記者会見 2020年9月

 

連合記者会見

9月定例記者会見

神津会長・相原事務局長(2020年9月17日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日も大変多くの方にお越しいただきました。ありがとうございます。
 今日の第12回中央執行委員会は、その回数が指し示す通り、連合第16期の前半年度の最後の中央執行委員会ということでありました。10月2日に予定をしております中央委員会をもって、後半年度で入るということであります。そういった中で、議案についてはまた後ほど相原事務局長の方から触れさせていただきますが、協議事項の1点目にありますように、後半年度2021年度の活動方針、これは中央委員会議案として今日確定したところです。具体的な内容は広範多岐にわたりますので、ぜひお読み取りもいただきたいと思いますし、またこの場のみならず、様々関心事項についてはお尋ねいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 コロナの状況が依然としてモヤモヤしたままですし、連合にとっては雇用の問題です。そしてその背景にあります経済状況、まだ依然として心許ない中ですから、雇用への影響というのはここからどういう形で出てくるのかということについては、深刻な状況を全く脱していない、むしろここから影響が出てくるのかもしれない。しっかりと見極めていく必要があると思います。そういった中で、労働相談も依然として昨年対比で見てかなり上回っている相談件数であります。連合として、大体いろんなパターンの、決まっているパターンがありますから、そういったものをホームページに掲載をしており、そのことをもって理解をいただいているという部分も少なからずあると思います。相当こういう厳しい状況の中で、元々不安定な状況にある人がより厳しい状況に追い込まれているということは現実に未だむしろ強まっているというふうに見ておかなければいけないというふうに思っています。また一方では、元々持っていた問題意識に加えて現実がかなり先行しているテレワークの状況についても、今の段階における連合としての考え方を労使関係の中できちんと認識を定めて対処していくべき内容ですから、1つのその指針、方針を今回定めておりますので、そういった内容についてもぜひ着目いただきたいというふうに思います。
 それから、一昨日新しい立憲民主党が成立しました。この間ポストコロナの社会像、理念を当時の立憲民主党と当時の国民民主党と連合と三者で議論をしてきました。それが8月27日に合意を見たということは前回この場でもご報告をしたとおりですが、改めてそれを引き継ぐのは合流新党だということもその時点で明らかにしていました。一方で、政権与党はまさに前回のこのタイミングで、同じ8月28日に総理退陣ということになり、昨日それを引き継いだ菅新政権が成立をしているということであります。そういった中で、こればかりは実際どうなるかわかりませんが、総選挙も有りうるべしということの中で、本日、衆議院選挙の対策の方針、これについて、これも現時点のものという留保付きではありますが、決定をしたところであります。私どもとしては、今日中執の中でも私の方からもそういった意味のことを申し上げました。合流新党が結成されたということ、これはこれで多としつつ、しかしいつまでも後ろ振り返っているだけではダメですので、総選挙有りうべし、総選挙モードということを含めて転換をしていく必要がある。新しいモードをしっかりと見定めてそこに向かっていくという意味では、いま申し上げた理念、連合ナショナルセンターとして話を持ちかけて、それが新しい政党の立ち上げとそのほぼ同時のタイミングで合意を見るというのは今までの歴史になかったことだと思います。この政策をさらに深掘りしていかなければいけない、具体的な政策につなげていかなければいけない。連合は、今回のこの間の経緯も含めて、いろんな分断とか対立構造とか、そういった政局に影響を都度受けてきた訳ですが、もうこういうことについては、もうまっぴらごめんという気持ちが強くあります。政局ではなくて、政策モードに切り替えていかなければいけないということを強く念じているところであります。そういったことを含めて、どうしても政治の世界からは影響を受けることが極めて多いのですが、歴史を遡ってもそういうことの繰り返しであったところもありますが、今回はその政策モードということの中で、連合としてはむしろこっちから攻めていくぐらいの気持ちを持って臨んでいくことが必要だと思います。まあいろんな意味で、いろんな切り口で新しいものに転換をしていこうじゃないかということも今日の中央執行委員会の中で呼びかけたところであります。
 私の方からは以上とさせていただきます。よろしくお願いします。

相原事務局長

 第12回中央執行委員会、議事次第にございますとおり、また今神津会長からありましたとおり2021年度の活動計画案を提起しご承認を賜りました。コロナ禍が広がる中にあって労働運動をいかなる形で進めていくべきか、大変幅広い観点が必要になっておりますが、個別の具体案に落とす前に先頭にそのあたりの書き込みを新たにさせていただいたところです。あわせて連合組織拡大の2030、このプランについてご了解を賜りました。テレワークの導入に向けた労働組合の取り組み方針について、現段階における方向感を皆さんで確認をいただきました。あわせて第4次男女平等参画推進計画、これ1年延ばして具体的な目標をもう1回定めて進捗をしていこうということで改めての確認をさせていただいたところです。衆議院議員選挙の基本方針、ただいま神津会長からありました通り、枝野代表と理念を取り交わすと、締結を取り交わすということも含めて確認をさせていただきました。
 あわせて、口頭で連合岩手の関係について1点ご報告を申し上げます。すでに岩手の地元紙におきましては取り扱いがなされておりますが、連合岩手における不正経理の発覚という点について口頭でご報告を申し上げます。発覚した内容は次の通りです。連合岩手におきまして、2011年度から決算額と通帳残高に差異が生じていることが判明いたしております。現時点で、一般会計で約8500万円、特別会計で1500万円であります。なお長年会計を担当されていた職員が過日亡くなっておられることから、事務局で決算書と過去の通帳履歴書類を確認し発覚したものであります。不正経理の内容などにつきまして確認作業を進めておりますが、昨日の連合岩手の中央執行委員会におきまして、第三者による検証委員会を設置することを確認いただきまして速やかに検証を進めていくこととしております。検証委員会のメンバーは、弁護士、公認会計士、連合本部、構成組織の代表の4名からなっておりまして、事実関係の調査、役職者の日常的な管理を含む責任の有無などなどにつきまして検証を賜るということになっております。連合岩手としても全容解明に向けた全面的な協力を現在明らかにしているところであります。なお連合本部といたしましても、地方連合会に対する緊急点検の実施など監査体制の強化などを含めまして、連合本部としてもしっかり進めていきたいとこのように考えております。お騒がせしておりますことにお詫びを申し上げたいと思います。 私の方から以上です。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・コバヤシ氏)

 朝日新聞コバヤシです。次期衆議院議員選挙の基本方針について2、3お尋ねしたいと思います。支援先としては立憲民主党ということだと思うのですが、一方で国民民主党や無所属候補への対応も検討整理すると書かれています。今後どのような点をクリアできれば国民民主党や無所属候補への支援ができるのか、まずそれが第1点と、あと2点目としましては、9人の産別の組織内議員が現在は立憲民主党には加わらず国民と無所属にいると思いますが、将来的にはこの9人についても立憲民主党への加入、入党を求めていくのか、その場合はどういった点がクリアされなければいけないとお考えなのか、その課題についても教えてください。

A.(会長)

 1点目、今日の時点ではこういうことだということです。今後、総選挙モードといういい方もしましたが、基本的には立憲民主党がどうやってその選挙区調整、中心になっていくと思います。そのもとで国民民主党の方であるとか無所属の方としっかりとどういう連携関係を持っていけるのかということは見極めていく必要があると思います。それと、党に対してということでいえば、今回先ほど申し上げた理念の問題含め、一方で合流ということは連合としても「大きな塊へ」ということでそれを期待する立場でずっと来ましたので、新しい立憲民主党との間はそういう自然な流れの中で、支持していくんだということになっていますが、かたや残念ながら今回合流に、そちらに行けない、行かない、人たちが結成をした国民民主党がどういう考え方で今後臨んでいくのかということについては、今しばらく見定めないといけない。現時点ではそこはやはりいわざるを得ないと思っています。そこはいろんな要素があると思いますので、それらを見据えた上ということになると思います。
 それから、そのこととも多いに関わりますが、この間ご承知のように、ご報告もしてきましたが、三役会で構成組織代表者中心に意見交換の場を何回か持ってきましたので、そこでの申し合わせは引き続きこれ生きてる話だと思っていますので、やはりそういう1つの大きな塊へということの考え方の中で引き続き、そういう意味では出身元の構成組織がしっかりと意思疎通を繰り返していくということの末に、どういう形を見いだせるかということだと思っています。いま足元それぞれの党が発足をしたばかりですから、直ちにどうこうということにはなかなかなり得ないかとは思いますが、そこはしっかりとそれぞれの党がどういう打ち出しをこれからしていくのか、そういうことの中でやはり大きな塊をめざす、それで、これは玉木代表も今大きな塊をめざすということについては、そこのところの考え方はキープをしているということを聞いてますので、そういう中でどういう姿になっていくのかということで見守ることになるというふうに思っています。

質疑応答[2]
Q.(時事通信・コンドウ氏)

 時事通信のコンドウです。2点お伺いしたいと思います。1つが今の国民民主党の件ですが、以前神津会長は組織内議員が入るようなことがあったらその玉木新党は支援しないとおっしゃいましたが、今日の基本方針だと今後の打ち出し方などによっては国民民主党を党として支援する、もしくはその所属議員を個別に支援することも可能性としてはなくはないのかという確認をさせていただきたいというのが1点。
 もう1つが共産党ですが、前回参議院議員選挙では統一候補を立ててそれなりの戦いをしましたが、前回の衆議院議員選挙の基本方針では連合は共産党と選挙戦で連携することはあり得ないと書いていました。今回共産党についての言及がありませんが、どういった立ち位置で選挙戦に臨むのかという点をお願いします。

A.(会長)

 後段の方から行くと、共産党との関係はどこかに記述があったと思いますが、要するにこれは一貫してずっといっていることですが、政治の世界において、いろいろなことが模索されるというのは、それはそれであるのでしょう。ただ、連合が、歴史的な経過もありますし、かつ左右の全体主義とは一線を画すというのが基本的な政治方針ですから、例えば選挙事務所で共産党の人たちと一緒にやるということにはこれはもうならない、なり得ないということでありますので、表現は今私がいったような表現ではありませんが、そのことを趣旨としたことは明示をしていると思います。 それから1点目ですが、以前こういった場でも申し述べてきたのは、やはり依然として8月11日に玉木代表がああいう言動を取られたということは、やはりミスリーディングだったと思っています。したがって未だに、地方においても誤解が残っているのは、国民民主党として残ることができるみたいな、それは全く事実と反する訳で、これは玉木代表自身もやはり合流は是とするということをいった訳ですから、だから一旦2つの党は解散をして、その解散をするというのは1つの党に合流するということがあって解散をした訳です。だけどそこに行けなかった人のためにといいますか、新たな国民民主党を作られたということなので、そういう形でできる国民主党というか、かたやの党が組織内の人たちを引っ張り込むということについては、そういうことがもしあるのであれば私はその党を応援するという気持ちには到達しない、到達し得ないということをいったのです。だから、それがいつか到達することになるのかどうかみたいな、別に言葉の遊びをするつもりはありません。その後、8月11日の一件についてはそれを振り返りつつ、ある所で、ある時点で玉木代表からも詫びも入りましたので、したがっていつまでも過去のことをいってもしょうがないなというふうに思っています。ただ、やはりあの時の言動がもたらしているいろんな問題が、地方においてまだ1つの混乱状況を残していることも事実です。そこがしっかりと収まっていくことも見ながら、そして先ほど申し上げたように、その今回できた新しい国民民主党が何をめざしていくのかということも見据えなければならないと思います。
 菅政権に引き継がれましたが、基本的には安倍政権の考え方を引き継いでいくということも言明されてますので、今回のコロナの問題がもたらした状況というのを、立場の弱い方々に集中的に影響が出ているということです。そこに手を差し伸べるのが政府のやるべき事ですが、本当の意味でのセーフティネットができていませんから、基本的なものの考え方というのが違うのだろうと、連合のものの考え方と歩みを共にすることができるのか、しっかりと政権と対峙をするということなのかどうかということも含めて、状況を見守った上で臨機応変に対処していきたいと思っています。

質疑応答[3]
Q.(共同通信・フクダ氏)

 共同通信の記者のフクダです。1点、前回の参議院議員選挙について神津会長はもう2度とやりたくない選挙だとおっしゃいましたが、現状を見ると支援先が分裂しているという状況が継続することになってしまったわけですが、玉木さんの言動も関係していると思いますが、この分裂する状況が継続していることについての受け止めをお願いします。

A.(会長)

 私がそういう表現を取ったのは昨年の参議院議員選挙です。したがって次回の参議院議員選挙2年後、2年もう切っています。したがってこのままではならないというふうにそこは強く思います。総選挙の場合も、本当は一体となってということを求めてきている訳です。総選挙のタイミングがどうなるか分かりませんので、もしいわれているように年内というようなことであれば、ここは残念ながら両党あるいは無所属に分かれてということになるでしょうが、総選挙の場合は一人区の候補、これくれぐれもバッティングして政権与党に漁夫の利を与えないようにということを求めつつ、その図式の中で力を合わせて、基本は新しい立憲民主党を応援する中で、しかし野党第一党がしっかりと懐深く選挙区調整も行っていく中で力合わせをしていくことができるのではないかと思っています。ただ参議院議員選挙の場合は、ご承知のように連合としてはやはり比例の名前を書いてもらい、そしてその基盤はそれぞれの党が得た得票数に応じてということになりますから、これはもう昨年のことは全く繰り返したくないというのは当然です。ですから2年を切ったということで、まだ2年近くあるじゃないかという見方もあるかもしれませんが、私どもは名前を書いてもらう選挙の難しさを嫌というほど味わっていますから、そこは悠長に構える問題ではないというふうに思っています。

Q.(共同通信・フクダ氏)

 確認ですが、そうしますとやはり最終的には今の合流新党、立憲民主党に寄っていくような形で大きな塊になるっていうのが望ましいというご認識でしょうか。

A.(会長)

 まあ寄っていくという表現がいいのかどうかということもあると思うので、だから国民民主党がどういう考え方で今後進んでいくのかということはまず見極めたいということを先ほど申し上げた通りですが、立憲民主党も、ある意味今回合流できなかった人たちに、あえてこういう表現取らせてもらえば、まだ理解されていない、あるいは誤解されているというところがあるかも知れません。だからそこは本当の意味で懐の深さ、あるいは今回掲げようとしているものの考え方で、これは理念を共有したということの意味は非常に大きいと思っています。大きいところで理念が共有されているんだよなということをもう一度認識を新たにすることができるのかどうか、ということがあると思っていますので、形はどういうことになるのか分かりません。ただいずれにしろ、昨年の参議院議員選挙みたいなことを繰り返すことだけはあってはならないと思っていますので、そこに向けてそれぞれが努力をしていくということだと思います。

Q.(共同通信・フクダ氏)

 それぞれが努力という言葉がありましたが、連合としてはどういう立場で今後その大きな塊をつくっていく努力をされていくのでしょうか。

A.(会長)

 これは先ほどもいいましたが、申し合わせにもとづいてやっていくということに他ならないと思いますし、参議院議員選挙のそういう成り立ちを見た上で、何回もいっていますが、展望を持ちうるかどうかということです。要するに、いってることは正しかったが選挙に負けたっていうのでは、私たちとしては昨年の反省が生かされたということにならないと思いますので、それは私たちがいくらいったところで政治の世界に身を置く方々が努力してもらわないと、そういうことにつながっていきませんから、私たちとしていろんなお膳立てはそれぞれの皆さんからの思いを受けてしていきたいと思います。それは理念の共有ということが、私たちとして非常に、できることの最大のところだと思っていますので、繰り返しになりますが、そういう意味でこの今の新しい政治情勢と私たちが共有する理念とが同時のタイミングにスタートするということは、大変に意味のあることだし、意味を持たせなければいけないというふうに思っています。

質疑応答[4]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。原稿を書きやすくしたいので伺いますが、要するに立憲民主党は旧来の民主党のように支援政党とその地位に伏したと、そう見ていいのかと。国民民主党あるいは無所属の皆さんは将来、合流する可能性もある訳ですから、準支援政党、そんな表現でいいのでしょうか。分かりやすくそのへんを伺いたいです。この文章を読んで私よく分からないので、要するにまず立憲民主党は前の旧民主党の世界に戻れたのかどうか。それからもう1点は、昨日も見てて、赤旗が一面で大きく報じてますが、枝野さんの側から共産党にお願いして首班指名を受けている訳で、立憲民主党の枝野さんは、これが果たして連合の中の皆さんにとって良いことなのかどうか。それは何故かというと、ここの基本方針にはっきり書いてあります、選挙において連合は共産党を含む野党共闘には与しないと明言してあります。つまり日米同盟を否定するというか、撤廃するような政党と、そんな政党と政権交代なんか望んでどうするだというのが普通の考え方なんだろうと私は思いますが、その部分、やっぱり本当にその立憲民主党を本気で支援するんだとしたら、その部分にやや僕は矛盾というか、また亀裂が生じるのではないかと思うのですが、その辺は連合としては原発ゼロよりこちらの方が本当は深刻なのではないかと思っている組合員の方が多いと思うのですが、この2点伺いたいです。

A.(会長)

 これも順不同で2点目の方から申し上げると、要するにここで書いてることが全てですが、政治の世界においていろんなことが模索されるというのはあるのでしょう、それは国会戦術においてもそういうこともあるでしょうし、選挙対策という視点においてもそういうことはあるんだろうと思います。ただ連合としては、その民主主義ということの基盤に立っているんだろうか、そういうことについて疑問のある、あるいは歴史的経過においていろんな形で攻撃をされてきた相手でありますその共産党と一緒に何かやるということにはならない。これは明確だと思っています。
 それから1点目については、ミヤジマさんおっしゃった前半のところは、私はその通りだと思っています。ですからかつて民主党に対して、ある意味一枚岩で支援していたということは今回この新しい立憲民主党、略称民主党に対して同じスタンスがそこに復活したといえるのだと思っています。ただ、表現がよく分からないというのは、それはもうその通りなので、今日の段階では、しからばその国民民主党であり、あるいは本来合流して欲しかったという、しかし無所属で立ち止まっている方々、その方々の状況は、率直にいって選挙区調整なども含めていろんな動きを見た上で、これは臨機応変に追加版として出していきたいというふうに思っています。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・サカキバラ氏)

 朝日新聞経済部のサカキバラと申します。最低賃金について伺います。今年新型コロナウイルスの影響もありまして、中央審議会では目安を示すことができませんでした。結果、東京も含めて引き上げがない都道府県もありまして、全体的に低調だったと思います。一方で菅新政権、菅総理は特に総裁選公約などで最低賃金の引き上げっていうのを盛り込んでおりまして、最低賃金早期の1000円というのにも非常に積極的だというふうにいわれております。神津さんとしては例えば来年の最低賃金の議論で、例えば今年のようにそういう目安を示せないみたいなことではなくて、ちゃんとした引き上げに向けて菅総理のリーダーシップというものとか、そういうものについて結構期待が持てるのかとか、そこらへんについて教えてください。

A.(会長)

 中央最低賃金審議会の議論に入る前に、安倍総理はじめ、雇用優先という発言をされました。そのことが大きく影響した訳です。これは非常にミスリーディングだったというふうに思っています。いわゆるエッセンシャルワーカーといわれる方々含めて、1000円にすら到達していない、平均で1000円だって2000時間働いて200万円にしかならない訳ですから、これいろんなことの日本の抱えている問題がここに発しているというふうに端的にいえると思います。ですから、一方で実際に中央最低賃金審議会がいつも参考にして、むしろ使用者側の方が持ち出してくる実際に賃上げが足元でどうかというそれを見たら賃金は上がっています。そのことも含めて極めてあんなアドバルーンを上げたということがミスリーディングだったと思います。まあ一方で確かに生産性が上がらないと賃金を上げる原資がないというのもそれはそれで事実だと思いますが、だけど百年河清を待つようなことでずっとこれまで来ました。ですから、最低賃金を上げるということそのものが生産性を上げることのバネ力になる訳です。そういったことを、菅新総理はご存知のようにデービッド・アトキンソンさんのいわれていることをかなり考え方としても共鳴されているというふうにも聞きますので、ここは基本的に政府がどうこうということももちろんありますが、政労使三者で、これは最低賃金のみならずこれまで経済の好循環を賃上げということを1つのその基軸にしてやっていこうということをいってた訳ですから、いわゆる賃上げも含めて、最低賃金もそうです、やはり政労使で考え方を合わせて、これはもうしっかりと上げていくという、そのことに向かって欲しいと思います。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。すみません1点だけ、今日確認されていると思いますが、この高齢法の改正に対する取り組みの中で、今回その措置されたところの65歳から70歳までの就労確保、就業確保について、この文章を読むと雇用以外の選択肢についてかなり否定的に書かれているように印象を受けましたが、あまりその審議会の中ではそこまで否定的な意見を連合側が表明した記憶がないので、この今日確認されているこの文章の意味合いというか、ここに込めているもの、込めている思いみたいなものを教えていただけますか。

A.(会長)

 私なりの表現になると思いますが、それをこう決めたその会議の場では、このことをもって年金受給年齢の引き上げみたいなことはまかりなりませんということに最大限力を込めてきたので、したがってそのいろんな形があるということについて、そこについても一定の表現はしてたはずですが、どっちかというと力の込め方は、これでもって年金がもう70歳以降でないと貰えませんみたいな、そのようなことは絶対に止めてくれということに比重が掛かっていたので少しそのように見えていたきらいはあるのだろうと思います。ただ、そもそも曖昧な雇用に対しての問題意識をかねておりずっといってきています。一方で雇用のセーフティネットが実は日本の場合極めて脆弱だというかたやの事情もありますので、ましてこういうコロナウイルスの問題がそういう曖昧な雇用にかなり問題をより際立たせているということもあります。来年4月からスタートするというその準備にかかるにおいて、最終的には労使でどういう納得を持てるのかということになりますが、我々労働側としては基本的に安定する雇用ということが基本だと思ってますので、その軸はしっかりと打ち出していこうとそういうことであります。

質疑応答[7]
Q.(産経新聞・チバ氏)

 産経新聞のチバと申します。よろしくお願いします。また少し政治の話に戻ってしまって恐縮ですが、先ほども出ましたが共産党との関係ですが、会長は以前例えば雑誌のインタビューとかで、共産党についてめざす国家像が異なる、立憲民主党、国民民主党と1つの政権を担うということは理屈からいってあり得ないということをかなりはっきりおっしゃっていたように思いますが、先ほどの発言を聞いていると少し後退しているというか、現状を容認するかのように聞こえてしまったのですが、そのあたりどのようにお考えなんでしょうか。

A.(会長)

 いやまったく後退はしていませんし、政治の場でいろんなことが模索されることはあるでしょうといういい方を私は前からしています。ただ、それは2009年に民主党政権が成立をしたときも水面下含めていろんな模索はあったんだろうと思います。そのことが功を奏したという面もあると思います。当然私たちが積極的にそういう調整に頼るべきだというふうにはいいません。そんなことは口が裂けてもいうつもりはありません。ただまあ政治の世界でいろんなことが模索されて、そのことが、今でいえば新しい立憲民主党がさらに勢力を拡大するということにつながるのであれば、それはそういうことなのでしょう。ただ、2009年の時もそうであったように、政権を共にするということはあり得ないことだと思いますから、新しい立憲民主党にしたってそんなことはよもや考えているはずがないと思っていますので、そういうことを含めて私たちのスタンスは全く変わっていませんし、変えるつもりはありません。

質疑応答[8]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタです。テレワークの件でお聞きします。労働界でこういう形で就業規則案とかそれからランニングコスト費用まで出したというのはこれがはじめてのことで、良いところに目をつけられていると思いますが、中身を見ると非常に各論レベルというのか、そういう形になっています。お聞きしたいのが、88ページ9.業績評価等という事です。テレワークを利用して、例えば電機の大手とか、あるいは経団連の方もむしろこの際家で働いていると評価が分からないから個人評価を非常に強めて、賃金制度も現行の賃金制度ではなくていってみれば職務評価制度といいますかジョブ型雇用にやろうという形で、電機の大手なんかは労使で具体的にそのジョブ型雇用やってる訳です。このあたりについてこの9.の「評価制度および賃金制度を明確にすること」というだけでは少しその抑えが足りないのではないかという感じがしています。というのが、いま労使で協議をされているジョブ型雇用というのは非常に集団的労使関係ではなくて、個別的な能力で賃金とか評価制度を作っていこうという形です。このままでは、労使で集団的労使関係を弱めていくような懸念というのもある訳です。神津会長は以前ジョブ型雇用といっても終身雇用、年功序列でいくんだというのが実態といいましたが、具体的に大手の場合はジョブ型雇用という形の評価制度で、集団的労使関係を弱めて、個々バラバラにして賃金制度や昇格制度を作ろうとしてる訳です。このあたりについて補足とかそういうものがあれば少しお聞きしたい思います。
 今年の春季生活闘争の結果で、働き方改革のところの項目を見ますと、このテレワークについて労使協議をしているというのが4件報告されていますが、現状で連合の中でどの程度テレワークで労使協議をされてるのか、もし現状が分かれば知らせてもらいたいと思います。

A.(会長)

 具体的にどこまで労使協議しているかというのは、まだ手元にそういうデータがある訳でもないので、シカタさんが前半でいわれたこととも大いに関わると思っていて、労使の話し合いの中で簡単にいえばジョブ型ということが、どういった考え方で、どういう扱いになっていて、どういう制度構築をしようとしているのかというのは、今動いている話ですから、そこをしっかり把握しながら、場合によってはこうあるべきだというその部分においても今後また追加的に考え方を打ち出すということは大いに有りうべしだと思います。私は、ジョブ型ということについては同床異夢のところがかなり世の中全体ではあるというのは、この場でもお話し申し上げた通りなので、全て100%否定するつもりはありません。いやむしろ、きちんと上司が部下に目的意識を共有し、その下でどういう仕事をしてもらうのかということを明確に指示しているのかどうかということも、今いろいろテレワークということで起きている問題、改めてそこは光を当てなければいけないという話だと思います。むしろそういうことをきちんとやるということにつながる要素にしていくのであれば、その部分においては良いと思いますが、ただ世の中悪乗りして、要するにもう給料上げないために何かジョブ型みたいなことを仰々しく使っていくみたいなところが出ないとも限らないので、したがって同床異夢だという、その危うさをしっかりと認識しながら、あるべき姿がその個別の労使でしっかりと見出されるということを見据えていきたいと思います。

Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 ジョブ型雇用の場合は、どういう職務かといわれましたが、例えば職務記述書をきっちり作らせるとか、そういうことも1つの方法ではないかと思います。具体的に協議して中身が出てくれば、それをきっちりした職務記述書も作れというようなことも労働側として対応していく必要もあるのではないかと思いますが、もしこれから調査していって分かればそのあたりも検討していただければどうかという感じがします。

A.(会長)

 ひとつの側面だと思います。これも少し奥深くてそれはご承知の通り、議論のネタというのは相当多岐に渡ると思うので、それはまた改めてと思います。

質疑応答[9]
Q.(読売新聞・ウエノ氏)

 読売新聞のウエノです。先ほど最低賃金について言及がありましたが、もう少し総論的に、菅新内閣についてと田村新厚労大臣についてのそれぞれの印象とそれに対する期待や注文があれば教えてください。

A.(会長)

 それは全体観ということですか。今回の内閣の顔ぶれを見ても、いかにも菅新総理らしいなと。手堅さ。それとご本人自ら仕事を一生懸命やっていくということですので、これまでの実績を見ても個別のテーマごとにかなり切り込んでいって、それを実現するというそういう力は持っておられるんだろうと思いますから、先ほど最低賃金の話もありましたが、連合が掲げているようなことと合致する部分については、それはそれで期待はしたいと思いますが、この間、特に格差拡大が続いた20年間、自民党を中心とする政権の一番の難点は、その時その時に間に合わせというかパッチ当てというか、これはとにかくそのほころびを治しておかなければいけないということの繰り返しで来ています。ですから、建物にしてみたらどこに何があるのか分からみたいなことになっていて、したがって今回コロナでもって、いろんな給付や貸付でも、困ってる人が何かその申請をする際に、いっぱいあるもののどれが自分使えるんだろうということにもなり、申請ができたかと思ってもいつお金が来るか分からないみたいな、そういうことになっています。セーフティネット、生活保障など、ヨーロッパの先進国ではそういうことが実現できていて、困ってる人には給付がいくという、日本もそういう仕組みにしていくということが必要です。デジタル庁も、極めてデジタルガバメントといっていることがお粗末だったことが分かりましたから、それでやっていただいたらいいと思います。そういう個別の政策実現の繰り返しだと大きな問題は取り残したままになりますから、そこはまさに今回立憲民主党と共同で今日確認した理念形を持たなければいけません。野党は、その違いをはっきりさせる必要があると思っています。田村厚生労働大臣も実績ある人ですから、そういう意味で管掌分野が極めて広い、相互に密接に関わる、そういう厚生労働分野においては力を持っている人だと思います。ただ、基本的にその政権の抱えている問題点、そのことに切り込んでいかなければいけないということですし、政労使の社会対話ということが基盤にないと物事進まないと思っているので、その点に力を振るっていただきたいなというふうに思っています。

質疑応答[10]
Q.(毎日新聞・ハマナカ氏)

 毎日新聞のハマナカです。政治の話で2つ確認させてください。1つは今日出された基本方針案ですが、先ほどから現時点で現時点でというふうに繰り返されている部分がありますので、これは今後変わる可能性もあるという理解でよろしいんでしょうか。
 もう1つ共産党の話で、先ほど一緒に政権を共にすることはありえないとおっしゃいましたが、それは閣外協力、閣内協力などいい方ありますが、これ閣外協力なら許容できるということでいいんですか。その辺ちょっと確認させてください。

A.(会長)

 後者のところは私らがどうこういってどうなるということでもないので、少なくとも一緒の政権ということは、それはありえないということです。仮に、今の立憲民主党あるいは立憲民主党を中心とした政権ができたときに共産党が閣外においてどういうスタンスを取るのかというのは、それはその時共産党がどういう方針で臨むのかということだと思いますので、それについてどうこういう立場とは思っていません。
 前者については、それは要するにここで明言しているように今後の状況を見極めながら付加をしていくことは大いに有りうるべしと思っています。

質疑応答[11]
Q.(西日本新聞社・カワグチ氏)

 西日本新聞社のカワグチと申します。立憲民主党の結党大会で枝野代表が新型コロナの経済対策として時限的な消費税減税を大きく打ち出されていますが、消費税の減税について次期衆議院議員選挙で争点化することについては、すべきとお考えか、すべきでないとお考えか、どのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 これから総選挙ということになれば当然政権選択選挙ですから政権構想をある意味きめ細かさも含めて作っていくということになると思いますので、いわれていることは、単に消費税だけどうこうすればいいという話ではないと私は思っています。短期的な経済対策として目立たせているというところはあると思いますが、ご承知のように税制というのは、ただでさえ借金財政の今の状況ですからツケを将来世代にこれ以上送ったらいけないという、かたやの一大テーマがありますので、枝野さんとも会話する中ではその資産課税であるとか金融取引税だとか、あるいは所得税の累進度これかつてに比べてずいぶん低くなっていますので、そういったところを含めて税制全般においてどのような姿を作っていくのか、そのことがあってはじめて政権構想ということになると思いますので、私どもとしてはそういうふうに見ています。

質疑応答[12]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ひと言、同級生の加藤官房長官への感想を聞かせてください。

A.(会長)

 同級生というのはまたはちょっと別の次元の話なので。これも1つ菅さんらしい人事、内閣の編成だなというふうに思いますから、そこのコアのところに加藤官房長官がいるということだというふうに思っていますし、また厚生労働行政にずっと携わってきた訳ですから、先ほど申し上げたような、政権に対しての私たちの存念を官房長官にもしっかりお伝えしていきたいと思っています。

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