記者会見 2016年6月

 

連合記者会見

6月定例記者会見

神津会長・逢見事務局長・安永副事務局長・須田総合局長(2016年6月16日)

連合記者会見全文
神津会長

 それぞれに大変お疲れさまです。
 今日中央執行委員会と中央闘争委員会があり、中央闘争委員会では春季生活闘争の目下のところの状況を集約し、それに基づいての確認事項を全体で確認しています。まだ2割が残っています。どうしても集計のたびに数字そのものは全体も中小のところも下のほうへいく傾向が否めないですが、ただいずれにしても底上げを標榜してきて、そのことの現れははっきりと一昨年去年あるいはそれ以前と比べても違うと思っています。そのことを基盤としてさらにこの後の残った2割に繋げていこうということであります。中でも若干触れていますが最低賃金について、これは三者構成の中で決めていくわけですが、中央最低賃金審議会に諮問がされて、いよいよ審議会での議論がスタートします。ここも私どもは、平均値ではなくで、最賃だれでも1,000円という目標を持っています。ここ数年の傾向として、上がるのは良いけども格差が開いているという事がありますから、それをそのままにしていいのかという問題意識を強く持っています。それぞれ経営者側委員との間でまた大変な議論になると思いますが、底上げという事をこの場においてもしっかりと頭に置いて臨んでいくということです。
 それから、参議院選挙の対応方針を「その2」として今日確認しています。いよいよ来週には告示という事になります。足元の状況は依然として厳しいものがありますが、私どもとしては、比例での候補そして各選挙区、私ども働く者の思いにしっかり向き合っている候補の当選に向けて、それぞれやれる事やるべき事をしっかりやっていこうという心あわせを行ったところです。各党公約も発表されたようです。あらためてそれらの内容を見て、すでにご存知のように6月2日の段階で私どもは民進党との間で政策協定の締結をしています。それぞれの選挙の公約を見ても、項目なり内容を見ても、私どもとしてはあらためて民進党を全面的に支援していくという6月2日の思いをさらに強めているという事も申し上げておきたいと思います。私のほうからは以上とさせていただきます。よろしくお願いします。

質疑応答[1]
Q.(共同通信・カワムラ氏)

 塩崎厚労大臣が労政審のあり方を見直すという事を表明していますが、これについて会長の受け止めをおうかがいできればと思います。

A.(会長)

 労政審としてのあり方と言ってもいろいろな観点があると思いますが、具体的な項目の中身という事だけではなく、その議論に至る経済社会の背景、そこに対する問題意識だとか、そういう部分からしっかり議論をする事が必要だというのは労政審の中でも、座長の樋口先生からの問題提起もあり、連合としてもそこに対して必要だという意味の意見を出している事はあります。したがって、そういった性格の事について、私は大いにやるべきだと思うし、それは悠長な時間を構えてやるものではないと個人的にはそう思っています。一部で言われている、会見なのかぶらさがりなのか、塩崎大臣が話をされたという伝え聞く内容については、「非正規といわれる形態で働いている方々の意見が反映されているかどうか」というような意味合いの事だったと思うのですが、少しそこは大臣にしてはそつがあるのではないかと思います。「フェア」という言葉を使われていたのですが、それならば今の審議会の何がフェアじゃないのでしょうか。何か検討会を持たれるという事ですから、そこは明確にしていただく必要があると思いますし、何回か話の中で「フェア」という言葉が使われているようですけれども、英語に堪能な塩崎大臣にしては「フェア」という言葉の使い方が違うのではないかと、率直に思っています。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 参院選の公示が来週に控えていますけれども、連合の比例区の組織内候補12人を擁立されていますが、今回過去最多になった背景について、前回出ていない産別やこれまで交互に協力してやってきた産別からも候補者が出て過去最多になったと思うのですが、そういう状況になった背景をおうかがいしたい。

A.(会長)

 これはそれぞれ構成組織としての考え方で擁立しているので、その事について1つ1つここで申し上げるという事ではないと思います。その結果として12名という事ですから、連合本部として何人にしようなどという成り立ちではありません。これまでで一番数が多くなった事は事実ですが、働く者の代表として、同じサラリーマン・サラリーウーマンの立場の人間が国会に出て行くというのは、一般論からすればもっといっぱいいていいのではないかと思うぐらいです。しかし、現状は厳しいです。なかなかそう簡単なことじゃないと思いますけれども、700数十人国会議員がいる中で本当の意味でサラリーマン・サラリーウーマンの代表というのは一体何人いるんだろうと考えれば、ぜひ今回手を挙げてくれた12人なんとか全員国会に送り出したいという思いです。

Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 もう1点おうかがいしたいのが為替に関してですが、今日103円台に上昇していて2014年8月以来の水準なのですが、この為替水準をどのようにとらえていらっしゃるか。また、雇用への影響などにどう考えていらっしゃるか。

A.(会長)

 アベノミクスで異次元の金融緩和という事で、カンフル剤も最初は意味があるかもしれませんが、ずっとカンフル剤ばかり打っていっても本質的な解決には繋がらないので、その弊害がやはりここに来て現れてきたという事なのではないかと思います。心配なのはこういう傾向がいつまで続くのかという事です。日銀の政策決定会合でも新しい策は打ち出せていませんし、その事がまた拍車をかけているのだろうと思いますけれども、もうマイナス金利という事がまったく意図した事と違うハレーション起こしていますからこれも使えないでしょう。国債もどんどん日銀が買い取って、しかしそれも限度がある話なので、はっきり言って手詰まりですから、やはりそういう無理を重ねれば何とかなる、あるいはそれが全てを解決するみたいな、そういう幻想に基づいた施策の副作用がはっきり出てしまっているという事に他ならないと思います。私も製造業の出身で、かつて言っていたのは1ドル70円台というときには、これでは駄目だと、1ドル100円ぐらいであれば十分にやっていけるんだという事だったんですね。だから大事なことは、安定するという事だと思います。そこをどういうふうに考えるかという事を抜きに、カンフル剤で問題を解決しようとしてきたので、「副作用」という言葉使いましたがこれを非常に懸念します。今のところ、そのことが直接的に雇用にという事にはなっていないと思いますが、さっき申し上げたように、ある程度の水準であればやっていけるという事ではあるのですが、経営者心理としては先行きが本当にどうなのかという事がさっき申し上げたような性格での、今円高傾向に振れているという事ですから、心理を冷やすという事を含めて非常に抜き差しならない状況に今陥っているのではないかと思います。

質疑応答[3]
Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 今回考え方がまとめられた同一労働同一賃金の事、それに絡んだ形で最低賃金の事、この2つをおうかがいしたい。これはPTでの結論でこういうふうな形でまとめたという理解でよろしいのかというのが1つです。同一労働同一賃金は簡単ではないと思いますが、やはりこれを読んでも分かりづらい。どうやって同一労働同一賃金を担保するのかというのが、労使で話し合うとか、労働組合が無いところは従業員代表委員会がきちんと選出しているかも担保するという事で、いろいろ工夫されていますがちょっと分かりづらい気がします。どのようにこれで担保していくのかをうかがいたい。
 それと、先ほど会長が言われた誰でも1,000円というものですが、誰でも1,000円というのは皆1,000円だという事で、要するに加重平均が1,000円になればいいという事ではないと思うんですね。北海道から沖縄まで皆働く人は最低1,000円であるべきだという会長のお考えだと思いますが、加重平均で1,000円をめざすにしても3%ずつ上げていって2023年に加重平均で1,000円に到達すると。加重平均で1,000円に到達して、それでカバーできるのは上位の6、7県とかそんな形ですので、先ほど会長がおっしゃったように地域の格差の話に絡んでくるんですけれども、誰でも1,000円とするには、もちろん中賃で一生懸命須田さんなども頑張って毎年上げるわけですが、それだけではもう追いつかないのではないか。誰でも1,000円だと言って、それが実現するのが10年後とか15年後とでは話にならないと思うのですが、誰でも1,000円を実現するための方法はどうお考えなのか。お願いします。

A.(会長)

 同一労働同一賃金については分かりにくいというのはおっしゃる通りかもしれませんが、それだけ難しい問題だという事の反映でもあると思います。ただそうは言っても、ポイントはどういう事か、これは私なりの表現ですが、1つは有期なりパートについては十分ではないと言っても法改正が、これまで私どもがいろいろな意見を出してそのことも反映されて、何が合理的なのかということについては出来てきているわけです。実際に、その基盤の上に裁判でどうはっきりするのかというそういう流れがあります。一方で派遣労働については昨年の国会でああいう形で、もうとっかえひっかえ何でも、どういう仕事であっても派遣で置き換える事ができますというような極めて問題がある法改正が為されて、その一方では民進党、当時の民主党中心に、同一労働同一賃金という均等待遇原則が入らないと駄目だという、連合の主張と同じですが、それが骨抜きにされてしまった。結局去年は安保法制が終わっていきなりアドバルーンが一億総活躍の中で上がってきたわけですが、どう考えてもやっぱり争点隠しだと思えるわけです。そうでないと言うならば、派遣法の問題がすっぽり抜けてしまっていますから悠長に構えるのではなくて私はすぐにやるべきだと思います。そういうことだとか、あとは今日確認された内容の中でも、使用者の立証責任は大きなポイントなので、本当にやる気があるのかどうかはここが1つメルクマールになるのではないでしょうか。PTとしての議論を受けての今日の内容なので、今の段階で連合の考え方として確認したと見ていただいていいと思います。
 それから最低賃金ですけれども、確かに大変なことで、一方で三者構成の議論で決めるということは、これはこれで大事にすべきだと思います。それに対して政治の意志をどういうふうに出していくかという事なので、現政権として言っていることは、GDP600兆円だとか、成長率を割り戻してだとか、目標設定で割り戻してどうか、のような形なので、それは平均1,000円であってもおっしゃるとおりの事ですから、本当に生活がやっていけるかは地方の格差がある中でそれでは不十分だという事だと思います。2つあると思っていまして、1つはABCDというランクを設けている事を含めて、格差が広がってしまう仕組みをそのままにして「上げます、上げます」と言ってもいかがなものかと。今回の塩崎大臣の諮問の内容においてもその点がまったく不十分というか言及されていないので、いかがなものかと思います。ですから、今ペンディングになってしまっていますけれども、全員協議会でそういう骨太の議論をしっかりやるべきなので、中断しているようですがやっていくようにしないと、おっしゃるような根っこのところの問題に繋がっていかないと思います。そして、上げていくという本気度を一方で担保する事としてはセーフティネットをしっかりする事だと思います。いつも経営者の委員の方々が「それじゃ会社がつぶれちゃう」と言うわけです。本当につぶれるか、という問題もあるのですが、そんな低い賃金しか出せないような経営で本当にいいのかという事があるわけですから、それは再編という事が避けられないとすればセーフティネットをいかにしっかりしたものにしていくかという事とセットの議論も必要なのではないかと思います。そういう事も含めてどれだけ本気度が出せるのかということではないかと思います。

質疑応答[4]
Q.(読売新聞・フジモト?氏)

 東京都の舛添都知事が辞職されて都知事選になると思いますが、民進党は主戦論と言いますか候補者を擁立できたらという事で動いていますが、これについてどう思われるかという事と、前回の都知事選では連合東京が舛添当時候補を支援されていたと思いますが、連合としてどのように対応するかうかがいたいと思います。

A.(会長)

 地方自治体の首長の話なので基本的には当該の地方連合会に係る問題で、連合東京もおそらく談話を出すと思いますので公式見解としてはそちらに委ねたいと思いますので、これは連合東京とすり合わせをした事ではない個人の見解として聞いていただく事になりますが、選挙がもう日程も決まったと聞いていますが、私は民進党としてしっかり候補を出すべきだと思います。それはこの間の経緯も踏まえて当然そこは明確なメッセージを民進党として出すべきだと思います。それから、舛添さんとの関係で、連合東京が前回の選挙のときに「支援」という事でした。実際には、あの時は連合東京の中でも細川さんを応援するという動きもあったわけですが、連合東京としては支援という事になりました。通常は全面的にやっていく場合には「推薦」という事ですが、そこには至らなかったという事です。ただ、やはり政策面で見て、連合東京としては「支援」という判断をしたという事だと承知しています。私は、舛添さんがああいう事になったというのはいろいろな意味で極めて残念だと思っています。政策面とか、それを実行するという事においてはしっかりとしたものを持っておられた方だと思いますので、それだけに金の面で後から後からああいう事になってしまった。それは私どもとしても唖然とするような内容であったわけで、したがってそのコントラストが極めて大きい事を含めて極めて残念な事であったと私は思っています。

Q.(読売新聞・フジモト?氏)

 もう1点、その中で民進党がすすめる候補者の中で、党内からは勝てる候補として蓮舫代表代行を推す声が大きいと思いますが、蓮舫代表代行となると今回の参院選の改選で東京選挙区という事で情勢など影響を与える可能性もあるのですが、そういう点については会長としてはどうお考えでしょうか。

A.(会長)

 民進党として候補擁立について時間がそんなに無い話ですから今いろいろな模索をされているんだと思いますが、やはり先ほど申し上げたような考えのもとに、アピール性のある方、当然こういう今回の経緯ですから清廉潔白という事も含めて、そういった事を都民がしっかり受け止められる人という事が求められるだろうと思います。具体的には民進党のほうで考えられる事だと思いますので、私から、こういう人でないといかんという発言は差し控えたいと思いますが、蓮舫さんは今申し上げたような事にかなう人ではないかというふうには思います。ただ、何も無ければ参議院選挙の闘いの中から蓮舫さんが抜けるという事は極めて痛い事だと思いますが、それは何も無ければですので、やはり東京都知事というのは都民の問題だけではなくて国民にとっても大きい存在で関心の強いところですから、重たさという事は私どもとしてもしっかり捉えていく必要はあるのだろうと思っています。

質疑応答[5]
Q.(共同通信・タキ氏)

 都知事選挙の質問に関連するのですが、あくまでも民進党として候補を出すべきとおっしゃったのは与野党で相乗りする構図は避けるべきという図式なのか、もし相乗りを容認すれば今進んでいる対立の構図にも影響があるという懸念はおありでしょうか。

A.(会長)

 影響のあるなしは別として、参議院選挙の図式自体はもう定まっていますから、そこはどうなりようもないと思います。ただやはり今回の都知事選挙は、なぜこういう事になったかということですし、それは猪瀬さんに続いてということですし、言い方にそつがあるかもしれないけど「なあなあ」でいいのかという事だと思いますし、一方では甘利さんの問題もあんな事でよかったんですかという事も含めて、そこはしっかりとそういう問題と向き合う形で民進党として候補を出すべきではないかと思います。

質疑応答[6]
Q.(日本経済新聞・ネモト?氏)

 2点おうかがいしたい。冒頭に民進党のマニフェストを評価するという発言があったと思いますが、マニフェストのどこを評価されたのかという事と、消費増税を延期するというところで財源の部分をどう手当てするのか、マニフェストでは身を切る改革を徹底するという表現に留まっていた印象もあると思うが、財源の手当てについてはどう評価するか。

A.(会長)

 基本的には先ほど申し上げたように、連合としての重点政策あるいはそれに基づいての政策協定、柱立てという事で言えば基本的に一致しているという事だと思いますので、そういう意味ではそれぞれの項目を私は評価できると思いますし、先ほど申し上げたアベノミクスだとか異次元の金融緩和という事が本当の意味では経済を良くしている事にならないと。株価も無理に吊り上げたものですから、為替も無理にもってきたことのツケが回っているし、株価もそのツケが回っているんです。だから本当の意味での国民経済というのはやはり一人ひとりが、普通の人が豊かになるという事で初めて個人消費も上向くという事ですから、やはりそこらあたりの経済政策において今の政権の経済運営とは決定的に違いますから、その事がもっともポイントになるところだと思いますし、結局先送りになったのは消費増税だけではなくて社会保障まで先送りにされようとしているわけで、それは極めて問題の事でそういう国民の安心・安定、将来展望を持つという、今申し上げた経済政策と密接に関わる話なので、ここまで先送りしてはいけないという事も私は評価すべき内容だと思います。教育の問題に重点を置いている事もこれも極めて評価すべきところと思っています。
 財源の問題は正直に言って悩ましい問題です。党首討論のときには赤字国債というところまで踏み込んで、岡田代表は発言されました。ただやはり、一度政権を担った政党でもありますし対外的なメッセージという事も含めて、あまりそこばかり強調するのはいかがかという考えが働いたという事だと思います。ただ党首討論であそこまで明確に言われたわけですから、まずはやれる事をしっかりとやった上で、ただこれで社会保障まで先送りにはできないという事が基本的な考え方というふうに受け止めています。

Q.(日本経済新聞・ネモト?氏)

 もう1点。国会が閉会してから事実上参院選がスタートしているような状況だと思いますが、安倍総理はじめ自民党の関係者は演説の中で「民共」という言葉を使って、いわゆる民進党と共産党が組んでやっているかのような批判を強めています。今回の野党共闘の流れでどこまで一緒にやるべきかを含めて、連合としてどう見ていらっしゃるかあらためて教えてください。

A.(会長)

 共産党についてどう見るかというのは、この場でもほとんど毎回のように申し上げてきた通りでその繰り返しになります。民進党の幹部も野党共闘という言い方はしてないんです、候補一本化という事はぎりぎりそういった言い方はしていますが。私は繰り返し言ってきているのは、独断専行の今の政治ではいけないという思いは国民各層の間に少なからずありますからその受け皿をより強固なものにしていく事は民進党が中心になって進めてきたという事だと思っています。そこにいろいろな応援団が来る中で共産党も入っているのだろうと、こういう事だと思っています。私どもは歴史的な経過がありますから、一緒に肩組んでスクラム組んでやる関係ではまったく無いという事は、地方連合会含めて明確にしています。総理がいろいろなところでああいう「民共、民共」と言うのは、いかがかと思います。内閣総理大臣ですから、あまりプロパガンダでいろいろなところで演説するというのはどうかなと思います。官房長官もずいぶん全国を回っているようですが、今日も北海道の函館で大きな地震があったり、あるいは領海侵犯のような事もあったりしますから、総理と官房長官がそういうプロパガンダをいろいろなところに行ってするというのは、いささか疑問が拭えません。ちょっと余計な事を言いましたけど。

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