神津会長・相原事務局長(2019年7月25日)
今日も多くの方にお集まりいただきましてありがとうございます。 まず、今日の中央執行委員会の議案書を見ていただいてもお分かりのとおり、今日は議案がそれ程多くはないですが、運動方針の素案を提示し、またそれぞれの組織への議論を求めたというところです。数は少ないですが、内容としては非常に重たいものを含んでいたということで見ていただきたいと思います。内容のポイントについては後程、相原事務局長から話あると思いますが、私も少し触れておきたいと思います。この間、特別委員会ということでそもそもの運動のあり方について議論を重ねてきました。この場でもご紹介したとおりであります。その上に立って今回の方針は、かなりその構えを大きく変えています。3つの重点分野、そして4つの推進分野で、それを支えるその基盤をまたしっかり作っていこうという作り方であります。私の立場でいうのも少し手前味噌かも分かりませんが、かなりメリハリ効かせた内容にしてきているというふうに思っています。3つの重点分野で、タイトル、表現はそれぞれ見ていただきたいと思いますが、私はこの間の30年に喃々とする連合運動の中で、やはりスタートのところは「力と政策」ということを標榜し、その基本はずっと引き継いできている訳です。力ですから、目下700万人連合ということに復活はしてきた訳ですが、数こそ力ということはもちろんあります。ただ数がおるだけで烏合の衆ではいけない訳ですから、そこはしっかりとした労働組合組織をもって、そして大事なことは労使関係です。片やの働き方改革ということが法の施行も含めて打ち出されていますが、本当の意味でどこまで中身がちゃんと出来ているのかというところはある訳です。基本的に労使関係がそこにしっかりないと絵に描いた餅になるということは、私どもが言い続けていることですが、それをもっと広げていかないとこの日本の社会、様々な課題は前に進まないと、そういう認識を持っています。そういった意味での、力そして政策で、政策こそ連合としての命と言いますか、働く者なりの政策を全般に亘って、今回も社会保障とか、税財政、それから教育のところについてブラッシュアップをしてきておりますし、一丁目一番地のところの雇用、労働に関わる法制についての政策そういったことを含めて、連合だからこその政策の強化ということです。そこに持ってきて、多様性です。男女平等ということを始めとしての多様性、ここをさらに強く打ち出すということで3つの重点分野ということです。この多様性ということも、ここに至るまでの間、2003年に評価委員会ということで外部の有識者に忌憚のない意見を出してもらって、それを1つのバネ力として進めてきています。それは要するにすべての働く者のための存在でなければならないということで、先程申し上げた700万人ですが、非正規といわれる形態の方々も今100万人を超えて組織に迎えています。そういう意味では従来に比べてかなり多様性ということは組織の中にも織り込んできていますが、そういうことのみならず、この連合の700万人だけではなくてすべての働く者のための存在として、多様性ということをより強く重点を置いていこうということで、この3つの重点分野を基本に、これまで並列的に取り上げてきたところの推進分野で、この3つの重点を実現していくために様々な取り組みの切り口であり、そしてそれを支える基盤をしっかりと構築をしていこうという、そういう全体の構成になっています。こういう労働組合としての運動方針になじみの深い方ももちろんいらっしゃいますし、あまりこういうところを今までご覧になっていない方も、ぜひここのところを読み込んでいただければ大変ありがたいと思います。当然のことながら私どもとして、まずは組織の中でしっかり議論し、案として大会に提示をし、確認をしていこうということですから、組織の中でそれを積み重ねていく訳ですが、私どもの運動に対して積極的にいろんな形で思いを持っていただいている皆さん方におかれては、個別に意味合いを問うていただくとか、あるいは建設的な意味でのご意見いただくとかいうことについてはウェルカムですので、そのことも申し添えておきたいなと思います。私の方からは以上とさせていただきます。よろしくお願い致します。
今日の資料で第24回の中央執行委員会がございますが、いま神津会長からございましたとおり資料2-2で運動方針の素案を提起しております。10月の第16期を迎える大会に向けて7月8月9月という3回の中央執行委員会を目途において、素案、案そして最終確認ということで大会上程の議案を固めていきたいと、このように思っております。素案の内容はご覧いただくとおりです。また会長からも全体の枠組みなどについてもございましたので、加えるところはほとんどありませんが、これまでの運動方針と異なる点の1つとして重点分野、とりわけ3つの分野について、3期6年、この先3期6年を見通して実施のスケジュールを置いたこと、そしてこれから数えること5年目に全体の総括をし、その進捗を確認すると、1期2年がもととなる連合運動でありますが、少し中期的なレンジを持ってしっかり足を進めていくと、この意思結集を図った上で仕上げていきたいと、このように思っております。あわせて連合評価委員会など過去の財産も含めた上で出来上がっております。外部からのその評価、点検に沿うものであるということも大変大事ですが、今後はもとよりガバナンスも含めまして連合内部からのその実践に向けた取り組みがしっかり進んでいるのかどうかなどについても、ガバナンスを強化して内なる点検強化も含めた上で、全員で運動を進めていきたいと、こんな思いも込めたところであります。私の方から以上です。
フリーの三宅雪子です。7月25日という日程で、まず大変失礼ですが、参議院選挙終わったばかりなので、参議院選挙の質問をさせていただくことをお許しいただけますでしょうか。まず神津会長が活発にネットで配信されている中で、22日にお気持ちをブログの中で綴られております。その中のブログの内容で、政党間の力合わせをもっと早くやれたら、というようなお言葉もありました。私も拝見して読んでいたところですが、それと若干ニュアンスが違う報道がございました。ある経済新聞で、これから支持政党を見直すかのような見出しが目立った訳ですが、会長自身もそれに対して「違う」と、ご自分がお答えになっていました。こうしたことで会長自身がネットを配信されることで誤解が解けるということが大変良いメリットだというふうに思います。このような記事に関して、私自身はとても残念ですし、残念というよりもあってはいけないことと思っておりますが、実際ご覧になった時に、ご自分の気持ちと違った内容が出たことについて抗議などされるのかどうか含めてお聞かせいただけますでしょうか。
月曜日に参議院選挙直後のということで会見の場もありましたので少し重なるかもしれません。それと少しブログということも始めています。連合としての正式なものというのは月曜日の時点でお出しをしている事務局長の談話で、これが連合としての公式なものですからそれをご覧いただきたいと思います。ただ私の立場で、思うところもありますから、それはそれでまたブログも見ていただければと思います。それで、そこが全てですが、たまたま今朝出ている報道はご指摘あったように、実際に私が発したのは、2つの党が対立しているようでは支持政党云々の議論ということにはなかなか進まないと、そういうような表現だったと思いますが、そこまででありまして、いつ撮ったか分からない写真も載せられて、他の内容まで私がほのめかしたみたいに取られるとそこは大変心外ですし、不本意な表現も多々ありました。例えば最後に、自民党から候補を出すこともありうるみたいな、一言で言えば噴飯ものの内容もあって、いささか何だろうという感じはありますが、しかしそれは報道各社の皆さん方のいろんな意味で連合という存在に注目していただいているという事でしょうから、まあ出来れば今ご指摘があったように、本当の意味でのインタビューみたいなことで取り上げていただくとありがたいのですが、中々そうもいかないのかなと、こんなふうに見ているところです。
朝日新聞のサワジです。2つあります。1つが、先程神津会長が説明されたこの運動を資料で、7つの領域の中で最初に集団的労使関係の量的拡大と質的向上というのが上がってきていて、その具体策を見てみると労働者代表制の法制化、それから労働協約の拡張適用、それから労働者概念の拡張というのが出てくるのですが、これは今までと比べると何か強調しているような変化があるのか、今まで言ってることと変わらないのか、そこを確認させてください。
それと春闘の件で、7月5日に出されている集計に関連してもう1回確認したいのですが、今日、冨田総合労働局長がいないので回答は後でも構いません。これまで繰り返し2018年に比べて要求を出している組合数と、それからカバーしている組合数の数が2019年は2018年に比べて減っているのではないかと、繰り返し繰り返し質問してきましたが、その度に冨田さんからは集計のタイムラグの可能性が大きいという説明を受けてきました。この最終の集計を見てもやはり減っている状況に変わりはないのではないかと私は見ていまして、これは一体どういうことを意味していると理解すればいいのかということをお聞かせください。
後者の部分は、今日の時点で、推測だけで申し上げることはむしろ避けた方がいいと思いますので、1回預からせていただき、いずれにしろ確か来月には総括をしていくことになると思います。それは少なくとも現象面としては、1つの特徴であることは間違いないですから、その時点できちっとまとめて提示をすることにさせてください。
1点目のご質問については、まず私の感じで申し上げると、この断面で言ってることを大きく変えるという趣旨ではないと思っています。ただ例えば、労働者代表法制なんていうのはサワジさんもご承知のように、以前連合としては労働組合もどきが出来るのではないかというような、それは今も視点としてない訳ではありませんが、むしろそちらが大きくあったのでどちらかというと否定的でした。しかし、36協定をはじめ法律ごとに従業員の過半数を決めようということで、それをちゃんとやっているのかという話ですので、むしろ法律としてもう1つ横串刺しでやるということの方が、組合が無い世界で苦しんでいる人がいっぱいいる訳です。それを考えると、それを進めるべきじゃないかというのが考えの主流ですので、したがって今回大きい構成を組み替えた中で、それを要素としても提示をしているということです。ただ重点分野のひとつというのは基本的に仲間を増やそうという事ですから、原点としては労働組合を増やし、労使関係があってはじめて物事が回るというところは前面に押し出して、そのまた1つのカテゴリーの中でそういう要素も、当然我々としては法制面の整備含めて推進したいと、そういう思いです。
共同通信のイワタです。会長に1点伺います。参議院選挙の関連で、改めて恐縮ですが、今回産業別組合の組織内候補が立憲民主党と国民民主党から出た訳ですが、政党によって得票数は多くても落選してしまうというような明暗が分かれたような結果も一部あったと思いますが、このことについての改めての受け止めと今後の課題をどのようにお考えになっているかというのをお願いします。
比例もそういう意味では、ある意味歪みが端的に出た部分ではありますが、全体において、応援をしてきている政党が2つに分かれて、立憲民主党と国民民主党が選挙区においても、力合わせてやろうというふうに出来たところもありますが、地方連合会も苦労してきました。残念ですが内実はそうはならなかったというところも相当程度ありました。しかも、2つに分かれたということの歪みは比例に端的に表れたことはご指摘の通りです。それらこれら全部ひっくるめて言えば、もう2度とこういう選挙はやりたくない、というのが率直なところです。したがって、先ほどご質問があったところにも関わりますが、今日運動方針で見ていただいたように労働運動をいかにしっかりやっていくのかということであって、まさに推進分野の1つとして政治も位置づけているが如く自分たちのいろんな政策を実現するためには、政治と無関係でいられませんから、そこにはしっかりと向き合うということはやらなければいけないと思います。しかし、こういう図式の中でズルズルとということは、率直に言って勘弁してもらいたいというのは強くあります。そこはご理解いただけると思います。それは当事者の両政党がそこのところは私どもの思いも含めて、強く認識されていると思っていますので、これからそういうことをズルズルと繰り返さないということに向けて、それぞれの政党なりあるいは両党のコミュニケーションを取っていただきたいと、そういうことに期待をしていきたいなと思っています。
労働ジャーナルのシカタと言います。運動方針に関わって2点ほどお聞きします。1つは6ページの図表について7つの運動領域ですが、これは連合の検討委員会の時にも、連合の運動領域では社会的賃金相場の形成というのがトップにあって、今度の運動方針でも上位においてきたけれど、という表現がありますが、なぜこの項目を取ったのか。検討課題の場合の表現ではこれは政策のところに統合したというような位置づけもありますが、なぜこれから労使関係を強めようという時に日本の国民的行事でもある春季生活闘争に関わる社会的賃金相場の形成というのを省いたのか、その理由を教えて欲しいというのと、もしこれで行った場合、連合は春季生活闘争と一体どういう関わりを持つのかというのが分かりにくいと思います。そのあたりを含めてお聞きしたいのが1点です。 もう1点は、今度の運動方針の軸になる連合ビジョンです。連合ビジョンの場合は、これは会長が言われたように集団的労使関係を重視し、特に協約の拡張適用とか、それから労働者代表制で、そのあたりは新しく出しているのが1つの特徴だと思います。これを作るにあたって連合は産業別組合と地方連合会の47都道府県で総対話という形でこの2年間ほど歩かれましたが、その成果がどういう形で連合ビジョンに反映しているのか、その中身についてお聞きしたいのと、古賀前会長の時には全部総対話という表現で、それを報告として1冊の冊子にまとめていましたが、今度もそういうものを作成するのかどうか、この2点についてお聞きしたいと思います。
まず1点目ですが、春季生活闘争について、力を強めこそすれ手を抜くなんてことは有り得ませんので、そこはもし何かそういうふうに見えてしまうとすれば、中の議論においてもう少し工夫していくべきところなのかもしれません。シカタさんはずっと時系列で追って詳しく見ていらっしゃるので、何か対比上そういうふうに見えたのかも分かりませんが、そこはもう1回点検はしたいと思います。
それとビジョンは、総対話で相当いろんな意見を聞いてきましたので、一言でその成果を入れたみたいに説明できるようなことではありませんが、結構いただいた意見を元にいろいろ盛り込んできたというふうに認識しています。冊子にするということは、今の時点で考えてはいないと思います。中央執行委員会で総対話の記録というのは詳しいメモで報告をしてきましたので、それはある意味1つの宝だというふうに思っています。仰々しくお金かけて本にするかどうかというのは分かりませんが、それは本当にしっかりと手元に置いていきたいなというふうに思っています。
朝日新聞のテラモトです。参議院選挙について伺います。産業別組合の組織内候補ですが、今回国民民主党が3議席とりました。政党支持率が1%前後ということで、当初は2議席以下ではないかという見方が多かったですが、3議席取ったという、これについての評価を改めて伺いたいのと、前回2016年参議院選挙は各産業別組合の組織内候補12人擁立して8人当選しました。今回は立憲民主党・国民民主党に分かれましたが、10人擁立して合計8人と当選者数だけを見ると同数になりましたが、これについても評価を伺えればと思います。
当選者数で言えば、たまたまというところがあるのかなというふうにも思います。私どもとしては自信を持って、構成組織から手を挙げてくれている候補者を出している訳ですから、全員当選できなかったというのは、月曜日にも言いましたが、率直に言って痛恨の極みです。ただ、私らだけでも、そういう環境条件が整うということでもないので、繰り返しになりますが、応援しているところが2つに割れているというこういう選挙は本当に2度とやりたくないなというのが実感です。ですから、選挙になれば国民民主党もそうだし立憲民主党にしても、立憲民主党もこの間じりじりと支持率下がってきたところが、選挙になればさすがにその状況よりは支持を集めたということは言えると思います。ただ如何せん2つの党が力を合わせているという絵姿が有権者に見えないと、一強政治と互角に渡り合うという感じに見えていないので、そういう状況下ではこれは極めて厳しい訳です。そのこと自体が改まっていかないと、どうしてもこういうことの繰り返しになってしまうのではないのかなと、こういうふうに思います。
読売新聞のマエダです。今のことに関連して、今後は政党との関わり方をもう一度見直すことになろうかと思いますが、そこらへん、運動方針案に盛り込むに際してどういうふうな議論、どういうふうな方向性というのを今お考えでしょうか。
政党支持を見直すっていう前提で物事を考えている訳ではないので、今日見ていただいている運動方針の中にも、参議院選挙が終わっての状況も踏まえて記述をしているところもあります。大きくはここからそんなに超えないということではないかなと思っています。これはいろんな意見を織り交ぜながら、やっていくということになると思いますし、そういう意味ではこの間国政選挙を何回かやってきている中で、基本的に二大政党的運営で、前後しますが、左右の極端な全体主義ということは相容れないところであり、したがって少し広めかもしれませんが、真ん中の道をどうやって真っすぐ行くのかということであって、その中で新自由主義的なものの考え方とか競争至上主義とか競争原理とかそういうところにいかに対峙をしていくのか、私どものこういう方針が提示をしているような包摂社会であるとか持続的な発展をする社会とか、そういう概念のところをしっかりと支えていかなきゃいけないと思っています。この場でも申し上げたこともありますが、民主党政権がああいう形でバラバラになってしまったということは、これは本当にその痛みというのが今もって続いていて、あろうことか増幅されてしまっていることだと思うので、やはり概念、理念自体はあの時掲げていたものが大事だと思っています。したがって、愚直にそこのところをどうやって政策実現の場で実現していくのかという事ですので、そこに向けて政治との関わりというものは考えていくということです。何か目新しいものがあるということではありません。政治の世界が、期待をできる、私たちの思いをストンと受け止め得るそういう姿を望むということにほかならないというふうに思っています。
ご質問の機会ありがとうございます。今回の選挙では「れいわ」という新しい政党が誕生して大変多くの支持を集めました。そしてその中で大変重度の障がいがある方が2名当選された訳でございます。このことは素晴らしいことである一方その間の、軽度、中等度、そして最重度までの、でない方々が置き去りにされてしまうのではないかという心配を私は思ってる次第ですが、そうした方々も政治に参画をしていただきたいと思っております。こうした中で連合さんの中でもこれから先で障がいをお持ちの方の擁立を、組織内の候補として、出していこうじゃないかと、そんな動きがこれから出てくる可能性はございますでしょうか。
先ほど見ていただいた運動方針の中でまさに重点分野の3つ目というのはその多様性です。ですから、今回のこういう結果についても、注目していきたいと思っています。ただ、労働組合連合として障がいを抱えておられる方々との向き合い方ということで言えば、その就労ということであり、それぞれの皆さんが持っている可能性をきちんと労働という世界で、花開くということにしていくということは一番強化していかなければいけない、強めていかなければいけないところだと思っていますので、まずはそこからだというふうに思っています。
朝日新聞のヨシダです。運動方針の重点分野の最初に、先ほどもお話あったと思いますが、こちらにも未だに8割を超える人が集団的労使関係に守られていない実態があるということで、多分これから拡大していくという中で、非正規は100万人に増えたというお話もありましたが、改めてどういったところにもっと組織が広がるというような可能性を秘めていると考えられますか。 2点目が、神津会長は結構ツイッターなどで吉本の件についてリツイートされたり発信をされていると思うのですが、全員クビにすることもできるというふうに社長が言ったというような報道もありますし、吉本の件について何か伝えたいことがあったらお話いただければと思います。
やはり仲間を増やしたいというのは、これはあらゆる分野ということだと思っています。それで、働き方改革の議論、法律、法制化をきっかけとして、今まで光が当たっていなかったところが、持ち上がっているというところがあると思います。それは何かというと医療の分野です。医師の世界では、残業の上限については今まで例外扱いにすらなっていなかった訳です。だけど蓋を開けてみたらこんなことなのだということです。それで、給料も貰わずに働いている人が2千人以上もいるみたいなことまで出てきています。ある意味そういう事も1つのきっかけにしながら、そもそも労働組合が無い、労使関係が無いというのはこういう事態を生み出すのだということを強く主張していきたいと思います。吉本云々が今クローズアップされていますが、すでに私どもとしてはそういう芸能に関わる分野の方々がこれまで置き去りになってたっていうことは、今回のこういう一件が出る前から強く意識していまして、具体的なことは中々この場で全てを披露する訳にはいきませんが、実はいろいろと取り組みを行っています。吉本の話というのは、これは労働弁護団も非常に着目していますので、適宜連携は取っていくことになろうかなと思っています。これもいろんな要素が混ざって話題になっているところがありますので、私どもとしてはみんな契約をしているといっても労働者性を持ってる訳ですから、そこは労働者性にもとづいてきちんと権利があるし、保護されなければいけないし、という意味でしっかりと注視をしていきたいと思っています。
日刊工業新聞のヤギサワです。具体的な運動方針の最後に、ネットワーク会員の創設とか、それから中小地場の受け皿の地域ゼネラル連合の創設ということが書いてありますが、具体的にはいつ頃を目途にこういう組織を立ち上げるのかということと、もう1点2020年までの1000万人連合の目標は事実上諦めたのかどうか、この2点について伺います。
1点目のところ、具体的にというのは、それがあればもう出していると思いますが、まあこれからですね。ただ運動方針に書き込むということは、ある意味決意を持ってやっていこうということですので、そこは注目いただきたいと思います。 それから1000万人連合については、2020年までにということで取り組んでいます。これも来年ですので、この場でも申し上げたことがありますが、これはいずれにしろきちんと総括しなければいけない話ですので、できるできないという話は総括を抜きにこの場で申し上げるということは差し控えておきたいなと思います。
技術革新の中で組織的には、例えばいろんな業種が結合して、これまでの産業別組合とは違った複合産業別組合が出てくると思うのですが、そのあたりについての何か分かっている点とかがあればということと、どう対処するかについてというのがあれば、伺いたい。非常に大きい課題だと思いますので、産業別組合の最低賃金の問題にしても、組織化の問題にしても、複合産業別組合になってくると思います。そのあたりどう考えているのかお聞きしたいと思います。
問題意識としてもちろんありますが、ご承知のように産業別組合の構成組織というのはある種生き物ですから、例えばUAゼンセンのように、本当に広く業種業態まき込んでというところもありますし、あるいは連合として今加盟をしている48の構成組織は、少し規模は小さいけども1つこういう特色があるので1つの産別というところもありなので、出来るだけ大きくまとまった方がいいというのは、あると思います。特に元々そういう考えは、草野事務局長時代の頃にはありましたから、それがもちろん今無い訳ではありません。ただ、あまりそれをゴリゴリやるというより、ご指摘あったように、そういう技術革新の中で大きな変化が起きていますので、そのことは見据えつつ、ただやはりその分野ごとのいろんな課題対応というのは強めていこうという中で、組織のくくりについても後からそれが付いてくるみたいなことはあるのかもしれないなと、こういう感じだと思います。