記者会見 2017年10月

 

連合記者会見

10月定例記者会見

神津会長・相原事務局長(2017年10月19日)

連合記者会見全文

(※聞き取れない部分、不明な部分には「●」を使っています)

神津会長

今日も多数お集まりいただきましてありがとうございます。今日は回数としては今期に入りまして第2回目の中央執行委員会ということでありました。1回目は大会終了直後、総選挙の対策について確認をした中央執行委員会でありましたので、この連合会館で通常の形で行う中央執行委員会としては今期になって今日が初めてということでありました。
とりわけ今日の協議事項の中のメインの内容は春季生活闘争、来年に向けて2018の春季生活闘争の基本構想この内容を確認し発出をしたということであります。内容については後ほど相原事務局長のほうから触れさせていただくと思いますが、これまで2016、2017ととりわけ「底上げ」という旗を掲げて取り組んできています。去年今年ととりわけ今年においては中小が大手を上回るとか、あるいは非正規の賃金アップ率が正規のそれを上回る、それが当たり前のように成果として手に取ることができたということだと思っています。春闘という営みが始まって60年ちょっとということですが、足元に物価上昇がない中ではそういう傾向は初めて実績としてあげることができたというふうに思っています。だだまだまだ不十分です。これをさらに継続し強化し広げていかなければならないということであります。そして世の中において賃金というものは上がるものだという常識を取り戻さなければいけない。これはまだまだ足元の物価上昇がそもそも大した数字ではありませんから、そういう中でこの定着を図るというのは並大抵のことではないと思いますが、連合としてまた2018に向けて一段と取り組みを強めていきたいということです。またこの2018においての一つの特徴は例の働き方改革に関わる内容、これは法案そのものが大義なき解散において先送りされていると、このこと自体も非常に問題が大きいわけですが、ただ一方で仏を作るのが法律改正ということであれば仏作って魂入れずでは話は進みませんから、形だけでは実効性を持ちませんので、まさに労使関係の中で実際にそれをどういうふうに前に進めていくことができるのか、私どもとしては今日同じく中央執行委員会の議案の中で確認したキャンペーンの取り組みと合わせて、まず自分たちが率先してこの長時間労働是正あるいは均等待遇の実現ということをこの中身を作っていかなければいけないということだと思っています。そのことになんとか先鞭をつけていくとそういうことも大きなテーマとして2018春季生活闘争に含まれていると思っています。やっぱり労使関係というものがきちっとしたものがないとなかなか実際には進まないと思いますから、そういうことも含めての世の中へのアピール、1000万連合という目標もあるわけであります、そういった組織に仲間を迎え入れることとも両々相まって進めていくことが必要だと思います。中央執行委員会の議案との関係で私のほうで冒頭触れさせていただく内容としては以上であります。
もっか総選挙を22日の投開票日までも残すところ数日ということであります。それぞれの構成組織、地方連合会で大変に懸命な取り組みを重ねているということです。先ほど触れた前回の中央執行委員会において確認をして、皆さん方にもお話をさせていただいたように今回足元でできた政党が2つあるわけですが急な動きであり私どもとしては政策協定をするということに到達をしなかったということもあります。いずれにしても、そもそも私どもの政策理念を共有できる方々と、候補者と政策協定を結びその人たちを国会にお送りをしたいということが基本ですので、したがってご存知の通り、希望の党あるいは立憲民主党あるいは無所属それぞれ立場様々ですが200人近くの私どもの推薦候補者の必勝勝利に向けてそれぞれが今力を尽くしている状況であるということであります。世論調査の状況などもそれぞれ各社さんで進めておられる内容をお聞きしてもなかなか厳しい状況であるということは直視しつつも、しかしまだまだ幅のある中での戦いだと思っていますので、そこは最大限力を尽くしていきたいということの認識合わせも進めているということも申し上げておきたいというふうに思います。私のほうから冒頭以上とさせていただきます。

質疑応答[1]
Q.(読売新聞・フクモリ氏)

神津会長にお願いします。冒頭の発言でもありましたが、今年の春闘では働き方改革がテーマになってくるというお話もあったかと思いますが、残業時間の削減というのを今企業が様々進めている中で、これがだんだん進んでくると残業時間が削減されてそのぶん賃金も下がってしまうのではないかという懸念が政府や経済界からも出されていまして、残業時間が減っても賃金を減らさないような取り組みが今回テーマになるかと思いますが、労働組合としてはこのあたりについて今回の春闘でどのような要求をしていくつもりでしょうか。

A.(会長)

具体論はそれぞれ産業別なり、あるいは単組の置かれた状況を踏まえながらということになると思いますが、元々両々相まって労働条件を向上させていくというのはかねてよりあるテーマですから、それが特に労働時間のところに改めて強いスポットライトを浴びているということだと思いますので、そのことをよりメリハリをつけてやっていくということだと思います。繰り返しになりますが産業の状況と言いますか、産業の中での労働時間それから賃金がどういう状況かということにもよると思うので、そこはかなり、そういう意味での問題を抱えているところは少し足並みを揃えてやはり対策を講じていく必要は大いにあるのではないかと思います。

Q.(読売新聞・フクモリ氏)

そうすると、経営者にもいろいろいるので悪意のある人ばかりではないと思いますが、収益とかに余裕がないところでは残業時間を減らしてそのぶん賃金を下げるという方向に持っていくような懸念もあるかと思っていまして、そうすると日本経済が目指している消費を増やしてデフレを脱却するというところと矛盾が出てくるのではないかという気もしますが、仮にそういう動きが出てきたとしたらどのように対応されていく方針でしょうか。

A.(会長)

そこは産業ごとにどうやってどうして知恵を出していくかということだと思うんですね。確かに、労働時間も長いし、賃金水準、時間あたりで見ると非常に低いなという業界があることも事実です。ただ一方で今とりわけ足元人手不足という中で、賃金も安いし労働時間も長いということだと、本当に人の確保だとか、あるいは人を育てていく、そういうことに支障が実際に生じているという分野もあると思います。ですからそれは単に労使間の綱引きでもってそれで自動的に解決するということの次元とは違うと思うんです。やはり産業に共通の課題ということで産業労使でそこのところはどういうふうに持っていくのか、これは当該産業の労使だけに任せていて世の中は回っていくという話ではないと思いますから、まさにこの基本構想の中でも、これは中小という視点も含めて取り上げているわけですが、やはり取引慣行、これも基本構想の中でも重点を置いているところですけれども、BtoBももちろん大事ですし、我々消費者としての視点も含めて従来の、どうしても安ければいいと思ってしまうわけですけれども、やはり社会として持続をしていかなければいけないわけですから、良いもの良いサービスを得るためにはそれなりの価格がないと世の中というのは回っていかないというBtoCのところも我々としては踏み込んで世の中に対してそのことをアピールしていく必要があるというふうに思います。

質疑応答[2]
Q.(共同通信・コクブン氏)

2018年春闘についてですが、賃上げ要求水準が2%程度というところで、これは17年と同水準かと思いますが、先ほど会長は冒頭で物価がそこまで良い状況ではない、あがりが強い動きではないという趣旨でご発言がありましたが、そうした状況の中でも17年と同水準を維持したというところ、またこの数字になった根拠というのをお伺いしたいんですけども。

A.(会長)

まさにこれは底上げ春闘だという旗を振るのと並行して、そもそも春闘の歴史というのは過年度物価上昇を大いなる根拠として取り組んできたというのがこれまでの積み重ねなわけですが、それを踏襲していたのでは先ほど申し上げた賃金は上がるものだという常識を取り戻すということになりませんので、そこは考え方をかなり転換をしてきているということだと思います。したがって従来の過年度物価上昇準拠みたいなことでいくと今年の2%にしても来年に向けて2%で議論をしようということにしても、なかなかこれは難しいということになってしまいがちなんですが、そこをどうやって抜け出していくのかということだと思っています。繰り返しになりますけれども、去年今年とやはりそういう従来パターンからは抜け出してきたと思っていますので、これを継続しなければいけないということだと思います。2%という数字自体についてはいろいろこれまでの経過ですとか足元の産業状況などから、率直に言って低いとか高いとかこれ両論があることは事実なんですが、しかし今年もそうであったように幅はお互いに認め合いつつ、しかし世の中に対するメッセージということも含めて、これを引き上げるとか引き下げるとかいうことではないなというのが概ね共通した認識であったというふうに思っています。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

先日の定期大会の後に希望の党の公約が明らかになっているんですけれども、その中にベーシックインカムについて言及があるんですが、連合はベーシックインカムに対して反対ですか賛成ですか。

A.(会長)

ベーシックインカムということに踏み込むとなると、ご承知のように財源が相当かかりますし、その代わり社会保障でかなりの財源を割いて使っているところを一挙に組み替えるということでもあろうとは思うんですが、連合としてこれを積極的に進めるという考え方は少なくとも今のところはありません。

質疑応答[4]
Q.(日経新聞・シマモト氏)

神津会長に春闘についてお尋ねします。これまで三役会や今日の中央執行委員会で議論があったと思うんですが傘下の産別の労組からはこの水準に対して慎重な意見とかもっと積極的な意見いろいろあったと思うんですが、どういう議論があったのかおっしゃれる範囲で教えてください。

A.(会長)

さっきちらっと申し上げた通りで、低いよなとか高いよなという議論もなかったわけではありません。実際にそういうことの表明もありましたが、ただ同時に、全体の方針、基本構想としてですね、どうあるべきかということについては、今日お出しをした内容についてはおしなべて、どの三役、中央執行委員も妥当であるというそういう認識を持っていると思っています。

質疑応答[5]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

春闘についてお聞きしたいんですが、去年と違う賃金をめぐる状況では資料の8ページ9ページですね、冊子のほうの、言ってみれば人手不足が深刻な一方賃金が伸び悩んで、しかも実質賃金がマイナスというような状況の中で8や9を見ても経常の方もジグザグはあるけれども右肩上がりになってますし、それから9ページの法人企業の現金・預金額と労働分配率を見ても右肩上になっているわけですね。そういう中で去年と違うのは、底上げも重要ですけれども全体のこういう分配の問題を是正するのか、というあたりについてはちょっと去年とは違う状況ではないかと思っていまして、そのあたりで中小、非正規の底上げとあわせて、大手労使を含む、今の分配の在り方についての歪みを是正する社会的な役割が従来以上に強まっていると思うんですが、そのあたりの認識をお聞きしたいのと、もう1点は、数字についてはやはり金属大手の相場を作る影響というのが非常に大きいと思いまして、程度と基準という2つの幅を付けられているわけですけれども、そういう影響力のある産別に連合として、できればこの要求を守ってほしいというのか、やろうではないかという、そういう調整なり指導をされる予定があるのかどうか、この2点についてお聞きしたいと思います。

A.(会長)

1点目で言えば、傾向としては前年をある程度踏襲しているということだと思うんです。ご指摘のように、内部留保とりわけ現預金がですね、かなり溜まっているではないかというのは事実としてあると思うんですね。私はこの点もやはり我々が言っている、1つのサプライチェーン・バリューチェーンの中で付加価値を循環させる、ですからグループの中だとか、そういう全体の裾野の中でどうやって財源を均霑させていくと言うか、我々流に言えば格差を是正する圧縮する、やはりそのことにもっとさらに意を用いてもらいたいと。それぞれの企業グループが、運動として展開してきていますから少なからずそこのところは昨年今年と従来に比べると目を向けるようになってきているというふうには認識はしているのですが、もっとそこを一歩も二歩も踏み込むだとか、もっと広げることがやはり必要だと思います。ですからそこのところに振り向けるということだと思います。
それからさっき申し上げたように低いとか高いとかいう印象はそれぞれの組織のなかであるんですね。これもさっき申し上げた春闘の歴史の中で、ある種作られた従来型パターンで行けば金属とかそういう先行グループが、もっと要求を引き上げようよ、ということもあったのかもしれません。ただこれから実際にそれぞれの共闘でどういう要求・考え方を組み立てていくかということですから、あまり私がつんのめって言いこむことは本来避けた方がいいんですが、やはり従来型と違うと思っていますのでどうやってそういう1つのサプライチェーン・バリューチェーンの中であるべき姿を構築していくかということかと思いますから、そこはあまり私どもが数字のところだけ引き上げれば結果がついてくるというそういう考え方でやると本来の趣旨が見えなくなるとか、あるいは労使交渉において本来力を入れるべきところがむしろ阻害されてしまうのではないかということをよく考えて進めていく必要があるんだろうとこういうふうに思っています。

質疑応答[6]
Q.(読売新聞・フジモト氏)

神津会長に3点お伺いしたい。衆議院選挙について情勢について会長からも厳しいという発言がありましたけれども、政権・自民党批判票が希望の党と立憲民主党で割れて自民党が浮上しているという見方がありますけれども、会長自身としてはこの状況をどのように捉えているかという部分と、もう1点は希望の党への民進党の合流について前原代表は「良かったと断定的にいうことはしないがこの方向しかないしこれからも進んでいく」というふうにおっしゃってまして、一方立憲民主党は希望の党との連携を否定していると。参議院は民進党に留まったままで今後も野党がバラバラの状況が続く可能性があるんですけども、この状況についてどう思われるか。最後に、これまでは民主党、民進党との政策協定を結んで、連合としては応援してきたと思うんですけども、今後は希望の党、立憲民主党または無所属の方とネットワークができるという話もありますが、そういった方々と政策協定を結ばれることを目指すのでしょうか。この3点お願いします。

A.(会長)

順不同になるかもしれませんが、今回前原代表としてある意味清水の舞台から飛び降りる決断という表現もこれまでとってきていますが、少なくともあの時点においてそういう選択をされたというのは私としては当時受け止めましたし、これの評価というのはもう少し経ってからでないと本当のところはなかなか評価しづらいところがあるんじゃないかなと思います。少なくともその時点で私としてもそれを受け止めましたし、なかなかそれ以外の選択というのは取り得なかったと私は今時点でもそう思っています。
それから選挙が終わって以降なんですが、まさに冒頭申し述べたように私どもと政策理念を共有する候補者の勝利に向かって、というのが現時点でありますし、一人でも多くの人に国会に行ってもらいたい。当然私どもとしては自分たちの政策の実現に向けて、その方々としっかりと連携していかなければいけないと思っていますので、選挙法はどういう絵姿になるかはいろいろなことが言われていますが、私の立場から今時点で無責任なことは言えませんので、そこは「注視していく」としか言いようがありませんが、ただいずれの立場にあっても私どもと政策を共有し選挙を戦っていただいているということですから、そこはしっかりと連携関係は結んでいきたいと思います。
それから1点目のお話ですが、まだどうなるか分かりませんが、世論調査見ても一強政治はよくないと答えておられる人はむしろ多いんですよね。ですからそこのところの受け皿ということが少し混沌としてしまっているので、なかなか議席数の予測というところに結びついていないということなんですが、私どもとしては、連合推薦候補、連合候補は200近くいます。それがお互いにバッティングするという関係は基本的にありませんから、世の中に向かっても私どもとして働く者の視点、生活者の視点で戦っている候補、自信を持ってこの方々を推薦しているんだということを、組織の中はもとより外に向かっても、残された3日間ですけれどもそのアピールを強めていきたいと思っています。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・ミナミ氏)

衆院選の関係でお伺いしたいんですが、労働法制について立憲民主の枝野代表は労働法制の強化をかなり街頭演説でも訴えている状況があるんですが、立憲民主と希望の党それぞれの党としての労働法制に対する取り組みについて神津会長としてどのように評価されているかという点が1点、あと衆院選後の対応について、これは連合として政策協定を結んでいく対象としては野党第一党であるということが条件になってくるのか、その辺のお考えについてお聞かせください。

A.(会長)

繰り返しになりますけども、候補者個々の方々と政策協定を結んでいます。その中には雇用労働に関わる内容も基本論として当然入っています。ですから、枝野さん、代表の立場ということではありますけども、候補者個々の皆さんは目前の課題である労働法制、労働基準法の問題についてもそれぞれ選挙戦を戦う中でアピールされていると認識しています。私も直接いろいろな集会にも臨んでいますが、そういった場でもそれぞれの候補者の皆さんは力点を置いていただいていると思っています。したがってその延長線上にあって、ご質問の向きにあった野党第一党云々ということはこの問題においては私はそんなにそれに何か関わりを持つというふうには思っていませんし、ただ選挙戦が終わってからはやはり党としての考え方なり、会派ということにもなろうかと思いますが、そこはしっかり連携を図っていくということは当然要素としてあるというふうに思います。

質疑応答[8]
Q.(フリー・モリ氏)

神戸製鋼所の不正の問題ですが、これを会長はどうご覧になっているのか。それから職場の事情には労働組合が一番通じていると思うんですが、労働組合はまったくこれはあずかり知らぬことなのか、あるいは責任の一端があるのか、その辺はどういうふうにご覧になっていますか。

A.(会長)

これは私もある意味出身元の旧鉄鋼のところでもありますので、部門としてはアルミ・銅のところが中心というふうにも伺っていますが、非常に個人的にも大きな関心を持っています。ただまだここのところはそういう意味で精査できていませんので、申し訳ないですが今段階でのコメントは控えておきたいと思います。ただ既に報道されている内容だけからでも、やはりこれはものづくりの、本来日本の強みであるところの根幹に関わる内容だというふうにも思っていますので、これは労使関係という視点も含めて一体どういうことであったのかということについてはしっかりと注視はしていきたいと思います。

質疑応答[9]
Q.(朝日新聞・ツチヤ氏)

選挙の関連で伺いたいんですけれども、今回政策協定をどこの党とも結ばない中で選挙戦に突入されて、従来の連合として選挙に臨むのと比べてマイナスの面だとか難しかった点、今も進んでいますけれども会長としていろいろ回られる上でどういうところが従来と違って大変だったところ難しかったところはどの辺と捉えていらっしゃいますか。

A.(会長)

難しい面ということで言えば、容易に皆さん方にも推測されるかと思いますが、やはり一方で比例という、投票用紙が2枚あるということでもありますから、すでに見ていただいた総選挙の方針においても推薦候補が勝利するということを基本において、それにつながる投票行動を取ろうということで、それぞれ地方連合会の切り口なり構成組織の切り口なりでそこを定めていくと、こういう言い方をしているんですが、これはそもそも10日の公示に向けて、今申し上げた考え方を決める、あるいはその前提条件というものが見えない中でずっと来ましたので、もちろん私ども本部もそうなんですが地方連合会においてはその辺の交通整理どう考えればいいのか、あるいは選挙戦に臨んでいくにあたっては、いろいろなビラだとかポスターだとかチラシとかその辺の対応というのがありますから、極めて困難の中でずっと取り組んできておるということはこれは事実だと思います。一方でただやはり小選挙区制ということになって、2009年、自民党がダメだということで民主党になり、2012年今度は民主党がバラバラになってダメだということで自民党になり、振り子がちょっと大きく振れすぎていて、したがって自民党では2回生問題などと言われましたけれども、少し議員の資質についても疑問符がつくような、この状況を繰り返すということはいかがなものか。少し回りくどい言い方をしましたけれども、本来自分の選挙区においてどういう候補者がいるのか、小選挙区ということになると政党の政治というものが問われているとともにやはり有権者にしてみると自分のところの選挙区にどういう候補者がいてどういう政策を出しているのか資質はどうなのか、それを見極めるのが基本中の基本だと思うので、ある意味基本に立ち返った取り組みを改めてしているんだというふうに私は思いながら、さはさりながら現場では非常に苦労しているということだと思っています。

質疑応答[10]
Q.(NHK・フルカワ氏)

春闘の基本構想案について神津会長にお尋ねします。今回は働き方の見直しという項目で長時間労働の是正が掲げられていますけれども、労基法を踏まえたものだと思うんですが、冒頭で会長も労使関係の中で実際にどうやって前に進めていくか大きなテーマだというふうに認識を示されたと思いますが、来年の春闘で連合として働き方の見直しを掲げた方針のねらいなどを改めてお聞かせください。

A.(会長)

そうですね、ちょっと繰り返しにはなるんですけれども、やはりこれ労使関係の枠組みがないと実際にはなかなか前に進められないんじゃないかということを、より浮き彫りにしたいというふうに思います。36協定ひとつとっても締結してないところが半分近くもあるだとか、あるいは従業員の代表を民主的な方法で選ぶということなんですが本当にそれができているのだろうか、労働組合があれば過半数を代表するものだということはまあまあ普通は言えるのだと思いますが、労働組合がないところで実際にじゃあどうしているのかということはやはりこういうことも1つの大きな機会にえぐり出していくということが必要だと思います。それと法律のほうが先送りされてしまっていますけれども、本来月間45時間以内に止めるということの基本を労使でしっかりと確認して行こうというのが新しい法律のひとつの大事なポイントでもありますから、やはりそのことは私ども率先してやっていきたいというふうに思います。まさに春季生活闘争というのは運動ですから、運動の中にこれをしっかりと組み込んでいくということにしていきたいと思います。

質疑応答[11]
Q.(時事通信・キシモト氏)

そもそも論というか改めて伺いたい話なんですけれども、安倍政権の政策についてなんですが、働き方改革を打ち上げて、本来野党案の丸パクリとか模倣という批判がありますが、それについて会長はどう受け止めていらっしゃるか。

A.(会長)

一言で言えば是々非々だと思っていまして、働き方改革の実現会議において長時間労働是正そして残業の上限を罰則付きで定めるということ自体は、これは何度も言ってきておりますが労基法70年の歴史の中でも非常に画期的なことだと思っています。ただなんで趣旨の違う高度プロフェッショナル制度そして裁量労働制の拡大というところまで盛り込むのかということでありまして、そういう中身についてもあくまでも是々非々で我々としては臨むということに尽きるということですし、一昨年の派遣法の改悪は典型だったと思いますが、本来政治は与野党でしっかりと話し合って合意形成を取り結ぶというのが本来の姿なわけですが、重要法案であればあるほど政府提出のものを一切修正も受け付けずという形で強行的に決めるということが繰り返されてきていますので、今申し上げた労働基準法にしても趣旨の違うものを取り込む必要はないわけですから、ここは改めて選挙が終わって、法案を取り扱う臨時国会がいつになるのかよく分かりませんけれども、きちっとした合意形成を図るというそういう政治の姿を取り戻してもらいたいというふうに思っています。

質疑応答[12]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

協議事項の27ページに書かれている15期の組織体制のところで、会長、会長代行、事務局長のところに「四人会」となっていて、これがすごく強調されているようにこの図では見えるんですけれどもこれは何か意味があるんでしょうか。

A.(会長)

「四人会」というのは別に規約にある会議ではないんですが、三役会があって中央執行委員会がありますねと、三役会の前段でこれは今までも、ですから前期であれば「三人会」という言い方をしてました、そのまた前期は岡本さんが会長代行でいて4人体制でしたのでこれはこれで「四人会」という言い方をしてたんですけれども、三役会に臨むにあたって腹合わせをするという、実は非公式なんですけれどもそういう打ち合わせの会です。これを今回会長代行2人で1人が専従という形になります。ここはだから、そういう初めての形ですので、意識してそこはしっかりやっていこうということで全体の絵の中にも入れているとそういうことです。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

これはこういう絵の中に入るのは初めてなんですか。

A.(会長)

こういう絵を表現したのも、今まで長い歴史の中ではあったかもしれませんけれども、今回は特に意識してそこのところを…

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

なるほど。定期的にそうすると三役会の前には必ず4人で集まって…

A.(会長)

そうですね。これは今までも定例なんですけれども、場合によってはそれに追加して時々やっていきましょうと、そういう思いも持っています。

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