記者会見 2022年10月

 

連合記者会見

記者会見 2022年10月

芳野会長、清水事務局長(2022年10月20日)

連合記者会見全文
芳野会長

 本日も大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 連合は10月6日に第88回中央委員会を開催いたしました。その中で2023年度の活動計画および予算について満場一致でご確認をいただいております。第17期の後半戦が本格的にスタートをしておりますので、連合事務局一丸となって運動を推進してまいりたいと思いますので、皆様のご協力もお願いしたいと思います。
 また、今日の中央執行委員会では2023春季生活闘争の基本構想についてご確認をいただいております。後ほど事務局長のほうからもご報告そして今日記者会見の後もブリーフィングがありますので、そこの中で詳細は詰めていただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 それでは第13回の中央執行委員会で主な協議事項として確認をいただいた点について述べていきたいと思います。
 1点目は、「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けた2023年度の税制改正の対応について協議をしました。税による所得再分配機能の強化、給付付き税額控除の仕組みの構築、自動車関係諸税の軽減・簡素化、税制改革全般における地方の財源確保、多国籍企業による租税回避の防止、納税環境の整備、燃料価格の高騰対策等、6点について確認をいたしました。
 次に、第210臨時国会における法案対応について協議をし、フリーランス新法、障害者総合支援法案、民法の一部を改正する法案等については基本的には成立を求めること、感染症法等改正法案については修正を求めていくこと、2022年度の第2次補正予算案については答案の全容を見定めた上で、国会における与野党における徹底した審議を求めるとともに、必要に応じて修正等を求めることを確認いたしました。
 3点目は、会長の冒頭挨拶にもありましたが、2023春季生活闘争の基本構想について協議をし、具体的な取り組み内容について確認をいたしました。お手元に配布した資料、55ページにある通りですが、底上げ・底支え・格差是正の取り組みの考え方を示し、特に賃金要求指標のパッケージについては各産業の底上げ・底支え・格差是正の取り組みの強化を促す観点と、すべての働く人の生活を持続的に維持向上させる転換点とするマクロの観点から、賃上げ分を3%程度、定昇相当分賃金カーブ維持相当分を含む賃上げを5%程度とすることについて確認をし、他の内容についても提案の通り確認をされたところです。
 また第4点目として、第20回の統一地方選挙の対応方針について協議をいたしました。これについても含めてですが、いずれの協議事項も配布した資料の通り確認をされました。
 私からは以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(共同通信・タカノ氏)

 会長にお伺いしたいんですけれども、2023年春闘の方針について、会長からもどのように受け止めていらっしゃるかっていうのをお伺いしたいと思います。それともう既に5%程度の賃上げ要求というのは28年ぶりの水準となるということですけれども、コロナで業績がまだ回復していない企業もあるかと思いますが、そういった業界の労組に対してはどのような取り組みを求めていかれるおつもりかお伺いしたいと思います。

A.(会長)

 連合としては2014年から続けてきた賃上げの流れを止めることなく、やはり今ご指摘あったように物価が上がっているということを踏まえて、一層の全体的な底上げをはかっていかなければならないというふうに考えています。詳細についてはこの後説明会がありますのでそちらのほうでお願いしたいと思いますが、この間、集中三役会議そして執行委員会と議論を、また労働条件委員会という専門委員会もありますが、そこでも議論を詰めてきました。ご指摘のように業界によってやはり濃淡はあります。まだ回復していない業界もありますけれども、ナショナルセンター連合として今の物価高をしっかりと受け止めて方針を固めていくということの重要性のご指摘をいただきましたので、今回3%、5%という要求を組んでいこうということで合意をしています。春季生活闘争は1年で終わるものではなく、続いていくものですから、2022春季生活闘争の中でも申し上げましたが、良いところはしっかりと物価高の分も取っていくということになるかと思います。業績の悪いところについては労働条件全般で経営側と話していくということも必要ですし、来年以降の、再来年以降の春季生活闘争を見据えて「未来づくり春闘」も掲げていますので、そういった視点も入れて議論をしていくということが必要ではないかというふうに思います。

質疑応答[2]
Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 よろしくお願いします。会長になんですけども、今の春闘に関連してなんですけども、コロナ禍の中で、いろんな「なんでも電話相談」とかですね、生活困窮者の相談に乗っているグループなんかの相談内容とかを見ると、所持金ゼロで電話をかけてくる人がもう40%を超えた状態になっているという、非常にこの物価高の中で生活の困窮が進んでいるという印象を受けるんですけれども、この方針でそういった国民全体の底上げをということでそれは立派なことだと思うんですけども、この方針で現在の物価の中で困っている、働きながら困っている方々ですね、直接救うようなアイデアとかは無かったんでしょうか。例えば消費税の減税もそうです。消費税の減税するとかもそうですけども、来年見据えてという状況は続くものだというのはよく理解した上で聞くんですけども、今もう生活が苦しくてどうしようもない人たちがたくさんいるという状況に応える方針になってないような気がするんですけども、そこはどうお考えでしょうか。

A.(会長)

 2023の春季生活闘争の方針は方針として、現在連合の中で緊急対策の議論をはじめています。その中でまさしく今現在、生活に困窮している方々への対応について詰めて早急に連合としては動いていきたいと考えています。

Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 それは何らかの形で政府要求をしていくとか、春闘とは別立てで緊急対策要求をやっていくという理解でよろしいでしょうか。

A.(会長)

 はい、そういう理解で結構です。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 芳野会長に3点伺いたいと思います。いずれも春闘関連なんですけれども、まず1点目でですね、今回示された基本構想の中に冒頭「デフレマインドを断ち切り、ステージを変えよう」といったような表現をされていると思います。これ今までとはフェースが違いますよというようなことを示されているような意図だと思うんですが、どういった思いを込められているのかというのを教えていただきたいというのが1点です。
 もう1点が、今回目標引き上げられましたけれども、単純にやっぱり目標を引き上げただけでは良い回答は引き出せないと思うんですが、今の時点で取り組み方で何か例年との違いで考えていることがあれば教えていただきたいというのが2点目です。
 3点目がですね、ちょっと円安について伺いたいんですけれども、春闘とも関連するんですが、足元物価上昇している一因として円安が150円近くまで進んでいるというのが影響しているというふうに思います。今後春闘を進めていく中でも円安がどんどん進んでいくことも考えられるんですが、こうした影響をどのように受け止められているかというのを教えていただきたいというのが3点目です。よろしくお願いいたします。

A.(会長)

 まず、2023春季生活闘争の取り組みの思いですが、先ほども申し上げたように春闘は1年で終わるものではないので、継続をしていくわけですが、2023の春季生活闘争についてはやはりこれまでも言っている通り、物価高の中で生活困窮者も非常に多い、本当に私たちの生活に大打撃を与えている状況の中での取り組みになりますので、その意味ではしっかりと物価上昇分も取っていくという意気込みを込めた闘争方針だということでご理解をいただきたいというふうに思います。
 また、今後の取り組みですが、基本構想がご確認いただいてから具体的な取り組みについては議論をしていくかというふうに思いますし、また構成組織・加盟組合の中でも闘い方についてはこれから議論がはじまっていくと思いますので、それを見ていきたいと思います。
 物価高の問題ですが、やはり私たち連合としては今回の春季生活闘争を勝ち取っていく中で、価格転嫁・公正取引の問題、特に中小企業のところがなかなかできていないということがありますので、そこを一段上げた取り組みを要請していくことが重要かと思います。例えばですね、公取委で企業名を公表するという取組みがあります。これは一例ですが、例えば中小企業庁も企業のほうに踏み込めるようにしていくだとか、担当省のトップがその個別企業のほうに対応していくだとか、少しきめ細かい対応が必要ではないかなと思っています。この間、パートナーシップ構築宣言ですとか、様々取り組みはしていますけれども、大手は一生懸命価格転嫁をやってるとは言っても中小の人たちが現実的にはなかなかそうはなってないという声が大きいですので、やはりそこのところをやっていかないと賃上げに結びついていかないと思いますので、環境づくりとしてはもう一段踏み込んだ施策が必要かと思っていますので、そんなことも要請していきたいと思っています。

Q.(朝日新聞・ミウラ氏)

 確認なんですが、2点確認あるんですが、1点目の質問で申し上げた「デフレマインドを断ち切り」っていうのはこの「デフレマインド」はどういった意味を指しているのかなっていうのが伺いたかったんですけれど、今まで日本の労働組合は雇用を優先することに重きを置いて、賃上げ圧力がちょっと弱かったんじゃないかというような指摘もあったかなと思うんですけれども、こういった流れを断ち切るという意味合いなのかっていうのを確認したいというのが1点と、もう1点が、3点目はちょっと円安の動きの影響について伺いたいなっていうふうに思っておりまして、今後円安が進むことによって物価もさらに上がって生活者が苦しくなるっていう意味で影響はあると思うんですが、その影響をどういうふうに受け止められているかというのを伺いたいというのが2点目です。すいません、お願いします。

A.(会長)

 後段のほうからするとやはりそれは賃上げをしっかりと取っていくということが1つかと思いますし、前段のところについては、担当役員からお願いします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 会長の補足になると思いますが、今年の特徴点の1つとしてステージを変えていこうということを言っています。その1つの前提として、これまでの20年を振り返ってみると、賃金も物価も上がらずに消費も伸びず国民生活も良くならないと、そういう中で経済が停滞してるという状況がずっと続いてきていて、こういう背景にはやはり価格も上げられない、その中で賃金も上がらないというデフレマインドの循環がずっとこびりついてるんだろうと思ってます。ただその中で、今足元で急速な輸入インフレが起こっているわけですから、そういう意味で短期的なこの輸入インフレの対応に留まらず、経済そして物価も上がっていく中で実質賃金が継続的にそれ以上上がっていくような全体の状況を作り上げないと上手く場面転換ができないというか、同じところに戻っていくだけですので、そういうところをしっかりやっていくべきなんじゃないかということで書いている次第でございます。

質疑応答[4]
Q.(労働ジャーナリスト シカタ氏)

 2点ほどお聞きしたいんですが、1つは5%の要求は29年ぶりの要求ではないかと思うんですが、1994年の時に5~6%という要求を出しているわけでたぶんそれ以来だったら2023年では29年ぶりになるんじゃないかと思いますが、その点確認したいというのが1つです。
 それから5%の要求の性格についてお聞きしたいんですが、これで見れば「程度」になってますよね「程度」、あとは「目安」という言葉が出たり、それからあとは産業のところは「産業状況や賃金水準を勘案」という形から見るとですね、これ一体5%の要求の性格をどう捉えられているのかね、まあ言ってみれば3%特にあの5%、定昇は別にしてもベアのところ3%はね、ばらつきあってもいいんですよ、という性格付けになってるんですが、そういうことでいいのかどうかという、あわせてですね、先ほど会長が言うように物価分に対応する賃上げをきっちり取っていくと言ったらこの資料にもあるように過年度物価は2.6%になるわけですよね。そうすると去年の例えば連合のベアを見ると0.63%なんですよ、これから見ると2.6を取ろうと思えば4倍ぐらいの実質ベアを引き上げないと春闘が終わった時にマイナス賃上げになってるわけですよ。そういう点では、闘い方はこれから検討するということなんですが、要求段階でいかに連合要求のこの3%を、まあ言ってみれば影響力を持つ基準的なものに設定して、各産別・単組にさせていくのが非常に重要になると思うんですけれど、そういうことで要求の「程度」とか、あるいは「目安」とか、各産業が各実態を考えていいという、こういうような構え方ではたぶん2.6%以下になって蓋を開けてみればマイナス賃上げになったという形になりかねないという懸念を持ってまして、そのあたりでですね、この要するに3%の要求をいかに各構成組織にきっちり足並みを揃えさせられるかという、そういうことが大事だと思いますのでそのあたりの取り組みの見解をお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 まず1点目ですが、1995年が定昇込みで5%から6%という水準で、96年が4.5%となっています。今回5%、定昇込み5%ということですが、やはりその議論の中ではコロナ前に戻りつつある業界とまだまだ戻ってない業界とある中で様々な立場からのご意見を聞いた上でまとめたということになりますので、確かに厳しいところもあれば、それ以上にというところもあるかもしれませんが、連合としてはしっかりと足並み揃うようにやっていくということになるかと思います。今の段階ではそういうことになります。

Q.(シカタ氏)

 特に、連合は春闘に影響を与えます。金属関係はもうここ4、5年見るとマイナス1%なんですよ。そういうことを含めてしっかり足並みを揃えさせるということで努力されるのかどうかね、そのあたりもお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 担当役員から、お願いします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 まさになぜこの時期に決めたのかということとも関わりますが、なぜこの時期に数字入りで決めたのかというと、会長からもございましたけど「2」という数字は、要は今世紀に入ってずっと連合が示すとすれば「1」か「2」とことでしたから、「3」という数字を示すということはやはりそれなりの重さがあって、これを連合が示せばいいだけという話ではなくて、やはり実際に闘いを組んでいくのは産業別組織であり、なおかつ交渉するのは単組、だからこれまでにない領域に入るからこそこの時期に数字入りのものを出させていただいて、どうやって気持ちを合わせていくのか、先ほど「程度」の話もありましたけど、そういう意味で連合は昔から、数字を1本出したらそこに全部横並びで揃うのかというと産業の状況も加味しながら、そこは実際にどれだけたくさん取れるのかという交渉力も含めて数字を決めていくものだと思っておりますので、そういう意味で現段階では例年よりはある意味早く数字を示させていただいて議論を進めていきたいと、そんな思いでおります。

質疑応答[5]
Q.(日本経済新聞・ナカムラ氏)

 会長に2点お願いします。先ほどもちょっと出ましたが、5%の目標について、近年見なかったような物価高を考えるともっと上げてもいいんじゃないかというふうにも見えるんですが、あえてで言うと5%に抑えたということで言うと、なぜ5%かというのを理由をお聞かせていただきたいというのが1点です。
 それからもう1点ですが、企業の内部留保がかなり積み上がっていて過去最高の水準にずっとありますけれども、この企業の支払い余力について、労働分配率について、どうお考えになっているかお聞かせてください。

A.(会長)

 この間、構成産別のヒアリングも含め、また集中三役会、中執、労働条件委員会で様々議論した結果として5%というふうになりましたので、それがすべてかと思います。
 それから内部留保が溜まっているというのは2022春季生活闘争の中でも言われていたことですが、もうそれをやはり「人への投資」ということで賃上げに結びつけていかなければ、やはり私たちの生活も、そして経済を元に戻すということができませんので、そうしたことも2023春季生活闘争の交渉の中では大きなテーマになるんではないかなと思います。

質疑応答[6]
Q.(フリー モリ氏)

 このベア分3%についてなんですが、これ物価上昇分を補える程度だと思うんですが、そうするといわゆる生活向上分とかですね、それから主要国と比べて低くなっている賃金水準を上げると、主要国並みに追いつくと、そういういわゆる生活向上分とそれから国際的に低くなっている賃金を上げるという意味の要求は無いということですかこれ。物価だけですか。

A.(会長)

 担当役員からお願いします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 ご指摘のように、「注」で55ページの下のほうに書いてますけど、いろんな見方がまだ半年あるので物価どれぐらいになるのかはあると思いますが、多くの方が見ているのがやはり2%半ばという感じなんじゃないかなと思っています。そういう見通しを前提に考えたときに、生活向上分というのは3ということであれば数字自体としては生活向上も含んで、要は2%の半ば以上のところについては生活向上分ということなのかなと。ちなみに今回区分けをして足し算をして作ったわけではないというのが1つでございます。
 それともう1つですが、賃金水準の低いところについてそこは考えていないのかということですが、次のページ見ていただきますと中小の売上目標などもこれは格差是正分込みにして率にすると5.4%ぐらいになるだろうと思いますけど、そういうのを出しております。それと水準そのものという意味ではパッケージの中で、世間並みのポイント賃金について示す中で、足りないところについて計画的に格差是正分を別途積んでいくということがこれまで連合の要求の示し方としてはやってきたことということになります。

Q.(モリ氏)

 これは「注」を見ると消費者物価2.6%というのは22年度の見通しですね。そうすると今のご説明だと3%という要求の2.6引いて0.4、これが生活向上分の要求ですか。

A.(仁平総合政策推進局長)

 あえて分離をすればそういうことになると思います。

Q.(モリ氏)

 これずいぶん控えめすぎませんか。

A.(仁平総合政策推進局長)

 ですからそこは、もう1つは「程度」という話も含めてどういうふうにそこを踏まえてそれぞれ考えるのかということなんだと思います。

質疑応答[7]
Q.(時事通信・キダ氏)

 統一地方選挙の方針についてお伺いします。立憲民主党や国民民主党に対して「国会対応や選挙対策が組合員からの信頼を損ねるものとならないよう強く求める」という記載がありますが、この「信頼を損ねるもの」とは具体的にどのようなものを想定されているのでしょうか。共産党や日本維新の会を念頭に置いたものとお見受けしますが、立憲民主党と日本維新の会の国会での共闘も念頭に置いたものなのでしょうか。できれば会長にコメントをいただければと思います。

A.(会長)

 まず、事務局長のほうから先にお願いします。

A.(事務局長)

 統一地方選挙についての対応方針についてはお配りをした方針の案で異議なく確認をされていますが、政党にとっても当然地方の組織、地域の活動の担い手である地方議員の勢力拡大、これは非常に大きな課題であります。連合にとっても統一地方選挙については、地域に根ざした政策を実現するということ、それから野党の勢力が細分化・弱体化していることについてもう一度働く者・生活者の立場に立つ政治勢力が結集・拡大していってほしいという地方連合会の声が非常に大きく、この間、対応方針を決める中では声としてございました。そういったことに基づいて、確かに国政選挙において2つの政党に支持が分かれていたということがあった関係でなかなか選挙に十分に取り組めなかったということがありました。そのことが組合員にとって分かりづらい選挙になっている、誰をどういうふうに推していくのか、決めた推薦候補に全力で当たれないんじゃないかと、そういったところに不信の声もあると、そういうことを踏まえての今回の方針でありますので、連合としては連合推薦候補の議席の最大化を目的として地方連合会における主体的な取り組みを尊重して地方組織を通じた支援政党の地方組織への候補者調整の働きかけ、あるいは連合候補の支援などに最大限組織的に取り組むということで今日確認をしたところでございます。国会におけるそれぞれ立憲民主党と維新の共闘であったり、あるいは5党1会派等のそういった共闘については、それぞれ国会運営上ですね野党が戦略として様々考えることがございますので、そのことについては政党の判断であるということで連合としては注意深く見守っていきたいと、見定めていきたいと、そういう考えであります。

A.(会長)

 私のほうから一言申し上げると、やはり長きにわたって国会で与党が圧倒的多数を占め、政府・与党による独善的な国会運営、政策決定が行われてきたという中で、国会対策として野党が連携し、そして政府・与党と対峙することによって国会での議論が深まることを期待しているということで、今後の動向を注視していきたいというふうに思います。

質疑応答[8]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 2つ伺いたいんですが、春闘のほうですが、野党は「生活氷河期」という言葉でその克服なんだというのでいろいろ要求しているんですが、実際は内部留保だけじゃなくて輸出産業を含めてこの中間期で最高益が続出するような状況だと思います。次の春闘というのはやはり何が何でもその生活氷河期を克服するような、これまでと違うかなり厳しい闘いをしないといけないというそういうお考えがあるのかどうかまずそこを伺いたいです。

A.(会長)

 今の段階ではしっかりと交渉して勝ち取っていくということになるかと思います。

Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 それはだけどちょっと異次元のこの円安為替あの要するに様々なものでですね、よりその生活氷河期なんだという認識があるならばですね、異次元の闘いになるとかそういうお考えはありますか。

A.(会長)

 連合本部としては今緊急対策を練っていますので、それと併せて賃上げができる環境整備を本部としてはしていきます。具体的にはやはり加盟組合が交渉し勝ち取っていくものですので、そこを構成産別と一緒になってサポートしていくことになるかと思います。

Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 あともう1点は臨時国会がはじまって、特に野党、立憲を含めてですね、やはりかなり鋭いというか刺さるような特に統一教会問題についてはいろいろやっているんですが、この戦いぶりを今少し元気が出てきたと思うんですが、どうご覧になっているか。あわせて、ただこれやりすぎると国会自体が統一協会劇場化しますと本来いろいろやらないといけないことが先送りになると思うんですが、そのへん含めまして何かお考えがあれば伺いたいです。

A.(会長)

 今政府は旧統一協会の問題について被害者救済法案について国会で成立をめざしている状況にあるかと思いますが、やはり連合としても、旧統一協会による悪質な献金や霊感商法などによって甚大な被害を受けている方々がいらっしゃいますので1日も早く救済できるようにしていただきたいということが1つ、それから与野党が連携をして今国会で確実に成立させていただくことが望ましいというふうに思います。また国会での審議の方法については国会の中で決めていただくということが望ましいわけですけれども、臨時国会で議論すべき様々な課題がたくさんありますので、そのこともしっかりと議論をしていただきたいということです。

質疑応答[9]
Q.(共同通信・ノダ氏)

 会長にお伺いします。今月ですね就任から1年を迎えられたと思うんですけども、その振り返りをちょっとお伺いしたくて、就任直後には「共産党と立民との閣外協力もありえない」という発言ですとか、その後ですね自民党との関係においても政調会合に出席されたりですとか、これは歴代会長あると思うんですけども、麻生副総裁らとの会食もあったりですね、そういう接近が指摘されたこともあったと思います。あと、国葬に出席されたということもちょっと物議を醸したのかなとも。この1年振り返ってですね、女性として初ということもあってご苦労も様々あったかもしれませんけども、そのあたりも含めて1年振り返ってみていかがでしょうか。

A.(会長)

 本当にあっという間の1年でした。ずっと走り続けてきたという感じがしますが、まず私に関わったすべての皆さんに感謝をしたいというふうに思います。本当に多くの方々に、これは連合の関係者だけではなく、本当に連合と全く関係ない方にも街で声をかけられたりですとか、大阪でアメちゃんをくれるおじさまがいたりですとか、本当に多くの方からご支援をいただいてサポートしていただけているなというふうに思っています。就任してから共産党との関係ですとか発言をして様々取り上げられてきましたけれども、前神津会長の時代から考え方は一貫しておりまして何も変わっていませんので、私としてはなぜそこまで取り上げられてしまうのかなという戸惑いがありました。それから自民党との関係も様々取り上げられてはいますが、いろいろ聞いてみますと今までの会長のほうがもっと自民党の多くの方と意見交換を沢山されているので、その意味では私はまだまだ足りてないというふうに思っています。それから国葬について様々ご意見をいただきましたが、連合の中での機関会議でご意見いただいたのは1産別から「できれば出席しないでほしい」というご意見はありましたが、あとは連合本部としての対応としてはご理解をいただいているという状況でしたし、私自身も国葬に参列し、そしてご遺族に弔意を示せたというのは非常に良かったなと思っています。会長になると一般組合員の人と接することが本当になくなるんです。そのことの怖さを感じました。どうしても対応するのが構成産別のトップの皆さんですので、その足元の末端の組合員の方たちが何をどのように考えていてどう感じているのかということが直接聞くことができないということの不安がありますので、そういう意味では私は地方連合の活動も単組の活動も長くやってきましたので常に関わり合いは持ちながら客観的に皆さんがどういうふうに感じているのかっていうのはずっと聞いてきていましたし、それはこれからもやっていきたいと思っています。それから、連合の運動というか政策的な面でいきますと、これは連合の中の仕組みになるかもしれませんが、事務局長中心に動いていますので、残りの1年についてはもう少し様々なところで私の考えも踏襲してもらえるようにいろいろ動いていきたいなとは思ってます。

Q.(共同通信・ノダ氏)

 何かご苦労された点ってございますか。

A.(会長)

 苦労ですか。苦労はですね、この記者会見がすごく大変です。それは冗談なんですが、会長としてやるべきことですのでしっかりやっていきたいと思いますが、やはり今までとは行動範囲が全く違いますし、どちらかといえば男女平等中心にやってきていますので、それ以外のところが非常に苦労してます。知識も足りないというふうに思っていますし、もっともっと勉強も必要だと思います。

質疑応答[10]
Q.(毎日新聞・ヨシナガ氏)

 お疲れ様です。今の共同通信さんの話に続いてもう1つ。今残り1年というふうにおっしゃられましたけれども、1年2年っていうとなかなかこう会長としてやりたいこと、もしくは皆さんに伝えたいことが伝わりきらないってこともあるかと思うんですけれども、その辺どれぐらい、この1年間ちょっとというのと残り1年間というところ見た時どれぐらいの達成度があるのかということと、周りからまだやめないほうが1年じゃなくてもっとやったほうがいいとかですね、そういう声は無いのかどうかとか、そのあたりも含めてお伺いできたらと思います。ご自身のその達成度合いというか、まだまだやりきれないところあるかどうかも含めてよろしくお願いします。

A.(会長)

 組合活動はすぐに成果が出るものではなく、何年か経って振り返ったら進んでいるということが多いので、達成度ということになるとなかなか「達成できました」ということは言えませんが、タイミング的に揃ったといえば、この間、副会長時代から男女間賃金格差については審議会など様々なところで発信をしてきていて、会長になってから女性活躍推進法の中でそういったことが政策として入ったということについては達成感を持っています。それと就任の時に「ジェンダーの視点を連合運動のすべてに」ということを言い、そのことによって連合全体としてジェンダーの視点を入れていかなければという雰囲気になったということも達成のうちの1つかなと。ただそれを数字で表すとなるとおそらく女性役員がどれくらい増えたかとか、私たちの労働条件がどれだけ変わったかということになるかと思いますが、それは少し年数が経ってみないとわからないことですので、そういう意味では言い続けていくことはとても大事かなと思っています。
 それから、連合の任期は1期2年なのでその後どうなるかっていうのは役員推せん委員会の考え方ですので、そこに委ねるということになるかと思います。

質疑応答[11]
Q.(東京新聞・アツミ氏)

 少し遅れてきたので質問が被っていたら恐縮なんですが、改めて春闘の要求方針のベアの部分なんですが、物価分を取り戻すという意味ではたぶん3%程度というような要求にはなると思うんですが、実際その実現可能性として先ほどの話もありましたが今年で0.63というところもあります。だいたい0コンマいくつという形でずっと来ている中でこれを1年で取り戻すということが果たして可能なのかどうかという点をまず伺いたいと思います。

A.(会長)

 担当役員からお願いします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 まずは要求をしないとどうしようもないものですから、そういう意味で物価分も考慮の要素として1つ考えながらそれを上回るような「3」という数字にしたということです。あとはもうそれこそ100%取り切れば当然1年で改善していくということになると思います。

Q.(東京新聞・アツミ氏)

 たぶんこれまでの継続的な形での労使交渉ではなかなか無理な水準だと思うんですが、改めてこれほどのベアをもし取るというためには何か今までとこれをやり方を変えなくちゃいけないとかですね、そのあたりを伺えればと思うんですが。

A.(仁平総合政策推進局長)

 この後のレクもあるのでそこでもと思いますけども、ここは交渉ですので、とは思っておりますけど、そういう意味では2022の経緯というのはすごく大事だと私は思っていて、それは何かというと、やはりここまで日本の賃金は停滞してくる中で「人への投資」が全然できてないがゆえに生産性も含めてここまで日本は落ち込んできたわけでありまして、だから単年度いくら取れるのかということも大事かもしれないけど、しっかりとその後のことについては経営側も応えていきたいというふうに言ってるわけですから、そこを足元の生活の苦しさプラス、「人への投資」をしっかりやっていかないとダメなんだということをどれだけ交渉できるのかというところにポイントがあるんだろうと思います。

質疑応答[12]
Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 統一地方選の対応方針について芳野会長に伺います。候補者支援をするか否かを決めるときに基本的な考え方となることは何なのかというのを1点聞きたいのと、その際に立憲民主党と日本維新の会が国会で共闘していると、この要素で日本維新の会とその候補者の距離感っていうのはその際に考慮に入るのか、この2点を教えてください。

A.(事務局長)

 今回も国政選挙の時に示してきた考え方の部分、いわゆる人物重視・候補者本位という、この部分でやっていこうということは変わりがありませんので、そういった意味ではこの間この考え方は十分理解されているということになっているかと思います。今それに基づいて各地方連合会が候補者について推薦も含めて選定をされているというふうにお聞きをしております。
 それから、日本維新の会との国政レベルでの法案の共闘であったりとか共同提案であったりとか、そういったことは具体の地方の選挙の候補者のところに影響するというのは全く考えていません。基本的には連合としては立憲民主党・国民民主党の候補者、また無所属の方で、この間地方連合会等で推薦をしてきている、新しい方についてもそういった観点で選出されていくというふうに考えています。

A.(会長)

 各地方連合会で政策協定を結んでいきますので、そこの中で人物重視・候補者本位で決めていくということになるかと思います。

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