記者会見 2019年2月

 

連合記者会見

2月定例記者会見

神津会長・相原事務局長・内田副事務局長・冨田総合労働局長(2019年2月15日)

連合記者会見全文
神津会長

 ありがとうございます。私の方から大きく分けて3つのことについて申し上げておきたいと思います。
 今日、中央闘争委員会もあわせて開催をしていますが、春季生活闘争についてです。もうすでに皆さん方にも報道していただいている通りで、3月半ばの第一のヤマ場に向けて、早い所の先行グループがすでに続々と交渉入りし、要求を提出しているという状況です。私ども連合としての今年の方針の考え方については、何度か申し述べてきているとおりです。引き続き底上げにこだわりたい、底上げを実現したいということです。ただ従来から強調していることは大事にしつつ、それだけではなくて、これまでの取り組みをそのまま繰り返すということだけではなかなか埒が明きません。そういう中で、上げ幅のみならず絶対水準にもこだわりをこれまで以上に持っていこうという要求姿勢です。そういった中で、それぞれだいぶ私どもの考え方を深掘りして取り上げていただいているところも多いと思っています。ただ、新しい考え方を打ち出していく中では必ずしも私どもの考え方がお伝えできていないところもあるのかなとも思います。いろんな疑問があることは当然だろうと思っていますので、ぜひ率直に、もちろんこの後も含めて、お尋ねいただきたい。私もできる限り、間口を広く持っていますので、いろんな疑問は率直に取材していただいてぶつけていただきたいと思います。見出しも含めて、先ほどから申し上げている趣旨がなかなか伝わらず、少し後ろ向きの感じで伝わっていくと、連合の中だけじゃなくて、むしろ組織の外に向かってどうやって私たちの考え方を打ち出していくか、それを見ていただけるかというところが非常に大事だと思っています。一種社会運動みたいなことですから、こんなことを言っていいかどうかなんですが、皆さんが考えている以上にものすごく気にしています。普段から報道は、各社のものを全部拝見させていただいているので、なんとなく全体の感じというのは分かります。普通の方々はだいたい新聞であれば1つのものだけ目にするわけですから、そこのところは、繰り返しになりますが、ぜひ疑問は率直にぶつけていただきたいと思いますし、私どもが掲げている趣旨、それを体現するのであればもっとこういうやり方があるのではないのかみたいなことを、おっしゃっていただきたいなと、むしろ、そんなふうにも思います。それぞれの組織が、連合の考え方を引きなおして、一方ではそれぞれの労使関係の中での経緯がありますから、それを具体化するためにはどの形がベストかということで悩みながら模索し、組織の中で話し合いを繰り返して決めてきている事柄ですから、私も正面から向き合ってお話ししたいと思いますので、是非そのことをお願いしておきたいと思います。
 それから2点目は、その春季生活闘争とも大いに関わる話だと思っていて、国会で取り上げられている毎月勤労統計を中心とした統計の不祥事に関わる問題です。これはすでに談話も出していますし、またこういった場でも申し上げていますが、あとからあとからまた新しい事実みたいなところが出てきていて、もう唖然とするようなことばかりです。これは、私たち国民の代表であるその国会議員がしっかり究明してもらわなければいけないと思います。ただ、これまで例えば森友学園とか加計学園とか一連のいろんな話しもそうですが、結局何か事実究明されないままみたいなことも懸念されますし、また本来日本の国会の予算委員会は重要事項であればなんでも取り上げられるということなので、そういったルールに照らして考えれば間違ったことではないとはいえ、私たちの税金がいったいどう使われようとしているのかという予算審議が、これに大幅に時間を取られてしまっています。消費増税に伴ういろんなポイント制だとかという措置も、いったいこれはなんですかというような内容で、そういうところに対しての審議をもっとすべきだろうとも思いますが、それも中々思うに任せません。結局、通例からすれば予算の政府原案が、どうこう言ってもそのままとおってしまうような、こんなことの繰り返しでは私は一般の有権者がますます政治との距離感を広げてしまうと思います。そのことが悪循環で、統一地方選挙、参議院議員選挙、12年に一度その両方が行われる予定ですが、無関心、投票率の低下ということにつながり兼ねないので、そういう意味も含めて非常に危惧をするところです。先ほどの春季生活闘争との関わりということを含めてですが、例えば昨年の状況、結果、連合集計は、皆さん方もご存知のとおりでして、いわゆるベースアップが、そこだけの抜き出すことのできる数値を見ても、0.5%、0.6%のあたりのところでみんな本当にゴリゴリやって結果を何とか引き出しているということです。そういう中で今回明らかになっていることとして、例えば総務省が共通事業所で見るべきじゃないのかというふうに数値を取ると、途端に何か1.4%も下がってしまうような唖然とするような話しでして、これはもう統計そのものの信憑性がないと言わざるを得ないということです。ひどい話しであるとともに、私は今回総理が国会の答弁の中で「連合集計ではこうだよ」と「今世紀始まって以来の賃上げになっているじゃないか」とおっしゃっているようですが、そのこと自体がお門違いと言わざるを得ません。それは、繰り返しになりますけど、連合の中では相当程度底上げという事は実現してきたと思っています。しかし、世の中全体見渡すとそれがどこまで波及しているのかということです。世の中全体にどこまで波及しているのかということにおいて、さっぱりわからないということが白日のもとに晒されたというのが、今回の統計の問題だと思います。だからこそ我々は、力を込めて世の中全体の底上げが必要だということを言っているわけですし、結局統計がもう長年にわたってこんなことになってしまったということ自体がもう残念ながら社会全体が、一人一人の全ての労働者がどういう賃金実態にあるかということに対してあまりにも無頓着であったということを象徴するような事態だというふうに私は思います。それは一人一人の働く者にとって、大変辛い事実であるとともに、マクロ経済との関係というのは、春季生活闘争において非常にこれはこれで大事に捉えているわけです。結局、日本国民、働いている人たちの賃金水準が一体どうなっているのかということが、この国は把握できていないということです。それは、即ちこの日本の国力がどういうところにあるのかということが分からないということと等しいということだと思います。それはアベノミクスがどうこうという以前の問題であって、さっぱり分からないという中に我々はずっと置かれてしまっているということをだと思います。とにかく春季生活闘争において世の中全体にどう波及させていくのかということにおいて、冒頭申し上げたように、いろんな模索もしながら我々はひたすら愚直にそこに力を込めていきます。今回こういう統計の問題が明るみに出たということを持って、目先の問題で何か辻褄合わせするのではなくてやはり根っこのところで、この国の自分たちの力をどう把握できるのかというその統計そのものの問題を根っこのところから改革をしていただきたい、そうでないと本質的な問題はもう結局置き去りになってしまうということを申し上げておきたいと思います。
 最後は「Action!36」です。3月6日がもう本当に目前に迫ってきました。あるいは施行スタートの4月1日が目前に迫ってきているということだと思っています。ご存知のように、36協定を知らない経営者が45%もいるというデータがあります。本当は、残業の実態があるのであれば36協定を結んでいないということは、今の法律においても罰則の対象になるわけです。それがなんとなく見過ごされてきたような、そういう社会を変えていくためには今度の4月1日はものすごく大事なタイミングだと思います。もう少し国もPRに力を入れて欲しいと思いますが、実態はそれどころじゃないということなのでしょうか。しかし、私たちはすべての働く者のための存在として、この3月6日、本当に財政状況が厳しい中ですが出来るだけのことをしていきたいということで、後ほど説明もあると思いますがイベントを開催していきたいと思っています。ぜひ注目いただきたいと思いますし、いま申し上げた趣旨も汲み取っていただいて、世の中にこのことの大事さ、労働組合の労使関係としての取り組みのこの問題における役割、そういったことについても取り上げていただければ大変ありがたいと思っています。
 私の方からは以上申し上げて、後ほどのご質問よろしくお願いしたいと思います。

相原事務局長

 中央闘争委員会その他ですが、黄色い議事次第がお手元に届いていると思います。本日は、協議事項として4月ゴールデンウィーク初日のメーデー中央大会第90回についての開催概要を確認致しています。補強として重点政策実現の取り組みの方針、国会審議が進んでいますが、補強案を提起しております。資料2-3では、6月を男女平等月間とし幅広で取り組みを進めることを確認いたしました。資料2-4は、ただいまの神津会長の冒頭挨拶にも込められましたが、キャンペーンの関係です。後ほどまたお目通しをいただきたいと思いますが、資料2-4において、3月6日神田明神ホールにおいて「36(サブロク)の日」のPR発表会1部2部構成で進めてまいります。ゲストをお招きしトークセッションなどで進めていきたいと思いますが、詳細決定後また改めてプレスリリースなども入れさせていただきますので、どうぞ取り扱いの程よろしくお願い申し上げたいと思います。
 資料3-9、「2019春季生活闘争政策・制度要求実現3.4中央集会」は3月4日開催で、資料3-10で「2019春季生活闘争4.5共闘推進集会」の開催が4月5日ということで進めていきたいと思っております。なお、「働き過ぎにレッドカード!!~本日3月6日はサブロクの日です~」に関して別途1枚紙でプレスリリースが入っています。無料通信アプリ「LINE」による労働相談で3月6日サブロクの日に、連合本部で実施をいたします。お手元にある通りのラインでの労働相談と、先ほど申し上げた10時から開催する「36(サブロク)の日」のPR発表会、そして当日3月6日は品川駅港南口で早朝の街宣などを行いたいと思います。3月6日には様々なお取り扱いいただけるタイミングがあろうかと思いますので、報道各社の皆さんには1日の時程など全体概要を分かりやすい形で、情報をご提供したいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
 あわせて中央闘争委員会の中では、第3回中央闘争委員会の確認事項として当面の情勢と、進めていく上での日程を確認した旨をご報告しておきたいと思います。
 私のほうからは以上です。

質疑応答[1]
Q.(時事通信・タカハシ氏)

 時事通信のタカハシと申します。よろしくお願いいたします。春闘のことで1点伺います。大どころの労働組合の要求はほぼ出揃って、これから続々という状況かと思いますが、要求を見てみると、上げ幅での要求ということになっています。これまでおっしゃっている通り、絶対水準というものには力を入れるとはいえ、連合さんの考え方としても絶対水準を示した上で何年間かでも上げ幅で上げていくということかと思います。結局、単組レベルに落ちた時にその要求は上げ幅になってしまうと考えると、大手を見合いに例えば中小とか子会社が大手を見て、じゃあいくらにするとかというものを崩さなければいけないというのが主眼だとすると、上げ幅でいくとそれが定昇込みだろうがベアだけだろうが、結局そういう意識が変わらなければ、中々格差是正というのは繋がらないのではないか、要求方式の変更だけでは格差是正は難しいのではないかという素朴な疑問がありますが、それについて会長はどうお考えでしょうか。

A.(会長)

 具体的に、第1回目の交渉で要求の提出をします。それを組合のニュースを含めてどういう見出しを付けるかということになると、そこは継続性との関係で「上げ幅」という見出しになっているところも多いのかなと思います。私は直接見ていないので何とも言えませんが、要求書の中身あるいはその後に要求主旨の説明をして、当然のことながらこれから何回も団体交渉を重ねていくわけです。そういう中においては当然上げ幅のみならず絶対水準でどうかということや、あるいは直接団体交渉の場で取り上げるかどうかというのは様々なやり方があると思います。今は要求提出しているところは、だいたいグループが大きいところが多いですから、決して自分のところの問題だけじゃなくて、タイミングなどの取り上げた方は様々でも、グループ全体のことを何がしか従来以上に強調して、あるいはそれを俎上に上げて交渉するということに私はなっていくのだろうと思っています。したがって、さき程申し上げたように具体的に私自身はまだ見てないので、少し願望も含めて今申し上げたわけですが、そういうところもぜひ注視していただきたいなと思います。あと何か実際のところであれば…。

A.(内田副事務局長)

 今の質問で、私どもも地方連合会とか構成組織でこの春季生活闘争の説明活動を行っております。その場で今タカハシさんご質問あったように、どのようにして今回の春季生活闘争の要求案を作ったらいいかという、そういった意見交換もさせていただいております。言われたようなことを十分説明をしながら、それでは取り組んでみようかということをチャレンジしていただいている組合も結構あると思います。ただそれには自らの賃金実態を把握しなければいけないという課題もあるので、その辺をどのように組合員から情報を得るのか、会社からの情報を得るのか、そこで社会水準との差を見て要求を行うということです。今、会長が言われたように、大手産別は兼ねてから賃金水準を把握しておりますからいいですが、これから中小の要求になった時にそういったことを把握しながら、いくらの格差を埋めるためにどれだけの額が必要なのかということが要求されていくものと思っています。そういったところについては、地方連合会、構成組織と引き続き意見交換をして参りたいと思っております。

質疑応答[2]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。先ほどお話しがあった国会における実質賃金論争ですが、連合さんのデータを基にして自らの実績を喧伝する総理と、野党の論争というのはどちらに軍配を上げるのでしょうか。それから一国の総理として、連合のデータを基に、働く者の全体、ローカルな中小企業や非正規の実態なども見ずに、連合の数字で物を言うということは、そのこと自体実は不見識なことではないかと私は思うのですが、その辺も含めて国会論争についての神津さんのご見解を伺いたい。

A.(会長)

 おっしゃる通りだと思いますね。私は先ほど、お門違いという表現取りましたけど、要するに今回の問題で連合の集計云々というのは、まったく筋が違う話なので、要するに毎月勤労統計というのは世の中全体がどうなっているのかということを本来正確に集計しなければいけないものですから、連合として集計できているのはやはり連合の中だけの話しですから、それを持って上向いているというのは、私どもが冒頭申し上げたような、私どもが持っている問題意識とは筋が違うので、おっしゃる通りだと思います。したがって、結局はすれ違いになっているのだと思います。政権と野党が追求していることとは、すれ違いを生じさせるためにわざわざ連合集計云々というふうに言っているのであれば、それはそういう戦術なのかなというふうに取って取れないこともないかもしれませんが、本来貴重な時間を割いて国会で論戦をされる以上は、真摯に世の中全体が本当の意味で賃金が上がっているのかどうかということにおいてしっかりと論議を深めてもらいたいと思います。ですから、その議論においては野党が追求している内容は、当然のことではないかと私は思います。

質疑応答[3]
Q.(読売新聞・ハッカク氏)

 読売新聞のハッカクです。通常国会開会日に野党が党首会談で参議院選挙区の一人区の候補者一本化を改めて合意しましたが、この点について会長の、スピード感も含めて今後の協議に向けた期待ですとか見通し等々伺えますでしょうか。

A.(会長)

 前にもこの場でも申し述べてきたかと思いますが、やはり候補者調整、候補者擁立というのは全般に遅れているということは否めないと思っています。それはとりわけ今回2019年で、その前が今回に応答するものは2013年ですから、大敗したわけです。したがって、現職があまりいないということですから、それは候補者の名前はもちろんその資質含めてアピールを早くしていかなきゃいけないという中で、遅れているのは大変気になります。もどかしいと思っています。ただここから先、これは徐々に候補者擁立が進んでいくというふうに見ていますから、そこはあちらでも決まった、こちらでも決まったということで、雰囲気はだいぶ変わっていくのではないかと期待しています。そしてそこは一人区のみならず、複数区においても私ども地方連合会がそれぞれ大変な苦労しています。与党を利さないということにおいてベストの選択、候補者擁立を期待したいと思っています。

質疑応答[4]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。2点あります。1つは春闘について、賃金以外の制度要求であるとか交渉テーマの設定について、集約するのはこれからだと思いますが、今までのところで何か今年の春闘の特徴みたいなものがあればということと、今までと少し違うところがあるとか、例えば春以降の働き方改革関連法案の施行を前にして、何か今年の特徴みたいなものがあれば教えてください。
 2点目が、今日いただいた資料の中に連合本部事務局の就業規則の変更というのがあり、インターバル規制が入っています。11時間となっていますが、せっかく連合事務局が入れるのですからもう少し高めの数字でもいいのかなという気もしないではないですが、この11時間という数字にしたあたりの理由を教えてください。

A.(冨田総合労働局長)

 総合労働の冨田でございます。1点目ですが、私どものほうで集約しているのは各構成組織の取り組みの方針については、すでに集約を終えてホームページでも公表させていただいているところです。構成組織によってこの時期に取り組む内容を幅広く取り組むところと、後は賃金・一時金などの労働条件に特化して取り組むところと2通りありますので、いろいろ様々ですが、今年についてもわれわれの方針通り賃金と、それから働き方の見直しの両面について記載をしていただいている構成組織が非常に多くありますので、個別の取り組みの中身については集約がこの後もう少し時間が経ってからになります。個々の単組の取り組みの内容についての集計が出来次第、また公表させていただきたいというふうに思います。多くの構成組織では働き方の見直し、長時間労働や同一労働同一賃金、さらには定年の延長の問題などを多く方針の中には掲げているというふうに私ども受け止めておりますので、個々の単組の状況を待ちたいというふうに思っています。

A.(事務局長)

 資料3-14で、サワジさんからのご指摘があったところです。64条をご覧いただくとおり、左側が現行で、休日出勤させることができる。もしくは延長させることができると「できる」系の方を記載していましたが、働き方改革は連合本部も不可避の状況にありますし、もとよりスタッフユニオンも含め理事者側として今までも様々な機会で働き方をどのように変化させていくのかいうことについては議論もしてきたところです。これが最後じゃないという言い方は今日の段階でまだ出来ませんが、発布した状況ですので、現実に働き方がどのように改善できるのか、もしくはこのインターバル規制が絵に描いた餅にならないように連合本部がしっかり推進することも構成組織や地方連合会も本部事務局や出先を様々抱えていますので、そこの取り組みの実績にもつながるような形でリーダーシップをとらなきゃいけないなというふうに思っています。今しばらく状況を見ていてください。中央執行委員会で本部事務局の労働時間の状況を報告することはないと思います。事務局内部のことですから外には出さないかもしれませんが、状況は個別に伺っていただければご報告もいたします。

A.(会長)

 皆さん方の仕事と似ているところがあって、やらなきゃいけない時には、本当やらなきゃいけないという、そういう事情を抱えつつ、しかしそんなこと言っていたらいつまで経っても前に進まないので、労使交渉のトップは相原事務局長なので、ある意味英断じゃないかと私は思っています。

質疑応答[5]
Q.(日経新聞・アキヤマ氏)

 日経新聞のアキヤマです。予算委員会の審議の話しに戻りますが、統計の話しを野党は取り上げて追求しているわけですが、世論調査を見ると内閣支持率はむしろ上がっていると。統計問題自体どこまで国民の関心があるのか、自分の問題として受け止めているのかというのはかなり疑問だと思われるような結果が出ているわけですが、統計問題の追求の仕方についても、参考人を呼びつつほとんど質問しないとか、質問の仕方も批判を浴びているところがあると思います。今の野党の国会論戦の政権への向き合い方というか、追求の仕方についてはどのようにご覧になっていますか。

A.(会長)

 1つには、政権与党は上手だなというのは、この問題でもあるかなと思っていて、例の小泉進次郎さんがかなり厚生労働省に対してきつい追求をしていて、だけどよくよく考えるとこの間ほとんど大臣含めて、責任があったのは自民党なのではないのかなというふうに思いますが、しかしああいう目立つ形で国民に対して姿を見せるということが、まあ1つは影響しているのかなというふうにも思います。それと確かに個々に見て、もう少しなんとかならないかなというところがないことはないのですが、仕組みとして予算委員会の時間をこれに相当費やすということ自体が、私は本当もどかしいなと思っていて、やはり仕組み自体を、それこそ国会改革というのはこういうところにメス入れてもらいたいなと思います。これで審議時間がきたので、それではこの問題はこれで終わりみたいなことが繰り返されているわけです。したがって、不祥事が政権の失点にならない構造ですと、冒頭申し述べたように国会での出来事というのは自分たちとあまり関係ないと、そういう冷めた感じがもっと広がっていってしまうことは非常に懸念します。それとポイント制についてもお話しましたが、実際には野党から追求している場面もあるので、そこのところをどうやってもっとアピールしていくか、皆さん方にもお伝えしていただけるようにしていくかということも1つあるのかなと思います。例えばポイント制の問題は与論調査でもネガティブに受け止めている国民がかなり多いことも一方の事実です。あれで何千億円も使いますと、一般消費者だけじゃなくて企業も使えるみたいなことで、その何千億円という枠を作ったけども使い切ったらその先どうするのかとか、どう考えてもそんなものが使えないいわゆる弱者の人たちにはむしろ迷惑な話しですから、そういうところがもう少し世の中に目立たないと、おっしゃったように政権の支持率も全然本来の感覚と違うことになってしまうと思います。

質疑応答[6]
Q.(連合通信・ダイモン氏)

 連合通信ダイモンです。先日自民党内で、全国一律性の最低賃金を議員立法として求めていく議員連盟が出来ました。現行のランク制度ですと、最大の時間給差が224円ですか、これが広がることはあれども縮まることはないという状況のもとで、全国一律というのは1つの契機なのかなというふうにも思います。連合内では組織的に検討されたことはないと聞いておりますが、現時点で会長自身のお考えがありましたらお聞かせください。

A.(会長)

 そのことだけ言えば、今の仕組みだと格差がますます開いてしまうのではないか、そこのところの考え方だけを取り上げれば、それはむしろ私どものこれまで言ってきている趣旨とそこは一致すると思います。現在、AランクからDランクというランクを設けています。それぞれの審議会の場面でこだわり持っていますので、だいぶ前よりはマシになってきましたが、ただ依然として金額ということで見ると差が開いてしまうような構造です。そこは、今の4つのランクを纏めるとか、もう1本でいいのではないかということは、言われています。ただ、三者構成でそういう在り方自体含めて一致していかないと、この問題というのは成立しませんので、まさに法律を改正するということに向けてはご存知のように労働政策審議会で、三者構成の中で認識を一致させていかなければなりません。そういうことを考えると、今回どういう趣旨で発言されているのかということについては、やや唐突感ありますし、まだ直接考えを聞いていませんからよく分からないなという感じです。座長が衛藤征士郎さんですね、衛藤さんは政策面では私どもの構成組織とは接点がないわけではないですが、議連のメンバーをお聞きすると、正直言って私どもと普段なじみのない先生方も多いようなので、真意を図りかねているというのが正直なところです。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・タキザワ氏)

 朝日新聞のタキザワです。話題は、春季生活闘争に戻りますが、2点伺います。以前、1月の会見でも伺いましたが、いわゆる上げ幅ではない絶対水準へこだわりの部分で、何を持って格差是正が進んだのかというのをどの指標で見るのかという質問をして、当時冨田局長にお答えいただきましたが、神津会長は現時点どういうスタンスを持っていらっしゃるのかというのをお聞きしたいというのが1点目です。
 2点目は、改めて自動車大手が先日要求を出して、トヨタ労組はベア額を明らかにしなかった訳ですが、これの受け止め方と、さらに2月5日の経団連との懇談のぶら下がりの際に神津会長が、ベア非開示の動きついてはこれ以上あまり広がるとは思っていないとおっしゃっていました。これは経営側からするとベアを出さないというのは都合のいい答え方にも映りますが、広がると思っていないという根拠の部分をもう少し詳しく教えてください。

A.(会長)

 1点目は、だからこそ毎月勤労統計とか、あるいは賃金構造基本統計調査、これが大事なので、賃金構造基本統計調査の方も少し綻びが見えていますが、ただこれは水準自体に何か決定的に大きな影響があっての内容というふうには今のところ承知していません。例えば、高校出てすぐの方が、30歳・35歳・40歳の各年齢ポイントで20年間の所定内賃金水準の推移がどうなったかということが連合白書にあります。それで、これはある程度時間かかる話しですが、こうやって広がってきたものがどうやってまた元に戻るのか戻せるのか、それをトレースしていかなければいけないと思っています。総理が取り上げたような私どもの集計とか、あるいは、だいたい春季生活闘争が一段落した後で経団連も出します、あるいは厚生労働省も出します、というのは世の中の一部分のものでしかないですから、それでは私どもがこうやって取り組んでいることが最終的にどこに繋がったかどうかというのは依然として分からない、ということだと思っています。ですから毎月勤労統計は、もう今回を機会に抜本的に改めてもらわなければいけないと思いますし、かつて推計を含めてどうだったのかということも、本当にできる限り訴求して修正してもらわなければいけないと思います。
 それから2点目のところは、まずそんなに広がるというふうには思っていません。実際にどういう水準になったのかということは、それぞれ構成組織から実績は現在どうなったのか、1年経って水準がどうなったか報告を受けていますので、それはもうわからないです。したがって、今回の去年から今年の動きを見ても、これをみんなでやろうということには、我々はもちろんですし経営側もなっているわけではないので、ある意味一石を投じているという趣旨においてこういうことになっていると思っています。だからその姿がいいっていう言い方を私の立場でするということはありませんが、ただ一石を投じた中でこういうことになっているということだと思います。それで、トヨタ労組の今回の要求も全体を込み込みで1万2千円という要求しているわけで、それが良いと言うつもりではないですが、世の中見渡すと込み込みで要求して、結果も込み込みで得て、そこからその財源配分どうするかっていう2次交渉をやるという、そういうことも結構あります。とにかく結果を注目するので、これだけいろいろ物議を醸しながらやっているということは、それは答えを出すからこそだというふうに私は思っていますので、そういう意味で大いに注視していただきたいと思っています。

質疑応答[8]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナル・シカタと言いますが、2つほどお聞きしたい。1つは最低賃金の話しですが、神津会長が先ほど言われた、どうすれば波及構造が行くかというのに絡んで、最低賃金の場合は、春季生活闘争63年で中小が大手を額で上回ったことはないです。ほんとこれは要求方針を変えただけで解決するような問題ではないというのが、もう春季生活闘争63年の歴史で言えると思います。春季生活闘争の場合は大体6構造ぐらい波及しているわけですよね、大手から中小、人事院勧告、最賃それから未組織とか、そういう中で最低賃金の運動というのはもう少し重視されていいのではないかと思っています。例えば、ILOの協約を見ると最低賃金の水準は、だいたい組織された組合を参考にしながらというのがあります。ということは労働組合が獲得した水準を参考にしながら最低賃金の水準を決めるのがILOの基準で、これはフランスとかそのあたりでも導入されていて、春季生活闘争と最低賃金を連動させるにはILOの方式なんかをもう少し積極的に取り入れることも、法律で強制力がありますから、そのあたり検討されてはいかがでしょうか。それと、水準については日本の場合、今は大体平均賃金は40%ぐらいですが、フランスの場合は大体60%です。日本も40%までもよくきたなと感じています。かつて山岸さんの時に最低賃金の水準は60%目指すというのを出されていたので、最低賃金というのは制度政策で時間がかかると思いますが、最低賃金論議の水準とILOが決めるような水準なども、前向きに検討されたらどうかと思います。もし見解があればお聞きしたいという事と、トヨタの問題ですが、込み込みでと言いますが、定昇も明らかにしないと言い出しています。ベアだけではなくて定昇も明らかにしないということはいかがなものかという気がします。それから個別賃金を見ても、個別賃金を非公開としている組合が12組合のうち4組合か5組合あるわけです。格差是正で水準を重視しようとしながら、一番大事なところが絶対額を隠してしまうようなことの広がりがあるわけで、格差是正という場合は情報公開というのが、原則の原則ですから、そのあたりを少し改めさせるというか、そういう姿勢も必要ではないかと思っていて、もし感想があれば聞かせて欲しいと思います。

A.(会長)

 順不同になりますけど、2点目はおっしゃるとおりだと思っています。要するに、できるだけ我々の世界は実態がどうなっているのかをオープンにするというのが基本ですから、そのことを蔑ろにするつもりは全くありませんので、そういった意味でこれが広がるとは思っていないし、広がるようなことにはさせないということです。ただ、そういった中でのこれまでのコメントだというふうに見ていただきたいと思います。
 最低賃金については、シカタさんのおっしゃるところというのは一つの大事な論点だと思います。ただご承知のように、労働協約自体がヨーロッパの場合は産業別ですし、それと言わばセットで拡張適用の仕組みがありますので、最低賃金ということについてもそういった中で仕組みとして持っているので、一部あってもなかなか使えないという、日本の状況とは相当違いがあるということは事実だと思います。そういう意味で一朝一夕にそこがなんとか出来るという事ではないにしても、あるべき考え方として、そこのところは私どもも大いに深めていく必要があると思います。

質疑応答[9]
Q.(産経新聞・オクハラ氏)

 自由党の小沢さんと国民民主党の平野幹事長が今日政策協議の第2回会合をされましたが、自由党は原発ゼロを掲げていて、政策協定に入っているということですが、何かご懸念があれば伺いたい。

A.(会長)

 それは政党同士で決めていくことでしょうから、それを見守るということでしかないと思っています。ただ、原子力エネルギーにかかわる問題なども含めて、与党を利さないということはどういうことかということの中に、政権与党と野党の皆さんとの大きな違いを目立たせるべきであって、野党の中の政策の少しの違いを際立たせるっていう事は、非常に私どもからして愚かなことだなというふうに思います。そういったことは当然良識を持って協議をされているということなのだろうというふうに思っています。

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