記者会見 2019年1月

 

連合記者会見

1月定例記者会見

神津会長・相原事務局長・内田副事務局長・冨田総合労働局長(2019年1月18日)

連合記者会見全文
神津会長

 それぞれご多忙の中お集まりいただきましてありがとうございます。私の方からは大きく3点についてお話しさせていただこうと思います。
 今日の中央執行委員会の報告事項の中でも少し時間をとって扱いましたが、今の勤労統計の不祥事に関わる一連の問題です。これは極めて問題で、聞けば聞くほど酷い話だと言うしかない内容だと思います。お手元に今ほど発信しました事務局長談話を配布しましたので、参照いただきたいと思います。後ほど事務局長の方からも触れられようかと思います。この場でも申し上げてきた表現ですが、戦後70数年経って、いろんな歪みというか、ありえないようなことがいろんなところから出てきています。建前と本音のダブルスタンダードというか、これもその1つではないのかという気がします。発端はどういうことか解明されるべきだと思いますが、人手が足りないので、証拠と無しに数を本来全数調査だけども減らして、みたいなことだったのかなというふうに憶測含めて思われていますが、しかし本来、どうしても変えなきゃいけないのであればきちんとオープンな形でやらなければいけないところだと思います。見えないところでこそっとやってしまったというのは、極めて問題ですし、一旦ついてしまったウソをまた数年前に、しかしそれじゃ辻褄が合わないし水準が下がってしまっているから、みたいなことだったのでしょうか。そこは極めて不明朗な感を持たざるをえませんが、これもしっかり解明されるべきだと思います。一旦ついてしまったウソを認めないからまた新しいウソをついてしまった、というようなことなのではないのかなと思います。ここは本当にしっかりと正されるべきだと思います。そして今日発信している談話の中にも記載していますが、予算を組み替えるという極めて異例の事態という事ですし、その中身をみると追加給付について、今の労働保険特別会計で対応するということは、まあそれはそうなのかもしれませんが、今回こういう不祥事があったために本来は必要なかった195億円をこのシステムの組替えで労働保険特別会計にして、我々働く者が汗水垂らして働いた中から供出をしているその保険料で賄うというのが、私には全く理解できないです。昨日、関係の審議会においても、村上委員の方からそういった発言もしていますし、使用者側においても同じような問題意識が述べられたというふうに聞いています。ただでさえ今、国庫負担の比率を一時的にということであるのでしょうが、かなり減らしてしまっていて、本来の姿の10%しか国庫負担をしていないということで、労使にかなり寄りかかっているわけです。その寄りかかっている姿をそのままに、こういう不祥事に基づく費用をそこに任せてしまってそこから拠出をしてしまう、ということが全く理解できないということを改めて申し上げておきたいと思います。 2点目は、今日の中央執行委員会の中で扱ったということではありませんが、働き方改革の中で医師の働き方、残業時間の上限をどうするのかということを含めて、今当該の検討会、連合の関係の委員も3名出ていますし、議論がされていますが、先行的に報道されたところなども含めて、5年後、特例ということになった上でその5年後における水準においてすら、残業が2000時間ぐらい地方は人が足りないので認めてもらわないと困るというのもまったくもって理解できない話です。要するにこれも建前と本音のダブルスタンダードではありませんけど、建前自体がしっかりしてなかったということかもしれません。働き方改革ということが世の中にこれだけ当然やらなければいけないということになり、何か慌てて実は見過ごされてきていた医師の働き方はとんでもないことになっているということがあります。そのとんでもないことになっているということを、ルールにしてしまうという内容ですから、総労働時間を1800時間台にしようと言っているときに残業だけで2000時間の水準というのはもうありえない内容ですから、過労死過労自殺が実際にそのお医者さんの世界で起きているわけです。私たちの命を預けるお医者さんが、自分の命が危険にさらされているような状態で本当にまともな診療ができるのだろうかというふうに疑問に思わざるを得ませんし、今回、建前と本音と実際どうなのだということが明るみに出てきて、こんな世界に飛び込んで、そして地方に行って医者をやろうという人が若い世代において、ますます少なくなっていくのではないでしょうか。そういう悪循環の引き金を引くようなこういう内容は到底認めることができないということだと思います。
 3点目は、今日の中央闘争委員会、春季生活闘争に関わる現時点での、確認事項として内容を全体で確認をしました。今回例年と違って、いわゆる経労委報告がまだ出てきていません。あるいは経団連との意見交換の場もまだこれからとこういうことになります。したがって今日の中央闘争委員会の場でも申し上げましたが、それらの内容については基本的に本部に預からせていただいて、確認してきた内容に沿って対応していくということになります。これも建前と本音のダブルスタンドダードみたいなところがあるのかなと思いますが、私どもが今回掲げている方針というのは、賃上げ賃上げと言って、官製春闘だと言われて、実際には世の中全体にどこまで賃上げが行き届いているのかということです。連合の中を見ればある程度、その底上げということについては成果を出してきたと言えると思います。ただ連合の中においてすら、まだ要求もできてないところもあります。それを考えると、世の中の8割以上に労働組合がないですし、中小企業の大半は労働組合がありません。そういうところで世の中が賃上げ賃上げと言ったとしても実際どこまで出来ているのかということです。そういうことにおいて私どもは今回踏み込んで、上げ幅にもこだわるけれども絶対水準がどうなっているのかということを、世の中がしっかりと注目しなくてはいけないと思います。経営者の皆さん方には、自分のところの従業員の賃金水準が世の中全体の中でどういうところにあるのかということを、冷静にしっかりと見てもらいたい。そしてそれに対してどう対処すべきなのかということに真剣に向き合ってもらいたい。そういう思いの方針でありますので、まだまだ世の中としては、昔のパターンの春闘に思いが染まっているというところがあります。それではとてもじゃないけども、中小企業で働いている人たちが陽の目を浴びるということにはなりませんから、私たちは愚直に今回の方針で言っているところや、経労委報告がそういったところにどれだけ着目しているのかわかりませんが、取引慣行の是正ということを含めてもっと世の中は力を入れていかないとダメだということだと思っています。
 以上、私のほうからは3点を申し述べさせていただきました。よろしくお願いします。

相原事務局長

 第18回中央執行委員会、第2回中央闘争委員会の関係です。お手元に冊子もお配りしてありますが、報告事項の中ではただいま神津会長からあった毎月勤労統計調査の現状について基礎的データも配しながら再確認をいたしたというところであります。談話については先ほど発出し、予算案の修正は極めて異例な事態など現状知りえる状況に基づいて連合としての基本的な姿勢をそこに記したということになっております。
 協議事項の中では、4月27日土曜日に開催いたします第90回のメーデーの中央大会等について開催概要を確認し、および各種選挙の候補者推薦については本日6選挙区7名について候補者推薦を確認し、第25回参議院選挙の連合推薦の候補者は現在今日段階で20名ということとなっております。
 確認事項の中では春季生活闘争絡みの様々な集会について、2.4の中央総決起、3.4の中央集会、3.8の国際女性デーなど、集会や統一行動について確認を致しました。なおタイミングを見て、3月6日サブロクの日のイベントについてもまた適宜適切に情報発信していきたいとこのように思っております。
 私のほうからは以上です。

質疑応答[1]
Q.(フリー・モリ氏)

 フリーの記者のモリと申します。先ほどの会長がおっしゃった厚労省の毎勤統計の不祥事は、これは組合員というか一般職員は加担してないのでしょうか。要するに管理職ベースだけにとどまる話なのか、一般の職員も関わっていることなのか。これは他のメーカーの不祥事もそうですけども、このへんはどうなのかと、それが1点。
 もう1つは、日経の一面に出ていましたけど、企業の株主還元が非常に伸びていると。それから経常利益が35%ですか、比較すると、かなり伸びていると思います。これに対して分配の伸びが鈍いということを見ますと、今年の春の交渉の連合の方針は少し控えめすぎるのではないか。本当はもっと取らなきゃいけないのではないか、もっと取らなきゃというよりもっと高い要求を出すべきではなかったのかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

A.(会長)

 順不同になりますが、私のほうからでよろしいですか、後者のほうの話ですが、前にもこの場で申し上げましたが、要求を上げれば回答も上がるというようなことであればいくらでも上げます。そんな要求の仕方は相手に対して説得力を全く持たないと思いますので、そういう考え方はありえないということだと思います。それと分配率というのはやはり実際に景気の状況でだいぶ左右されますので、そのことだけで賃金をどう考えるかということではないと思います。それで内部留保の問題などもよく言われますが、この20年間どうだったのかということをよくよく考えなければいけないと思います。いわゆる大手とか、あるいは連合の労働組合があるところはこの間いわゆる定期昇給だとか賃金カーブ維持というのは、まあ基本的に行われてきました。しかしそういうものがない、世の中相当程度のところが置き去りになってしまっていて、したがってその格差が大きく開いてしまったということです。これをどう取り返していくのかということこそ我々は追求しなきゃいけないわけですから、賃金と一時金をどう視野に置いて、月例賃金が大きな差になってしまったことをどうやって底上げをし、反転をさせていくのかということにおいて、今回ご案内いただいているようなこの方針を抱えているということですので、そういう中で理解をしていただきたいと思います。
 それから前者の話は、厚生労働省の職員という意味ですか。あの要するに霞が関の方々の労働組合は連合に入っているところもありますが、私の承知している限りでは厚生労働省の労働組合は連合加盟ではありませんし、実際のところ我々がそこのところどうだったのかということを知り得る立場にはまったくありません。追求すべきは先ほど申し上げたように、最初に嘘をついたときにどういう過程だったのか、それと2回目の最近の嘘はどういう過程でなされたのかということです。どこまでのレベルにおいてそのことが認められていたのか、厚生労働省の中における重大な問題として解明されるべきじゃないでしょうか。私はそう思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。相原事務局長にお伺いします、教師教員の方の働き方改革について、中教審で出ている答申案について1月11日の事務局長談話を改めて読むと、文科省側が目玉にしているガイドラインについてそれなりに高く評価しているようにも読めますが、給特法の問題はとりあえず横に置いておいて、このガイドラインについてどういうふうにお考えになっているのか。基本的に評価するという、そういう理解でいいのかどうか、詳しく教えてください。

A.(事務局長)

 1つは評価できる部分と、まだこれから十分なフォローが必要な部分と2つあります。記載の表現の逐次は後でまた確認をいただければと思いますが、連合がこれまで学校の働き方を改善する意味でガイドラインを、絵に描いた餅にしてはいけないということを強烈に主張してきました。それは可能なかぎり法的背景を持ったガイドラインとすべきだということです。ただ今回の一般労働者と異なって罰則の規定などはもちろん盛り込まれていませんが、給特法本体にガイドラインを書き込むこと自体は法的背景を持つというふうに私たちは理解したいと思いましたので、一般のガイドラインと異なる一段高いガイドラインとして消化できたと思っておりまして、そこは前向きな評価でいいのではないかと思っております。一定程度私たちの主張が形になったということです。ただ一方で学校現場における働く方は、今回の労基法の通りですが、労働時間の把握の実態がまだまだ不十分です。ICTが配備されてきてはいますが、タイムカードの使用などもまだ4割強のところで止まっていますから、現実の労働時間を把握できる術をまだ持ち得ていない学校が多数あります。したがって健康安全配慮も含めて、これから十分な対応がなされていく、もしくはそうしたICTの展開も含めて十分な予算措置がされるなど、中教審は一定の取りまとめになりますけれどフォローアップしていく事項も多いということについて、これも最初私が言わせていただいていますので、プラスサイドとまだフォローが必要な点、1点ずつ申し述べておきたいとこのように思います。

質疑応答[3]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタです。2点をお聞きしますが、1つは闘争体制の構成組織自決の問題についてですが、後の2点目は中小の波及についてです。1点目の場合、各構成組織も要求を決めていまして、ほぼ連合の2%もしくは6000円というのを踏まえながら要求してきているわけですが、春闘に大きい影響のある構成組織が連合の要求を守ってないと思います。これは連合春闘30年、それからデフレ下の春闘10数年になりますけど、初めてのことです。これは一応、連合が2%と言っても1%のところもあるとか、構造維持と言って構造維持を守ってきたわけですが、連合が要求を出しながら有力構成組織が要求しないというのは、検証してもらえばいいと思うのですが、初めてのことで、しかもその構成組織は、出さないけれど後は単組自決という方式を取っているわけです。そういう在り様について、連合要求が守れないということに対してどう受け止められているのかというのが1点です。
 2点目の、構成組織自決については連合結成の時にそうでしたが、次第に連合春闘として求心力を強めてきたわけです。構成組織の自決でもって、ベア放棄という現象が起きてきている中で、連合として構成組織の自決というのはベア放棄まで含めた自決と言われるのかどうか、言ってみれば構成組織自決の範囲と言いますか、これも初めてのことで今後に影響する可能性もあるし、連合が要求を決めても決めなくてもいいという形になりかねないということもありますので、構成組織自決とは言えベアゼロを認めるのかどうかお聞きしたいと思います。
 あと、中小への波及については非常に大事な問題で、個別というのは言ってみれば企業横断的な賃金率を目指す方向というので非常に有力な方法だと思いますが、私はその平均方式から、個別賃金に変えただけでは不足ではないかと思っています。例えば未組織労働者が多くて構成組織がポイント要求を出して単組交渉をさせているわけですが、それだけで個別賃金が波及するのかどうか。例えば欧州の場合であれば産別交渉で賃金率を決めて波及させるという形ですが、どういう新しい交渉方式を考えられておられるのか、そのあたりについてお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 まず私のほうで答えさせていただいて、他に何かあれば補足してください。 まず前者でが、具体的には自動車総連のことを指しておられると思います。私は連合が掲げているその事に対して、それを守っていないというふうには全く思っていません。そのことは一言申し上げておきたいと思います。それぞれで自分のところの経緯をしっかり考えつつ、どういう方針を掲げることが自分のところの構成組織に加盟している単組にとって、その単組が方針を作る時に望ましいのかということを考え抜いた上で、それぞれ議論を積み上げて方針を確定していると思っています。私は連合方針の、単にパーセンテージとか数字とかだけではなく、連合方針全体を見据えた上でどういう旗を掲げていくのかということで考え抜いた末の方針だと思っていますので、そのことは申し上げておきたいと思います。少し言い方に卒があるかもしれませんが、確かに連合としても数字は挙げていますけど、それはマクロ経済との関係もありますから、連合総研の試算なども参考にして数字を出していることは事実です。言い方に卒があるかもしれないと言ったのは、ただ漫然とその数字にとりあえず準拠して数字だけ掲げればいいという要求を作るということは、私はむしろすべきではないと思っています。そうやってかつてのインフレ時代の春闘の枠組みが今でも生きているかのようにして、漫然とその数字を掲げて、いや、だけど経営の壁が厚かったので答えが出ませんでした、ということで済ませられればそんな楽な話ないですが、ある意味で物議を醸すこともあるでしょうが、それはある意味結果を見てくれという、それだけの決意があるからこそ、そういう要求方針を皆で決めているということだと思っています。改めてその結果を見た上で、それは大変なことで、ハードルの高いことだと思います。ある意味そのハードル高い設定をして闘いに挑んでいこうという、そのことの表れではないかというふうに私は思っています。
 中小の波及のことについては、シカタさんのおっしゃる通りで、これは並大抵な事ではないと思っています。しかしそこにどうやって風穴を開けていくのかということの中において、従来になかった表現なり踏み込み方を含めて今回方針を作ってきているという事です。ですから、それは個々の構成組織あるいは中小企業、地方におけるということも含めて言えば地方連合会が、そのことを受け止めてどういう旗を振っていくのか、そして個々の組合にどういうことを投げかけていくのか、そしてどうやって連携をしていくのかということに尽きると思います。先ほど申し上げたように20年の間にものすごい差ができてしまっていますから、それを一挙にキャッチアップできるかどうか、水準を皆で事実として見ていこうということです。1年振りだったら、何年かかけてやるのかということを経営側としっかり話し合っていくということが大事だろうと思います。ヨーロッパの例を出されたが如く、構造的な問題はあると思います。なぜ20年でこのような差がついたかということで、ヨーロッパの労働協約の拡張適用みたいな仕組みを持っていれば、こんな差はつかなかったわけですから、これは春季生活闘争だけで解決のつく話ではありません。そういう政策制度面の取り組みということも私たちはしっかりと頭において取り組んでいく必要があると思います。

A.(事務局長)

 1点だけ。シカタさんありがとうございます。個別賃金のところですが、私はこう思っていて、今後これだけ人手不足が強烈な日本の労働市場において、多様な人材が多く労働市場に参入できて、もしくは参加できて、そして人々にやりがいと十分な処遇が与えられていく、もしくは勝ち得ていくということは大変大事だと思っています。それを満足させるためには高齢者であれ、ジェンダー、女性であれ、外国人であれ、多様な人材を受け止めていく賃金制度や、もしくは労働市場の確立が大事だと、このように思っています。したがって、総原資を獲得していくという運動は今後も強烈に進めていきます。一方で、個々の働き方や、個々人を照らす春季生活闘争のあり方というのも模索に次ぐ模索を続けていく、この努力が私は価値あるというふうに思っていて、全力で2019進めていきたいと思います。

質疑応答[4]
Q.(日刊工業新聞・ヤギサワ氏)

 日刊工業新聞のヤギサワです。神津会長にお伺いします。 日本通運が非正規と正規の賃金を、同じ労働条件ならば一緒にするということを発表しました。その一方で日本郵便が前回の春闘でも、正社員の賃金を抑えて一部その原資を非正規に回すという、ある意味で正規社員の待遇引き下げのような回答もありました。この動きについてどう思われるか、そこの対応をお聞かせください。

A.(会長)

 日本郵便の件については前にもこの場でやり取りがあったと思いますが、その時点で申し上げたことということで、振り返りも含めて申し上げれば、その労使関係の中で、確かその時には過去の広島電鉄の例も取り上げたかと思いますが、集団的な労使関係でどういう形で労使双方のニーズ、その最終的な妥結点というか、それを探るというのは当然その問題に限らずあることなので、お互いの納得感を担保して解決を図った話だというふうに思っています。そういう意味で言うと、その労使関係の枠組みだけでない方々も当然いらっしゃるわけですから、いま係争中の案件もあると思いますので、それについては私としては、まだ係争中だということでコメントは差し控えておきたいと思います。

(記者・日本通運のほうはどうですか?)

 それは日本通運のみならず、春季生活闘争において我々が掲げている方針で同一労働同一賃金は法制化が成り立って、施行は2020年4月からですが、ガイドラインの内容というのはあるわけです。そういうものを先取りしてやっていこうということは掲げているわけですから、1つはそういったことに沿っての内容だろうと思います。直接私はその内容を聞いていませんので推測も含めての話しです。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・ヤマモト氏)

 朝日新聞の名古屋の経済部の記者でヤマモトです。 春闘のことで伺います。まだ要求前ですが、今般トヨタ自動車労組が具体的にベア額を明示しない形で春闘要求を構える方向になっています。今までの神津会長の話の中でも、ただ漫然と数字だけ掲げる春闘が良いと思わないという話もありましたが、改めて相場に与える影響が大きいトヨタ自動車労組がベア額を明示しない要求をすることの意味合いについて、どう評価されているかを教えてください。
 もう1点、回答の検証という意味において、昨年の春闘では1300円を超える額ということしか実際その獲得額がわからなくて、継続性で考えた時に具体的なベア額が来年以降比較できないことが想定されますが、そのことについても評価を教えていただけないでしょうか。

A.(会長)

 これも後の方から申し上げると、賃金の統計はそれぞれの構成組織経由で私どもも把握しています。1年経って実際どの程度上がったのかということは、推測はできる形になっていて、今手元に数字を持っていませんが、そこはそういうものだというふうに見ていただければと思います。それと、おっしゃっていただいたようにまだこれからの要求ということですので、実際のところどういうふうにしていくのかということは、これから見ていかないといけませんが、まさにこれもおっしゃられた通りです。相場形成との関係で最大の注目を浴びているのがトヨタ自動車であるということも事実だと思います。そういうことだからこそ昨年は、回答において具体的な数字を開示しなかったということだと思います。私はそれが良いとは言いません。良いとは言いませんが、私も以前にこの場で申し上げたんですが、要するに、先ほども冒頭で申し上げましたが、その古い春闘の頭が世の中全体に残ってしまっていて、例えばグループであれば親会社の回答を超えることができないだとか、大手と中小であれば中小は大手を超えられないだとか、そういうことがまだ日本全体見渡すとかなり色濃く残ってしまっているのではないのかということであって、それぞれが自立的にしっかりと回答を引き出さないといけないし、経営側は親企業の目を気にするのではなくて自分のところの従業員にどう報いていくのかということでありますし、あるいは親会社もそういう何ていうか、感じをギラつかせない、むしろ上回ることを促進させるぐらいのことが必要だと思いますので、そういった流れの中で今取り組んでいるということだと思います。だからといってそれが負の影響を広げてしまうようなことになるのでは、これは本末転倒ですから、そういうことのないように私どもとしては十分に注視していきたいと思っています。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・タキザワ氏)

 朝日新聞のタキザワです。 2点伺います。1点目は春闘の件で、今回の連合の方針の中で、上げ幅だけではないというところで格差是正の水準のほうを注目していますが、過去の春闘の回答状況を見ても、いわゆる個別賃金というところで要求できている労組というのはもちろん少ないわけで、そうなるといわゆる今回の方針の格差是正というのを数値として連合は、どうデータを取りまとめて評価されていくのか、何かこの2019年春闘から新しい何か評価軸みたいなものを導入するとか、何か検討されているのであればそのあたりを教えてください。
 もう1点は、公益通報者の制度の改正をめぐる動きについてです。昨年の暮れに消費者委員会のほうが専門調査委員会で報告書まとめましたが、若干、守秘義務の点ですとか、2年前の報告書案から比べるとだいぶ後退している部分もあるかのような内容ですが、神津会長はどのあたりを受け止めていらっしゃるのかというのを教えて下さい。

A.(冨田総合労働局長)

 1点目にいただきました評価の話については、私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。まだ各構成組織が方針を決め、これから単組が要求を掲げていく段階にあって、今回の要求の出方状況というのがまだこちらのほうでも見えておりませんので、要求の内容も見ながら慎重に判断はしていきたいと思いますが、今現存する水準が今回の春季生活闘争の闘争結果を踏まえてどういう水準に変わったのかということは、基本的には配分交渉を経て全体の水準が見えてからでないと比較ができないということもありまして、この調査自体は年度末に行っているので、最終的な評価ができるのは少し時間がかかると思っています。要求の出し方や今回の要求の組み立てなども、出てきたところを見ながら回答段階における評価の軸については、そのへんも見ながらこれからもう少しもう一段分析も含めて検討していきたいと思っておりますので、今しばらくお時間いただければと思います。

A.(会長)

 2点目ですが、特に私どもとして見解を出していると認識していないものですから、あまり憶測でいい加減なことを言ってもいけないので、少し預からせてください。何か連合として言うべきことがあるということであれば、また繋がせていただきますし、皆さん方にもわかるような形にしていきたいと思います。

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