記者会見 2023年3月

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2023年3月3日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加をいただきまして誠にありがとうございます。
 先月25日になりますが、賃上げへの機運を高めるための「連合緊急アクション」の一環として東京都内の芝公園から日比谷公園にかけてパレードを実施いたしました。1,100名を超える方々にご参加をいただき、賃上げの訴えをすることができたと思っております。記者の皆様にもご取材をいただきました。この場をお借りし御礼申し上げたいと思います。再来週のヤマ場に向けて、各単組での交渉が現在進んでおります。要求に対して満額での回答を得ている組合もあると聞いております。この流れを、交渉中の労使をはじめ、中小企業での労使交渉につなげていくことを期待しています。もちろん産業ごとに業績回復の濃淡はありますので、それぞれの労使が自社の業績についてしっかり向き合って真摯な協議を進めていただきたいと思っています。
 また、本日の中央執行委員会ではトルコ・シリア大地震に対する連合の救援カンパについてご確認をいただきました。3月末まで短期間で集中的に取り組み、迅速に支援を行ってまいりたいと思います。
 先月24日にはロシアのウクライナ侵略から1年を迎えました。この1年間でウクライナ側もロシア側も大勢の人命が失われ、困難な生活を余儀なくされている人々は数え切れないほどになっています。連合として改めてこの侵略を厳しく非難するとともに、即時の作戦中止・撤退を強く求めたいと思います。
 以上、簡単ですが冒頭の挨拶といたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 第18回の中央執行委員会で主な協議事項として確認いただいたことについて述べたいと思います。
 まず1点目は、開会中の第211通常国会における法案対応に関わって、その2ということで、1月の中央執行委員会で確認した9本の法案に加えて、新たに3法案についてご確認いただきました。1つ目の法案は「孤独・孤立対策推進法案」でございます。今国会での成立を求めてまいりたいと考えております。2つ目は、いわゆる「GX推進法案」について、法律の「目的」や「基本理念」「戦略」の各条文に「公正な移行」を盛り込むよう修正を求めてまいります。また、附則に「脱炭素の移行コストは、国民・企業・自治体など国全体で負担し、適正に転嫁できる環境を整備する、その際、負担の公平性・透明性を確保する」との趣旨を盛り込むよう求めるなど法案に対しては修正を求めてまいりたいと思っております。さらに中小・零細事業者への雇用への影響を適切に評価しサプライチェーンだけでなく、国・地域レベルでの目配せと強力な支援を行うことや、中小・零細企業に対する技術的支援などの環境整備を併せて行うことも求めてまいります。3つ目は、「性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案」で、現在、LGBT理解増進法案の成立に向けた動きが加速していることも踏まえて、連合は性的指向・性自認に関する差別を禁止する法律を早期に制定するよう求めている立場から、拙速な議論とならないよう求めてまいりたいと思います。
 続いて協議の報告2点目は、先ほど会長の挨拶にもあったとおりで、トルコ・シリア地震に対して2月の中央執行委員会で「連合・愛のカンパ」からITUC-AP自然災害基金への被災義援金の拠出することを確認しましたが、被災地域は広範囲におよびトルコ・シリア両国民の置かれる状況は極めて深刻であり、今後被災地では長期にわたり様々な支援が必要であることが予想されることから、救援カンパを連合として実施し、そのカンパ金を救援・人道支援を行う複数団体に拠出していくことについてご協議をいただきました。
 3点目は、中央執行委員会終了後に引き続き2023春季生活闘争・第4回中央闘争委員会を開催しました。この件についてはこの後に担当の仁平総合政策推進局長からご説明させていただきます。
 私からは以上でございます。

仁平総合政策推進局長

 本日の中央闘争委員会では、3月1日の12時時点で集約をしました要求集計について情報共有を行うとともに、今後の取り組みについて確認をいたしました。集計については別紙になりますが、中闘の確認事項の4ページをご覧いただけたらと思います。この後プレスも各社に入れさせていただきますが、表題のとおり98年以来25年ぶりで要求集計とした4%を超えるという結果になりました。概要の四角囲みのところですが丸の2つ目でございます、平均方式で賃金引き上げを要求した組合2,614組合、この平均が13,338円と4.49%ということでございました。うち、賃上げ分が明確にわかる2,069組合の賃上げ分の要求ということでは、全体で言うと2.83%ということになりますが、中小だけとってみますと3.03%ということで中小で積極的な賃上げ要求が行われているということが確認できるかと思います。その下の丸でございますが、有期・短時間・契約についても時給の要求ということで66円ということですから、一般の労働者を上回る賃金要求これも積極的に格差是正に向けて要求が行われているというふうに認識をしております。以上です。

質疑応答[1]
Q.(時事通信・キダ氏)

 国民民主党が2月28日の衆議院本会議で来年度予算案に反対しました。1月19日の記者会見の際に芳野会長は立憲民主党と国民民主党について、少なくとも重要法案に対しては足並みを揃えて臨んでほしいとおっしゃっていたかと思いますが、今回両党が一致して予算案に反対できたことへの受け止めをお聞かせください。

A.(会長)

 連合としては引き続き協力できるところは協力して国会対応に当たってほしいというふうに考えています。

Q.(時事通信・キダ氏)

 今のお答えとも少し重なるのですが、立憲民主党の中では今回の国民民主党の予算案反対を機に連携強化を期待するような声もありますが、今後の両党の関係強化で具体的に期待するところなどありましたらお聞かせください。

A.(会長)

 連合は方針の中で立憲民主党・国民民主党と連携をはかっていくという方針を立てていますので、引き続き関係性については強化できるように働きかけをしていきたいと思いますし、トップ懇談会も続けていますので、その中で話し合いを続けていきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(毎日新聞・ヨシナガ氏)

 フリーランス新法の件についてお伺いしたいんですけれども、提案が国会のほうに出されましたけれども、あれの中身についての受け止めと、特にお聞きしたいのが例えば団体交渉とかですね、集団的な交渉的のような部分については一切ないんですけれども、労働者性という点から見てどんなふうな見解を持たれているかとかありましたら、評価する部分もあればその部分も含めてお伺いできればと思います。芳野会長とどなたかお話しできる方がいれば他の方もお願いします。

A.(会長)

 では、まず私から。フリーランスに関する取引の適正化のための法整備をはかることは就業者保護に資するものと評価をしています。労働者性の早急な見直しは必須だというふうに考えています。あと担当役員からお願いします。

A.(河野総合組織局長)

 今会長がおっしゃったとおり、この法案に関する評価できる点というのは、契約に関する書面の交付であるとか電子による交付、こういったものをきちんと交わしていくということについては我々も賛同しているところであります。ただ、先ほどもありましたように、労働者性のところに踏み込んでいないということについては実態がやはり労働者に近いということであれば早急にそこは改善していくべきでありまして、そこが今回の法案については入っていないということについては今会長が申したとおりだというふうに認識しております。以上です。

Q.(毎日新聞・ヨシナガ氏)

 連合さんとしては今後またいろんな取り組みがあると思うんですけれども、労働者性についてもう少し盛り込むとかですね、修正などなどどういう働きかけをされるかっていうのを教えていただけると助かります。

A.(村上副事務局長)

 フリーランス法案、先ほど申し上げているとおり、少なくとも就労者の保護に資すると考えておりましたので、その点からは成立すべきだと考えておりますが、それが100%のものではないと考えております。特に労働者性については検討されていないということですので、これを国会審議の中で次につながる議論をきちんとしていただきたいと思います。労働者性の話は波及がとても大きく影響しますので、きちんとした議論をしなくてはいけないと思っております。国会の中だけでは足りないと思っておりまして、やはり労政審などで議論することが必要と考えておりますので、そういったところにつながるような議論が必要かと思っております。

質疑応答[3]
Q.(モリ氏)

 要求の集計についてお尋ねします。この全体で4.49%というのがですね、これ連合の要求基準の5%程度を下回ってますね。それから、賃上げ分がわかる、いわゆるベア分は2.83でこれも連合の3%を下回ってるわけですね。そうするとこれもう物価を上回る賃上げというのは無理だろうというふうに感じられるんですが、会長はどのように評価されてますか。

A.(会長)

 連合の目標は5%程度という目標を掲げて、今日ご報告したとおりの今要求になっています。要求を組み立ててる時から申し上げているとおり、産業によって濃淡があるという中でそれぞれの加盟組合が自社の経営状況、それから見通しを考えた上での集計結果が今回このような形になったということで、まさしくこれから交渉が本格化をしていきますので、今の段階ではコメントは差し控えたいと思いますが、それぞれの要求に向けて貫徹できるような交渉に期待をしていきたいと思います。

Q.(モリ氏)

 もう1つ伺いたいんですけども、今のいわゆる春闘方式ではなかなか賃上げが思うように進まないので、よくあの、日本総研の山田久さんが前からおっしゃってるんですが、政労使で基準を決めて、マクロ的に、それをまた各団体・地方で決めてですね、それを指針に賃上げをしたらどうかということを言ってるんですが、これもある意味で労働組合と経営側に任せたらなかなか賃上げは思うようにいかないということに対するご意見だと思うんですが、これについては会長はどういうふうに受け止めておられますか。

A.(会長)

 やはり賃金・処遇というのは労使自治の中で決めていくものだと思いますので、やはり政府が介入するということはあってはならないと思います。ただ、やはり今回も力を入れています公正取引ですとか価格転嫁の課題等についてはなかなか自社だけでは取り組みが強化できないという部分もありますので、そういう環境整備については政府の協力も必要ではないかと思います。やはり企業内組合ですので、それぞれの労使関係の協議がすごく重要になってくるかと思いますので、その協議を充実させていくということが重要ではないかと思います。

質疑応答[4]
Q.(日経新聞・マツイ氏)

 芳野会長に2点お願いします。まず後半の労使交渉ですけれども、自動車メーカーとかでは2月とかかなり早い段階で経営が回答するというふうな動きが目立ちます。組合が要求をする前に経営側が賃上げの水準をメディアで公表するとかですね、そういう大手企業もいらっしゃるんですけれども、スムーズに高い水準の回答が出て望ましいという考えもあるかもしれませんし、あるいは労使の議論が深まらないというふうな、そういう考えもあるかもしれませんので、回答の早期化ということについて会長はどんなふうにお考えになるでしょうか。

A.(会長)

 連合としては個別の企業と言いますか組合に対するコメントは差し控えたいと思いますが、企業サイドが早い段階で考え方を示したとしても、組合は組合で自社の状況等を勘案しながら要求を組み立てていくかと思いますので、その考え方を尊重していきたいと思います。また、今回かなり早い段階から大手の企業を中心に会社の考え方が示されていますけれども、割と、何て言うんでしょうか、企業は同業他社の状況をかなり見ている風土がありますので、いい方向にそれが向かっていけばいいなというところで期待をしています。

Q.(日経新聞・マツイ氏)

 もう1つお願いします。Googleの日本法人で労組が結成されまして、その国内のIT産業というのは組織化というのは遅れてきたんじゃないかと思うんですけど、Google労組の結成についての会長のご所感をお願いします。

A.(会長)

 全国ユニオンの加盟団体の中にユニオンを結成し取り組んでいると聞いています。今後は産別の全国ユニオンを通じて状況を把握していきたいと思います。詳細については担当役員のほうから。

A.(山本総合組織局長)

 今会長が申したとおり、今全国ユニオンの加盟になった中でユニオンを結成し取り組んでいるということですから、基本は我々としては産別と情報を共有しながら、そこの中で具体的にまた協力要請等々あれば進めていくということで、今は状況を把握しながら取り組みを進めているということでご理解いただければと思います。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 春闘に関する質問なので芳野会長か仁平さんにお答えいただきたいんですけれども、先ほどご説明があったとおり要求水準が4.49%というところで、98年以来25年ぶりの高さというお話ありました。これだけ高い要求水準になった背景・要因というのをどのように考えられているのか教えていただきたいというのがまず1点です。よろしくお願いいたします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 私のほうから。先ほどのご質問にもちょっと関わりますけど、平均だけ見ると4.49ということでありまして、実はちょっと中身を見てみますと、まさに6%近い要求をしているところも多々あり、一方では昨年までほぼ月例には手をつけられなかったところも含めて、それこそなかなか5とかいう数字にはならないところも含めて全体あわせると4.49ということだったということなんですが、それだけ事前に様々な、産別も含めて意思疎通をはかる中で、やはり今年はこれまでの流れと違ってターニングポイントにすべくしっかり踏み込んでやっていこうという気持ちが多くのところで受け止めていただいて、積極的な要求になっているんじゃないかなというふうに思っております。

A.(会長)

 やはり2023春季生活闘争は今までにない物価高の状況ということと、あと企業ごとにやはり人手不足という課題がありますので、そういう意味ではやはり「人への投資」に各労使が向かっているということはあるんではないかと思います。

Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 もう1点、芳野会長に伺いたいんですけれども、政労使会議に関する質問になるんですけれども、3月中にも開かれるというような報道も出ていますけれども、改めてその政労使会議で何を要請されたいのかというのをちょっと具体的に伺いたいなと思うんですが、これまで中小企業で働く方々や非正規で働く方々のために、価格転嫁であったりとかまた最賃の問題についてお話したいということをおっしゃっていたと思うんですけれども、例えば価格転嫁でいえばJAMの安河内会長なんかは罰則規定をもっと、罰則をもっと強化したほうがいいんじゃないかみたいな具体的なお話もされていますが、特に何かその政労使会議の場で具体的な政策・制度の要請を考えられていることがあれば教えていただきたいなというのと、その政労使会議を行うタイミングですね、3月の集中回答の前のほうがいいと考えられているのか後のほうがいいと考えられているのか、連合として最も効果的だと思われているタイミング等がお考えとしてあれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 まずタイミングのほうから。やはり今回政労使会議を要請した背景には、どうしてもヤマ場が終わってしまいますと、どうも春闘が終わったというような風潮になり報道も非常に減ってしまいますので、その意味ではヤマ場が終わってからが中小の交渉が始まりますので、そこの起爆剤になるようにということで要請をしていますので、時期的なことというふうになると3月の中旬で要請しています。具体的な日程については今事務レベルで詰めているところです。なので、ヤマ場のところ、ヤマ場前になってしまうと意味がないので、ヤマ場に入ってからかヤマ場を過ぎてからというタイミングになるんではないかなと思います。ただこれは相手があることで、今詰めていますので決まった時にはお知らせをしたいと思います。
 それからやはりJAMさんはJAMさんでそれぞれ考え方を持っていらっしゃいますが、価格転嫁の問題、公正取引については引き続き連合としても政府には投げかけていきたいというところで、詳細についてはまだ詰めているところですので、またどのくらいこちらから働きかける時間が得られるのかということもありますので、限られた時間の中で有効的に簡潔に要請はしたいなと思っています。

Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 確認で、その盛り上がりを維持したいという、中小企業の交渉に向けて盛り上がりを維持したいというのはわかるんですけれども、それであれば、ヤマ場よりも、第1回の集計が17日に出ると思うんですけれども、その後の3月下旬に開催したほうが盛り上がりの維持につながるんじゃないかなと思ったりはするんですが、それでも中旬のほうがいいというふうに考えられてるんでしょうか。

A.(会長)

 やはりその賃上げの熱を冷めさせないほうがいいと思いますので、1回冷めたものをもう1回持ち上げるって大変だと思うので、このまま行きたいというイメージです、はい。

質疑応答[6]
Q.(シカタ氏)

 先ほどの政労使会議とも絡むんですけれど、3月ヤマ場ということで、具体的な課題でですね、どういう中身を出すかっていうのは非常に注目されると思うんですね。例えば価格取引の問題とかですね、それはもう3年ほど前から言われているわけで、公取も動いてるわけで、そのあたりのレベルだけでは目新しさはないと思うんですね。そういう点では、例えばゼンセンが厚労大臣を通じて岸田首相に提出した、要求したのが4項目あるわけですが、例えば賃上げ促進税の規制をもうちょっと緩めるとか、それからあとスキル度アップの助成金ですね、これ厚労省の管轄になると思いますが、そのあたりをもうちょっと中身を上げてくれという具体的な中身があるわけですね。そのあたりについて政労使会議でですね、具体的に賃上げ促進税の中身をもうちょっと規制緩和するとか、これ非常に中小企業で大事なことで、あとはスキル度アップの場合は非正規の働き方に関わる中身なんですが、これも非常に重要な中身で、そういう具体的な中身ですね、一定の方向なり中身を出すのは極めて重要で、そういうのが活字ばっかりの中身であれば、形だけの、雰囲気も盛り上げるだけの政労使会議になる可能性もありますので、これはむしろ政府なんかはやりたがってる傾向もあるわけで、そういう点では具体的な中身で押し込んでいくチャンスではないかと思うんですが、産別なんかが出されててですね、そういう要求なんか、これは岸田総理にも言ってるわけですが、そういう中身について返事を求めるのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 はい、ありがとうございます。まさしく価格転嫁の課題については前から課題として挙げてはいますが、じゃあそれがしっかりと公正にできてるかというとまだまだ改善されてないという認識を持っています。とりわけ小さい中小・零細企業のほうからするとやはりまだまだ取引の時に叩かれていてなかなか転嫁できないということを聞いていますので、やるべきことはまだあるんではないかというふうに思っています。その意味ではやはりそのサプライチェーン全体でということもあるんですが、やはり具体的にこれから出していき、一気には改善できないと思いますので地道に改善策を提示しながら取り組みを強化していくということが大事かというふうに思いますので、そういったことも含めて要請はしていきたいというふうに考えています。

Q.(シカタ氏)

 (途中からマイクオン)…管轄になると思いますが賃上げ促進税についてはどうですか。

A.(仁平総合政策推進局長)

 担当も連合の中でいろいろございますけど、賃上げ税制については去年拡充されて、今年はちょっと拡充されてなくて、そのまま延長されているということだと思ってます。国会での質疑も若干あって、以前よりは使われるようになったっていうお話があったと思っているんですけど、ただそれでも全体とすれば数パーセントの話なので、そのへんをどうするのかで、大企業でいくと、うろ覚えで申し訳ないですけど、賃上げ2%以上したところが対象だと思いますが、中小でいくと一時金なども含めて1.5%とかいう、こういう値になっていると思っているんですけど、これだけの賃上げの流れの中でそういう水準のあり方とか、対象どうやって広げていくんだとか含めて、具体的に本当に賃上げに結びついてるのかどうか含めて、租特透明化法などの活用も含めてここは検証しながらやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思ってます。単にそれがあるから本当に賃上げに結びついてるのか、賃上げした分を単純にそういったところだけ法人税減税になるのか、みたいなことも含めて、ちょっとしっかりここは考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思っております。

Q.(シカタ氏)

 実態も出てるわけですよ。ほぼ中小には適用されないとかね、法人減税を納めてない企業は対象にならないわけで、そういう点ではもうすでに実証出てるわけでね、そこのところどう改善するかというのは、これほどその中小に波及させるという政策的判断では非常に大きいポイントになっていくんじゃないかと思いますけれども、検証の前でも結果は出てるって前提に、政労使会議に臨むということも必要じゃないかと思いますので。

質疑応答[7]
Q.(日経新聞・オオサワ氏)

 政治関連について芳野会長にお伺いします。先日の日曜日には自民党が党大会を開いて、連合や労働組合との連携強化というのを掲げた、盛り込んだ運動方針を決めました。まずその運動方針についてご所感を伺います。

A.(会長)

 連合はこれまでも共産党を除く主要政党とは政策・制度要請で意見交換をしていますので、それ以上もそれ以下もないということになるかと思います。

Q.(日経新聞・オオサワ氏)

 先日例えば自民党の小渕組織運動本部長などは、予算委員会で、政労使会議の場で労働の質の向上にも突っ込んだ議論をしてもらいたいと政府に求めるなどですね、政労使会議の開催も含めて政府・自民党とも良好な関係が築けているのかなと思うんですけれども、立憲・国民も含めてあらゆる団体との関係性について、大事な春闘において関係が築けてると思うんですけど、これまでのその取り組みについてですね、ご自身のご評価はどういうふうにされているか教えてください。

A.(会長)

 連合としてはやはり労働団体である以上、労働者のメリットになること、連合の政策・制度を実現していくことが連合の使命、私の使命だというふうに思っていますので、政策実現に向けては是々非ということで、今までもそして私自身もそういうことを申し上げてきましたので、連合の考え方にご理解いただけるところについては協力し合ってぜひやっていきたいという考え方は変わらないです。

Q.(日経新聞・オオサワ氏)

 その方針が今のところ上手く効果が上げられているという手応えを感じられて…

A.(会長)

 方向性としては上手くいってると思います。あと結果が結びつくかどうかっていうところが評価になってくると思うので、方向性としてはいい方向に行ってるんではないかなというふうに考えてます。

質疑応答[8]
Q.(共同通信・タカノ氏)

 芳野会長にお伺いしたいんですけれども、国際女性デーが近づいているのもあってお聞きしたいんですが、春闘の中でジェンダー平等のために労使で特に話し合ってほしいことがあれば改めて教えてください。男女間賃金の格差の是正はもちろんですが、細かい点では生理休暇が取れているかとか、処遇面でも考えるべきことがあるかと思うので、そのあたりのご意見を伺えればと思います。

A.(会長)

 ジェンダー平等については職場の中でやるべきことはたくさんあるかと思います。1つにはやはり男女雇用機会均等法がありますので、募集採用から、また働いている中での教育訓練ですとか、また今ご指摘のあった母性保護の視点で生理休暇などもそうですし、更年期休暇などもそうですし、やはり女性が働き続けていくための職場の中での処遇の整備というものもやっていただきたいと思いますし、また、どういう仕事をしているかによって評価に影響が出たりだとか、昇進昇格もやはり見ていく必要性があると思いますし、職種の偏りも見ていく必要があると思いますし、やることはたくさんあると思っていますので、均等法に則って職場の点検活動を行い、結果として女性が不利にならないように持っていっていただければと思います。そういったところを期待しています。

質疑応答[9]
Q.(共同通信・ノダ氏)

 芳野会長にお伺いしますけれども、今政労使会議の質疑いくつかありましたけれども、賃上げに向けて、賃上げの重要性はあると思うんですけど、政労使会議の、あるいは賃上げ、この意義というものを改めて、それに向けた決意というか改めて教えてください。

A.(会長)

 意義といえばやはり賃金が上がることによって私たちの生活は豊かな方向性に行きますし、そのことによってモチベーションが上がったり、やる気になったり、いろいろな意味があるかと思いますが、意義といえばそういったことだと思います。

Q.(共同通信・ノダ氏)

 もう1つですね、政労使会議開催に向けての決意というものを改めてこれも教えていただけますか。

A.(会長)

 政労使会議はこちらから要請をしましたので、改めて、政府・経営者そして労働組合として賃上げに向けていわゆる心合わせをしていくということと、やはりこの間も言ってきたとおり、中小それから非正規雇用労働者の皆さんの処遇改善というものを、いわゆる言い方がどうかというのがあるんですが、「底上げ」をしていくことがすごく重要ですので、そういったことについてお話を改めてさせていただきたいと思っています。

Q.(共同通信・ノダ氏)

 すいません、続けてなんですけども、もう統一地方選がはじまるまでひと月足らずとなりましたけれども、これに向けてのお考えと、あとどちらかの選挙区と言いますか、応援演説とかに入られるようなご予定あるいはお考えというのはあるんでしょうか。

A.(会長)

 国政選挙ではなく自治体選挙ですので、それぞれの地方連合会中心になるかというふうに思いますので、私が地方に入るということはおそらくないと思います。

Q.(共同通信・ノダ氏)

 ごめんなさい、最後にもう1つだけ。今年10月に改選があると思うんですけども、1月の年頭記者会見では「慎重に判断したい」というふうにおっしゃってたんですけども、改めてお考えをお聞かせください。

A.(会長)

 役員推せん委員会の中で議論をされますので、その結論を待って慎重に判断していきたいと思います。

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