2017春季生活闘争 第1回回答集計結果記者会見

 

連合記者会見

2017春季生活闘争 第1回回答集計結果記者会見

神津会長・逢見事務局長・安永副事務局長・須田総合労働局長(2017年3月17日)

連合記者会見全文

(※聞き取れない部分、不明な部分には「●」を使っています)

神津会長

 今日もよろしくお願いいたします。
 一昨日、いわゆる第一のヤマ場、集中回答日直後の、その時点で把握できている状況に基づいて受けとめを申し述べましたが、基本的にはその時に申し述べた受け止め通りだと思っています。昨年から底上げ春闘だという事を標榜して、そこで掲げてきている4つのキーワードにそれぞれリンクさせる形で申し述べたのですが、月例賃金に徹底的にこだわるという事で、足元の物価上昇がゼロ近傍である中で昨年に引き続きベアを含めての賃上げを回答として引き出しているという事で、いわゆる持続性という事についても今年も担保した形で推移をしていると思います。一昨日のところではまだ本格的な集計という事にはなっておりませんでしたから、その時点で目立つところでの状況、報道にもございますように少し前年と比べて上げ幅が少なくなっているという事はあったわけですが、それから2日経って集計をしている限りでは若干の上げ幅の減ではあっても総じて見てほぼ昨年と遜色ない賃上げの内容ではないかと思います。それと、キーワードとして申し上げました「底上げ」、これはいかに大手といわゆる中小のところの賃上げ率の差を圧縮していくのかという事でここは昨年少しそこは実現してきたわけですが、今回、今の時点で集計をしているところでは大手と中小では全く遜色がないという事ですから、連合全体として格差を圧縮していくんだと、大手追随、大手準拠から脱却していこうと、あるいはサプライチェーンの中で付加価値を適正配分していこうと、この考え方が昨年にも増して浸透が図られているという事が現時点において言えるのではないかと思います。のちほど詳しい集計の状況についてはご説明がありますが、昨年と同じ組合で対比ができる集計で見れば、むしろ上がっているという内容も見られると聞いていますし、いわゆる非正規で働いている方々の賃金のアップ率がいわゆる正規の労働者を上回っているという事も1つの大きな傾向であり現時点で得られている成果だと思います。あと個別の、今日報道されていますが例えばヤマト運輸の労働組合が得ている回答、これは賃上げもベースアップ含めて獲得をしていますし、その事のみならず様々な内容を回答を得ていると、とりわけインターバル規制を導入するであるとか、あるいは取引関係については企業間の取引関係において言うべきは言う、主張すべきは主張するという、極めて意味の重たい、非常に大事な労使合意もされていると聞きますので、これは一昨日も申し述べましたけれども、ベアを含めた賃上げにおいても成果を得ていますがその事のみならず様々な形で回答を引き出しているという事が今年の大きな特徴だと思いますので、その事も含めていかにこれから後続部隊がキャッチアップをしていくか、そして「広がり」ですね、キーワード4つ申し上げましたけれども、この「広がり」についてはこれから少し長丁場の取り組みになりますが、何とかこれも昨年以上の広がりにつなげていきたいと思います。
 冒頭私のほうからは以上とさせていただきます。

須田総合局長

 総合労働の須田です。よろしくお願いいたします。
 プレスリリースの資料をご覧いただきたいと思います。1枚めくっていただきますと、平均方式の総括表が載っています。一番上が全体です。773組合148万人で定昇込み6270円、率で2.06、真ん中に昨年比という事で出ておりますが金額で71円のマイナス、率で0.02ポイント。その下に300人未満、それから300人以上、いわゆる中小と大手という形で記載してございます。その下に参考1という事で昨年と同一の組合、昨年も回答を引き出している今年も引き出しているという同一の組合を比較した増減の金額表が上に出ております。総括表です。それを比較した率で見たのがその下の、ちょっと字が小さくて申し訳ありませんが、一番下の欄です。昨年同一組合で比較すると、8円プラス、率で0.05ポイントという事で、規模別がその下に出ておりますので見ていただければと思います。3ページが個別方式です。いわゆる30歳あるいは35歳のポイントでいくら上がったのかと、A方式がいわゆる純ベア、B方式は定昇込みという形になっております。それからその下に非正規の数字が上がっております。昨日の段階でUAゼンセンさんから報告を受けておりますが、UAゼンセンさんの正社員、定昇込み、2.31%のアップに対して、非正規は2.56という事で正規を上回る賃上げが非正規でなされているというふうに聞いております。今言った総括の数字を概観的に見ると最後のページにグラフを付けてございます。折れ線グラフは昨年からずっと付けております。連合が出来た89年以降、今年の第1回まで、丸のドットの太い線が連合全体のアップ率です。その下の三角の点線が300人未満の組合です。今日段階、全体も中小も2.06という事で同率になっているという事です。上に棒グラフがあります。参考までに、右側のほうが昨年の第1回から最終回までの、白い線が全体のアップ率です。黒いのが中小のアップ率です。一番左側に本日段階2017年の第1回、それから2017年第1回と昨年の第1回、言い方かえると同一時期の比較でいくと昨年の白いグラフが2.08でした。黒いのは2.07でした。これが今現在、白も黒も2.06という事で、底上げに向けた取り組みを進めていると。冒頭、会長から話があった通りです。それから15日にも申し上げましたけれども、別途回答速報NO.2という横の資料が付いていると思います。15日の時も多少申し上げましたが、今年の特徴は賃上げの数字だけじゃなくてその他様々な取り組みについて回答がありますので、我々の言い方で言うと日本語回答が多いと、こういう言い方していますが、例えばこの厚いほうの回答速報というのはいわゆる正社員の回答内容ですけれども、5ページに基幹労連が出ておりますが、造船についてはベア1000円プラス別途課題解決に向けた原資を投入するとか、そういった日本語の部分がたくさんあるという状況にございます。それから非正規の薄いほうの資料の特徴として3ページ、NTTさんが載ってございます。非正規の時給という事での答えは残念ながらゼロでしたけれどもその他でいわゆる正社員だけが食事手当てがあったものを非正規も含めてサポート手当てという事で月額3500円を支給する、等々、先ほどのプレスリリースの集計上、集計に入ってこない未回答部分が今年は非常に多い。味の素さんが所定労働時間を1日20分削減して年間で約80時間弱になりますけれども、そういった所定労働時間の縮減だとか年次有給休暇の取得増、育児介護の休暇を取りやすくする等々、様々な福利厚生含めた回答が出ておりますが、それら全体の集計は連合としては3月31日まで出来ませんので、その事もご理解いただきたいと思います。それから今日段階、自動車総連さんから121の組合の回答状況をいただいております。いわゆるトヨタ超えという意味でいくと、トヨタさんの回答1300円を超えている組合は47%になっています。メーカー含めてですけれども、必ずしも子会社だけではありません。自動車総連全体でトヨタさんを超えている組合の数が今日段階47%まで出ていると。これも昨年から申し上げた大手追従・準拠からの脱却という2年目として要求の段階でも中小が大手を上回る要求というのがありましたけれども、回答の段階でも今増えているという状況にあるという事の報告も受けておりますので併せて報告をしておきたいと思います。
 私のほう以上です。

質疑応答[1]
Q.(共同通信・カワムラ氏)

 中小の賃上げ率のことですが、先ほど遜色ないと会長のご発言がありましたが、確かに今2.06でそろっています。ただ昨年を見ましても今後どうしても全体と中小との乖離が出てくる傾向があると思うんですが、そのへんを踏まえたうえでこの数字をどう見るか、あらためて詳しくおうかがいできるでしょうか。

A.(会長)

 ご指摘のような傾向というのは一般的には出てこざるを得ないというところはあると思いますが、ただ出だしのところで一緒だというのは1つ象徴的だと思っているので、これをバネにして後のところが頑張っていくという事ですし、少なからず経営者の方々も、横並び、横にらみというところがありますから、それと一方で人手不足感という事で言えばこれは昨年より一層強くなっていると思っていますので、そこは昨年とは違う状況という事も織り込みながら、そしてこうやって今ほどご紹介したように大手を上回る事ももう普通に当たり前にあるという事が、これも昨年も傾向はありましたが、より認識は広がっていると思いますので、何とかそこは少しでも維持できるようにしていきたいと思います。一方で広がりも重視しなければいけませんので、そこは状況をしっかりと見極めていきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 須田さんに。NO.2で単産の単組レベルが出ているのですが、単産レベルの集計というのは分かりますか。僕の感じではかなり産別でばらけていて、前年マイナスの産別があるし、あるいは前年プラスの産別もあって、どちらかというと輸出関係は厳しくて、内需関係とか運輸が人手不足などを反映して前年プラスという傾向も今のところ見えますが、できれば産別レベルの傾向が分かれば。

A.(須田総合局長)

 はい。ペーパーで出しているのが共闘連絡会議単位で個別産業別という事は、やってやれない事はないのですがやっていません。その感じでいくと、製造業の大手は若干下がっていると、中小は上がっています。それから、内需関連は人手不足もあるんだろうと思いますが中小も含めて上がっています。その1つの例が先ほどの、説明しませんでしたが、味の素が1万円出ているとか、そういうところ表れていると思います。個別の単組を見ていただくと、フードさん、あるいはUAゼンセンさん、各商品小売と食品加工という分野のところは昨年を上回る数字というのは見て取れると思います。運輸さん関係はまだ出てきてませんので、これからですので、第1先行組合で出ているのは本当に運輸さんの大手だけですので、これから様子を見ていきたいと思っております。

質疑応答[3]
Q.(産経新聞・ヒラオ氏)

 今回、今後の中小の賃上げの状況がどうなるかが当然注目されるのですが、取引条件の改善などを政府も進めています。この辺の認識というのが、こういう定年と違うような形の、中小企業の賃上げをやりやすい環境が出来ていると思いますが、これについてどう評価されているかという事と、それが数字にどう反映していくのか、期待を込めてどう見ていらっしゃるのか、神津会長お願いします。あと須田さんにもお願いします。

A.(会長)

 私の、大づかみの印象としてはやはりそういった意識改革も含めて、その事が力になっていると思います。こういう事柄ですから、一朝一夕にという事にはなかなかならないかも知れませんが、粘り強く粘り強くという事ですが、ここは私どもも、アンケート、かなりの数の調査もやりましたし、そしてその事を基礎に政府に対しての要請もしてきていますし、また政府中小企業庁もこういうケース、こういうやり方は駄目だという、冊子をかなり世の中に広く配布をして意識喚起に努めてきていますから、やっぱりその事は少しずつではあっても浸透してきていると思います。その事も力になって、先ほど申し上げた今後の展開を期待したいと思います。

A.(須田総合局長)

 賃上げの具体的な数字にどう表れてくるかという意味ではこれから見ていかなければいけないと思っていますが、会長からもありましたように、まず中小企業庁が大きな産業に対して、組合ではないですけど、企業側に対して自主計画を出せという事でやっていますし、ガイドラインも昨年16個出ています。それを受けて、地方の経営者の皆さんと話す機会もあるんですが、原材料の仕入れ価格が上がった分を価格に転嫁して値上げしていいんだという雰囲気がだいぶ浸透してきていると思ってますし、12月22日だったと思いますが、取引の決済は原則現金だという事の再徹底を中小企業庁がやって、その事が地方の資金繰りにプラスに出ているという話も聞いております。それから公正取引委員会もいわゆる優越的地位の乱用についての勧告を相当出していますので、これについても取引上の雰囲気はずいぶん改善されてきたという印象を持っておりますので、これが春闘の中でもプラスに出てくるようになればいいなと。まだ数字出てきていませんから分かりませんけれども、環境としては整ってきたのではないかと思っています。

質疑応答[4]
Q.(朝日新聞・ニエカワ氏)

 賃上げ率に関して言うと去年とほぼ横ばいという事だったと思いますが、ベアがわかるところで言うと、去年の数字と比較すると、同じ時期のデータをホームページなんかで比べると若干、4%とか5%とか軒並み下がっている感じもしますが、このあたりどのように評価されているのかお聞かせください。

A.(会長)

 えっと、どれ、プレスリリースの次の2ページか、2ページの総括表ですよね、それで、私冒頭の申し述べたところの特徴は下半分のところの、私が強調したのはこの300人未満のところで、えっと、数字としてですね、2017年、昨年対比で…

(記者)私が言ったのは、参考1というところの賃上げが明確に分かる組合の集計のところで、一番右に賃上げ分というところがあって、そこの数字、例えば去年のこの時期で言うと全体が0.47だったのが0.43になった。300人未満が0.53から0.51になっている。1000人以上だったら0.47が0.43になっているとか、軒並み、微減ですけれども全体の賃上げよりはベアのところはもう少し下がっているのかなというふうにも見られるのですが、このあたりどのようにお感じになっているのか、という質問です。

(会長)具体的にどこの集計で比べるかという事があるので、私はやっぱり昨年対比で現時点で見るのが、同じ組合で見たほうが、傾向としては見て取れるのかなと思っているので、したがってこの参考2の下半分のところのやつで比較したもので冒頭の受け止めっていうのは申し述べたんですが、だからもうちょっと経ってみないとそこのところも厳密には対比できないのかなと思います。それと、それに対するお答えになるのかあれですが、須田総合局長のほうから説明したように、ここの集計には入っていない部分が結構あるんですよね、例えば分かりやすい例で言ったらトヨタの1100円の部分、これがこの中には入ってませんし、基幹労連の分は数字としても出てないから入れようがないという事もあるんですけれども、そんな事も含めて、見かけの数字としては対比で減っているという事はあるのかなと、両方の観点かなと思います。

A.(須田総合局長)

 他のプレスの方もおりますので補足しますと、2ページの真ん中の参考1というところに賃上げ分全体で0.43という数字ありますよね、昨年の同時期が0.47でした。その下の0.51に対し昨年は0.53、それから300人以上計0.43に対して昨年0.47。ですから、300人未満でいくと0.02ポイント、300人以上でいくと0.04ポイント、下がっていると、数字だけ追えばそうだという事です。今言いましたように、集中回答日の報道でありましたように、いわゆる大手は前年比で言えば下がってますけれども、中小で言えば0.02という事で、そういう意味で大手の輸出産業が下がった下がったと書かれている割には中小は頑張っていると、こういう認識にあります。

質疑応答[5]
Q.(月刊誌ファクタ・ミヤジマ氏)

 賃上げの実額よりも、ある意味でひらがなの回答ですか、あるいは集計外の中身が増えたと。それが特質だとしたら、それは昨年来、安倍さんのところの働き方改革などがやっぱり企業側の背中を押した、意識を高めたと、そういうふうに見てよいのでしょうか。その、ひらがなが増えた背景をどのようにご覧になるのか。

A.(会長)

 そういう要素もゼロではないと思うんですが、だいたい今日の段階でこういう回答、いわゆる付帯部分のところの回答のこういう形というのは今回始まった話というわけでもないので、それこそ20年近くのデフレの時代にあっても、賃上げと言っていたところを「賃金改善」というような呼び方も意識してやってきたように、労使でそういう会話が成立するところは工夫をして、特に全く物価が上がっていないとか、むしろ物価が下がっているみたいな状況の中で、もしそれでも財源を投入するのであればどういう使い方をするのがいいんだろうというのは、かなり労使で話し合って決めてきたという歴史もありますので、その事に加えて昨今様々な要素が、働き方改革という事で取りざたされているという事も少し背中を押しているという部分はあろうかと思いますが、基本的には元々そういう労使が話し合って、そういう基盤の下に実現している事だと思っています。

質疑応答[6]
Q.(読売新聞・フチガミ氏)

 働き方改革の話が出たので会長にうかがいます。(時間外労働の上限規制について)労使が繁忙期の100時間未満で今合意の方向にあるかと思います。働き方改革実現会議も今日予定されていると思いますが、これに関して民進党の蓮舫代表が昨日の記者会見で「月100時間は長い。上限規制は必要だと我々も言ってきたけれどもが、国民の皆様に納得していただける許容範囲の時間は果たしてここなのだろうか、という思いがぬぐえない」というご発言をされています。連合と民進党の関係があるかと思いますが、この蓮舫さんの発言について会長としてはどのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 まずその月100時間、単月でですねマックス100時間未満という事については今日の会議でどういう事になるかという事になりますので、それを見据えた上でという事になります。蓮舫代表なり、大串政調会長が「100時間は長い」と、それは民進党の代表なり政調会長のご発言としては当然の事だと思っています。それはやっぱり働く者の目線で物事を考えている政党ですから、綱領にある中での、働く者であるとか生活者とか、そういった視点を重んじている政党としてある意味素直なご発言だと思います。私ども連合にとっても、労働組合の立場ですから、私たちだけで物事が決められるのであれば、それはやっぱり100時間というのは長いなというのは当然あります。ただ、ご承知の通り、今回何といっても上限規制を罰則付きで設けるという、70年の労働基準法の歴史なり、あるいはその前の時代を遡っても、全体に網をかけてこういう事を実現するというのは全く初めての事ですから、そういう長時間労働に苛まれてきた働く者の立場からしてもその事の意義は極めて大きいので、したがってそういう中で労使での合意形成を図るという事からすれば、そこは何らかの内容で決めていかなければならないという中での状況ですので、そういうふうに見ていただきたいと思います。

質疑応答[7]
Q.(産経新聞・ヒラオ氏)

 大手と中小でこの第1回の段階で同じ賃上げ率を確保したというのは過去の歴史上あるのでしょうか。

A.(須田総合局長)

 大昔まで遡ってませんから、いわゆるベア春闘と14年からやってきた中では初めてです。昭和の時代まで遡ればあるかもしれませんが、今は手元に無いです。

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