記者会見 2020年5月

 

連合記者会見

5月定例記者会見

神津会長、相原事務局長、石田副事務局長、冨田総合政策推進局長(2020年5月21日)

連合記者会見全文
司会(山根企画局長)

 ご参加いただきましてありがとうございます。ただいまより連合の定例記者会見を始めさせていただきます。先月に引き続きまして新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ウェブでの会見とさせていただいております。よろしくお願い致します。
 本日も冒頭神津会長からの発言、それから今回の中央執行委員会、中央闘争委員会に関するご説明のあと質疑応答に入ります。終了予定はおおむね17時とさせていただきます。
 なお、あらかじめご案内しております通り、画面上に所属・お名前の記載がない場合はご質問をお受け致しかねますのでご了承いただければと思います。
 それでは冒頭神津会長より発言がございます。よろしくお願い致します。

神津会長

 いま司会の山根さんからもあったとおりで、先月に引き続いて中央執行委員会は持ち回り、そして記者会見はこういった形でウェブでの開催ということであります。ご理解のほどよろしくお願いします。 前回もそうさせていただいたんですが、中央執行委員会は、対面であれば冒頭私が一言を申し述べるいうことですが、それに代えてメモでメッセージを中央執行委員各位に送らせてもらってます。それを少し撫でるような形でお話をさせていただければと思います。
 中央メーデーは、取材もかなりの方にしていただきました。動画の配信ということで、はじまって以来のやり方でありました。メモにもそういう形で触れておりますが、これはこれで、世の中に広く発信をしていくという意味で、はからずもこういうやり方は、これはこれでしっかりやっていく必要があるのではないのかなというふうに思いました。ただ、いずれにしろ労働組合はみんなで集まって、メモにいうところのアナログの良さだからこそ気づきを改めて持つということなんだろうと思っています。しっかりとその日に向けて取り組んでいきたいと思います。
 日本の社会における宝の持ち腐れといういい方をさせてもらっています。このメーデーの時の動画においても、私どもにとって労働三権、なかんずく団結権が、私どもあるいは日本社会全体においても宝の持ち腐れになっているのではないのかということを申し上げました。労働相談は、電話、メール、全国の地方連合会とともに本部においても、メール対応ということで、そしてかなり、いくつかパターンといいますか、そういったものがはっきりしてますので、Q&Aをサイトにも掲載をしています。大変な数の相談が舞い込んでいるということですが、やはり1丁目1番地としての労働組合づくりの必要性を嫌というほど認識をさせられているということであります。また、ここには記載していませんが、これももう1つの宝の持ち腐れではないのか、同じ憲法の第25条には生存権があります。ご承知のように生活保護という、まさにこの憲法第25条の生存権をしっかりと形に表した制度がありますが、実際に使えるはずの人がかなり使っていないというのが日常にあります。しかしこの足もと緊急事態ですから、これも本当に駆使をして緊急事態を乗り越えなくてはならないということではないかと思っています。
 そして、今日の議案のあとでまた触れさせていただくことになると思いますが様々あります。曖昧な雇用ということについて、私どもとして、やはり法的な側面もさることながら、どうやって手を差し伸べていくのかということについても、ぜひ注目、着目していただきたいと思いますし、そして挨拶のメモに返って見ていただければ、中央闘争委員会、今回私はこういう状況の中で、一言でいえば本当によくここまでの回答引き出しをしているなと思っています。労働組合があることの意味合いとして、働く者にとっての基盤をより確かなものにしていくことができるということだと思っています。そのことを体現していると思っています。
 一方では内閣府のほうで「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」というものがスタートしました。ご承知のとおりです。まさにこれは付加価値の適性分配に向けた営みということで、私どもの志向をしている方向と一致する枠組みだと思っています。私どもとしてもしっかりと参画をしていきたいと思っています。
 コミュニケーション力ということで、これは中央執行委員会の挨拶ということですので第一義的には内部に向けたものでありますが、しっかりと足元を照らしていこうということであります。連合として、政治との関係ということでも、ここ最近の動きを含めて、国民の意識とどんどん離れていってしまっているのではないのかなと。しかし連合としては、そういった政治に対してもしっかりと向き合わなければいけないということで、いろんな議論を重ねているということですし、その先に連合としてしっかりと世の中に対して発信をしていかなければいけないということだと思っています。
 私のほうからは冒頭以上とさせていただきます。よろしくお願い致します。

司会(山根企画局長)

 続きまして今回の第8回中央執行委員会の協議事項などにつきまして、相原事務局長よりご説明を致します。お願い致します。

相原事務局長

 お疲を様です。中央執行委員会、中央闘争委員会ですが、中央執行委員会の協議事項の観点でいくつかピックアップをしておきたいと、このように思います。
 今、神津会長からありましたとおり、重点分野-1に掲げております「曖昧な雇用」、およびそのネットワークでつなげていこうというところについて、重点分野-1、協議資料2-1で提起させていただいております。もとより連合は、この第16期、「まもる・つなぐ・創り出す」と、私たちが未来を変えようじゃないかというその旗のもとに結集して現在進めておりますが、労働法制でまもっていこう、新たな仕組みでつないでいこう、ということで、今回資料2-1にあります通り2つを1つのパッケージにしてご提起させていただいています。また来月以降、1000万連合の点について、新たな仲間を創り出していこう、という点についての計画を実装して確認をしていきたいとこのように思っています。それが1点です。
 および資料2-2のところでは、ウーバーイーツユニオンの支援ということで当面の運営資金などについて、これまでも連携してきているところですが、財政上のさまざまな脆弱性もありますので、できる限りの支援をしていこうということで、そこにありますとおりの連帯活動資金からの200万円の拠出ということで確認をさせていただきました。
 および3点目が今回は資料2-5、2-6、2-7ということで、雇用、経済そして生活ということで、一体的な政策展開をしていこうということになっております。学校の一斉休業が2月末、そして3月4日には政府官邸に対し、神津会長はじめ菅官房長官に対しての政策要請を展開して以降、第2弾としては緊急提言、第3弾としては雇用対策の強化等々を進めてきておりますが、この第1次補正、第2次補正、それ以降も見据えた上で雇用と経済、そして政策の観点について重点項目重点政策と合わせて、早急な対応をしていこうということで今日ご提起させていただいております。
 資料2-9では、広島長崎平和行動について、沖縄もそうでしたが、やはり現地における対応を中止とし、そして現場ともよく相談しながら進めていこうということで、見直しをご提起させていただいております。
 資料2-13では、6月3日の中央委員会、これ書面決議に切り替えておりますので、その開催に向けた対応についてご提起させていただいている点、および日教組の関係で、資料2-14、表彰ということで今回確認をさせていただいておりますので、お手元でご確認を賜りたいとこのように思います。
 私のほうからは以上です。

司会(山根企画局長)

 続きまして第6回の中央闘争委員会の確認事項につきまして、冨田総合局長よりご説明をいたします。

冨田総合政策推進局長

 総合政策推進局長の冨田でございます。お手元の資料4-1に第6回中央闘争委員確認事項をご提供させていただいております。
 今回は2点確認をしておりまして、まず1点目が、第82回中央委員会に提起をする春季生活の中間まとめの案をご確認をいただいております。
 それから2つ目には、5月7日現在で、現在もまだ4割弱の組合が交渉中でありますので、その組合への支援の進め方につきまして確認をしましたので、あわせてご報告させていただきます。
 私からは以上です。

司会(山根企画局長)

 それでは、これより質疑応答に入りたいと思います。はじめに、ご質問のある方の人数を把握をさせていただきたいと思いますので、まずご質問のある方は、Zoomの機能を使っていただきまして、「手を挙げる」ボタンを押していただいて意思表示をいただければと思います。こちらのほうで手を挙げている方を順次指名をさせていただきます。指名されましたら、事務局のほうで音声のミュートを解除いたしますので、それを確認のうえ発言をいただければと思います。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。2点あります。曖昧な雇用について、まず今日まとめられた基本的な考え方の、この最初に四角で囲まれているところを見ると、1つは労働者概念を社会の実態に合わせて見直し拡充するとなっていますが、これはつまり労働基準法上の労働者の解釈について、今は1985年の研究会報告が基になっていると思いますが、これの変更を求めていくと、そういう理解でいいのかというのが1点。それとウーバーイーツユニオンへの支援ですが、形式的には連合傘下ではないと思いますが、そういうユニオンに対して連合がこういう形で支援をするというのは異例のことなのか、それとも過去もそんなに珍しいことではないのか、その点確認させていただけますか。以上2点です。

A.(会長)

 それぞれ私のほうで触れた上で、少し足りない部分や間違っていたら補足してもらいたいと思いますが、曖昧な雇用ということについては、1985年というのがあるわけですが、その後世の中もずいぶん状況が変化していますし、そういう中でその当時に定めたというか文章化したものではカバーしきれないということなのだろうと思います。したがって今実態として、事業主だといいつつもどう考えても労働者だと、労働者性を有するというそういう状況があふれ返っているようなことだと思います。したがって、そこのところをもう1回ちゃんと明確にしていくということだというのが私の理解です。
 それからウーバーイーツは、確かにサワジさんがおっしゃるように、ここまでやるというのはこれまではなかなか無かったと思います。一方でご承知のようにベルコの闘争は、あれはあれであそこまで大々的にやるというのも、連合としてはこれまでの歴史の中では無かったことだと思いますが、ベルコについては、連合北海道そして情報労連ということで組織の枠組みの中で支援をしているということです。ウーバーイーツはご承知のように連合傘下の全国ユニオンが、組合結成に至るところ含めてかなりお手伝いもしてきているという事情がありますが、組織の中に入っているということではありません。ただ、もうこれもご案内のように、相手は本当に巨大企業ですから、ここのところである意味負けるわけにいかないと、これをいい加減なことを許すと、これはもう全体に波及するを影響はもう極めて大きいいうことの中で、こういう形で連合としても支援の枠組みを作っているということで見ていただきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(共同通信・ナカダ氏)

 共同通信のナカダと申します。政治の話でお伺いします。東京都知事選の告示まであと1カ月を切ったわけですが、国民主党の玉木代表は候補者擁立に関しまして、新型コロナ対策を念頭に最前線で取り組んでいる知事を変えることがどうなのかも議論しなければならないというふうに、見送りも示唆するような内容のご発言をされております。神津会長、今の時点で東京都知事選への臨み方について、候補者擁立への考えも含めてどのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 玉木さんがどういう発言したかについては、あまり私も詳しく知りませんので、そこに直接コメントは差し控えておきたいと思いますが、まあこれいわゆる共同会派のメンバー中心に野党としても候補擁立するというような意向は伝わっては来ているので、そこの状況を見据えるしかないと思います。一方で地方自治体、首長の選挙でありますので、東京都知事ということですから連合東京がどういうふうに考えるかということは、これは非常にいわずもがなですが大きい要素ですから、そこのところと今後しっかり調整をはかっていくということになると思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・ヨシダ氏)

 朝日新聞のヨシダです。春闘について伺わせてください。神津会長が3月以前ですねコロナの影響は一時金で起こる可能性については話されていたかと思います。今回のまとめを見ると一時金についても微増というような形かなと思いますが、コロナの影響は今回の春闘の一時金に影響があったのかという点、もう1点が、4割がまだ交渉中ということでなかなか妥結までたどり着けない可能性というのはどれほどあるのでしょうか。神津会長もしくは冨田総合局長にお伺いできればと思います。

A.(会長)

 とりあえず私のほうで申し上げますと、一時金については収益性に連動する部分というのは当然あるので、過年度のところがどうかっていうことでいえば、ここ足元で起きていることが3月4月ということで、この先に相当影響が来かねないということだと思いますので、そういう意味で、業種業態によってこれかなり違いがありますが、そういう流れの中で今のところの集計状況だということだと思います。それと今冒頭に申し述べたように、交渉で妥結して結果を引き出せたところは、かなりこういった形で引き続き頑張っているなということは確かにいえますが、あと集計にまず繋がっているかどうかという問題もありますし、交渉そのものがこういう状況ですから、ウェブで苦労してやっているというところもおそらくあると思いますが、対面ということについては少し先に送られているということはあると思いますので、そこが今後この緊急事態ということがどういうふうになっていくのかということと大いに関わってくるのかなと思います。要求をしてきたということは、それなりに展望を持って、あるいは経営側ともある種計画性を持って賃金を引き上げていこうではないかということも多分に背景にはあると思うので、まだまだここから先はしっかりと見据えていくべきではないかなと思っています。

質疑応答[4]
Q.(時事通信・オオツカ氏)

 時事通信社のオオツカです。先ほども出ました曖昧な雇用の部分で質問したいのですが、そのネットワークは、連合ネットワーク会員の新設ということで、曖昧な雇用は、フリーな、非常に幅が広くてギグワーカーから芸術系の方とかいろいろいますが、どういう範囲の方がこの対象になるのかということを教えてください。あと、ネット会員について組合員にしないとのことですが、これ一方で組織化、組合結成を妨げないとありますが、組織化してその彼らが組合を作ったら、行く行くは連合に加盟してもらうとか、加盟しなくてもいいですけど労組として扱っていくとかそういうようなことを考えているのか、その辺について教えてください。

A.(会長)

 これもちょっと間違っていたらあとで補足してもらいたいと思います。範囲ということでは特に限定はしないという理解でいいんですかね。あとのところの話ですが、冒頭私が申し述べたように、組合作るということが一番大事だなというふうには思っています。ただ、労働組合を作るということのまずイメージが、もう相当の距離感があると思うし、労働組合ということの存在にまず気が付いてもらわなければならない、こういうことがやはり実態だと思います。したがって、このネットワーク会員ということはいろんな意味があると思いますが、まずそういうものがあるのだと、あるいはワークルールというものがあるのだと、あるいはそういうお互いがそういうことを通じて結びつくというそういうものがあるのだという、まずそこの接点を知ってもらう、理解してもらう、ということがないと、組合を作ろうといっても、繰り返しになってしまいますが、それはどういうことなんですか、ということではないのかなと思います。したがって、そういうところに必ず到達するのかどうかというのはケースバイケースだと思いますし、そのためにやるという事よりもその一人一人悩みを抱えながら働いている人たちに手を差し伸べるということで、それはもう今こういう足元の中で相当やっていますが、それをある意味定常化するというか体系化するというか、そういう営みでもあるというふうに見ていただきたいなと思います。

Q.(時事通信・オオツカ氏)
それは将来的にそういう方々も連合の組合員になる道を考えていくということなんですか。

A.(会長)

 ええ、そこはそうなればそうなったで、より強固な結び付きを持てるということだと思っています。

質疑応答[5]
Q.(時事通信・コンドウ氏)

 政治の関連でお伺いします。過日継続審議となった国家公務員法改正案について、自民党の世耕参院幹事長が、雇用環境が悪化する中で公務員の定年引き上げはどうかとして再考を求めました。自治労など定年延長に期待する声も大きいと思いますが、この件に関して政府にどのような対応を求めるか、お願い致します。

A.(会長)

 政府与党の、しかもそれなりの立場にある人の発言とはとても思えないので、どうなんでしょうかね、自民党の中でも相当問題になるのではないでしょうか。ご発言がこの後どういう理解に置かれるのかというのは注視をしていく必要があると思います。今回の一連の顛末というのは、もう一体何をやってるのかっていう話だと思います。そもそも公務員の定年延長というのは、これはこれで極めて大事な法案ですから、それに何か、どういう表現したらいいのかわかりませんが、全く異質なものが束ねられるということ自体がおかしいですし、その束ねられたものの中身が、極めておかしいものだということでありますので、なぜ共連れで継続審議になるのかというのは、もう本当に考えれば考えるほど怒りがふつふつと湧いてくるというのが正直なところです。まあいずれにしても、今足元の状況にしても、公務の世界というのはいかに大事なものであるかということをよく考える必要があると思いますし、雇用をどうやってしっかりとその基盤を固めていくのかということを考えると、私はこういう状況だからこそ、この法案の意味をしっかりと社会全体が認識をして、清々と新しい枠組みに向かっていく、定年を延長していく、これはもう時代の要請でもあるというふうに思っています。以上です。

質疑応答[6]
Q.(NHK・モリナガ氏)

 NHKのモリナガです。よろしくお願いします。連合のほうは新型コロナの関係で労働相談を積極的にやられていると思いますが、今はその相談がどれぐらい来ていて、そういう相談を受けてどういうふうなことを今、会長が感じられているかというのと、あとこれから緊急事態宣言解除される地域等もあり、今後こういう流れの中まだ雇用の危機というのはこのまま続くと思われているのか、どういうふうになるとお考えなのか、あとそれに合わせて政府にこういうことを要望したいとかですね、そういったことがありましたらあわせて教えてください。

A.(会長)

 今日の中執の議案書の中にも3月の数字が入っていました。4月の状況も6割増ぐらい、前年対比で、というふうに聞いています。実際に受け付けられたものですから、実際には電話が鳴りっぱなしでなかなか取れなかったというような状況もありますので、相当の数の問い合わせをいただいているということだと思います。したがって、冒頭申し述べたように、いくつかパターンというか、ありますので、それらをQ&Aということで連合のホームページ、サイトに載せていますので、もうすでにご承知だと思いますが、それも見ていただきたいし、世の中にもぜひ広げていかなければいけないということだと思っています。
 雇用の状況は、日に日に私は悪化をしていると思っています。結局なかなか出口が見えない、あるいは見えづらいということであるとかですね、あるいは業種職種、特定のところに集中して影響が出ているというのが今回の状況の特徴でありますので、緊急事態宣言がかなりの都道府県で解除をされてきているといっても、何といって大所のその首都圏が残っているとか、あるいはその解除されるといっても休業要請であるとか、あるいは自粛が全てもう解消されるということではない中で、今申し上げたような特定の業種職種に影響が色濃く出ているということはまだまだ続いていますので、なんとかこらえているところがこらえきれないということがこの先懸念をされます。したがって、これも相原事務局長から説明あった通りで、政府に対する要請というのを重ねて行ってきていますが、今後もこれはもう何度も何度もやっていく必要があるんだろうと思っていますし、今後は制度面において、本格的なセーフティネットを構築すべきであるというようなことであるとか、あるいはどうやってこの当面仕事のマッチングを、片やニーズが、公務の世界を含めて、必要だが人が足りないというところがありますから、そういうところとのマッチングということもこれは国が率先してやっていく必要もあるだろうと思います。そういったことに向けて私どもとして緊急対応それからこの先に向けてということをやっていく必要があるだろうと思います。

A.(事務局長)

 数字の関係だけ少し補強しておきますが、6割とさっき会長からありましたが、3月4月を通算して前年と比べて6割増というふうになっております。5月単月ですと5割増、4月の速報値でいうと7割増という形になっていますので、受付件数の変化が大きいというのが1つと、中身の相談内容でも、これまではずっとパワハラ・嫌がらせが通年通じて相談の順位の1番でしたが、この4月の速報においては休業補償等々、働き方の最前線の相談内容が多いということで量的質的な変化をご報告できるというふうに思います。以上です。

質疑応答[7]
Q.(時事通信・エイノ氏)

 時事通信のエイノです。よろしくお願いします。春闘に関して今後の話も絡んでお伺いしたいのですが、今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、交渉の回答を一部凍結するような動きも出てきています。こうした動きが、コロナの影響が長期化することによって今後どういうふうになってくるのか、ご見解をまず1点お聞きしたいのと、もう1点が、新型コロナの第2波がやってくるという話もあります。来年以降の交渉に新型コロナがどう影響してくるのかという、その2点お伺いしていいでしょうか。よろしくお願いします。

A.(会長)

 少し印象含めて私のほうで先に申し上げると、今年のところは確かに交渉が滞って先に延びているというところは、例年と比べればそれは多いことは事実ですが、ただ大きい傾向はかなりもうはっきりしてきているので、そんなに、この連合の中で見たときに、この足元のコロナウイルス感染症対策が大きく影響するということにはならないのかなと思います。ただ、要するに世の中全体で見たときに、そもそも雇用の状況が先程申し述べたようなことですから、本来であれば連合として上げているこの成果が、時間は相当かかるにしても世の中にどう広がっていくのか、あるいは広げていくのかということですが、そこのところはかなり不透明になってしまっているということではないかなと思います。
 来年ということでいうと、まずはこの状況をどう乗り越えていくのかということでありますから、ただ私どもとしては分配構造の転換をはかるということで、そのことをこの数年ずっと意識していますし、特にこの「分配構造の転換をはかる」という言い方を意識して今年は取り組んできましたので、いずれにしてもこの流れをどうやって格差を是正していくのか、それはこういう時だからこそ働いている者の基盤というものをもっと底上げしていかなければいけないということで、その考え方は堅持をして来年に向かっていくということだと思っています。

質疑応答[8]
Q.(日本経済新聞・マツイ氏)

 日経新聞の記者のマツイと申します。曖昧な雇用に関して、労働組合の組織率というのが低迷傾向に歯止めはかからないということがあると思いますが、その背景についてやっぱり雇用とは違う労働の形態が増えてきているというふうな分析をこれまでもされているのではないかと思います。例えばウーバーイーツユニオンとかこういう雇用関係ではない新しい働き方というのを連合の組織の中に取り込むことによって、労働組合の組織率低下というのに歯止めがかけられるというふうにお考えになるでしょうか。

A.(会長)

 私どもとしては組織率というのは確かに大いに意識するところではありますが、今回こうやって提起してることは、組織率がどうこうということ以前に、この日本の雇用社会というのは特にこの20年間、かなり劣化をしてしまったと思います。連合に加わっている組織の組合員はそれなりの基盤を、いろんな課題はあっても、しっかりした基盤を持っていると思います。しかし世の中全体を見ると、そことの格差が、いろんな意味での格差が広がり続けてしまっている。これにどうやって歯止めをかけるのか、ということが最大の眼目だと思っています。それで、曖昧な雇用といわれるところは、実はですから組織率ということでいうとおそらく分母には入っていないので、したがってそのことも含めて考えると、この劣化した雇用、必ずしも全部が劣化ということではないと思いますが、ただかなり厳しい状況の中で日常働かざるを得ないという方々がやはりこの20年間でかなり増えてしまったということだと思っています。そういう意味で私どもはやはり労働組合がある、その傘に守られるという冒頭申し上げた、これは憲法で保障されていることでありますので、そのことを宝の持ち腐れにしないと、そういった思いで様々な取り組みを展開していきたいということです。

司会(山根企画局長)

 予定の時間が近づいておりますが、その他ご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。こちらからは挙手が確認できませんがよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。ご質問無いようですので以上をもちまして5月の定例会見これにて終了させていただきます。ご参加・ご取材いただきましてありがとうございました。

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