芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2024年5月16日)
大変お疲れ様でございます。本日も定例記者会見にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
はじめに先月末に開催をしました第95回メーデー中央大会に際して、メディアの皆様にはご取材をいただきましたことを冒頭感謝申し上げたいと思います。式典が始まる前まで小雨混じりの天気でしたけれども、雨も上がり大きな混乱もなく開催をすることができました。全国各地で開催をしましたメーデーの取り組みに対しましても、それぞれの地域のメディアの皆様にもご取材をいただき、私の立場からも感謝を申し上げたいというふうに思います。ありがとうございました。
次に、2024春季生活闘争について触れたいと思います。先週、第5回集計結果を公表しております。こちらについても報じていただいておりますとおり、ヤマ場から2ヶ月が経過しても5%を超える賃上げ率を維持しており、今次闘争の基本方針に掲げた目標を達成しています。本日、今次闘争の中間まとめを確認し、ここまでの成果をステージ転換に向けた大きな一歩と評価をいたしました。詳しくは後ほど仁平総合局長よりご説明をしますが、現時点においても一定数の中小組合が交渉中ですので、ここまでの成果が交渉結果に波及し良い結果となるよう期待をしております。そのような中で、先週は3月の毎勤統計調査が公表され、24ヶ月連続で実質賃金がマイナスとなりました。しかし、春季生活闘争の成果は今後の給与改定に反映される企業が大部分を占めていますので、この後の動向を見守りたいというふうに思っております。いずれにしても、物価高や円安による国民生活への影響は続いておりますので、今次闘争の成果が少しでも生活改善につがることを願っております。
次に能登半島地震について触れておきたいと思います。発災後に全国で行いました救援カンパからの義援金を4月下旬から今週にかけて、新潟・富山・石川・福井の各県にお届けをしてまいりました。こちらにつきましても、多くのメディアの皆様にご取材をいただきました。ありがとうございました。避難生活が長引く中で、この義援金が少しでも被災地の皆様のお役に立てれば幸いというふうに思います。引き続き、石川県での連合ボランティアを通じて被災地に寄り添った取り組みを進めてまいりたいと思います。
最後に、4月28日に行われた衆議院3つの補欠選挙について触れておきたいというふうに思います。いずれも立憲民主党の候補が当選をいたしました。自民党の裏金問題による有権者の怒りや不信感が野党への投票に結びついたものと受け止めています。また、保守王国と言われる島根1区では、立憲民主党はもちろん国民民主党県連と構成組織も相当の取り組みを行っていただいたと聞いており、良い形での勝利につながったことを大いに評価をしたいというふうに思います。このような情勢も踏まえ、本日、当面の国政選挙に臨む連合の、連合としてのスタンス確認をしましたので、今の政治をリセットすることを目標に掲げ、連合としてもさらに努力してまいりたいと思います。
以上、簡単ではございますけれども冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
今日、協議事項でいくつか報告をしたいと思います。
まず、昨年4月に成立をした、いわゆるフリーランス法に基づいてですね、「特定受託事業者」、いわゆるフリーランスの方々が労災保険に特別加入できるようになるということが法律上決まっております。今までであれば、建設業の一人親方などに限られていた特別加入制度が、他のフリーランスの方にも新たな枠組の特別加入団体を通じて加入ができるようになると、可能になるという内容でございます。連合としては、労災の特別加入団体の設立に向けて対応を協議する、設立を連合は行っていくということでございます。具体的な設立については7月の中央執行委員会で提起し、8月末にも設立を予定しています。11月に法律が施行されますので、それに備えていきたいということで、今日設立する方向性についてご確認をいただいたところでございます。それが1点目です。
2点目は選挙に関わることでございます。まずは、選挙に関わってですね、第50回衆議院選挙に関わって、今日は全体で、5地方連合会から5名の方の申請がありました。いずれも推薦するということで決定をしまして、累計これで38地方連合会149名の推薦決定を連合として行ったということでございます。もう1点は第27回参議院選挙、来年のですね、参議院選挙に向けての推薦決定についても今日お諮りをいたしました。比例代表について、新たに比例代表の候補として、来年の参議院選挙でお二方の推薦を今日決定いたしました。前回までに決定したことを含めて、比例代表がこれで5名、そして選挙区について1名ということが累計で確認をできたところでございます。そして、冒頭会長からもありましたが、第50回衆議院選挙の基本方針についてですね、この基本方針については昨年に既に決めていたわけですけれども、それを本日一部補強・修正をかけてですね、基本的な案として確認をしたということでございます。そういった流れの中でご協議をいただいたということであります。昨年11月に決めました基本方針で、それに基づいて候補者の推薦を行ってまいりましたが、通常国会が間もなく1ヶ月と、残り1ヶ月あまりというふうになっております。また、いわゆる政治とカネの問題であったり、あるいは先ほど冒頭挨拶ありましたように4月28日の衆議院の補欠選挙の情勢、こういったことを鑑みてですね、連合としての補強・修正を行ったということであります。連合のスタンスとしては、第50回の衆議院選挙の基本方針については、「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」することを明確な目標として掲げるということでスタンスを確認いたしました。政党との関係については、立憲民主党と国民民主党には現与党に代わって政権を担い得る、もう1つの政治勢力の結集の核となることを期待をすると、そのためには両党が納得する形で根幹に関わる政策で合意することは必要だと、そして連合の出身議員の政治懇談会の協力を得ながら、連合としては様々な働きかけをしてまいりたいというふうに思っております。そのための政党との申し合わせについても今後はかっていきたいと思います。立憲民主党・国民民主党の両党との間で、一定の合意を経てですね、両党と連合の3者で申し合わせ、政策協定でありませんが、申し合わせを行った上で「支援政党」と位置づける、これまでは「連携する政党」でしたが、それを「支援政党」ということで1段アップをしてですね、両党との関係を深めていきたいというふうに思います。戦術面としては、立憲民主党と国民民主党が他の党あるいは会派と行う候補者調査については尊重してまいるということです。ただし、めざす社会が異なる政党等からの“支援”は別だということで、この部分は前の基本方針にも当然入っているということで、いわゆる共産党を念頭においた表現であります。そして、候補者推薦については、連合としての候補者推薦の考え方はあくまで「人物重視・候補者本位」ということについては基本的に変えずにやってまいりたいというふうに思います。なお、教育無償化を実現する会については、結党時ですね、様々経緯がありました。それに対する批判も強くございます。また、その後の、日本維新の会との協力関係に由来する懸念が様々あるということについてもご指摘を受けているところでございます。しかしながら、教育無償化を実現する会が掲げている基本的な政策について、あるいはこの間の国会での動きも含めた活動状況を鑑みて、教育無償化を実現する会に、その会に存在する限りにおいては、同会に所属する候補者への、地方連合会が推薦をされることについて妨げるものではないということで、今日確認をさせていただいております。比例代表選挙に関わっては、比例代表選挙における投票行動のことについて確認しました。地域事情に応じて、各地方連合会の取り組みを最大限尊重しつつ、各構成組織の判断に委ねるということです。ただし、立憲民主党・国民民主党を支援政党と位置づけた場合においては、その投票行動においては選挙区における連合の推薦候補者の有無に関わらず、立憲民主党または国民民主党のいずれかを比例代表の候補として、取り組んでいくということについて今日確認をしたところでございます。
協議事項の後に、年金に関する調査について、これも5月14日にすでにプレスリリースしておりますが、それについての説明が行われました。また、その後、中央執行委員会の終わりに、第6回中央闘争委員会ということで春季生活闘争の中間まとめについて確認をいたしました。これについては、総合政策推進局長の仁平から申し上げます。
はい、緑の合紙、中央執行委員会の資料が冊子で配られている方は緑の合紙の後ろでございます。4-1というふうになっておりますが、本日の中闘では2.のところですけど、今、大体妥結の進捗度が全体の組合数でいくと75%くらいですので、残り1/4がまだ交渉しておりまして、引き続き支援していくことというのを確認したというのと、今、事務局長からもございましたが、再来週に中央委員会がありますけど、ここに提起する中間まとめについて本日ご確認をいただいたということでございます。
まず、先週公表した第5回の集計結果についても、もう投げ込んで記事にしていただいているわけでございますが、20ページのあたりをご覧いただきたいと思っております。一番数の多い平均方式のところを見ていただきますと、現在3733組合ということでございますが5.17%、中小でいきますと4.66%ということであります。前回と比べましてコンマ2のところでちょっと動いておりますが、基本的には水準を維持ということかと思ってます。その下、賃上げ分が明確に分かる組合の集計ということを出しておりますが、これはいわゆるベア分の集計ということでございますが、全体で3.57%、そして中小のところで3.22%ということで、これは消費者物価の過年度物価上昇も発表されましたが、それが3.0%ということでありますから、両方とも全体としてはクリアしているということかと思ってます。21ページの③でありますが、有期・短時間・契約等労働者の時給のところでございます。加重平均でいくと65円ということで、率の表示をしておりませんが6%台ということで、これ連合が時給のこの集計を始めて、初めてのことということになります。
それでは「まとめ」のほう、ちょっとポイント絞って提起したいと思っております。3ページ、資料の4-2ということをご覧いただきたいと思います。記者会見後もレク予定しているので、本当にかいつまんでということにさせていただきたいと思っております。全体の受け止めの評価の○のところでありますけど、91年以来となる5%台と、賃上げ分いわゆるベア分でいくと過年度物価上昇の3%を上回っているというのが今の現状であります。この段落の一番最後でありますが、会長からもございました、「ステージ転換に向けた大きな一歩」だというのがわれわれの評価でございます。昨年は、ちょっと補足説明させていただきますと、昨年は四半世紀続いてきた2%台の賃上げが動いたという意味で転換点となったわけでございますが、生活向上までは届かなかったというのが去年の状況かと思います。今年は、昨年を超えて生活向上をめざしてみんなで取り組みました。全体で5%台という結果でございます。そういう意味で、「ステージ転換に向けた大きな一歩」というふうに表現をさせていただきましたし、この流れを中期的に継続して物価と経済を安定軌道に乗せていくと、そして、その中で働く者の生活向上の流れがしっかりと定着していくということが課題なのかなと、その意味でステージ転換が完成したということではなくて大きな一歩なんだという評価にしております。その要因について、下4点ほど大きな視点で書いております。経済面のところで、物価と人手不足などの環境要因もあるわけでありますが、言ってみればそれだけではなくて、3番目、労使の問題意識の共有化が深まったこと、あるいは4番目でありますけど、連合方針を受けて積極的に要求交渉を進めていただいたことがまさにこの結果に繋がったんじゃないかというふうに分析をしております。もう1点だけちょっと付け加えさせていただきたいと思っています。4ページのところでございますが、3.格差是正は進んだか、と書いてあるところでございます。先ほども見ていただいたとおり、中小も昨年に比べると1.31ポイントほど上積みをし、全体的に健闘していると言っていいと思っておりますが、しかし全体の5%台には乗っていないわけであります。その原因の1つとしてということで、次に書いてございますが、労務費の指針等は出されたわけでありますが、実際に価格転嫁が進んだのかというと中小企業のほうがなかなか進んでいないというところが1つの課題ではないかということで、6行目くらいにありますけど、適正な価格転嫁、公正取引、それと生産性の向上など含めて、継続的にこの格差是正を進めていけるような環境を作っていくことが次に向けた課題ではないかということで記載をしております。あとはご覧いただきたいと思っております。以上でございます。
テレビ東京のオノと申します。芳野会長にですね、テクニカルなことじゃなくて全体的なこととしてですね、今回の春闘の中間取りまとめ、今日発表されたGDPでも個人消費が伸び悩む…ダイハツの件ももちろんあったんですが、4期連続で個人消費マイナスっていうリーマンショック以来の状況になってます。この現在の状況ですね、個人消費の状況、これをどう見られてるかと、今回その結果がですね、このような今経済が本当に好循環になるかどうか分からないような、ちょうどポイントとなってる思うんですが、この賃上げによって本当に打破できるという感触を感じられているのか、もしくは本当に打破するためには何が必要なのかとお考えなのか、そこについてのお考えをお聞かせください。
はい、ありがとうございます。現時点ではやはり30数年ぶりの成果が出ていますので、今後、給与改定がほとんどの企業が4月からになりますので、今後これが反映されていくことを期待したいと思います。やはり消費については、おそらくこの間、何て言うんでしょうか、物価が上がっている分、多くの人たちが切り詰めた生活をしていると思いますので、今年賃上げが良い経過は出ていますが、だからと言ってすぐにそれを消費に回すかというと、なかなかこう生活水準ですとか生活スタイルをすぐに変えるというのはおそらく難しいのだろうというふうに思います。その意味では、賃上げに対することもそうなのですが、私たちのマインドを変えていくということを今後も継続して言っていきたいと思いますし、賃上げは今年で終わるわけではありませんので、この賃上げの流れを2025春季生活闘争にもつなげていきたいと思っています。そして、この間も申し上げてきましたけれども、やはり労務費を含めた価格転嫁ができることによって、中小・小規模事業所いわゆる底上げに向けていきますので、今後もここに力を入れていきたいというふうに考えます。
中小企業の底上げができれば、この消費の動きも底堅く広がっていくというふうなことでしょうか。
それも1つだと思います。
共同通信のヤマザキです。芳野会長に伺います。次期衆院選の方針について、立憲・国民両党で国の根幹に関わる政策で合意が必要とされてますけれども、連合が考えるこの根幹に関わる政策っていうのは何かということと、連合の政治方針では、どういう、それらについて見解を持たれてるか教えてください。
基本的な政治方針は変わっていませんので、今後、立憲民主党・国民民主党とのトップ懇談会の中で詰めていくことになるかというふうに思いますが、一番重要なのは国の基本政策の部分かというふうに思います。
すいません、もう1点、立憲・国民両党で一定の合意を得たあと、支持政党に位置づけるというような話もありますけれども、今の連携政党との違い、具体的な違いっていうのは何かということと、これが継続的なものなのかこの衆院選に限ったものなのかということ、あと、結構大きな変化だと思うんですけど定期大会とかじゃなくてこのタイミングで変えられた理由を教えてください。
私のほうから、まず今まで申し上げたように「連携する政党」ということで、そもそも連合は政党が1つであったいわゆる民主党であったり、民進党もそうでしたが、その時にはまさに「支持政党」ということで、選挙においてもですね、その政党に属する議員、候補者については、すべからく推薦するという方式で、支持ということはそういうことであります。それがですね、両党が様々な経緯があって今のような形、2つの政党に分かれてしまったということを含めて「支援政党」ということで、そこに所属していればイコール推薦ということではないという、そういった意味では「支持」ではないということの確認を、定期大会、機関会議でずっとしてきております。今回は、やはり両党を軸にしながらの現与党に代わる大きな勢力となるべきという連合の基本的な方針は変わっていませんので、そういったことを促す意味でも、少なくとも両党においては候補者調整含めて、また基本政策、今申し上げたような根幹に関わるような基本政策についても議論をした上で、両党が一定合意ができる部分で、政策協定までいきませんが、前は政策協定を結んで「支持」政党でしたけども今は政策協定までは無理だという両党のお考えもございますから、合意できるもので、私たちとすれば「連携」から「支援」の政党ということで一段階アップするという意味では捉えていただいて結構だと思います。
このタイミングでと、定期大会等じゃなくてっていうのはやっぱりこの衆院選を見据えて、参院選でもこの支援政党にもう格上げになった場合は継続するということ、もう一度参院選の時にはまた再度確認するっていうことになるんですか。
はい、衆議院選挙と、参議院選挙も本来であれば1年前には基本方針を決めていくというのが本来のあり方なんですが、現在その衆議院が解散の時期に近づく状況にあります。で、去年の12月に基本方針を決めた時とやはり情勢大きく変わったということで、この政治とカネの問題もそうですし、この間の与党の様々な運営あるいは国民の信頼度も含めてですね、支持率も落ちているということを含めて、今回のその選挙、総選挙については、やはり過半数割れに追い込むような形の選挙も展開も十分あり得ると、そういう中で両党においてはさらに連携を強化する、そういった意味において連合としても今回のこの形、いわゆる支援政党と位置づけるということであります。情勢が変わったっていうことです。定期大会、大会にしないのはもうある意味まだまだ6月解散というのもあるので、ここで一定方針を決めるということです。
読売新聞のソバタです。先ほどと同じ質問の関連なんですけれども、確認なんですけれども、連携政党から支援政党になることによって、比例は立憲か国民のどちらかですということになる以外に、連合からのその支援体制が何か変わったり、より強化されたり、そのやっぱり今までとどう違うのか改めて教えていただきたいんですが。
はい、候補者推薦については「人物重視・候補者本位」というその基本は変わっていませんので、それぞれの地方連合会の中で、同じくその国民・立憲に所属する議員の皆さんでも、地域の中でどれだけその地域の要望に応えたり、地方連合会とともに運動を進めているかといったことについて、あるいは様々な考え方、そういったものについて一人ひとり「人物重視・候補者本位」でしっかりと見られることになります。その上でそれに値するということがはっきりして、そして地方連合会が推薦という形で決定をできる、そういった人物であれば、より今まで以上に当選に向けて様々な支援をしていくと。それも支援政党で今比例代表選挙のことを申し上げましたが、いずれか、両党のいずれかにするということですから、その前に一言入っていたと思いますが「連合推薦候補者の有無に関わらず」ということですので、ある選挙区は国民、ある選挙区は立憲がいないというところにおいてもですね、他の選挙区の立憲の方がいればそこをやると、つまり様々な意味で両党をしっかりと、産別の判断がありながらも、両党を支援していくと、そういった意味ではこの言葉にすることによって構成組織・組合の皆さんに強く働きかけをするという意味が込められています。
もう1点芳野会長にお伺いしますけれども、「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」すると、この言葉に込めた会長の思いを聞かせていただけますか。
はい、この間も申し上げてきましたけれども、今、自民党の政治とカネの問題で国民の気持ちというのは政治不信がかなり広まっていますし、国民一人一人の怒りも非常に強まっているかというふうに思います。その結果が補選の3選挙区の現れだと思いますので、私たち立憲民主党・国民民主党を支援している連合としては、やはり今の政治を変える最大のチャンスだと思っていますので、その意味でリセットをして新たにという思いが込められているということです。
共同通信のタカノと申します。芳野会長にお伺いしたいんですけれども、先日、政府が矢田稚子首相補佐官を座長として、関係省庁を集めて雇用分野における女性活躍の推進を話し合うチームを発足させました。連合さんは男女共同参画会議や労働政策審議会に参画されておりますけれども、このチームの発足をどのように受け止めるか、また、今後の向き合い方についてご意見あればお聞かせいただければと思います。
はい、ありがとうございます。このプロジェクトチームについて連合としては説明を何も受けていません、ということが1つと、あと、今ご質問の中にあったように、連合としては労働政策審議会そして男女共同参画会議、そこに紐づいている影響調査会に労側として出席をしています。これらはILOの三者構成原則に則った会議体なわけです。今回のプロジェクトが発足されたということは、この三者構成原則に則った審議会を軽視しているのではないかというふうに感じております。この間も、女性活躍ですとか男女間賃金格差というのは、労働政策審議会や先ほど言った男女共同参画会議や影響調査会ですとか、そういったところで議論を積み上げてきているということがあります。もう1つ、厚生労働省では男女間賃金格差是正のためにというガイドラインを出したり、男女間賃金格差の研究会報告が出されたり、そこで何が問題なのかということが厚労省から出ているにもかわらず、その課題解決をこの間政府はしてこなかったわけですので、それはしっかりと審議会の中で議論をし、課題解決をしていただきたいと思います。
日本経済新聞のイダです。よろしくお願いします。すみません、ちょっともう一度賃金のところについてお伺いしたいと思います。会長、冒頭の発言の中でも実質賃金に言及されておりました。おっしゃるとおり足元24ヶ月連続で実質賃金がマイナスになっていて、マイナスが続くのは統計がはじまって以来最長になっているという状況です。ただ会長の冒頭の発言中では今後の給与改定に反映されるというふうなところもおっしゃってましたが、すると会長としては4月以降その実質賃金がプラスになっていくというところに期待を持たれてるという認識でまずいいのか、そのちょっと伺ってもよろしいでしょうか。
はい、期待をしております。
4月、早い段階で出てくるという、効果が出てくるというふうに思われてるのか、それともだんだんとこう上がっていくようなイメージをお持ちということなんでしょうか。
今の段階では労働組合のあるところが賃上げ、春季生活闘争の交渉が終わり、そして中小についてはまだ1/4が交渉中ですけれども、労働組合のないところについてはおそらくもう少し時間がかかるのではないかなというふうに思いますし、そこがどれだけ賃上げできるのかということにもよりますけれども、連合の集計では今回かなり水準が高いですので4月以降の給与が反映されたものについての期待は非常に大きく持っています。
ありがとうございます。すみません、もう1点お伺いしたいんですが、ちょっと少し気が早いかもしれないんですが、今回その第5回の集計の段階でも目標の5%を達成されて、来年以降ですね、賃上げを継続していくにあたっての目標設定は今回の5%というのは、例えばそのベースとして来年も5%、同様の水準を求めていくことになるのか、もしくはその来年以降はさらに高い水準を連合として目標にしていくのかという、ちょっと来年の春闘に向けた現時点での会長のお考えと、あと、この6月からは最低賃金の話し合いも始まるところですけれども、今年のこの最低賃金改定に向けた現時点での会長の方針というか、お考えについてもお聞かせ願えればと思います。
最賃のところは仁平総合局長のほうがいいかと思いますが、来年の春季生活闘争についてはやはり連合として総括をした上で、例年でいきますと10月から11月、そのぐらいになるかと思いますが、それぞれの構成組織の状況を勘案、見ながら、目標を決めていきますので、今の時点ではコメントは差し控えたいというふうに思います。今後も持続的に賃上げを行っていくということを考えると、やはりまた繰り返しになってしまいますけれども、労務費を含めた価格転嫁、そして私たちのマインドをどのぐらい変えていくことができるのかということが重要かと思いますので、途切れることなく、たぶん総括が終わると春季生活闘争の話題ってあまりなくなってきてしまいますので年間通じてこれが話題になるように、こちらとしても来年の春季生活闘争をめざしては戦略を考えていきたいというふうに思います。あともう1つは、地方版政労使会議が今年は濃淡はあるものの、しっかりできた地方連合会については成果があったという意見を聞いています。今回は11月に要請をし、12月に厚労省が動いて、1月から3月の間に地方版政労使会議が実現できたわけなのですけれども、急遽の取り組みだったということで、47都道府県で濃淡があったかと思うのですが、これは連合としては継続していきたいというふうに思っていて、2025春季生活闘争では賃上げに向けてこちら側の趣旨に則った政労使会議が実現できるように、もう一度こちらも周知したいと思いますし、政府のほうにも引き続き要請は出していきたいと考えています。
12月に方針はもう確認をしているものですから、基本方針としては、もう1回繰り返しさせていただきますと、特に地賃の話でいけば、政府は加重平均1000円、次の目標ということで1500円って言ってますけど、連合としては「誰でも1000円」ということでありますので、2年程度をめどに全都道府県での1000円以上ということに取り組んでいくということが1つ焦点なんじゃないか。この間もそうですけど、3要素を踏まえながらどのように今年決めるのかといったことについては各地方連合会とも意見交換をしているところでありまして、6月からはじまるであろう審議会に臨んでいきたいと思っております。
朝日新聞のキタザワです。芳野会長にお伺いします。上場企業の今年3月期の決算発表が大詰めを迎えているわけですけれも、企業全体としては純利益が過去最高の見通しになるなどかなり高い水準での企業利益が出ているところです。この状況を踏まえて、企業の賃上げ余力というものをどういうふうに見てらっしゃるか、昨年や今年の春闘結果や今後の賃上げの持続性なども踏まえてお伺いできればと思います。
ありがとうございます。経済を好循環に回していくということを考えれば、利益水準がいい企業についてはやはり「人への投資」を積極的に行ってほしいというふうに思います。ただ、春季生活闘争は個別労使の間での協議交渉になりますので、今後それぞれの組合が状況を鑑みながら要求を組み立てていく、方針に則って要求を組み立てていくかということになると思いますけれども、企業の状況をしっかりと受け止めながら要求を組み立ててほしいなと思います。
東京新聞のアツミと申します。会長に伺います。厚生労働省で労働基準法制の研究会が進んでるかと思うんですけども、前回会合を見ますと経団連が裁量労働制の拡大とか労働時間規制の緩和を強く主張している状態なんですが、これまでの議論の展開どう受け止めてらっしゃるかというところを伺えればと思います。
経団連の基本的な考え方としては、多様な働き方に対応するために法はシンプルにして労使自治を軸にデロゲーションを拡大するものというふうに理解をしています。この点が連合の考え方と決定的に違う部分です。労基法はやはり労使の力関係に差があることを踏まえ、労働者保護の観点から労働時間等の最低基準を定めたものです。この最低基準の解除を大幅に労使に委ねることは労基法の存在意義を否定するもので、行うべきではないと考えています。労基法の強行法規制は堅持すべきでありますし、そもそも柔軟で多様な働き方は現行法制でも可能であって、緩和する必要はないのではないかというふうに思います。
朝日新聞のサワジです。2点あるんですが、1つはこの特別加入の制度に…団体について、具体的にどのくらいの数集めたいのかっていう目標があるのかっていうことと、あと、それぞれのフリーランスへのアプローチの仕方ですが、現行のWor-Qを見ると、申し訳ないですけど必ずしも十分集まっていると言えないという状況の中で、事務局はどういう形でアプローチして数を増やそうとしていくのかってあたりのお考えが1点と、それから先日のその3補選に対する評価で、島根については先ほど会長から言及があったんですが、東京については何も言及がなく、東京の選挙協力の体制について会長は常々批判されていたので、その批判を踏まえて今回の結果はどういうふうに受け止められるのかっていう、以上2点お願いします。
(事務局に)フリーランスのところ、担当者はいますか。目標とアプローチの仕方。
前期まで担当しておりましたので。まず目標はですね、この特別加入団体を設立するタイミングぐらいで、ある程度今シミュレーションを行っておりますけれども、この考え方でいくとどのぐらいが収支プラス・マイナスのギリギリのところかということについては、今まさに試算中であるということで、特別加入団体設立(の提起)がある7月ぐらいのタイミングの中央執行委員会で出せるような感じで進めていきたいというふうに思ってます。 2点目は、やはり今のWor-Qの現状では会員数がまだまだ1200名程度でありますので、サワジさんおっしゃるように、いろんなフリーランスを関係する団体のところに私たちが積極的にどれだけアプローチできるかということが大きなポイントになろうかと思っておりますので、今そちらのリストも整理をしながら取り組みを展開していくということにさせていただくということになっております。以上です。
東京15区の関係ですけれども、今日、先ほどご説明した衆議院選挙基本方針の一部補強・修正のところで、補正のことが書かれているんですけれども、今回その15区の場合には共産党からの支援をもらっているということで連合東京が推薦を見送ったということです。それを連合本部としては尊重をしたということで、連合としては選挙情勢を見守るということです。後にも先にもそれだけです。
毎日新聞のタナベと申します。会長にお尋ねします。春闘で高めの回答が続いていますけれども、この理由なんですけれども、企業の業績だったり労使の努力だったりというのがあると思いますけれども、一方政府も賃上げだったり…賃上げの税制だったり、下請けの関係だったりっていう政策は出していて、このへんの効果というのを感じる段階にあるのか、それともまだ不足している、今後出てくるだろう、そのへんどのようにお考えでしょうか。
はい、ありがとうございます。2024の中間まとめから考えますと成果は出てきているのではないかというふうに判断をしたいと思います。ただ、まだ最終的な総括はしていませんので、そこも見守りつつということになるかと思いますが、昨年と違って今年はやはりその賃上げのムードと言いますか、賃上げに対する状況は昨年よりも今年のほうがかなり注目も集めましたし、大手を中心にやはり「人への投資」に向かったということも大きかったのではないかと思います。ただ、この間も申し上げてきましたが、業績のいいところは放っておいてもそれなりの水準に行くと思うんですけれども、私たち連合としては底上げがどのくらいできるかということですし、労働組合のない企業にこの賃上げがどれだけ波及できるのか、環境を作れるのかというところが、私たち連合の役割かというふうに思いますので、そういう点では最終的に労働組合のないところもどのくらいの賃上げができたのかというところを見て、そのムードができたかどうかというのも判断をしたいと思いますし、この流れは、先ほども申し上げましたが、来年につながるように様々な取り組みをまたしていきたいと思います。
毎日新聞トウカイリンです。すみません、2点お願いします。1点はですね、選挙方針の中で過半数割れに追い込むということなんですけども、過半数割れに追い込むのと政権交代をめざすというのは言葉の意味が違うのかという質問が1点で、もう1点は実質賃金、これは本当に影響がどれほど出るか後にならなければ分からないっていうのは本当に確かにそのとおりだと思うんですけども、一方で非正規労働者に関しては連合の6%の回答というのがあってですね、正規以上に上がってるっていう、それもうまく波及すればいいなと思ってたんですけども、実際は規模間格差があって、中小とかの非正規はもう半分も上がってないと、3%も上がってないという状況が、これ連合じゃないんですけども全労連の結果なんかそうなんですね、そう見た時に、その4割近い非正規がそういう状況ではやっぱり実質賃金が上向くということにならないんじゃないかと、やっぱりこの非正規対策をどのようにするのかっていう、会長がずっと波及波及とおっしゃっていて、そのとおりだと思うんですよね、それをどういうふうにやっぱり本当にどう動かしていくのかっていうところを会長はどう考えているのかというのが、もう1点だと思います。で、その政労使会議で賃上げの心あわせができたっていうことを芳野会長おっしゃってたんですけども、非正規に関しては心あわせは出来ていたんでしょうか、という、これを最後に質問します。
はい、リセットと政権交代のことですが、その先にあるものはっていうことであれば同じラインのところにあるのかもしれませんけど、言葉としては違いますし、そもそも過半数に例え今回割ったとしてもですね、政権を取るためにはやはり参議院も逆転しなければいけないので、はっきり言って参議院の今の状況で言えば2回はかかるんじゃないかな。6年、来年の参議院とその次の参議院、ここをしっかり勝たない限り参議院での逆転ができないと、それはやっぱり政権交代という形にはなかなかならないだろう。で、過半数割れに追い込んだ結果ですね、私たちとすれば両党を軸にどういった選挙後に、過半数与党が割れた時にどういったものが生まれるのか、そこも見定めていく必要があろうかというふうに思いますし、そもそも今裏金問題などで国政が非常に停滞してますから、まずは、今の与党でない形でそのことをきちっと話し合えるような、そういった形での総選挙を通じての形がまず出来ることが必要じゃないかと。政権交代はその先の十分な国のあり方等を踏まえた上で、選挙が終わった後に、過半数割れた後にですね、それぞれの野党も含めて協議をすることかなと思っています。そういった意味では2段階にしているということであります。2段階ですね、少なくとも参議院を取らない限りは政権交代とは言えないかなと思います。
はい、ありがとうございます。2つ目の質問について。非正規雇用労働者の部分については今回UAゼンセンさんが非常に成果を出していただいたかというふうに思います。政労使会議の場でも、中小・小規模事業所とあわせて、「非正規雇用労働者の賃上げが必要だ、底上げが必要だ」ということを、連合としては訴えてきていますので、これは引き続き訴えていきたいと思います。それとあわせて、今回の中間まとめの中にも書いてあるのですが、やはり労働組合のあるところのほうが賃上げを達成できていますので、非正規の組織化について引き続き力を入れていきたいと思いますし、また最賃もしっかりと取り組みを強化していくということもあるかと思います。
シカタと言いますが、春闘の評価に関わって要求基準についてお聞きしたいんですが、連合は5%以上出して結果は5%以上ですが、ここでは非常に評価されてるんですが、ナショナルセンターの要求で「以上」を付けても、要するに要求を上回ったのはじめてなんです。連合春闘34年でね、構造改革だけを要求した時はプラスがありますけれど、そうでない時にナショナルセンターが出した要求でそれ以上の回答ができるというのは連合春闘34年でもはじめてだし、春闘69年でもはじめてなんです。ということは、万々歳じゃなくてね、実は要求基準そのものが問題じゃなかったのかということで、これは今年の要求づくりの時も議論があったわけですが、もう少しですねナショナルセンターの進めた要求のそれ以上の回答が出るっていうあたりについては、もう少し真摯に反省を含めて論議してもらいたいと、要するに基準それ自身が低かったんではないかという、要するにその物価ミニマムとかねではなくて、生活向上とか人への投資とかね、成果配分とをきっちり考慮した要求根拠っていうのを組み立てていかないとね、こんな34年の要求でね、ナショナルセンターの要求を上回るような回答が出ることになりますんで、そのあたりは今後検討してもらいたいというのが1つです。
それからもう1つは、この春闘(の中間まとめ)見たらね、国際比較が出てないんですよ。連合の方針の中には世界から遅れた水準を回復するってのがあったわけですけれど、今年連合5%取っても、欧米なんか見れば力を背景に5%以上の回答を取ってるわけですよ。ということは、連合が掲げた世界との水準から見れば追いついてないわけでね、そのへんは今後課題としてきっちり文章の中に入れておく必要があるのではないかと思うんですが、ぜひ芳野会長の見解をお聞きしたいと思います。
今回連合の目標は5%以上という中でそれぞれの加盟組合の皆さんが状況を鑑みながら要求を組み立てて、結果的に要求以上の回答を引き出したっていうのは、私としてはやはり労使協議交渉の中で引き出せた組合の成果だったのではないかと思います。ただ、シカタさんご指摘のとおり、要求が低かったんじゃないかということについては最終的な総括のところで振り返り含めて議論をしていきたいと思います。
ファクタのミヤジマです。要するに「今の政治をリセット」って非常に強い言葉でメッセージ性強いと思うんです。その一方で、いわゆる明確な支援と言ってるけどはっきり「支持」と言いきれないのは、ここに書いてあるように、共産党から支援を受けるのは矛盾だし、共産党からそういうところとやってる限りはやっぱり本当の意味での100%支持はできないと、「改めて政党側での整理を強く求めていく」と書いてありますね。ここをちゃんとしてくれたら、さっきから連携とか支援とか言ってますけど、名実ともに政権交代めざす「支持」ということが言えるのか、この部分がもういつもなんかよくわけわかんないですね、連合のほうは整理されているんですよ、東京の推薦をやめるとかね、結局だからここの要するにその申し合わせも含めましてね、「改めて政党側での整理を強く求める」っていうのはどれぐらいの決意で、支援するからにははっきり両党に言わないといけないと思うんですけど、芳野さんからそのへんのお考えを伺いたい。
連合としては引き続き両党には連合の考え方をしっかりと伝えていきたいと思いますし、事務局長からは今回の(東京)15区の関係踏まえ、立憲民主党には直接連合の考え方を昨日お伝えし、やり取りをされていますので、引き続きということになるかというふうに思います。