記者会見 2021年8月

 

連合記者会見

8月定例記者会見

神津会長、相原事務局長(2021年8月26日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日もオンラインの形ですが、多くの方にお集まりいただきまして感謝を申し上げたいと思います。今日の中央執行委員会は運動方針案をはじめとしての内容でありますのでまた後ほどお読み取りいただきたいと思いますが、来期へ向けての運動方針にも通底する内容です。やはりこのコロナ禍をどう乗り越えて、一方ではこのコロナで得られたところの気づき、社会全体における気づき、あるいは私どもの運動における気づきも含めて、それをどう将来の発展につなげていくのかが問われているということだと思います。足元は皆さん方の方がよくご存知の通りでありまして、この緊急事態宣言が適用地域も拡大をし、本当に9月12日までになんとかなるんだろうかということが極めて憂慮される事態です。とりわけ医療の逼迫の状況は由々しき問題だということをいわざるを得ないと思います。私としてこの場で冒頭一言申し上げておきたいのは、これまでもいろんな場で申し述べているんですが、まずは何としても目の前の危機を乗り越えなければならないということ、これは当然のことですが、そのことに加えて今申し上げた医療の問題を含めて日本の社会の抱えている脆弱性、すでにあった問題これが一層際立って顕在化していることに他ならないわけでありますから、目の前の危機はワクチン接種がある程度広がればある程度なんとかなるのかなということなのかもしれません。ただ、それで「やれやれよかったね」で何事もなかったかのようにまた以前の状況に戻るということはあってはならない。それこそが最大の危機ではないかということだと思います。性格の違うもう一方の大変大きな危機ではないのかと思います。そういうこととの関わりを含めて、総選挙もこれはもう任期満了が近いですから相当近くに迫っているということであります。我々としては政策・理念を基本にしっかりとやるべきことに力を果たしていかなければいけないということに尽きると思います。そのことを含めていろんな観点でご興味関心あると思いますのでまたご質問いただければと思います。ただ、少しお断り含めて申し上げておかなければいけませんが、来期の役員体制に関しては役員推せん委員会が今しっかりと議論を重ねてきているところでありまして、したがってそこに関わる問題は私にしても相原事務局長にしても、役せん委員会を飛び越えて何か云々かんぬんするというわけにいかないものですから、その点だけは申し訳ありませんがご理解いただいておきたいと思います。その他の事柄は何でもお答えしますのでぜひ忌憚のないご質問をいただいていきたいと思います。私のほうから一言、以上です。

相原事務局長

 大変お疲れ様です。第23回の中央執行委員会、資料にございます通り、報告事項の中では最低賃金の審議、地域別最低賃金の改定状況、これらについても報告を述べた上で、協議事項、確認事項にさせていただきました。協議事項の1つ目のところ「労働者代表法案要綱骨子」ということで、連合の中における労働法制委員会と組織委員会と両方力を合わせて、本日のところまで議論を持ってくることができました。ご確認を賜りたいと思います。要求と提言のところ、とりわけICT、DX政策に看板を書き換えましたが、時局にあわせて内容の見直しを進めていきます。各種選挙の関係について、大変人数が多かったのですが予定候補者ということで確認をし、先ほど神津会長からありましたが運動方針の関係について案を提起し9月9日に向けて作業をしようということで今進めています。最後1つだけですが、確認事項の中の4.労働相談のチャットボット、この運用開始を10月7日の正午、14言語をもって立ち上げていこうということで現在進めております。愛称、ニックネームを広く募集をしておりまして、親しまれる内容そして困難に直面する皆さんの少しでも一助になりたいとということで進めていきたいとこのように思っております。私のほうから以上です。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 神津会長に先に釘を刺されてしまったのですが、とはいえやはり人事についてお伺いしたいのですが、役せんは役せんとして神津会長ご自身が今後どうされるのかということについては、つまり退かれるのか別の方に譲られるということなのかというのは公式的にはどこでも発言されていないと思いますが、その点について現時点でどうお考えなのか教えてください。

A.(会長)

 サワジさんおっしゃる通りで公式的には発言していませんし、今役員推せん委員会が検討を重ねている中なので発言できないんです。ということで冒頭を申し述べたようなことなものですから、ここはすみませんがご理解ください。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 そうすると神津会長が続投される可能性もゼロではないということでしょうか。

A.(会長)

 また引っ掛けようとして、ダメなんですよそういう聞き方しちゃ。それについても何もお答えできないので、いやサワジさんなのでいろいろお話ししたいとは思いますが、それはちょっと出来ませんので申し訳ないですけど、いずれまたお願いします。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 あとすいません、今日の労働者代表法制のところで、ちょっとまだ精査できていませんが、最後のほうで労働組合法の改正が必要となるというところで、これはどうしてなのか説明していただけますか。

A.(会長)

 それは説明にもあると思いますが、労働者代表制が入ると簡単にいうと便宜供与と言いますか…

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 ああ、そこですね。

A.(会長)

 会社がある程度場所の提供だとか、あるいは多少お金がかかるようなことをも含めてお膳立てしないといけないという部分がどうしてもできるんだろうと思います。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 これは赤字になっていますけど、個々の部分は今まではなかったところなんですか。

A.(会長)

 なかったということだと思います。だからいろんな指摘だとか意見を受けて補強したということなので、何か考え方を変えたという意味ではありませんが、それは確かに言及しておかないといけないと、そういう意味です。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 神津会長に伺います。先月というか今月に入って立憲民主党と国民民主党が選挙に向けた覚書というのを両党の手続きを経て正式に締結ということになりました。この覚書が結ばれたことの意義をどうお考えになるのかということと、この覚書が次期衆院選に向けてどういった役割を果たしていくか、また両党の連携協力にどういったご期待をされているのか、その点も含めてお聞かせください。

A.(会長)

 意義は非常にあると思います。もちろん今までも、いろんなタイミングで両党が連携をして政権与党に漁夫の利を与えないようにしていこうということは、それはそれであったと思いますが、それをさらに明確にしたということですし、バッティングしているところもこれも少しずつ解消を図ってきていたという事実はあるわけです。それをきちんと両党の責任者が明文化を図ってきたことはそれは非常に意味があることだと思います。あとは政党として、独立した位置付けですから比例をどうするのかというのは一種悩ましさを含めてありますが、しかしそこのところについても意味合いをお互いにどういうもののいい方ができるのかということを確認しあったということだと思いますし、できるだけ連合・地方連合会・構成組織がやりやすいようにということもかなり念頭に置いて、両者で表現ぶりはずいぶん苦労されたと思います。そういうことを結びあったということですから、そういう悩ましさを乗り越えて1つのそういう共通の考え方を固めたと、結び合ったことは非常に意味のあることではないかなと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 2点伺わせてください。1つ今神津会長のほうから役せんの話はちょっとということですが、概況的なところでお伺い差し上げたかったのですが、今回の役員人事というのは衆院選・参院選と続く中で非常に重要なことだと思いますが、役せんにどういう議論を期待するか、今特に難しさがあると思いますが、どういう議論を期待するかを聞かせ願いますでしょうか

A.(会長)

 役せん委員会に?

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 はい、どういう議論を期待するか。

A.(会長)

 それは政治の問題も含めて運動のあるべき姿、そして来期に向けた課題、それは当然そういった内容についての議論を基軸にしながら検討を重ねるということだと思いますので、そこはこれまでもそういったことを積み重ねているということだと思っています。

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 確認事項に外国人の労働相談ということも今後1つ手がけられていくこととして書いていると思うのですが、政府のほうもビジネスと人権というところでいろいろな動きがはじまっている中で、連合としてこういったサプライチェーンの問題とか外国人の問題をどういうふうに考えていかれるか、お考えがあればお聞かせいただけますでしょうか。

A.(会長)

 これはかねてより、一言でいえば国籍を問わず働く人すべてが生き生きとやりがいをもって良い労働環境で働くことがあるべき姿だと思いますので、この間そういうことに、一言でいえば外国人労働者の方々はそうなっていないケースがかなりあると、そこはいわざるを得ませんので、そこは相当な制度の見直しも含めて、あるいは目の前にある看過できないような実態の是正をはかっていく、そういうことに向かっていかないといけないと思います。これはずいぶん前から労働相談でも外国人労働者の方々からいろいろな相談も受けていて、個別の支援もはかってきているところもありますし、実際に組合員としてお迎えをしているというケースもありますので、さらにそういった取り組みは足元コロナ禍で立場の弱い方々に集中的に影響がでてしまっている中で外国人労働者の方々もあるわけなので、そこのところはさらに取り組みを強めていかなければならないと思います。そういったことの上に立って、シンポジウムも指宿弁護士をお迎えして、これまでも指宿さんには講師になってもらっていますが、とりわけこの足元の実態を踏まえていろんな基本的な認識をさらにしっかりと共有し強化していこうと、そういった趣旨で見ていただきたいと思います。

質疑応答[4]
Q.(フリー・モリ氏)

 労働とは直接関係ありませんが、会長がおっしゃる目先の危機のコロナの問題ですけれども、最近知事会ですとか尾身さんも言及していますが、ロックダウンですね。人流を抑制するためにロックダウンを考えなければいけないと、あるいは「ロックダウンをやれ」という意見も出てきているわけですが、いわゆる都市封鎖というんでしょうか、このロックダウンの定義ははっきりしていませんが、ロックダウンについて会長はどうお考えなんでしょうか。経済への影響もあり、いわゆる功罪両方あると思うんですね。現状の感染の拡大状況の中でロックダウンをすべきなのか、会長はいかがお考えなのかお尋ねいたします。

A.(会長)

 ありがとうございます。いろいろ申し上げるべきことがありますが、まずは1つには今頃そんな話かというふうにはいわざるを得ないです。新型コロナウイルスの性格を踏まえると、すでに諸外国でかなり初期の段階にそういう施策をとって少なからず感染を抑え込むことに成功している例もあるわけです。したがってこれはいろいろ法律上の解釈の問題などあると思います。ただ、中国のような国のみならず民主主義国家においても高い政府の信頼性のもとに封じ込めをし、ロックダウンを行い、一方で肝心なことは経済的な補償だと思います。これが我が国の場合非常に中途半端であって、通常であればこれだけの収入があった売上があったみたいなことを踏まえて、一方では税制の透明性、公平性、ですからマイナンバーみたいなものがきちんと使えればみたいなこともありますが、とにもかくにも今は補償といっていません。政府は、実際補償になっていませんから、今のような何ていうんですかね、その場しのぎで規模の大小も無視したようなことだと実際に飲食店は本当に困っていて「また延長か」ということで、やっていられないという状況ですから、こういう仕組みの中で単にロックダウンすることは多分できないと思います。ですから、そういう全体の仕組みをしっかり持って、影響の強く出る業種業態にはそれに応じた補償をして短期集中で押さえ込んで、一定の成果が出たら解除して経済も回していく、そういうメリハリの利いた施策でないとこの新型コロナウイルスというたちの悪い、かかっているのかかかっていないのかもよくわからないような、悪化する時は急激に悪化するというウイルスを押さえ込むには、その種の施策を取らないとダメだったのではないかと、あえて過去形でいわざるを得ないということだと思います。もうここまで来てしまうとそれはもうワクチン頼みということでずっと来ましたので、しばらくこういう感じで推移せざるを得ないと、そういう状況に今陥ってしまっているというふうに私は思います。

Q.(フリー・モリ氏)

 人々の外出を法律で禁じると。出てきたら警察が見つけ次第罰金を取るというような、これは可能というか良いとお考えですか。

A.(会長)

 今ある法律の中でも、繰り返しになりますが、経済的な補償をきちんとやれば少なからず人々は応じただろうと思います。何もそのさらにペナルティーを強化するとか、あるいは憲法の改正議論につなげるとか、そういう発想自体に人々がもうついていかないような原因を作ってしまっていると思います。経済的にきちんと守りますとか、あるいは人々を路頭に迷わせるようなことはしませんと、そういうメッセージがきちんと出ていれば今の法律の枠組みでもかなりのところ人々は応じると、私は本来民主主義国家であっても政治に信頼が寄せられていればそういうことはできたはずであるというふうに思っています。

Q.(フリー・モリ氏)

 すいません確認ですけれども、そうすると人々が都民とか国民が街に出ることを禁じること、要するに外出禁止措置というものもやむなしということでしょうか。

A.(会長)

 いやですから何も付け加えてペナルティーをそこに入れるような必要はないということです。早い話、「マスクしましょう」といったらみんなマスクしています。だからそこは要するに、生活に困ることはない、そういう手立てを講じれば私はこの日本に住む人たちはそういうことはきちんとわきまえている。みんなで協力してウイルスの拡散を防ごうと、私はそういうふうになったと思います。あえて、これをやってだめ、あれをやってはだめ、そういうゴリゴリしたそういうものを新しく入れることなしに十分やれたと思います。

質疑応答[5]
Q.(共同通信・マツウラ氏)

 全トヨタ労働組合連合会が立憲民主党離れをしています。これまでは旧民主党系を支援していましたが、自分たちがめざす政策実現に向け連携する国会議員を選別しました。自民党愛知県連とも意見交換をはじめました。こうした現状を会長はどう見られますでしょうか。

A.(会長)

 旧民主党の勢力と離れていこうとしているというふうには見ていませんし、政策実現、とりわけ産業別組織からすれば自らの産業政策、この実現に向けて力を入れていくのはどこの産別も大きな課題として取り組んでいることだと思います。産別ごとにいろんな工夫をし、国会議員フォーラムを作ったりとかあるいは政策要請を与党に対してもしているというのはある意味当たり前のことですから、その取り組みの一環として強化をはかっていると私は見ています。

質疑応答[6]
Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 人事について少し伺いたいのですが、10月6日に定期大会があると思います。このタイミングではいずれにしても新しい体制になると、それは間違いないということでよろしいでしょうか。

A.(会長)

 まあそれは普通に考えたら間違いないと思います、としかいいようがないです。

Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 その際には今の神津会長・相原事務局長というこの体制とは違ってくるという考えでよろしいでしょうか。

A.(会長)

 それはまた引っ掛け質問で、そんなことを答えられるわけないじゃないですか、ヨネヅさんもお分かりの通りで。どういう体制を描くのかということは、これは最終的には立候補の受付があって、私たちは民主的な手続きにのっとって選挙を経て最後確定がされるわけですから、その前段で例年役員推せん委員会がやはりそこは運動理念、さっきご質問にも答える形でいろんな課題を踏まえてどういう体制が望ましいのかということを今議論検討している最中ということで見ていただきたいというふうに思います。

Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 ありがとうございます。そうしますといつまでに、いずれにしても結論というか役せんとしての推薦の考え方というのはいつまでにまとめるべきか、あるいは中央執行委員会のほうに報告するタイミングというのがどこまでにはというお尻の部分をどのように考えていらっしゃるか、またこの時期になっても新体制が決まっていないということはかなり異例のことだと思うんですけれども、この状況についてどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

A.(会長)

 これまでいろんなケースありました。要するに2年ごとに、これはどういうふうにしていくんだということは今申し上げたような手順で検討され決められるわけなので、2年ごとに極端にいえば毎回違うので、そこはご質問にあったようないついつまでということについても当然役員推せん委員会の方々が当然のことながら意識して今進めているところです。私の立場からいついつまでというのはこれは当然ながら差し控えておきたいというふうに思っています。

質疑応答[7]
Q.(毎日新聞・サノ氏)

 今日から自民党のほうで総裁選の立候補が表明されたりもして、これから総裁選になっていくと思うのですけど、このコロナ禍で総裁選を行うということと、全般的にこの後自民党がかなり注目されていくと思うのですけれども、率直に会長はどのように見ていらっしゃるのかご見解を伺えればと思います。

A.(会長)

 ありがとうございます。いってみれば自民党の中のことなので、あんまり私がそのことについていうのもどうかなというのはある一方で、おそらく一般の有権者からすると、こういうふうに見えるのかなという感じを私なりに持っているので、その点について申し述べると、普通の状況だったら総選挙目前で自民党総裁選が大いに政策議論をして注目度を高めていこうじゃないかというのはあるのではないかと思いますが、今サノさんおっしゃったようにコロナ禍まっただ中です。そうするとほとんどの国民からすると、このコロナの問題、先ほど私も申し上げたように足元の危機をどう乗り越えていくのかということにすごく関心が集中しているわけです。そうすると、そのことについて候補が出てきて議論をするというのはどういうふうに見えるかなと、自民党からしたら余計なお世話かもしれないけど、私は少し心配しますよね。だって「そんな議論をしている暇があったらやるべきことをちゃんとやってくれよ」というふうに思われるのではないですか。今の政権与党が展開している施策でいうのは、先ほど申し上げたようにあまりにも後手に回っているし、根っこのところからもっとちゃんとやるべきことをやっておくべきだったということだと思います。複数候補者が出てどんな議論をされるか分からないけども、そんな暇があるんだったらさっさとやっておけばよかったじゃないかというふうに思われるのではないかと、そんな感じします。普通だったら安全保障を含めていろんな高邁な議論をやって、それが有権者の耳目を引きつけるということなのだろうけども、必ずしもそういうことになるだろうかというふうに思います。今、立憲民主党をはじめ野党として、いやいやその前に国会を開いて、補正だって聞こえてくる話は1兆円がどうのこうの、5兆円の予備費どう使うんだみたいな何かすごいどんぶり勘定に聞こえるわけです。そうじゃなくて目の前の医療崩壊、これは遅きに失しているけども、でもやるべきことをやらないとダメなわけですよ。そのために国の予算を緊急的にどういうふうに使うという議論をそれこそ今有権者の目の前で展開するべきだと思います。だから総裁選だということで一種注目がされるでしょうが、もっとやるべきことがあるというふうにどうしても私には思えます。

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