2018春季生活闘争「ヤマ場」回答引き出し状況の記者会見

 

連合記者会見

2018春季生活闘争「ヤマ場」回答引き出し状況の記者会見

神津会長・相原事務局長・内田副事務局長・冨田総合労働局長(2018年3月14日)

連合記者会見全文

(※聞き取れない部分、不明な部分には「●」を使っています)

神津会長

 大変多くの方にお集まりいただきましてありがとうございます。いま司会の大久保の方から申し上げた通りでありまして、現時点での回答を集約しているところでの受け止めを中心にまず申し述べたいと思います。お手元にA4の1枚ペラのものをお配りしています。これは基本的には私どもの組織の内部に向けたものでありますけども、現時点での受け止めについてもここで端的に触れておりますので、是非ご参考にしていただければと思います。中ほどにも記載をしている通りでありまして、賃上げが昨年を上回る水準、幅はありますけども相当程度高い水準のところもあるようでありますし、そのことを率直に受け止めるとともに、今日のこの第1のヤマ場ももちろん大事、そしてここからが大事ということをかねがね申し上げてきておりますので、そういう意味ではここから先、さらに交渉を継続しているところに向けての追い風となる回答状況、元気の出る内容だというふうに認識をしております。とりわけ一昨年から底上げ春闘ということで、キーワードが四つあるねということを申し上げてきました。底上げということに始まって、持続性、そして月例賃金、そして広がりということでありまして、ご承知のように月例のところで答えを引き出していることの状況の受け止めについて今申し上げた通りだと思います。広がりということでも、底上げというキーワードも含めてなんですが、やはり中小のところ、これはUAゼンセンであるとかJAMですね、かなり中小の組合を組織しているところが、これまではどうしても第1のヤマ場のところ、大どころの状況を見て、その様子を見て回答を引き出すということがまずありきということが、どうしてもあったわけですが、そういうところを別に待つ必要はないという形で回答引き出し、かなり高い水準のところを含めて出ているところが、昨年に比べても相当比率としても上回ってきているということは大きい特徴ではないかなというふうに思っています。そのことを含めて、より広がりを持たせていくことが今後問われていくということだろうと思っています。
 そして今年の春季生活闘争は、やはり働き方改革、働き方改革という言葉だけじゃありませんね、様々な多様な働き方におけるところの労働条件を上げていく、あるいは足元ですね、無期転換の問題もあります。そういったところに着目した要求項目も相当これは目に見えて昨年を大幅に上回っていたわけでありまして、答えのところも相当程度、これは様々なメニューでありますから集約するのは一定の時間がかかりますけれども、今日の段階においてもですね、かなりいろいろな特徴ある回答を得られていますので、後ほどまたその辺り詳しく触れさせていただきますけれども、これもさっき申し上げた後続のところにとっての追い風である、あるいは元気が出る内容だというふうに思います。そのことをまず包括的に私の方から申し述べておきたいと思います。
 それから今日は基本的に集中回答日における会見ということでありますので、そのことがメインテーマではありますが、いま足元の状況が状況ですので、後ほど時間帯は少し仕切る形に司会のほうからさせていただくとは思いますが、政治課題についても一言触れておきたいと思います。いま国会が非常に混乱を極めた状況にあるというのはご承知の通りでありまして、財務省の文書の書き換えが明るみに出てそのことに端を発しての今の状況であるということです。私もかねてより一強政治の弊害ということについて申し述べてきましたが、今回「忖度」ということに果たしてとどまっている問題なのかどうか、そこはこれから解明されていかなければならないと思いますが、いずれにしても忖度ということ自体が、そういうことを霞ヶ関の官庁が当たり前のように横行してしまうということ自体が一強政治の弊害以外の何物でもないというふうに思ます。そしてこれも言われていることですが、国会軽視ということでありまして、言わずものがなですけれど国会というところは私どもが選挙で選んで託した人たちの集まりであって、そこに正しい情報が行かないというのはこれは由々しき問題だと思います。今回も、財務省のそういう書き換えということについて、本来であれば同じ国会議員として与党も国政調査権をきちんと使って、検察に行ったままの書類が手元に来るというのが筋だと思うんですけれども、財務省からの要請で検察から件の文章が提示をされたという、このこと1つをとっても国会の機能が一体どうなっているんだろうということの疑問を極めて大きくせざるを得ません。ですから与党がどういう対応をとっているのかということ自体、今国会が空転…空転じゃないですかね一方的に職権で委員会が開かれているというふうに聞きますが、果たして国民が真実を知る、そのために国会が機能しなければいけないということについてどう考えているのかということについては極めて問題だというふうに思います。またこういう状況を生み出してしまったということにおいては、やはり民主党政権が崩壊して以降の野党のバラバラ感、やっぱりこれは1つにしっかりとまとまって国会での本来の機能を取り戻す、そういう意識を持ってしっかりと対峙をしてもらいたい。そのことがないままにここに至ったということが今日の状況を生み出したというふうに私は思いますので、そういう政治構造そのものの問題としてここは野党としてしっかりとした大きな固まりをもう一度取り戻すということを是非真剣に考えてもらう必要があるということを冒頭申し述べておきたいと思います。
 この後の進め方は先ほどお願いした通りで是非お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

冨田総合労働局長

 いま皆様方にお配りをしております共闘連絡会議ごとの回答速報につきましては、本日2時現在構成組織から報告があったものということになりますので、明日以降も回答予定日がありますので、現時点での回答速報という受け止めをいただきたいと思います。それから第1先行組合の回答状況の集計につきましては3月16日に第1回の集計の結果ということでこの場でまたご報告をさせていただく予定となっておりますので、今日段階において集計のご報告はないということを申し添えておきたいと思います。
 今日現在2時現在までの回答の引き出しの状況でございますが、お手元の回答は全部で97の組合からの報告となっており、昨年同時期が83組合でありましたので昨年を上回るペースでの回答引き出しが進んでいるということになろうかと思います。それから表の真ん中の白い白抜きになっているところが本年の回答の状況になってございますが、全体おしなべて冒頭会長が申し上げました通り、昨年を上回る基調での回答引き出しの状況もご確認をいただけるかと思いますので、そんなこともあわせてご覧をいただければと思います。それから最後に、後からお配りをしましたのが非正規の賃金の回答の状況でございます。こちらにつきましても97の引き出しを行った組合の中での非正規の状況のご報告ということになりますので、ここにつきましても随時回答が順次更新されていくことになろうかと思いますので現時点ということでをお受け止めをいただければと思います。私からは以上です。

質疑応答[1]
Q.(ブルームバーグ・タカハシ氏)

 2点お願いいたします。1点目なんですが今回政府の方から3%の賃上げ要請がなされていたと思います。ただ3%の定義をめぐっては、ボーナスを含めた年収ベースとか月額ベースとか少し曖昧なところがあるんですけれども、連合の考える3%の定義について教えてください。 2点目なんですが、今回は企業の発表でも3%に言及があるなど各社とも3%を意識した春闘になったと思います。これが今回の春闘にどう影響したのかその評価について教えてください。

A.(会長)

 3%というのは総理が経済界に対して言っている中で触れられたものですから、私どもに対して言われているものではないと思います。経済界のほうの、言わば労使の使用者側の方の受け止めというのは様々だったと思います。で、肝心なのはここからだということですので、今の今日時点での受け止めも様々だということだと思いますし、3%というのはいわゆる定昇なども込みで、あるいは形も必ずしも月例だけではないということではあったと思いますが、私どもの要求方針というのはご承知のように2+2の4%ということですし、基本的には定昇なり賃金カーブ維持というのはそれぞれの制度によってどうなのかということですので、肝心なのは賃上げの部分、いわゆる世の中で言うベアに相当する2%ということでしたので、私どもは総理の発言いかんにかかわらず、基本的には労使交渉でしか結果は得られませんので、今日の段階で回答を得られているところはそれぞれがこだわりを持った交渉を展開して、これは労使での交渉ごとですから、着地点をどこに見出すかギリギリのところ真摯な話し合いを繰り返した上での答えだと思っていますので、その内容の受け止めについてはさっき申し述べた通りだと思います。私どもは政労使で今の経済の局面からして賃上げを相当程度実現しないといかんということ、これは共通の認識だと思っていますから、あんまり数字にどうこうということよりも、そのことに向かって力となり得る回答なのかどうか、そのことで私どもとしては評価をしていきたいなというふうに思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・ニエカワ氏)

 今の質問とも重なるんですけれども、政府が3%以上ということで最初に言って、その後で春闘が始まってきたわけですけれども、回答を見ると、全体で3%以上というところはありますけれども、ベアと定昇だけを見るとそれを下回っている部分も回答としてはかなり多くあると。政府が3%以上と言って打ち出したこと、今日の時点で、今日の回答を見て打ち出したことによるプラス面とかマイナス面とか、考えていることがあれば教えて下さい。

A.(会長)

 まず3%というふうに総理が言われるということについての私どもの受け止めということで言えば、この場までも何回か申し上げた通りで、やはりトリクルダウン的発想がまだ春闘ということに対してまとわりついているところがありますので、そういう意味ではミスリーディングにならなければいいなというのが率直な受け止めであったことは事実ですし、それはまさにこれからもそこのところはあると思っていまして、今日の回答状況というのは今後に向けてのひとつの土台であるべきなので、私ども労働側としては3%でどうこうということを考えたことは一切ありませんので、あくまでも要求は先ほどの2+2でありますので、その下でそれぞれの構成組織・単組が置かれた状況なりこれまでの経緯に鑑みて要求方針を作り、その下で交渉を重ねてきたということですから、そういった中で私どもとしては現段階で非常に評価できるなというふうに思っています。だから、3%についてどうだったのということは、むしろ経営側には是非問うていただければいいのかなと、こんなふうに思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 トヨタの回答について、数字が入っていませんが、会社側の回答いかんに関わらず春闘というのはある意味各社がある程度数字をオープンにすることによって共闘をとっていくというところに意味があるんですけど、連合の集計でも数字が入っていないというのはこれはどういうふうに受け止めればいいんでしょうか。

A.(会長)

 当該の自動車総連なり、あるいは当該単組の受け止めがどうかということについては、私として手元に正式なものを得ているわけではありませんので、あくまでも私自身の見方ということでご承知いただきたいと思うんですけれども、いろんな側面があると思うんです、私は1つには先ほど申し上げたようにトリクルダウンということで頭が染まったままじゃダメだねと、かつてのインフレ前提の春闘の常識で物事を考えたらいかんということをずっと申し述べていますので、そういうことからすると現時点こういうことというのは1つの形としてあるのかなというのが私自身の受け止めです。ただ一方で、賃金データとして私どもとしてはしっかりと把握もし考えていく必要がありますから、それをそれ今後構成組織との間ではしっかりと連携をとっていきたいというふうに思います。
 さっき申し上げたことの補足で言いますと、やっぱりどうしてもかつてのインフレ時代の春闘でいきますと、大体今日の集中回答日で出揃った数字で、やれやれ春闘これで終わったなということなわけですね、だけどそれは底上げということこそ大事なので、かつてのやり方考え方でいった日にはむしろ格差が拡大してしまう一方なので、今回もグループの中の会社の方が回答が先に出ているとか、あるいは冒頭申し述べたように、これは連合全体ですけれども、中小が非常に水準の高い回答を先に得ているところがいっぱいあるとか、いう形で、やっぱり今の時代のあるべき春闘に向けて形を模索しているということがありますので、私は両面あると思うんです、さっき申し上げたように賃金データとしてということであれば、これは私どもとしては引き続き構成組織とは連携を図っていかなければなりませんけれども、しかし今回の今のところの状況についてはいろいろと示唆を含んでいるところも私は少なからずあると思っています。以上です。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 追加でいいですか。そうしますと今のをお聞きしてると、こういう数字を出さない形での集計というのが来年以降も増える可能性があるし、それは決して否定的に捉えるべきではないという会長のお考えと、そういう理解をしてよろしいですか。

A.(会長)

 いやいや、そういうことではなくてですね、要するにトヨタの場合はいろんな形で注目もされていますし、その水準というものを見極めて考えていきたいというところも少なからずあるんですね。であるが故の、今回今の時点でこういう形をとっておられるということだと思うんですね。そういう形で注目される存在であるからこそ、さっき申し上げたように当該の労働組合なり産別としてどう受け止めているのかというのは、それはそれできちっと私どもも見ていく必要がありますので、さっき申し述べたのは私自身の、しかもトヨタの回答の表現についての受け止めですので、その範囲に留めて聞いていただきたいと思います。
 繰り返しになりますがやっぱりデータというものはこれは非常に大事ですから、それとさっきの発言に補足することにもなりますけど、どうしても上げ幅とか、さっきの3%ということもそうですけど、そういうところの数字ばかりに注目が集まるということについては私はそのこと自体いささかどうかなというふうに思うんですね。したがって連合としてもここ数年絶対水準というところに重きを置いていこうということを言っていますので、そういうスタンスからしてもいろんなことに一石を投じているということは間違いないと思いますし、それは功罪両面あると思います、あると思いますが私は一概に否定的にとらえることではないと、個人的な見解ですけれどもそう思っています。

質疑応答[4]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 今のトヨタの回答では、もうちょっと時間を見ておいた方がいいと思うんですけれども、JC春闘が始まって42年になるわけですよね。その中で要するに社会的影響力がある単組が日本語で回答を出すというのは異例中の異例で、今年の春闘の象徴というのか、企業のとらえる産業構造とか、組合が言う人への投資というあたりの、また詰まってないと思うんですけれども、これJC春闘42年から見ても異例中の異例で、これは要するに単組任せ、産別任せではなくて、連合としてどう対応されていくのかというのはひとつの今後の課題として見た方が良いのではないかと思いますし、しかもパーセントだけが先行していて中身がないわけですよね。そういう点からいけば、中小とかこれからの闘いに対して、トリクルダウンとかなんとかではなくて、どれぐらいの月例賃金がとってるかというのは今後の波及構造に関わる問題ですから、そこのところを日本語で波及するというのはちょっと無理だと思いますので、そういう点を連合としても、データ上の問題もあるけれども、運動的にどうするかというのはぜひ検討された方が良いのではないかという気持ちを持っているのが第1点です。
 あと2つ言いたいんですけど、1つは今年の春闘で昨年を上回ったというのは非常に良いことで、奮闘だと思うんですけれども、今年の場合は上がるだけではなくて水準が問題だったのではないかと思うんです。というのが去年の場合と今年の場合の環境というのはかなり違うわけですよね。その辺りの環境を十分に取り込んだ水準になっているのかというあたりで、言ってみれば労働側の方も生産性向上運動とか公正配分と言っているんですけど、今日出た大手金属の場合は大体経常利益は2桁ぐらい上がっているんですね。ところがベアの配分を見るとだいたい0.4から0.5%で、あまりにも言ってみれば成果配分のところで生産性三原則と言いながら分配構造の歪みの問題でどうなのかという見解を1つお聞きしたいのと、もう1点は水準で、言ってみれば去年プラス500円で1500円とか、そういう水準で果たして物価を確保できているのかどうかというあたりも是非検討しておく必要があるんではないかと思っていまして、一時金を入れればいいんじゃないかという意見もありますけどやっぱり月例賃金で、今後の個人消費とかそういうあたりでも物価を下回るというあたりでは言ってみれば賃金デフレの危険性もあるわけでそのあたりについて物価との関連を今日の回答を見てどう見られているのか、この2点についてお聞きしたいんですけれども。

A.(会長)

 まず1点目の方なんですけども、私はあれですよ連合としての見解だからこそさっきのように踏み込んだ発言をしたつもりなんですね。繰り返しになりますけど、単組、産別段階では、やはり当然複雑な思いはあると思いますので、当然それぞれ金額ということを、要求を金額でしてますから答えも金額でという部分があるのは事実なんで、そこはしっかりと見極めていく必要があると思いますけれども、繰り返しになりますけど、従来の春闘の常識でもって、世の中がこれで決まりだなとかいうふうに見られたら、これは間違いだと思いますので、これがベストかどうかというのは今後検証していく必要があると思いますし、そこは見極めなきゃいけませんけれども、私は一概に否定だけするつもりは全くありません。そこは繰り返しですけれどもそう見ていただきたいと思います。
 それから足元の状況との関係なんですけれども、確かに昨年に比べて企業収益の状況がおしなべて見れば良いことは事実で、ただこれはシカタさんもよくご存知の通りで、短期収益の変動というのはそこは基本的には一時金がどうそこで左右されるかという構造だと思うんですよ。ただ経営者心理として昨年より良い状況ということが月例のところの答えにも多少反映されているとは思うんですけどね、ただ基本的には月例のところはやっぱりマクロの経済状況だとか今回政労使して認識を合わせてということですから、あるべき姿をより昨年以上に認識した中での回答ぶりだというふうに私は見ていますので、収益状況が好調なところは一時金についても満額の回答というのも少なからず見受けられるようですから、そこは私はそう見てます。ただ物価との関係というのはご指摘の通りですから、ここは実際に過年度のところがどうかということなり、今取り組んでいる春季生活闘争はある意味物価上昇を先取りしなくちゃいかんというところもありますので、ここは振り返っての検証はちょっと先になりますけども、そこはおっしゃるところの意味合いは以上に大事だと思いますのでここから先になりますけども十分に見極めていきたいと思います。

質疑応答[5]
Q.(日刊工業新聞・ヤギサワ氏)

 回答状況を見ていると、小さな…例えばUAゼンセンのMCCユニテックユニオンというところが5136の賃上げを勝ち取っています。確か親会社が三菱ケミカルで、三菱ケミカルの回答を上回っているのではないかと思うんですが、それについて神津さん一言あったらお願いします。

A.(会長)

 個別の銘柄についてどうこうというのは私も評価どこまでできるかというのは、個別の状況についての知見を持っているわけではないのでそこはちょっとを差し控えたいと思いますけど、冒頭申し述べた通りで非常に早い段階で、様子を見ながらということではなくて自律的に回答を労使で決着を見ているというところが少なからず出てきているということが今回の特徴だと思いますし、また中小が大手を上回るですとか、子会社、関連会社の回答が親会社を上回るということも普通に出てきてますから、これは昨年もそういう状況が出てきましたけども今年はさらにその傾向が強まっていくのではないのかなと、その兆しが今日の段階でも出てきているということだと思います。以上です。

質疑応答[6]
Q.(TBS・スガワラ氏)

 今回、神津会長は評価できるというふうにおっしゃってましたけど、働き方改革で残業代が減ったというところもありまして、もしかしたら手取りとしては全体的に下がったんではないかという評価もあるんですけれども、そこの評価をお願いいたします。

A.(会長)

 残業代がどこまで下がるかというのはこれからだと思うんですね。したがってそこのところは今後十分に見極めていく必要があるんだと思います。これは両々相まっていかないといけないということだと思いますから、一方では36協定についてそこのところの労使での考え方、目安をですね、引き下げていこうということであるとか、いろんな労使で工夫はされているということが回答としてはあると思いますし、これからおそらく続々と出てくると思うんです。私はだからいかにやりがいをもって、やりがいを高めて働いていくかということが大事だと思いますので、やっぱり労使でしっかりと話し合いをすることができる、交渉によって物事をできる、そういった枠組みにおいては、あんまり油断してはいけませんけど、そこのところでご指摘のようなことでかえってマイナスになるというふうには思っていません。ただ肝心なことはここからしっかりと見極めていくということだと思っています。

質疑応答[7]
Q.(フリー・モリ氏)

 先ほどのトヨタの問題もそうなんですが、確かに労使でしっかり話し合った結果だと思うんですが、やや個別企業の事情に配慮しすぎじゃないのかなと、要するに組合側も。それから全体のことで言いますと、最近組合もあんまり賃上げと言わなくて賃金改善とおっしゃって非常にこう、経営側に遠慮しすぎているんじゃないのかと。最近人手不足ですから回答が良いというのも、マーケットの事情が効いていて、労使で話し合っているとはいっても闘争で勝ち取っているわけではないのではないかと思うんですが、その辺の事情はどう見ておられますか。

A.(会長)

 私は経営側に遠慮しているというふうには全く思っていません。真摯に話し合いを積み上げたからこその到達点だと思うので、トヨタ労使においては今回の形になっているということだと思うんですけども、ただ当該単組の受け止めというのはさっき申し上げたように、これで心から良かったなということかどうかというのは、多分そこはそうではないと思いますよ。そこは十分に見ていく必要があると思っていますが、私の立場からしてみれば今回相当多岐に渡った内容、メニューにおいて、話し合いを重ねて中身を作ってきているということだと思いますので、そこは私の受け止めは別に経営に遠慮したからというわけでは全くないと思っています。
 それと賃金改善という表現にしても、私自身もかつて賃金の事を主体に単組にいた時にやっていましたので、自分の出身の鉄鋼なんていうのは特にいわゆる純ベアということにこだわってやっていたもんですから、世の中全体を見渡すとやっぱり普通の賃上げというのはいわゆる基本賃金だというだけではなくて、例えば1500円なら1500円をどう配分していくかはそこから先配分交渉をして決めるというのが、むしろ世の中そっちの方が多いですよね。ですからそういう中では全体に共通して言える表現というのは「賃金改善」ということで、連合もある時点からその言い方をしてきていますので、むしろそこはそういうふうに見ていただいた方がいいと思っているんです。やっぱり働き方においてですね、それぞれの働き方あるいは役職も様々だとか、あるいは年代によって子育てでお金がかかるとか、そういうことを含めてやっぱり多種多様なニーズにどうやって応えていくかという中で各労使が工夫をしているということだと思いますので、そういう中で賃金改善という言葉も普通に使われるように今なってきているというふうに私は考えています。

質疑応答[8]
Q.(北海道新聞・イノウエ氏)

 働き方改革なんですが、日立製作所が勤務間インターバルの導入を決めたという、そういうのもあると思うんですけども、働き方改革をめぐる今日までの段階での評価、どういうふうに評価されているかというところと、昨年までより要求項目が増えたというふうに先ほどおっしゃいましたけど、交渉段階での昨年との違い、今年の特徴というのを教えていただければと思います。

A.(会長)

 日立労組の勤務間インターバルですね、これはまさに私もその一報を情報として聞いたのみですので、もう少し詳しいところは把握していく必要があると思っていますが、一言で言えば非常に評価できる話だと思います。これは例の働き方改革実現会議でも、途中から、総理に連合と経団連で話し合って骨格を決めてくれや、みたいなことになってからですね、私どもとしては過労死・過労自殺をなくしていく上での私は最大の決め手はこのインターバル規制を入れることだと思ってまして、そのことは組織を持つ我々自身が率先していかなきゃいけない。経団連との間の最終的な合意においても、努力義務ですけれどもこれを入れていこうというふうになったわけですので、勤務間インターバルを入れるということの意味合いについては、ある意味包括的に労使でも一致をしているというふうに思ってますので、しかしそれを実践につなげていくというのはこれはなかなか大変なことですので、そこを回答段階で明確にしてるというのは私は大いに評価できることだと思います。したがって働き方改革だとか、多様な働き方メニューに応じてというのは、それこそ賃上げの回答のように数字でおよその判断がつくというのとはちょっと違うものですから、まだ全体を集約している最中ではありますけども、要求段階からしてもさっき申し上げた36協定について改めて目標感を持っていこうや、というような、そういう要求もかなり見受けられたようですし、勤務間インターバルについても昨年以上に要求したところが出てきています。あるいはこれは労働時間ということではありませんけど、無期転換これもタイミングがタイミングでもありますので、そのことを取り上げている労働組合も相当あります。そういう意味ではこれはもう包括的な、印象も含めてですけども、そこのところは従来にも増して相当に交渉テーマとして取り上げてきていると、労使でそういう話し合いが行われているということだと思います。やっぱり労使関係の中でこの辺のことは具体的にお互いが納得する形に決めていかないと、法律がいくら出来てもですね、労使で納得するものにしないと機能しませんから私はこの傾向は非常に大事なことだと思っています。以上です。

質疑応答[9]
Q.(共同通信・イイカワ氏)

 政治課題について2点伺います。野党の国会対応なんですけれども、先ほど会長が述べられた通り森友文書改ざん問題をめぐって野党が審議に応じていない状況が続いています。与党側の責任を問う声がある一方で国会審議、国会論戦の場で野党が政権を追求して問題の真相を究明すべきだという声もあります。この一連の国会での野党の対応について会長の評価、考えをお聞かせください。

A.(会長)

 これはたぶん両論あるんだろうと思うんですね。したがってそこのところは野党の中でしっかりと、そして国民がそこのところはどう受け止めているのかということもしっかりとアンテナを立ててですね、認識を持って臨んでもらいたいなというふうに思います。
 これは冒頭を言えば良かったかもしれませんが、やっぱり国会としての機能、本来の役目を果たしているんだろうかということの問題意識としてもう1つあるのはですね、今回のこういう状況の中で、本来国民の生活をどう守り向上させていくか密接に関わる法案の審議というものが果たしてどうなのか。これは予算審議そのものもそうですし、仕組みとしていかがなものかというのは私自身率直な思いとしてあります。予算委員会というのは国政に関わる重要事項は何でも取り上げていいんだということになってますから、今のルールでいけば、それは予算委員会の中でこの足元の問題が取り上げられるということもそれはあるんでしょうけども、これだけの問題になった以上切り離して別の委員会を持つとか、別のそういう真実を解明する機能を持つとかいうことが行われて、予算審議はせいせいと進めるとか、あるいは私どもにとって極めて大きな関心を持つ、重点を持っています働き方改革の問題ですね、ここについても、法案審議そのものがここから先ということですけれども、これはせいせいと議論してもらいたいと思いますし、冒頭に申し述べたこの間のこういう一強政治の弊害、あるいは野党がバラバラ感がどうしてもつきまとって1つの固まりを持ち得ないということの弊害がそういうところにも表れているんじゃないのかなと、こんなふうに思っています。

Q.(共同通信・イイカワ氏)

 関連してそのバラバラ感が出ている野党連携についてもお伺いします。会長は従前から、立憲民主党、希望、民進、この旧民進勢力3党の連携の必要性を強調されておられますけども、現時点で立憲民主党は独立独歩の路線を崩していません。その中でまず今希望と民進この2党が先行して合流をしようという形で模索をしていますけれども、この動きについての評価をお聞かせください。

A.(会長)

 おっしゃっていただいた通りで、これは大どころと言いますか元々民進党であった方々が中心をなしている3党は、やっぱり1つの固まりということを常に志向してもらいたいと思いますし、一挙にということが難しいとしてもですよ、国会対応はきちっと足並みを揃えてもらいたいというふうに思います。また政党としての姿形においても、やはり私どもは二大政党的運営というのが本来のあるべき姿だというふうに思っていますから、そこに向けて努力は重ねてもらいたいと思いますし、これも一挙にということが難しいということであれば着実にステップは刻んでもらいたいと思いますので、そういう中で今いろんなことが模索されていると。ご指摘のところも含めて私どもとしてはそういう理解をしています。

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