記者会見 2020年12月

 

連合記者会見

12月定例記者会見

神津会長、相原事務局長、石田副事務局長、冨田総合政策推進局長(2020年12月17日)

連合記者会見全文
神津会長

 本日も忙しい中お集まりいただきました。ありがとうございます。
 まず、新型コロナウイルスの感染拡大が第3波ということで、先ほど聞いたところでは今日は東京都で800人を超えるということでありまして、東京あるいは大阪はじめ医療崩壊も危惧されるというようなことを含めて、のっぴきならない事態であるというふうに認識します。私どもは、かねてよりPCR検査、抗原検査を行き渡らせて、必要な方々、あるいは不安を抱えている方々がこれを受けることができて、そして陽性者についてはその症状に応じて対処されるということが、なんといっても必要だということを主張してきましたが、やはりこれは落ち着いた状況の中でそれが確立していればこんなことにはならなかったのではないのかなというふうに思えてなりません。しかし、今は本当にもうこういう事態ですから、これをどう乗り切っていくのかという意味での対策が必要なんだろうと思います。したがって先ほど申し上げたようなことが確立されていれば、感染対策も経済の復旧も両方成り立ち得るものだと、こういうふうに思っています。それがないがためにいわゆるGo toキャンペーンも、今回凍結という形でありますから、これは当該業界に向けての直接的支援をしっかりとやる必要がありますし、そのこととも連動しますが、地方への交付金これも本当にしっかりと、予備費もあるわけですから、緊急対応も含めて対処されるべきであるというふうに思います。それから介護、医療に従事される方々、これも緊張の連続でもうすでに限界を超えているといっても過言ではありません。やはり具体的にマンパワーの面でもしっかりとサポートできる体制がつくられなければならないということだと思います。それと、雇用・生活の面、これも極めて厳しい状況ですし、統計の数値を見てもいわゆる非正規という形で働く方々に強く偏って影響が出ていますし、なかんずく女性の方々は非正規の形態、有期短時間、あるいは契約という形の働き方の比率が高いわけでありまして、圧倒的に厳しい形での影響が出ているということはいわざるを得ないと思います。そういったこともおそらく強く反映してだと思いますが、自殺者の数が7月以降、毎月前年を上回っているということでありますし、10月で見ると女性だけで見ると対前年8割増というもう極めて異常な数値になってしまっているということは、私どもとして直視をしなければならないということだと思います。年を越すに当たって、やはりそのリーマンショックの時は年越し派遣村ということがありましたが、性格がかなり異なるということなり、密を作るということは避けるべきだということがありますので、これはフードバンクであるとか、あるいは宿泊施設を確保するというようなことを含めて支援をしている福祉団体、NPOがありますので、やはりそういうところへの政府行政からの直接的な支援というものがあってしかるべきだということも申し上げておきたいと思います。
 今日の議案との関係でいいますと、中央執行委員会それから第1回の中央闘争委員会ということであります。春季生活闘争、12月の中央委員会で確認をした方針に則って具体的な取り組みを進めていくということであります。いわば先ほど申し上げたような緊急対応、一人一人の働く者の思いにしっかりと寄り添いながら、底支えということ、本当に忙しい思いを余儀なくされている方々が、その働きに見合った処遇を得ているんだろうか、賃金を得ているんだろうか、甚だ疑問といわざるを得ませんから、いかにコロナ禍の厳しい状況であるとはいえ、いやむしろだからこそ、この底支えということが極めて大きな意味を持つんだということでありますし、またコロナ対策も私ども今日も雇用生活対策本部の取り扱いの内容、少しリバイズもしている内容があります。雇用のセーフティネット、職業教育と就労支援、再就職のマッチング、これをパッケージにしたセーフティネットをしっかりと作るべきだと、そのことをこの先の持続性に向けて作っていく必要があるということを含めて、やはり包摂社会、持続可能な社会ということに向けて、この春季生活闘争は日本の経済社会のあるべき姿と、賃上げを含めた労働条件の向上ということはもう一体ものだというふうに思っています。そんな思いを含めて今日確認事項の内容を確認したということを申し上げて私のほうからの冒頭の一言とさせていただきます。よろしくお願い致します。

相原事務局長

 中央執行委員会、第15回ですが、表紙にございます通り組織拡大プラン2030ですが、オルガナイザーの強化充実配置という点についてご提案し確認をいただきました。および相談体制の見直しですが、チャットボットの導入含め電話相談対応の集約化、さらにはAI対応を含めた多言語化について明年から取り掛かっていきたいということで、その導入についてご了解を賜りました。明年のメーデー、第92回となりますが、現段階においてはリアルでの参集を前提として4月29日の開催をめざします。最低賃金の2021年取り組み方針の確認をいただきました。および明年は、3.11東日本大震災から10年ということとなりますので、連合の現段階での基本行動の案を確認いただきました。あわせて春季生活闘争、明年2月5日が中央総決起集会ということとなりますが、現下のコロナの状況を踏まえまして開催形態を大きく見直します。VRでの仮想空間およびYouTubeそしてツイキャスと3つのアクセス方法から、内外の多くの皆さんにこの春季生活闘争の臨場感を確認いただこうと思います。最後に明年1月5日のオンライン新年交歓会の開催概要を確認いただきました。1月5日16時からオンラインのライブ配信2部構成をもって対応してまいります。私からは以上です。

冨田総合政策推進局長

 続きまして第1回の中央闘争委員会の確認事項についてご報告申し上げます。差し替えが入っておりますので本冊ではなく別紙でお配りをさせていただいているかというふうに思います。具体的な特徴的な動きを2点確認し、それから当面の闘い方として要求提出と回答引き出しに向けた交渉配置を2ページの5.で確認をさせていただいております。また闘争行動の日程変更ということで、今ほど事務局長からもありましたが、中央の闘争開始総決起集会は当初2月1日を予定しておりましたが、05の「連合の日」との相乗効果を発揮するため2月5日に変更しておりますので、またご取材のほどよろしくお願いをしたいというふうに思います。5.のところではそれぞれの共闘連絡会議も含めた当面の日程を確認させていただいたところです。私からは以上です。

質疑応答[1]
Q.(読売新聞・アマノ氏)

 読売新聞のアマノです。よろしくお願いします。会長、連合が支援する立憲民主党と共産党との関係についてちょっとお尋ねさせていただきます。15日の共産党の中央委員会総会で共産党の志位委員長があらためて連合政権の合意を強く求めました。あらためて連合としてのこの連合政権構想への考え方を教えていただきたいのと同時に、あわせて同じ日の会見で共産党の志位委員長が衆議院選挙での共通政策をつくるための協議をしたいと思うと発言されています。連合政権とあわせてこの共通政策をつくることでの考え方もちょっと教えてください。

A.(会長)

 この場でも何度か申し述べてきましたが、政権を共にするということはまずありえませんから、それはその一言だと思います。それは立憲民主党、今の立憲民主党にしても今の国民民主党にしても、そういう考え方は持っていないというふうに認識します。ですから政策というのは、例えば国会において法案審議によっては方向性が一緒だねというものは個別にはこれまでもある話ですし、これからもあるだろうと思います。基本的にはその範疇のものだろうなと、私どもとして受け止められるものということでいえばそういうことではないのかなというふうに思っています。

質疑応答[2]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。はじめて見ましたが、このプレスリリース今日出ている「連合調べ」ですが、これ素晴らしいというか、いわゆる賃金総額が3人に1人が減ると、宿泊業飲食業では5割の給料が減ると、このまま失業になってしまうのではないかというのは10人に1人いて、要するに宿泊飲食業では3人に1人が雇用不安にあるというこの現実を、どういうふうに受け止めておられるのかと、これが1番ですね。連合調べですからこれ深刻な数字です。
 あわせてこの間のGo Toも含めて、かかる状況でGo Toで宿泊やそういうのが救えるとは元々思えないので、やっぱり大失業がやってくるのかと、そういうのを含めて今の菅政権この数ヶ月、人災というかですね、非常に厳しく見ておられるんだと思うのですけど、率直なお考えを伺いたいです。

A.(会長)

 おっしゃる通りです。これは大変にこの日本の社会の状況を象徴的に表している厳しい数字だと思います。結局この間のコロナ禍においてもっとも問題なことは、働く者、生活者、国民全般の中に不安が漂い続けているということに他ならないと思います。それで、感染リスクに対する不安ということもこれも大きくこの日本を覆っているということだと思いますし、ご指摘のあった雇用不安ですね、いつ自分の仕事が無くなってしまうのかという不安を抱えている人がこれだけ多くおられるというのは由々しきことだと思いますし、結局コロナがこの日本の社会の脆弱性をあらわにしているということを私どもとしては一貫して痛切に感じているわけでありまして、雇用のセーフティネットは、先ほども若干触れましたが、給付はしっかりと保障されていて、したがって生活はできる状態を維持しつつ再就職に向けてスキルをしっかりと身につけて、それで、願わくば望む仕事にマッチングをするという、その仕組みがやはり弱いと思います。民主党政権が2009年にできて、そのことの必要性を当時の政権は認識をしていて、したがって求職者支援制度というものができた。あるいは生活困窮者自立支援の制度の中で就労支援の枠組みが設置をされたということです。ただ残念ながら政権がガバナンスの問題で瓦解をしてしまって、もちろん制度として今存続はしていますがしっかりとした広がりなり補強がされているか、あるいは生活困窮者の自立の支援制度についても就労支援をどれだけそれぞれの自治体が組み込んでいるかっていうのはバラつきがありますので、日本全体のそういう不安をちゃんと引き取れるというそのことになっていないということがあります。今、雇用調整助成金、あるいは特例措置ということでなんとか食い止めていますが、そういう中でもこういう数字が出ているわけですから、将来に向けての不安を解消するためにはそういう仕組みをしっかりと作るということが必要ですし、今ある制度の枠組みにおいてもそのことができることがありますから、まずは足元それをしっかりやっていくということが非常に大事なことだと思います。したがって、発足間もない菅政権、しかしこのGo Toキャンペーンという枠組み自体は前の政権から引き継いでいますし、官房長官であった菅さん自身がかなり熱心に取り組んでこられた政策でもあります。その自助・共助・公助の議論にも通ずる話ですが、公助のところをしっかりと根を張って、それで、それは共助ともうまくタイアップしてやるということが基盤にないと、なかなか実際にはそういうGo Toキャンペーンなどがそれらをカバーするということにはなりえないので、したがって基盤のところをしっかりさせるということをまず進めるべきだと思います。

質疑応答[3]
Q.(日経新聞・クロヌマ氏)

 日経新聞のクロヌマと申します。お願いします。今のお答えと関連するかもしれませんが、菅内閣の支持率がこのところ急落しております。その要因をどのようにお考えになっているのかお願いします。

A.(会長)

 そうですね、やや繰り返しにもなるところありますが、やはりその不安ですね。この不安の解消に答えることができていないということだと思います。ですから政権発足した時は、そういうその第3波の来る前であり、第2波の後ということだったわけです。したがって、根っこのところでは不安は皆持っていてもそれが少し収まっているということもあって、これはだいたい政権発足していつもあるご祝儀相場的なところも加わっていたんだろうと思います。しかし、結局先ほど申し上げたような足場が築けていませんでしたから、第3波が来てその不安が一挙に顕在化しているということだと思います。最も大事な経済対策は国民の不安の解消にあるということだと思いますので、そのことが成り立っていないと、なかなかこの支持率は一時的な急落ということには止まらないのではないのかなというふうに思います。したがって私は今の緊急対応はそれはそれでしっかりと万全を期して、ここはもう財源を惜しみなく投入をして、しかしその繰り返しだけでは将来展望が開けません、持続可能性ということに繋がりませんから、やはりその公助そして共助の組み合わせということの仕組みを今からでもしっかり作っていくということが不可欠ではないかと思います。

質疑応答[4]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタです。今日、発表された労働組合基礎調査の結果の見解なんですが、(事務局長談話の)4項目に関わる曖昧な雇用で、連合はじめての連合サポートWor-Q(ワーク)を作ったと触れられていますが、現状はどういう現状なのか、もし分かれば、ということ。それから将来性について、連合の場合はウーバーイーツユニオンなども組織している産別があるわけですが、将来方向として連合はこれから特別立法みたいな形で考えていくのか、それともあるいはウーバーイーツユニオンのような形で、まずその組合を作って、それで協約を結んで、就業規則とか、そういう方向を通していかれるのか、今後の課題になると思いますが、見解があればお願いします。
 研究会や審議会を見ていますと、研究会の時は古賀さんが出て、いってみれば労組法上の概念によって労働者の拡大概念で保護しようという方向が出たんですが、今やっている検討会を見ると独禁法を利用しようなんて、要するに事業主同士だからそこで契約を結べばいいんだなんて変な話に行ってまして、そういう点では連合としてもどういう方向で、例えば特別立法で規制していくのか、あるいはまず組合をきっちり作ってそこで組織化していく方向を取られるのか、そのあたりもし今後の方向性でもあれば見解をお伺いしたいと思います。

A.(会長)

 順序は後先になりますが、連合としては労働者性を有しているということの定義付け含めて、そういう法制面で明確にしていくということはしっかりやっていかなければいけないと思います。ということとあわせて、同時並行になりますが、ウーバーイーツユニオンは厳密にいうと組織の中に入っているわけではなくて私どもが支援をしているという関係です。一方でベルコ労組、これは組織の中に入っていますし、やはり同じような事情を抱えている方々が、それは形式的には1人1人事業主だとかいってもそんなことはないわけですから、労働者性を有しているわけですから、まとまって労働組合を作るということは当然あってしかるべきだと思いますので、それは組織化を含めて、そういうことにつなげていきたいということです。それで、そのWor-Q(ワーク)という仕組みは、今のところそのサイトを覗く方々はかなりいらっしゃいます。今、手元に具体的数字がありませんが、会員数を見るとまだまだこれからかなという感じではあります。ただ、まだ当事者の方々も少しこれどういうものかなという感じを見ておられるというふうに思いますので、少し今後は有料会員という福利厚生のところも含めて枠組み作っていきたいと思います。まあ姿が見えてくればさらに大きく展開をできるのではないかなと、こういうふうに思っています。

質疑応答[5]
Q.(西日本新聞社・カワグチ氏)

 西日本新聞社のカワグチと申します。2点お伺いします。立憲民主党や国民民主党が新党となって3ヶ月が経過したわけですが、この間内閣支持率の急落などいわば敵失といえるような状況でもなかなかは立憲民主党さんや国民民主党自身の支持率は上がってこないという状況だと思いますが、その原因をあらためてどう分析してどのように打開すべきと考えていらっしゃるかということが1点。
 もう1つが、国民民主党さんが今代表選挙をやられていますが、8日の代表選の共同会見の中で候補のお二人ともが次の首班指名では国民民主党の新しい代表の名前を書くということを明言されています。政権交代をめざす場合にその立憲民主党、野党第1党である立憲民主党の党首と書く人が過半数を超えないといけないと思いますが、それを実現するためにどのようにすべきと考えていらっしゃるか、国民民主党さんに呼びかけていくのか、共産党と合わせて過半数を超えるべきと考えていらっしゃるのか、それとも立憲民主党単独で過半数を超えるべきと考えていらっしゃるのか、その辺についてお願いいたします。

A.(会長)

 1点目は、以前にもこの場でも申し上げていますが、結局衆参合わせて150人ということで、久しぶりにある程度の塊になったということは事実であるし、そのことは先に向けて大きいステップを刻んだということではあると思います。ただ、有権者からするといろいろとあったけれども結局名前は同じ立憲民主党だし名前は同じ国民民主党だし、代表は同じ枝野さんだし代表は同じ玉木さんだし、何が変わったのという感じになってしまっているということも、これいかんともしがたい事実なんだろうと思います。したがって、いま政権の支持率は落ちているけども、しかし「あなたはどの政党を支持するんですか」ということに対して、今申し上げたような流れがなかなかその有権者の心に響くようなことになってないというのが現実の問題だと思います。ただこれ来年必ず総選挙がありますが、タイミングはもちろんわかりませんけども、選挙になれば、やはりいやちょっとこれはきちんと投票行動において、引き続き自民党に頑張ってもらいたい、あるいは公明党だっていう人はそれはそれでそういう投票を取るでしょう。しかしそうでない中でどういう選択を取るのかということを考えたときに、しかるべく塊が1つできているよ・できた、ということの意味は、その時に発揮をされるのではないのかなというふうに思います。
 それから2点目ですが、国民民主党の代表選挙でそういう表明があったというのは私も今はじめて知りましたが、おそらく質問に答えてということなのではないかなと思うので、まあ国民民主党の代表選挙でその質問ですと、それは国民民主党の代表の名前を書くというのはまあ他の答えをそれはなかなかするような場面ではなかったんだろうと思いますし、いずれにしろそれはあらためて選挙をくぐって、その時の判断ということになるだろうと思いますし、限りなく二大政党的運営ということを我々標榜してますから、限りなくそのことに近づくそういう結果が必要なんだろうというふうに思っています。

質疑応答[6]
Q.(産経新聞・ヒラオ氏)

 産経新聞のヒラオです。雇用生活対策本部の動きことなんですが、神津会長も失業なき労働移動のスキームについては例えば在籍型出向というのに一定の評価をするというふうにこの前もおっしゃっていましたが、実際にこれコロナの中において雇用生活で在籍型出向という形は想定されていますけれども、実際に日本の長年の労働問題というか労働の問題でその流動性の問題がないという中で、これが恒常的な取り組みになることっていうことに対する期待なり、それに対してどうやってアクションを起こしていくのかを考えがあればお願いします。

A.(会長)

 その資料の中にも記載がたぶんあると思いますが、産業雇用安定センターです。これはたぶん円高危機のあたりからだったと思いますが、当時鉄鋼とか造船とか重厚長大産業が中心になって、資金を出し合ってできた団体でありまして、だからそういう意味では歴史はそれなりの経過があるということです。したがってそういう仕組というのは平時においても機能をしていて、例えば同じ地域の中で、1つの事業所がこの集約されて他のところにその事業が移ってしまうという時に転勤という仕組みを持っていても、いや自分はこの地で留まりたいんだと、それはやっぱり介護だ教育だの問題があるというようなニーズというのはもちろんいっぱいあるので、そのことに応えるというのは平時でも機能しているわけです。それで、この緊急事態において、まさにそういう在籍出向なり、あるいは派遣という、応援派遣みたいな形というのはニーズが非常に高まっているので、そこのところに力を入れていくということですし、雇用調整助成金においても、そこのところは平時よりも手厚くしていくということが今予定されているということと承知しています。したがって先ほど申し上げたように平時の機能ということですので、ここはもっと相当強化していかないといけないと思いますし、雇用の流動性ということについていえば、それこそさっきのやり取りにありました、ミヤジマさんとのやり取りにあったように、不安を抱えたままの流動性というのはダメなんです。安心感が担保されている中での流動性ということについてはむしろ私は高めていくべきだというふうに思います。それで、そのことが働く側にとってもしっかり選択権といいますか、イニシアチブを持てるっていうことになるので、同じ雇用の流動性といっても私は天と地の開きがあるということだと思いますので、そのことも頭において今後考えていく必要があるというふうに思っています。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・サトウ氏)

 朝日新聞のサトウです。今日はありがとうございました。労働組合基礎調査の関係ですが、今日のペーパーにもある、連合さんのほうでも前年比2万9千人増ということですが、厚生労働省の発表だと組合数は確か減少していたと思います。何百団体か減っていたと思うのですが。連合さんの中の組合数の状況をもし分かれば教えていただきたいということと、あと増えている要因についてどのように分析されているかというのを2点よろしくお願いします。

A.(会長)

 組合数はわかりますかね事務局。分からないか今。それは調べてまたご連絡したいと思います。
 増えてるということについては、この間2013年から連合本部が前面に出て、構成組織、地方連合会と力を合わせて、三位一体といういい方をしてましたが、組織拡大に力を入れてきた。そのことが一番大きいだろうというふうに思っています。今回2万9千人ということで、全体が2万8千人ということですから、この数字自体は非常に前向きに評価をしたいと思います。ただまだまだであって、今回率が11年ぶりに上昇したのも、それは分析説明にあるように、やはり分母が減っている。それはコロナの影響かもしれない、まあそれもあるでしょう。あるいは先ほど話がありました曖昧な雇用のほうに抜けて行ってるっていうような、そういう性格もあると思いますので、したがってここのところはやはりその組合員数が増えたことは前向きに評価しながらも、まだまだこんなものじゃ働く者のニーズに対して、まだ圧倒的に足りないということだと思います。どう考えても労働組合があって労使関係があって、働く者のニーズ、要求、主張、その思いを使用者側にきちんとぶつけることができる組織がないと、やはりこの雇用社会は本当の意味で強くならないというふうに思います。したがって、そのことに向けて、今日の議案の中にもありますが、組織拡大をまた新しいステージの上において力を入れていきたい、そのことを世の中にもっと発信をしていくということが我々に問われているということだと思っています。

質疑応答[8]
Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 NHKのヨネヅと申します。2点伺います。まず1点目が、立憲民主党が基本政策について当初年内の策定をめざしていましたが、いわゆる「原発ゼロ」の取り扱いをめぐって党内で意見が割れ、年明け以降に先送りすることになりました。原発ゼロについては合流協議の際も綱領に盛り込むか否かというところで意見が割れて、結果として新党になっても柱となるべき政策を打ち出せていないという現状があります。会長としてはこの点どのように見ていらっしゃるでしょうか。
 また2点目は少し関連しますが、次期衆議院選挙に向けて連合の地方組織と立憲民主党の候補予定者との間で政策協定の締結が一部進んでいます。本部としてはこの立憲民主党、国民民主党、両党との政策協定の締結の時期とか内容についてどのようにお考えでしょうか。お願いします。

A.(会長)

 いずれも総選挙をにらんでの取り組みということになると思いますので、時期は先ほど申し上げたように来年必ずあるわけですが、いつかというのはまだ特定はできないということを含めて、あまり慌ててバタバタやるということではないというふうに思います。その下で、その立憲民主党の政策ということで、当初年内といわれていたものが、というのは報道での内容を承知していますが、まあ一言でいえば政権与党の掲げている政策との違いを明確にしていくことが大事なので、しかもその下で有権者がそういうことであればこの政党、立憲民主党に信を託そうという政策にしていく必要があると思いますので、したがってまあいわゆるその原発ゼロという文言だけにスポットが当たるということは、いま申し上げた、有権者が信頼を寄せていくというそういう次元とは少し異なるのではないかなと私は思うので、あまりそこばっかりに注目が集まるような議論であるとか、あるいはメディアの皆さんへの説明ぶりというのはいかがなものかなと思います。これはご承知のように合流新党のその結党に至る過程で、私どもとしては、これはあの「原発ゼロ」という言葉自体が、そこで働いている、原子力エネルギーに関わるところで働いている方々のある意味気持ちをないがしろにするものなので、そこは使わないように努めていただきたいというのは、これはもうオープンな形で要請もしました。綱領自体は、政党のそういう作業の過程の中ですでにできてしまったということでこの点は非常に残念ですが、ただこれからの政策を含めてのその取り組みの中ではそういう今申し上げた点については十分留意いただきたいということで、枝野代表からもそのことについては私どもの趣旨を受け止めていただいているところです。
 それから政策協定については、これは地方連合会それぞれの流儀というかやり方があるものですから、すでに個々の候補者と協定をその地方連合会の色合いの協定を結んでいるというところはあります。ただ本部段階で政党との間の政策協定は、先ほど申し上げたように選挙の時期というものを十分に睨みながら、そしてこれ今度通常国会に向けて、特に立憲民主党と国民民主党との間の力を合わせというものが具体的にどういうふうに展開していくのか、そのことを見極めた上でこの政策協定を結ぶ作業に取りかかるということだというふうに考えています。

質疑応答[9]
Q.(アドバンスニュース・オオノ氏)

 アドバンスニュースのオオノです。相原事務局長にお尋ねします。労働法制の関係ですが、年を明けると1月から育児介護法の改正とか、それから3月には障害者の法定雇用率の0.1%上げ、4月には同一労働同一賃金の中小企業、それから70歳の就業機会の確保、そしてまた中途採用比率の公表義務化など、いろいろとこれまで重たい議論や判断をしてきたものの施行が待たれています。そうした中でこのコロナ禍ということでこの辺が霞んだり、そういうことがあるような懸念というものがあるのか、あるいはそうならないための手立てというのは何かお考えでしょうか。

A.(事務局長)

 はい、ありがとうございます。育児介護法含めて、現在最前線で連合としての意見表明も積み上げているところですし、お話にあった中小における同一労働同一賃金なども、今回のこの1年を見渡しても中小もしくは雇用形態の差、女性など、先ほど神津会長からあった通りの弱いところにしわが寄っているこの現状はつぶさに確認できたわけですから、同一労働同一賃金などは、働き方改革の大きな流れの中でいえば、法律はできたけれども実践に伴わないということでは、これは少し今のコロナ禍も含めると、さらにしわが寄りかねないということですから、いくつかの重要法案がありますので連合としての取り組み方は個々に対応を決定していきますが、とりわけ先ほど申し上げたような弱いところにしっかりそれが適用されていくような取り組みを全般で強化していかなければいけないと思っています。世論喚起も含めて、36(サブロク)の日なども今まで対処してきたところですが、いくつかの新しい試みも今始めていますので、それらと結び付けていくということもあっていいのではないかなというふうに思います。個別に対応していきます。

質疑応答[10]
Q.(労働新聞・ヒラノ氏)

 労働新聞のヒラノです。協議事項の重点分野2の最低賃金の取り組みについてお伺いします。こちらの資料の34ページを見ると新設の取り組みということがありますが、現在その新設に向けてその機運が高まっている業種であったり、もしくはこれまでの中でその新設ギリギリまでこぎつけたけどまだなかなか新設まで行けなかった、そういった動きを把握されていたらお願いいたします。
 あともう1点、地域間格差ということにいくつか触れられてはいると思うんですけど、一方で全国一律というところまでは踏み込んでいない。その点について何か背景だったり考えであったりということがもしあればお願いいたします。

A.(冨田総合政策推進局長)

 最低賃金の方針の話なので具体的な中身の話ですので、総合政策推進局長の冨田からお答えさせていただきたいと思います。
 新設に対していくつか構成組織とのヒアリングの中で今後検討を進めていきたいといったような具体的な事例もないわけではないのですが、これはやはりその表明をするとやっぱり経営者団体との理解活動などにも少なからず影響があるということもありますので、複数ありますが少し今日のところは具体的な事例については控えさせていただきたいというふうに思います。業種ひとつ取ってもどの職種にするのかということも含め、とりわけサービス業などの新たなものを括る時にはそうしたところの職種の切り分けみたいなものも非常にセンシティブな内容になってたりするものですから、引き続きそれぞれの構成組織の皆さんや、それから経営者団体の皆さん方との理解活動を含めて何とか新設この先も新設に向けた取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
 地域間格差の問題の点ですが、たぶん方針の中にも目安全協の早期再開を求めていくということと併せて、どうすれば地域間格差の抜本改革につながるのか研究も進めるというふうに書いているかというふうに思います。おっしゃられた全国一律というような手法は当然地域間格差是正をしていくための手法の1つではありますが、解決方法がそれだけなのか、例えばですが、今はこれだけ地域経済格差ありますのでいきなり一律というわけにはいかず、どうすれば地域間格差というか地域経済格差をまずは是正をしていけるのかなどと様々諸外国の事例なども見ながら研究を進め、まずは目安全協の中でできることに取り組んでいきたいというふうに考えております。

質疑応答[11]
Q.ファクタ・ミヤジマ氏

 今回は年度末の会見なので伺いたいんですが、今労働セクターで困っているのやっぱり対面型サービス、これはだいたい雇用者のだいたい3割といわれていて、おそらく1500万規模と、それについて連合さんの調べで3人に1人の雇用が失われるのではないかというようなことだとしたら、それは500万規模の失業予備軍があると。来年にかけていうとやっぱり連合がやるべきことはその雇用を守るというんでしょうか、大失業といかに闘うかと、それがもう最大のテーマだと思うんですが、そこのところはっきりそれで何ができるんだろうかと連合が。春闘みたいなものも、その大失業と向き合った時に私は当然変わってくるんだろうと思いますが、その大失業というかそういうのが来るのではないかということを神津さん考えておられるのか、どれぐらいの危機感を、要するに失業率がたぶん来年の春闘の頃は5%を軽く超えてるんだろうと私は思いますが、その失業率含めまして来年の失業に対して連合はどういうふうに闘おうと考えておられるのか、労働者の連帯として、それを伺いたいです。

A.(会長)

 アフターコロナの社会像をしっかりと打ち立てなければいけないということで、今年はそこにだいぶ力をかけてやってきているわけです。それで今日の資料のその雇用生活対策本部の政策面での資料も少なからずそのことと平仄を合わせてやってきて改善もはかってきている内容です。これはですから結局元々あった不安です。それがコロナの問題で一気に顕在化しているということなんで、申し上げたいのは、それはいずれある程度の平時の形には戻ってくるものです。したがってそれまでは日本の国の信用力において、今大変な赤字国債も発行していますが、それは赤字国債を発行してでもやっぱり生活を保障しなければいけない。それはだけど緊急対応なので、やはりその先のことを考えて、これからの産業構造の変化とかAIの進展などを含めて考えれば雇用の構造が変わってきますから、コロナの問題を退けても今の仕組みではもう雇用の不安が依然として漂うということになりますので、安心感を持てる労働移動の仕組みを作っていくということに尽きると思います。したがってこうやって調査であらわになっている数字については正面から本当に直視をして、しっかりと政策立案、そのことに向けて主張を強めていかなければならないということですし、それは政策実現するためには政治と向き合うこと抜きに語れませんので、やはり来年はそういう意味で大変大きな勝負の年なんだということだと思っています。

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