記者会見 2023年2月

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2023年2月16日)

連合記者会見全文
芳野会長

 お疲れさまでございます。定例記者会見にご参加をいただきまして誠にありがとうございます。本日はオンラインでの開催となりますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 前回の記者会見以降、春季生活闘争に関連した主な取り組みとして、経団連や日本商工会議所とのトップ懇談会、闘争開始宣言2.6中央総決起集会などを開催してきました。記者の皆様にもそれぞれご取材をいただきましてありがとうございました。重ねて御礼申し上げたいと思います。いずれの取り組みにおいても、今春季生活闘争は中小企業の賃上げが重要であるとの意見で一致しているものと思っております。その点も意識して、中央執行委員会では2月6日に行った岸田総理との会談について改めて説明し、理解を得ました。会談の内容については当日の記者会見や連合ニュースでも公表しているとおりですが、今年の春季生活闘争はパート・有期契約などで働く労働者と中小企業がどれだけ賃上げができるかが非常に重要であると申し上げ、中小企業での交渉が本格化するタイミングで、機運の醸成に向けた政労使による意識合わせの会合を開催することを提案し、岸田総理からも前向きに検討する旨の回答をいただきました。あわせて、政労会見の再開についても前向きな回答をいただきましたことも改めてお伝えをしておきたいと思います。
 賃上げへの機運を高めるための「連合緊急アクション」も引き続き全国で展開中であり、今月25日には東京でパレードを実施いたします。全国で走らせている6台のラッピングカーも東京に集結をしてパレードに参加をしますので、こちらの取材についてもぜひよろしくお願いいたします。
 以上、簡単ですが冒頭の挨拶といたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 第17回の中央執行委員会で主な協議事項として確認をいただいた点について述べます。
 1点目は、昨年4月に展開した「フリーランス月間」に続いて、今年は5月に4日間連続でフリーランスの課題解決に向けた「フリーランス全国サミット」、6月から7月に「フリーランス地域サミット」を実施することについてご協議いただきました。また、関連して昨年12月に行った「フリーランスの契約に関する調査2023」についても報告されました。
 2点目は、第94回メーデー中央大会を4月29日に代々木公園で開催することについてご協議いただきました。今年は、結集デモについては昨年に引き続き実施を見送りますが、参加者数についてはコロナ禍前の第90回メーデー中央大会・2019年までと同様に上限は設定しないこととします。また、イベントや出店、物品・飲食物の販売なども実施する方向で進めてまいります。
 3点目は、トルコ・シリア地震に対して国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織・ITUC-APからの寄附の呼びかけを踏まえ、「連合・愛のカンパ」から「ITUC-AP自然災害基金」へ被災義援金を拠出することについてご協議いただきました。なお、連合として今後3月に特別カンパを実施していくことについても確認をいたしました。
 4点目は、OECD-TUAC・経済協力開発機構労働組合諮問委員会が4月6日から7日に東京で開催するL7・レイバー7サミット、主要7カ国のナショナルセンターの代表者会議ですが、連合はホスト国ナショナルセンターとして参画することについて確認をしました。具体的内容としては5月のG7・広島サミットに向けた政策議論と提言、L7サミットの声明の確認と内閣総理大臣への手交、次期議長国であるイタリアの3つのナショナルセンターへの引き継ぎ式などを行います。また、サミット2日目にはL7で唯一のアジア代表として、重大な人権問題が風化しつつあるミャンマーの現状報告および早期民主化に向けた連帯の場を設定してまいりたいと思います。
 5点目は、これまでご愛読いただきました「月刊連合」については3月号で最終号となり、今後は「季刊RENGO」としてリニューアルされ、3月20日に春号が創刊号として発行されます。「季刊RENGO」は春夏秋冬の年4回の季刊誌となり、新たに展開するオンライン記事「RENGO ONLINE」とあわせて、連合の運動を分かりやすくお伝えしていくこととなります。
 6点目は、中央執行委員会終了後に引き続き、2023春季生活闘争・第3回中央闘争委員会を開催しました。この件については、この後担当の仁平総合政策推進局長からご説明をさせていただきます。
 私からは以上でございます。

仁平総合政策推進局長

 ご案内のとおり要求の提出段階に入ってございますので、本日についてはこの間の動きについて情報共有をはかるとともに、2ページ、「当面の闘い方」の2.で、これから進んでいく要求状況、回答状況などについて情報共有をはかっていくということについて確認をいたしました。
 あと、4月の集会の配置として4.5の中小組合の支援共闘推進会議の配置ということで、全面WEBでございますが、ということについて確認したというのが主な内容でございます。以上です。

質疑応答[1]
Q.(時事通信・キダ氏)

 賃上げに関連してお伺いします。今日、自民党・公明党・国民民主党の3党で、賃上げや子ども・子育て支援に関する実務者協議がはじまりました。芳野会長にお尋ねしますが、賃上げに向けて具体的に期待されることなどありましたらお聞かせください。

A.(会長)

 この間も申し上げてきたとおり、今年の賃上げについては非正規雇用労働者そして中小企業で働く労働者の賃上げが非常に重要だと考えています。その意味では今年はまさしく価格転嫁・公正取引の課題を集中的に強化していく必要性があると思います。そういった点を強く話し合っていただきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 何点か伺いたいと思うんですが、まず1点目、春闘に関連してなんですけれども先ほどお話あったとおり、昨日自動車の大手の労組が要求をしたりですね、重工系だったり、電機の要求もはじまっております。かつてないというか近年にないような高水準の要求が続いていると思いますが、こちらに関する受け止めを芳野会長からいただきたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 それぞれの構成組織そして加盟組合の中で、現状の物価高等、また労働者の生活状況と、様々な角度から検討した結果ということで受け止めています。これから交渉がはじまるかと思いますので期待をしているところです。

Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 もう1点ですね、春闘に関連してと言いますか、先ほど冒頭お話あった政労使会議のことで1点伺いたいんですけれども、政労使会議、芳野会長が初めてご発言されたのが11月にあった国民民主党の玉木代表との懇談の後かというふうに承知しております。その時に、玉木代表から提案を受ける形でぜひ考えたいというふうにご発言されていたんですけれども、この玉木代表の提案が政労使会議のきっかけになったと理解していいのか、またはそれ以前からご検討されていたのか、ちょっとそのあたり確認したいんですが、いかがでしょうか。

A.(会長)

 政労使会議については、かねてから開催をしたいという希望を持っていました。11月の国民民主党との会議の時にそういう話になって、その後、玉木代表のほうも積極的に働きかけをしていただいたという認識です。

Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 最後にもう1点伺いたいんですが、昨日、立憲民主党との懇談の中で、いずれも泉代表の発言だったと思うんですけれども、いわゆる「年収の壁」についてのPTを立ち上げたというお話であったりとかですね、また、何だっけな、もう1つですね、失礼しました、いわゆるN分N乗についての連合の考え方もご説明されたというふうに伺いました。この2つですね、ちょっとお考えについて改めて具体的に伺いたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 「年収の壁」の問題については、社会保障のところでまず性に中立的な制度にしていくことが重要と思っていて、現在連合の中で検討がはじまっています。5月を目途に専門委員会なり連合の会議体の中で議論をしていきますので、まずその考え方を待ちたいと思います。
 それから、N分N乗方式についてですが、やはりその課税の単位を個人から世帯に変えるものであって、家族形態ですとか働き方などが多様化する中では税負担の公平性の観点から課題のある制度だと連合としては考えています。

質疑応答[3]
Q.(時事通信・タカハシ氏)

 会長にお尋ねいたします。今の質問と若干重なるんですけれども、いわゆる年収の壁の問題ですね。最低賃金が昨年大幅に引き上がりまして、この春闘でも要求段階ですがかなり大きな賃上げの要求となっています。こういった賃上げが大きく進む一方で年収の壁があると年収ベースではあまり増えないんじゃないかという、そういう懸念、危惧もあるかと思うんですけれども、こういう壁があることによってその賃上げにしてもその年収が上がらない、生活者の生活が良くならないというあたりについて、会長のご所見というんでしょうか、懸念みたいなものといったものがおありなのか伺えましたら幸いです。

A.(会長)

 年収の壁があることによって、やはり労働者のスキルだとか能力が発揮できない状況もあるのではないかと思っています。その上では、その年収の壁というものを取り除き、安心して働き続けることができ、そしてスキルも上げ、賃金も上げていくことがとても重要だと思います。最賃の話もありましたが、連合としては企業内最賃協定1人1,150円という目標を掲げていますので、この交渉の中では非正規雇用労働者に対してもしっかりと協議交渉を行ってほしいと思っています。

質疑応答[4]
Q.(読売新聞・アベ氏)

 芳野会長にお伺いします。先週から、自民党大会に会長が出席を検討しているという報道が出たことについて、この間の連合内部で議論あったのかということをお伺いしたいのと、改めて招待を受けていないのかということについても確認させてください。

A.(会長)

 招待は受けていませんので、連合の中でも議論はしていません。

質疑応答[5]
Q.(毎日新聞・フルカワ氏)

 今の質問に関連してなんですけども、自民党大会に招待がないということはもう出席する可能性はないという考えでよろしいんでしょうか。

A.(会長)

 招待されていないので出席しません。

質疑応答[6]
Q.(労働ペンクラブ・シカタ氏)

 会長と仁平さんにお聞きしたいんですが、今日の春闘の確認事項で「当面の闘い方」がありますよね。で、先ほど会長は、組合が要求してこれからの交渉に期待したいということがあって、この当面の闘い方ではヤマ場に可能な限り多くの組合が回答を引き出すとあるわけですが、多くの組合が回答だけでは不十分で、今年の場合は実質賃金確保に向けて連合がベア3%をどうやって取っていくかっていう点では先行回答は極めて重要で、そういう点ではこのヤマ場に向けて回答を引き出すだけではなくその水準ですね、水準について会長はどう考えられているのかという点を1点お聞きしたいということです。もし3%を切った組合がある場合は妥結を延期させて継続交渉させていく構えがあるのかどうかということも含めてお聞きしたいのが1点です。
 それから仁平さんにお聞きしたいのが、あらゆる状況を想定してスト権の確立や労働委員会の活用というのがあるわけですが、僕の記憶では、2月段階で労働基本権の行使というのは連合は表明されたことがあるんですが、労働委員会の活用ですね、これについては初めてではないかと思うんですが、要するにこのスト権の確立と労働委員会の活用、これについて初めてなのか、これまでの春闘でもこういう対応っていうのは出していたのかどうか、この2点についてお聞きしたいと思います。よろしく。

A.(会長)

 まず水準の話がありましたが、これから加盟組合のところでは交渉がはじまりますので掲げた要求を獲得すべく交渉を頑張ってほしいと期待を今の段階ではしています。それから、加盟組合のことですので連合本部として個別の加盟組合のことについてのコメントは差し控えたいとに思います。そこの部分についてはおそらく構成組織のほうで加盟組合について指導なり情報共有なりしていくかと思います。

A.(仁平総合政策推進局長)

 スト権の確立、労働委員会の活用のあたりの話ですけど、事実関係で言うと実は去年も書いていました。はっきり言うと去年から書きました。ただ、もうご案内のとおりだと思いますが、これまでの延長線上じゃない交渉なりということというのは十分想定されると思っておりますので、この辺の準備、闘争体制をしっかりどういうふうに構築するのかということと、自主決着することが望ましいとは思いますが、なかなか難しい場合には、去年もあまり活用されていませんけど伝統的にあるこの労働委員会の活用などについてもぜひ、ここに書いているということは考えていただいたらいいのではないかなと、そういう意味で記載をしているところでございます。

Q.(労働ペンクラブ・シカタ氏)

 各構成組織に対してですね、会長のほうはもうこれは産別自決的なことを言われてるんですが、むしろ連合の指導調整力を発揮するという点では、3%をどうやって取っていくかという点ではですね、産別にきっちり意向を伝えて、そういうその対応も必要ではないかと思うんですね。これまでの経過を見ると多くの産別は回答が不満であっても「誠意ある労使交渉を一生懸命やった結果であって受け止める」という、そういう総括が多いんですよ。今年はそういう総括では行かないという点では連合の指導調整力で明白にその水準について、要するに連合はベア3%掲げているわけですから、そのあたりどう取っていくかという点については強いメッセージをヤマ場に向けて産別にも伝えていたほうがいいと思うんですけれど、そのあたりの見解も、産別自決させないということは含めてお聞きしたいんですが。

A.(会長)

 繰り返しになりますが、これから交渉がはじまっていきますので、その交渉に期待をしていきたいということと、やはりヤマ場に向けては共闘連絡会議ですとか、また構成組織のほうから状況については共有をしていくかと思いますので、その段階段階で様々な角度から議論をしていきたいと思います。それから、これまでも申し上げてきているとおり、賃上げは今年だけではなく来年以降も続いていくことが大事で継続的な賃上げも求めていますので、中にはやはり厳しい産別もあり、良いところもあり、状況としては濃淡がありますので様々な状況を連合としては把握していくことになるかと思います。

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