わるんですが、芳野会長にお伺いいたします。最近のジャニーズ事務所の性加害問題についてですね、芸能人ということで労働組合というよりもフリーランスの労働者という形になろうかと思いますけれども、ああいった形で児童虐待とか人権侵害、労働者の人権侵害が長年放置されてきた、こういった問題を労働組合としてどう受け止めて、連合としてどう受け止めて、あるいはこの問題に何か関与していくような行動を起こせるのかどうか、そこら辺ちょっとお聞かせください。

A.(会長)

 具体的な事案について論評する立場にはないと思いますけれども、やはりビジネスと人権に関する問題の一環だというふうに今回受け止めています。国連ビジネスと人権作業部会のステートメントでも指摘されていますけれども、やはり独立した国家人権機関がないことは、被害者の救済をはかる上で非常に大きな問題だと思っています。連合はかねてより、政府から独立性を担保した「人権委員会」を設置することを求めています。人権侵害を受けた被害者の救済を実現し、日本が人権を尊重する国であることを内外に示すためにも早急に人件委員会を設置すべきではないかと思います。
 ジャニーズの問題について、私はすごく心が痛いなと思っているのが、企業で言うと、企業ですけれども、社長が社員に対して性加害をするというこの問題について、深刻になれば深刻になるほどやはり被害者は、加害者の名前が出てきたりだとか加害者を思い起こさせるようなことがあると、連想させると、フラッシュバックが起きたり、その都度やはり心を痛めるということが継続をするというふうに思います。被害者に寄り添うということは、被害者に二度とそういうことを起こさせないということがとても大事だと思いますので、そういった対応がなされればいいなと思いながら今回のニュースを見ていました。

Q.(産経新聞・ムラヤマ氏)

 今の後段の話だと、被害者にその思い起こせ起こさせないという意味でいうと「ジャニーズ」という名前が存続するということ自体が非常に被害者にとって辛い思い、ありえない話だというふうに言われてます。この点いかがでしょう。

A.(会長)

 それはジャニーズさんが考えることではあると思いますけれども、やはり企業には社員を守る責任がありますので、そういったことも含めて企業側がしっかりと検証しながらこれからの道を進んでいくということだと思いますが、その経営者も身内からということですから、本来であれば第三者が入ってきちっと立て直していくということが本筋ではないかなというふうには思います。

質疑応答[11]
Q.(NHK・ゴトウ氏)

 少子化の財源についてちょっとお伺いしたいんですけれども、経団連のほうで消費税を引き上げることも有力な選択肢という提言も出されました。この提言についてどういうふうに思われたのかっていうことと、少子化の財源どういうふうにあるべきかっていうふうにお考えなのか、会長のお考えを伺えればと思います。

A.(会長)

 連合はこれまでも消費税は低所得者ほど負担割合が高くなる逆進性という課題があることから、マイナンバーを活用した給付付き税額控除の仕組みを構築して、具体的には消費税還付制度を導入すべきとしています。その上で、持続可能で包摂的な社会保障制度、そして教育制度等の構築のための必要財源確保に向けて消費税率を段階的に引き上げることも検討すべきと連合としては考えています。

質疑応答[12]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 西武百貨店、百貨店大手では60年ぶりのストで、ストでとにかく1日閉めて、私を見に行きましたけど、とにかく実力行使をしたわけですね。これはやっぱり労働組合としては私は快挙なんじゃないかと、あるいは壮挙なんじゃないかと、そういうふうに私は思うんですが、清水さんももちろん談話を出してましたけど、西武の百貨店には、60年前ですから誰一人としてストやったことないわけですよね、そういう中でやったわけだから、それは僕は壮挙だと思うんだけど、そこはどうなんでしょうかね。それから1日で終わっちゃったけど、何で終わっちゃったんだって言ったらやっぱお金がないというか、やはり経験もないから1日で終わっちゃったみたいな、そんな話も聞いたんですけど、UAゼンセン含めてですね、1日だけやって一応実力行使したけどその後なんかあんまり世の中的にはあんまりこうメッセージ伝わってないと私は思ったんですけど、どういうふうにお考えですか。やっぱり、とにかく話し合いができないから本気で実力行使で1日閉めたんだと僕は思うんだけど、やっぱりそこをどういうふうに清水さんご評価されるんですかね。日教組は結構やってたんじゃないですか、今までストも含めて。そこも含めてその辺はどうなんでしょうか。

A.(事務局長)

 私とすれば、60年ぶりという今お話ありましたが、私自身も1984年まではストをやっていましたし、今でもストをやるためには当然まずは組合としてストを決行することについて、これは争議権ですから基本的なこととしてやれるわけですけれども、まず今回もストということを選択するにあたっては執行部の提案に対して職場で話をして批准投票をしてですね、私も日教組にいましたが今でも人勧の部分のところでいわゆるそのストを構えて、そのために職場でストに関する批准投票をやってる、これは今でもやってるのは別にそごう西武のデパートだけじゃなくて多くの産別の多くの単組で、それは1つの交渉の手段ですから、そういうことはやっているので、60年ぶりという、確かに百貨店の組合では、あるいは最近ないということで言えば「稀有なこと」みたいな形で報道されてますが、職場で今回やっぱりストに入れたのはやっぱり多くの組合員が組合に参加をして、そのストに入る議論に参加をして、この方法でみんなで行こうと、当然ストを決行すればその間の賃金はカットされるわけですから、給与保障のために積み立ててストを構えるわけで、普通に民間の会社であれば闘争資金を積み上げて、それを背景としてストをすると、いわゆる団結すること、そして交渉して自分たちの内容について締結する、それがダメだった時の1つの方法が争議権ですから、そういうことで言えば、それを今回のケースで言えばごく普通に手続きをしてそういう形に入ったんだというふうに思います。難しいのは、今回いわゆる経営が変わる、譲渡をされるということであります。これが国内のことであれば今までも合併するっていうのはたくさんありました。その時にはそれぞれの労働組合がそれぞれ(の経営側)と合併するにあたっての賃金の水準であるとかを話をしたりしましたが、今回は外資が入るということで難しかったわけですが、その外資と交渉するのが合併してから交渉するのか合併の前に交渉するのか、これについて言えば今回そごう西武の組合とすれば様々な雇用のこととか、それからどういう就業体制になるのかっていう心配があって、こういう形での譲渡前のストというのを決断されたんだと思います。それに当然産別や連合本部も寄り添っていくのは当たり前のことですし、コメントを求められれば、私は私で事務局長談話を出させていただいたとおりに感じているところであります。ごく普通に労働組合であれば。ただ、なかなか今組織率も低くなってそういうことの戦術が取れなくなってるっていうのは、弱まっていると言われればそうかもしれないですけど、ということでございます。

質疑応答[13]
Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 朝日新聞のキタガワと申します。10月からインボイスが始まりますけれども、これに関してフリーランス中心に反対の声なども上がっているわけですけれども、これに関しては連合としては、芳野会長に伺いたいですけれども、そういったフリーランスの支援なども含めてどのように取り組んでいかれるお考えか、またインボイスに対する立場も含めてお伺いできればと思います。

A.(会長)

 連合は消費税の制度的な不備を改善する観点から、インボイス制度の着実な移行と運営をはかるべきとの立場を取っていますが、制度導入に対して様々な声があることも承知をしており、中小企業ですとか個人事業主などへの円滑な導入支援が必要だと考えています。具体的には、引き続き免税事業者を選択された方への取引排除ですとか不当な値下げ要請などが発生しないよう現段階から注意喚起を行うことですとか、エネルギーや原材料費などの価格転嫁や消費税の取り扱いも含めた適正な取引環境が担保されるよう、下請振興基準の遵守などの取り組みを強化していく必要があると考えています。

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