記者会見 2016年11月

 

連合記者会見

11月定例記者会見

(2016年11月10日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日の中央執行委員会の内容については後ほど事務局長から触れさせていただきますが、メインの議題としては来年2017の春季生活闘争方針案、これは11月25日の中央委員会で確定していくわけですが、この中央委員会の議案としての内容を本日中央執行委員会として確認しました。内容についてはすでに皆さん方に見ていただいた基本構想を骨にしながら、この間、討論集会あるいは様々な会議での意見、構成組織から、地方連合会からいただいた意見を取り込んで方針案の形にしたものです。また付随して様々な観点での方針も提示し中央執行委員会として確認をしたという事です。したがって骨のところは基本構想案で見ていただいた通りで、ひと言で言えば2016の取り組みの中で、大手と中小の賃上げ率の差を圧縮した、あるいは非正規の時間給の上げ幅が正規のそれを上回るという新しい傾向を生み出してきた、それを2016の一年こっきりで終わらせては意味を為さないわけですから、何としてもこの芽をさらに大きく育てていきたいという事に尽きると思っています。またその事を、労働組合の無いところも含めて、どうやって全国に広がりを持たせるかという意味でいわゆる春闘という昭和30年頃にはじまったこの営みを、しかしながらかつてはインフレが前提での春闘でしたから、いかにその頃の常識から脱却し、デフレの時代からどう脱却するかを日本全体の春闘に繋げていかなくてはならないという事だと思っています。ぜひ中央委員会での状況も含めてご注目いただきたいと申し上げておきたいと思います。
 あと2つほど、今日の中央執行委員会の議案に関わる事ではありませんが私から申し述べておきたいと思います。
 1つは政治に関わる動向です。この間、私どもは自民党なり民進党の幹部の方々と懇談を持ったり、あるいは自民党のヒヤリングに応じたりという事で、報道いただいたところがありました。率直に申し上げて、これらの内容についてはすでにスケジュール的にだいぶ前から決まっていたものですので、連合としていろんな駆け引きがあっての事かという憶測もいただいていますが、今申し上げたようにすでに決まった日程の中で取り組んできている内容ですのでその点はぜひ誤解の無いようにお願いしたいと思います。私どもとしては連合結成以来あるいはその前身の時代も含めて、働く者にとっての制度政策の実現を図るためには政府政党に対しての要請行動というものは基本ですから、その一環でそれぞれの日程があったという事でご理解をいただきたいと思います。政府政党に対しての要請であるとか、いろいろな政策の意見交換であるとか、そういう事は連合の取り組みとしていささかも変わる事のないスタンスでありますので、そういう中での話だという事をご理解いただきたいと思います。
 一方でこの間、これは前回の定例の会見の中でも申し述べてまいりましたが、新潟の県知事選であるとか東京・福岡の補選において、少しボタンの掛け違いも含めての対応があったのは事実であります。解散総選挙がいつあるかはわかりません。本来は、そんな事やってる場合かと、700億円の国費を使う事がどれぐらい重たい意味を持つのか政権にはよく考えていただきたいという事が基本ですけれども、どうしても今の選挙制度においてはいつ選挙があるかわからないという事もありますので、ある意味ボタンの掛け違いのような事が再び起きないように総選挙に向けての議論、方針といった事も考えていかなくてはなりません。12月22日の中央執行委員会に向けてその辺りはしっかりと、地方連合会、構成組織ふくめて認識を合わせられるように考え方の整理を図っているという事も申し上げておきたいと思います。
 それからもう1つは、10月14日の中央委員会においても冒頭の挨拶の中で若干触れましたのでご記憶の方もいらっしゃると思いますが、電通の過労自殺の事案に関してです。昨日も厚生労働省のシンポジウムの中で当の過労自殺を余儀なくされた方のお母さんが切々と訴えられていました。今、厚生労働省労働基準局からも取調べ、捜査という事になっています。全国的にも注目を浴びるところとなっているわけであります。中央委員会の挨拶でも申し述べた通りですが、労働時間に関わる問題というのは働く者の命に関わる問題だと、その認識を改めてそれぞれの立場でしっかりと持たなくてはいけません。「働き方改革」では労働時間の問題も主要テーマの1つですが、「働き方改革」であると同時に「働かせ方」の問題であるという事も中央委員会の冒頭の挨拶でも触れさせていただきました。これはあってはならない事、再び起こしてはならないと、労働組合・連合としてもそこにしっかりとした役割を発揮していかなければならないという自覚を持ってさらに取り組みを強化していきたいと思います。この事に関して2つ触れておきたいと思います。これも後ほど話があろうかと思いますが、私ども連合は「労働相談ダイヤル」というものを常時展開しています。そして時において集中相談も展開しています。これは元々予定をしていた事でありますが、12月6、7日両日にわたって特に長時間労働撲滅にテーマを絞って実施をする予定です。その事も改めて申し上げておきたいと思います。また、何と言っても、労働組合があって、まともな労使関係があって、さらに言えばその労働組合が連合運動の戦列の中に加わってもらう。やはりその事をさらに追求していきたいと思います。これも後ほど触れられるかと思います。組織拡大実績の半期ごとの実績ですが、今年の4月から9月末までの半年で13万5千強の組織拡大を果たす事ができました。これは三位一体、1000万連合を掲げる中で、数字として拾い得る範囲でこれまでの最大の成果でありまして、1000万連合という目標からするとまだまだではありますが、地道な努力、三位一体という事で地方連合会・構成組織・連合本部それぞれがしっかりと力を合わせて組織拡大、すべての職場に労働組合を作ってもらいたいという取り組みがこういう結果にも繋がっていると思いますし、手を緩める事なく、むしろもっとその流れを強化してこれから進めていきたいという事を申し上げておきたいと思います。
 以上、雑駁でありますが私のほうからの一言とさせていただきます。よろしくお願いします。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 アメリカ大統領選挙の結果について2点お伺いしたい。TPPが絶望的だと声も出ていまして、連合のTTPに対する考え方は条件付き賛成と言いますか、消極的賛成と言いますか、反対でない賛成と言いますか、ちょっと微妙なところだと思うんですが、そのTPPの今後について大統領選挙の影響についてどのようにお考えかというのが1つと、それから日本のマーケットが乱高下するなど今後の日本経済に対する影響というのが心配されているところだと思いますが、来年就任した後に春闘が本格化するというスケジュールになりますが、来年の春闘への影響というのはどうご覧になっているのか、以上2点お願いします。

A.(会長)

 TPPの関係は、連合は言ってみれば総論賛成なんですね。ただ基本的な労働条項、あるいは環境の問題だとか、そういう事が担保されていないといけないとか、今の国会審議との関係で言えば中身がまだよく分からないと。それと影響がどういうふうに出るのか、それをどう回避するのか、あるいはどうカバーしていくのか、その辺りが明確でない。それと自民党、与党閣僚のお粗末な対応があって、それをどう対処するのかという事についても不明確あるいは不十分なまま推移がされて、採決が政権としてめざしたところからずれて、そうこうするうちに昨日の大統領選の結果という事になりましたから、いろいろな方が言われている通りTPPというのは絶望的なのではないでしょうか。そういう事を含めて考えると、今日どうなったかよく知りませんけれども、ただ単に手を挙げたので採決して参議院も、ということではなく、自由貿易の問題ですとか、あるいはアメリカとの関係しかないのか、日本とEUの関係だとかそういう事を含めて日本としてどうこの問題に対してリーダーシップを取っていくのかとか、まだトランプさんと決まったばかりですからなかなかどういうふうに今後組み立てていくのかは政権もノーアイデアかも知れませんが、もし審議するのであれば、廃案にしないのであれば意味のある審議をすべきなのではないかと思います。
 それから、政治経済が相当影響が避けられないのだと思いますし、トランプさんが今まで言っていた事をすべてやりおおせるとはとても思えないわけですが、かといって言っていた事を何も出来なければそれはそれで有権者から問われるでしょうから、その辺の影響はしっかりと見定めていかないといけないという事だと思います。特に外交・安全保障の問題はまったく予断を許さないと思います。経済の問題も、今申し上げたTPPも含めてどういう影響が出てくるのかというのは非常に注視をしていかなければなりませんが、ただこの問題もそうですし、しばらく前にあったイギリスのEU離脱もそうですが、これから春季生活闘争方針を決めて2月から交渉という中において、今までの春闘のインフレ時代の常識を変えていかなければいけないという言い方したのですが経営者の姿勢もその中も1つだと思っていまして、インフレの時代というのはやはり物価上昇というのがすでに過年度の中ではっきりしていましたので、賃金を上げなければいけないけれどもそれを…言い訳というと言い方が悪いですが…いろいろな理由をあげて抑制するという頭がかつての常識だったと思うのですが、その常識でやっていた日にはこれはもうデフレに逆戻りだと思います。ですから、不安は数上げればいろいろあると思います。その中にこの大統領選の結果というのも入ってくると思います。だけど今日本の経済・社会に求められているのは不安をあげつらう事ではないと思います。すでに内部留保が溜まりに溜まっているという事を含めて、経営者としての姿勢というものがこういう配分の問題において問われているわけですから、私どもはサプライチェーン全体でしっかりと配分を回していこうという事を申し上げています。その事を含めて、しっかりとここは賃上げの流れというもの、あるいは格差を無くしていく圧縮していくという流れをどうやって実現していくのか、自社なり自分のグループ、系列の中でそれをどう展開させていくのかという事をいささかも揺るがせる事なく実行に移すという事こそが問われていると思っています。そういう事がないと世界のいろいろな不安の中に飲み込まれてしまう。そうではなくて、今日本としてどうやってデフレを本当の意味で脱却させていくか、という中にあるわけですから、その事がまさにいよいよもって問われる、そういう状況に置かれていると思います。

質疑応答[2]
Q.(IWJ・キセキ氏)

 先ほど新潟県知事選と衆院補選のお話がありました。結果的に新潟県知事選は連合は与党の味方に付いて、民進党が自主投票に回って野党の統一候補が勝ちました。衆院補選ですが特に東京10区では投票日直前になって連合東京が野党統一候補の応援から手を引いてしまったというような事もありました。結果的にこちらも敗北する事になったと思います。これは国民の目から見れば、連合が野党共闘をつぶしたのではないか、つぶしたから負けたのではないか、そういうふうに見えると思います。実は連合は与党を勝たせたいのでは?本当は野党共闘をつぶしたいのでは?という声をあると思いますが、それについていかがでしょうか。どういうふうにお考えですか。

A.(会長)

 順不同になるかと思いますが、まず、何度もこの場で申し上げているのですが野党共闘という「共闘」という実体は無いと思っています。共闘という実体が無いのに皆さん方は共闘と言われるので、私は国民の目線から見ても民進党が共産党と手を携えてやるというのは本当の意味でどう見られるのかという事はよくよく考える必要があると思います。大層の国民にとって、民進党が共産党と手を組んで大きく左旋回する事を多くの人が歓迎しているとは私はとても思えない。その事はぜひご認識お考えいただきたいと思います。
 それで、あくまでも、参議院選挙においても今回の補選においても候補の一本化が図られたという事でありますし、補選においては野田幹事長が他の三党との間で今回政策協定は結ばない、相互に推薦することはない、そしてそれぞれの党として目立つという事ではないというそういった枠組みを確認をされたという事ですから、その事は連合としても多として受け止めてこの選挙の取り組みに連合の立場で関わってきたという事です。誤解があってはいけませんけれども、連合東京にしても、ちょうど定期の地方委員会がありましたがしっかりと推薦候補に対しての投票の呼びかけをしています。ですから推薦はそのまま当然置いていますし投票についての呼びかけもしていますので、その事はぜひ誤解なきようにお願いしたい。ただ、今申し上げた3点の、3点目の認識において民進党の対応に私どもの認識とは違うところがあって、実際に現場で一生懸命お手伝いをしている人からするとそこの認識がこれは違うという事で、そこのお手伝いについては控えさせていただいたという事を連合東京としてそういう対応を取ったと聞いています。
 それから順不同になりますが、新潟の県知事選についても前回この場で申し上げましたけれども、そもそも地方自治の話なので何をもって与党野党と言うかという問題はあるかと思いますが、連合新潟は民進党として候補を立てるべきだと民進党県連、当時の黒岩代表にも強く迫りました。その中には今回結果としてご本人が手をあげた米山さんの名前も挙げて、「こういう人もいるじゃないか」という事を再三申し述べたにも関わらず、米山さんは難しいと、本人にも打診をしたけれども難しいと、したがって自主投票だと、民進党としては候補を出せないと、いう話があって、したがってその時点で手を挙げておられた森さんを支持をするという決定を、ある意味やむなくしたわけです。そのあとに急転直下、米山さんがご本人の意向として手を挙げるという事になりましたので、一旦森さんに支持を連合新潟として機関会議においても諮って決定した後にその決定を覆す事は組織としては出来ませんから、したがってその後の状況はご存知の通りということです。

(IWJ・キセキ氏)

 先ほど野党共闘という実体はないとおっしゃっていたと思いますが…

(会長)

 実体が無いじゃなくて、要するに「共闘」というのは、民進党も正式の形では言ってないはずなんです。あくまでも候補の一本化という事です。「協力」というのはあります。政治の世界ですから、その中で協力できる事はやっていこうというのはありますけども基本的な国の目指すべき方向についての見解が違う以上は「共闘」という言葉を民進党として使っていないはずですし、まして私どもとしては共闘とは見ていないという事です。

(IWJ・キセキ氏)
連合の中の自治労はIWJの取材に対して「野党共闘をするべきである」とお答えいただいているが、そういった内部の意見の違いというもの、これから自主的な活動を認めていくという事はないでしょうか。

(会長)

 そちらのニュースだったかも知れませんが、内容もいろいろなものが出ています。それは見ていますが、基本の、根本のところでは構成組織ごとに意見が違うという事はありません。ただ、今非常に大きな力を持っている与党にどう対抗していくのかという事において、候補の一本化は当然だし、その後の協力という事について連合の中でいろいろな意見がある事は事実です。だけどそれは先ほども申し上げたように連合としての考え方を常に常に機関会議の中で方針として一本にまとめていますから、その事と矛盾する事ではないと思っています。

(IWJ・キセキ氏)

 連合としての方針とおっしゃるんですが、実際に衆院解散が近づいていると先ほどもおっしゃいましたが、共産党と共闘したら民進党が急激な左旋回していくというお話と政権が目指している憲法改正を計りにかけてみたときに、左旋回がそれほど問題になってくるのか。もし自民党改憲草案が実際になったら、連合は左旋回にこだわってこれを止められなかったと時間が経ったら見られると思いますが、そういった覚悟のようなものはあるのでしょうか。

(会長)

 仮定に基づいての話はこの場では控えさせていただきます。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・ニエカワ氏)

 賃上げについて。一部報道では次の働き方改革の中で政府のほうから経営者側に賃上げを要請するという報道もありましたが、例年こういう動きが続いていますが、賃上げについての政府の側からの動きをどういうふうに見ていて実際の春闘にはどんなふうに影響があるのかという事をどうお考えか教えてください。

A.(会長)

 働き方改革実現会議で今回の中でテーマとして挙がるとは思いますが、その場でどういうやりとりがされるかというのはこれも予断に基づいてお話しをするのは妥当ではないと思います。ただこの間、安倍総理が賃上げは非常に必要だと言っていますし、また経団連はじめ経済界にもその事を強く求めているのは事実でありますから、その事についてどう考えるかと言えば、これも何回か申し述べてきていますがかつて40年前に超インフレをどうやって退治をするかという時に、政府が考え方を打ち出して、これは要求を抑制するという側面がありましたのでまず労働界にボールが投げられた。その事に労働界としても侃侃諤諤の議論をした上で応えたと。そういった事がありました。今回の断面はこれとまったく逆ですから、したがって政労使がどうやって認識を一致をさせて、デフレを脱却するのか、経済の好循環を回していくのか、という事について政府としての発信があるというのは私は決しておかしな事ではないと思っています。ただ最終的に決めるのはそれぞれの労使での話し合いの結果ですから、出だしのところでそういう発信が政府からなされたというのは意味のある事だと思っていますが、その事だけで経済の好循環に結ぶ付けるのには相当無理があると思います。世の中がそれを少し見誤って、かつ、どうしても絵柄として目立つのは総理が経団連の榊原会長に対して何かものを言うというのは再三今までもそういう場面があります。それだけで事実が作られるなんていうそんな甘い話ではありませんから、そこは世の中に誤解を与えるような事があってはならないと思います。経団連の組織というのはどうしても大手のところ中心ですし、中小企業だとか組合の無いところを含めてどうやって自分の問題として自分の企業に関わる問題として、あるいは働いている側からしても自分たちの声を経営者がきちんと聞いてくれという事の集積があって初めて実現する問題だという事は、私どもは当然ですが世の中全体もそういう認識をぜひ持っていただきたいと思っています。

Q.(朝日新聞・ニエカワ氏)

 そうすると、政府側からの働きかけというよりも労使での交渉の部分のほうがやはり役割としては大きいという認識ですか。

A.(会長)

 それぞれの役割という事です。錯覚してはいけないのは政府が何かいう事によってそれだけで物事が前に進むという事ではない。政府には政府の役割がありますので、それは今ほど申し上げたような事なんですが、そこばかりが目立つと事の本質を見誤ってしまう、そういう落とし穴があるという事も認識しなくてはいけないと思っています。

質疑応答[4]
Q.(ヨコタ氏)

 小泉元総理が、野党統一候補が原発政策を掲げ訴えれば与党に勝てると言いながら全国で講演していて、その中でいつも5年7ヶ月ほぼ原発ゼロで電力不足になっていないと強調しているのですが、連合として新しい原発政策を打ち出すお考えはないでしょうか。電力総連の組合員の方の雇用を守りながら原発即時ゼロをするのが5年7ヶ月の実績で可能なのではないかと思うのですがその辺りのお考えをお伺いしたい。

A.(会長)

 エネルギー政策については福島での事故の後に連合として会議で議論を相当重ねて、将来的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざす、ただそれまでの間は安全が確認され地元住民の理解が得られた原発については再稼動すべき、というのが基本的な考え方です。これは相当議論を重ねて見出した連合としての考え方ですので、おいそれと変えるようなものではないと思っています。しかし今申し上げたように、安全が確認され、そして地元住民の理解を得て、という事がその後進んでいない、したがって別に再稼動が無くてもいいじゃないかという事は、よくよく見定める必要があると思います。相当程度国富の流出というものがおそらくあるのだと思います。エネルギーをほとんどのところを海外からの輸入に依存せざるを得ないというのが日本経済の今のところの宿命ですから、できるだけ再生可能エネルギーにシフトしていくという事は必要です。ただそれを本当の意味でどこまできちんと出来るのかという事があります。例えばドイツも原発依存から脱却するという事を決めていますけれども、それまでの間は使えるものは使えるという事で現実を見据えた政策を推進しています。やはり私たちは福島の問題で得た教訓を何につなげていくのかという事をよく考えなくてはいけない、これは私の表現ですけれども、そういうふうに思っています。

Q.(ヨコタ氏)

 ただ福島原発事故から5年以上経って、電力が余っている上に、今原油も下がって国富の流出もだいぶ抑えられる上に、新潟県知事選で争点として米山知事が訴えたのは避難計画のずさんさだと。原発事故が起きた時のバスの運転手の確保が出来ない、誰もなり手がいないと。そういう状態で再稼動するのはおかしいとおっしゃっているわけで、これは働く者の代表の連合の重要なテーマでもあると思うので、今の時点では少なくとも再稼動を認めないという政策を訴えてもいいような気がしますが、より原発政策を進化させるお考えはないでしょうか。そうしないと、民進党にとって今連合がマイナスイメージになっていて原発推進勢力として民進党の足を引っ張っているような誤解を招いていると思いますが、もう一歩踏み込んで政策を作り出せば連合にとっても民進党にとってもプラスだと思うのですが。

A.(会長)

 誤解とおっしゃったようにそれはまさに誤解だと思っていますので、やはり基本的な考え方をぶらしてはいけないと思っているんです。新潟の例は新潟の例なんです。ですから新潟県知事選で、その事も含めての民意が示されたという事で、わかりませんが他の政策についてあまり論点が無くてそこだけクローズアップされたように見えているのですが、衆議院総選挙という事になれば政権選択選挙ですから、もちろんエネルギー政策は極めて大事な柱ですが他にもいろいろある、そこにおいて民進党としてどういう姿を示す事ができるのかという事が問われていると思っていますから、あまり個別の政策なり直近の地方自治体の選挙がどうだったこうだったでフラフラするような姿を見せるべきではないと私は思います。

Q.(ヨコタ氏)

 最後に1点、事実上の野党共闘になって共産党から民進党まで同じ街宣車に乗った新潟県知事選で、民進党の票が逃げるどころかほとんど固められた上に自民党の3割が米山さんに投票したと。これは、共産党と民進党が一緒に選挙協力すると票が減るというよく言われる事を新潟県知事選が打ち消したという事になると思うのですが、その辺りに対するご見解をお伺いしたい。

A.(会長)

 今申し上げたように地方自治体の首長の選挙と国政選挙は性格がまったく異なりますし、たまたま新潟における原発についての問題の性格と、繰り返しになりますが、基本的な日本全体の政策としてのものの考え方というのは新潟でどうだったからそれを変えなくてはいけないという事では必ずしもないと思っています。

質疑応答[5]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 最近連合の周辺がにぎやかで良い事なんじゃないかと思うのですが、やはり時々の政治のパワーバランスの中で、働く者の立場に立って積極的にはっきりものを言う神津・逢見路線というのがデビューしたのではないかという気もします。いろいろ軋轢はあると思いますが、これからも総選挙含め、働く者の立場で積極的に露出していくという路線についてどういふうにお考えなのか伺いたい。

A.(会長)

 おっしゃっていただいた事は私は素直に受け止めたいと思います。相当誤解されている部分も、特に政治に関わるところではありますが、ただ注目していただくという事は極めて大事な事でありますので、ある意味誤解されているとすれば私たちがしっかりと発信していないという事でも、その裏返しでもあるかもしれませんから、こういう機会はもとより出来るだけいろいろなお尋ねには積極的に対応してまいりたいと思っています。連合結成して丸27年、今28年目に入っていますが、労働組合の取り組みというのは大体2年任期で年間の活動計画もありサイクルがあって、下手すると繰り返し繰り返しになるんです。春季生活闘争、春闘もそうなんですが、例えば春闘の取り組み1つ取ってもその年その年によってテーマは違いますし、先ほど申し上げたようにかつての常識をどうやって覆していくかという事で取り組んでいますし、27年の中で私は相当深堀り進化をしてきたと思っています。ただ、せっかく良い事をやっていても皆さんにその姿をお伝えできていなければ意味をなさないのでその事はさらにさらに積極的に対応していきたいと思っています。

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