記者会見 2025年4月17日

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2025年4月17日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
 はじめに、今週月曜日に行われました政労会見について、当日囲み取材もいただきましたが、改めて簡単に触れておきたいと思います。会長就任以来、政労会見の再開を政府に対して要望をしてまいりました。皆様にもその旨は時折お話をしてまいりましたけれども、ご認識をいただいていたかと思いますが、ようやく実現できたことを大変嬉しく思っております。2009年以来、16年ぶりという長い期間が空き、その間に様々な政治情勢の変化があったことを振り返りますと、再開できたことを非常に感慨深く思っております。石破総理をはじめとする政府関係者の皆様の再開に向けたご対応に改めて敬意を表したいと思います。内容につきましては連合ニュースで発信しておりますので、そちらをご参照いただきたいと思いますが、春季生活闘争の真っ只中の開催ということもあり、とりわけ中小・小規模事業所での賃上げに向けた取り組みについて改めて認識を共有するとともに、いわゆるトランプ関税がその取り組みに水を差すことのないように日本政府の対応をお願いいたしました。そして、日本の構造的課題の1つでもある女性活躍についても、ある程度の時間を割いて意見交換できたことは非常に有意義であったと感じております。詳細は控えますが、政府としても様々な角度から課題を認識しており、さらに対策を進める上で私たち労働界の意見も重要であるとの認識を共有できたことは良かったのではないかと思います。今後も定期的に開催されることを期待し、引き続き政府へは要請をし続けてまいりたいと思います。
 次に、2025春季生活闘争について触れたいと思います。本日、第4回集計結果を公表しました。賃上げ率は全体で5.37%、中小組合は4.97%となりました。中小組合は5%をわずかに下回りましたが、前年同期を上回っており、大いに健闘していただいていると考えます。現場で交渉を担われている組合役員の皆様のご奮闘に敬意を表したいと思います。中小組合の交渉は6月まで続きますので、引き続き全国津々浦々で賃上げが実現し生活向上を実感できるように、連合としても機運醸成に向けた取り組みを中心に努力してまいりたいと思います。
 以上、簡単ではありますけれども冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願い致します。

清水事務局長

 それでは詳しくは配布の資料をご覧いただければと思いますけれども、まず、2025年の連合登録人員についてご確認をいただきました。25年というのは、1月から今年の12月までの連合の登録人数の確認ということでございます。687万8,921人ということであります。公称は引き続き「700万連合」とするということで確認をいただいたところでございます。前年から増員した組織が16ということで、前の年が12ですから、増員したところが4組織増えたということ。また、減員になった、減ってしまったところも、昨年は33でしたが今年は27ということで、減員のスピードはやや鈍化をしてきたと捉えているところでございます。
 続いて、2025年度連合の重点施策についてご確認をいただきました。配付資料のとおり、(1)から(11)ということ、例年と同じ項目立てになっておりますが、今日ご確認いただきましたので、これから骨太方針、あるいは夏の概算要求などに向けて、各政党、そして政府含めた各省等に回って要請をしてまいりたいと考えております。
 続いて、「選択的夫婦別氏制度の早期実現に向けた連合の考え方」についてお諮りをし、ご確認をいただきました。現在、論点となりつつある、子どもへの影響だとか、戸籍制度への影響について、連合の考え方を示したところでございます。この問題は、個人の尊厳や人権に関わる重要な問題となっていると私たちは捉えております。旧姓の通称使用の拡大は国際社会では既に通用しないということ、また、2024年10月にも国連女性差別撤廃委員会から4度目の勧告を受けるなど、そういったことを踏まえて、今国会で直ちに導入すべきというのが連合の考え方であります。現在、法案が、閣法としても、あるいは議員立法等にしても提出をされていない状況について、各政党に力強く、連合としては今国会での議論の上の成立をということで取り組みを強めているところでございます。
 続いて、第27回参議院選挙候補予定者の推薦についてご確認いただきました。今日は、12地方連合会から14名の選挙区について推薦を決めました。これによってですね、比例代表については10構成組織から10名、これは変わりませんが、選挙区については30地方連合会で34名ということで、今日確認をしたところでございます。続いて、立憲民主党と国民民主党による「国の根幹に関わる基本政策に対して共有する考え方について」、これについて連合として確認をいただいたところでございます。立憲民主党から重徳政調会長、また国民民主党から浜口政調会長にも来ていただいて、文書についての説明もいただきまして、その内容としては、連合としては連合の政治方針や政策の範疇に収まる、そういった判断ができる内容だということで、今日の中央執行委員会をもって三者合意と相なったということでございます。
 そしてもう1点、第27回参議院選挙の対応方針についてご決定をいただきました。これについては、すでに12月に一定程度示したものがございますが、対応方針ということで、いよいよ参院選が3ヶ月後に迫ってまいりましたので、今日確認をさせていただきました。連合としては、前の衆議院選挙のときから打ち出している「チャンスからチェンジへ」ということで、参議院選挙はこれまでの政治を変えて、叶わなかった政策を前進・実現させていくための重大な政治決戦と捉えております。基本的な獲得目標としては、政権交代への確かなステップとすべく、参議院での与党の過半数割れも念頭において、与党改選過半数割れを必達目標として、連合推薦議員の全員の当選に向けて取り組んでいくということを確認したところでございます。推薦状況は、今日、先ほど申し上げたとおりですが、一応今日を1つの目標として推薦の取り組みを各地方連合会にしていただきましたが、まだ若干議論されているところがありますので、5月15日の次回中央執行委員会を最終目標地としてご推薦を引き続き地方連合会にお願いをしたところでございます。なお、第51回衆議院選挙に関わって、それも見据えて、政治状況が混迷を極めておりますので、衆参同日選挙も含めて、年内解散というような部分も言われているところございます、そういったことも踏まえまして、第51回衆議院選挙に向けて候補予定者が確定していることについては各地方連合会からの推薦を受け付けて推薦作業に直ちに入っていきたいと考えております。
 以上が協議した内容で、終了後に第6回の中央闘争委員会を行いました。これについては仁平総合局長からお願いします。

仁平総合政策推進局長

 本日の中央闘争委員会では、別紙でお配りをしておりますが第4回回答集計の結果についてご報告をさせていただいた上で、現在交渉中の組合の交渉環境を支え、中小や地域への波及をはかるということを確認させていただきました。
 集計を若干ご紹介させていただきたいと思っております。全体の3分の2くらいの進捗で現在ございます。残り3分の1が交渉を継続中ということになります。1ページ開いていただきまして、一番数の多い平均方式のところを見ていただきますと、第3回集計から、全体でいきますと数自体は3,115組合でございますが、前回の第3回の率が5.42から5.37ということ、そして300人未満の中小のところについては5.00から4.97ということで、それぞれコンマ2桁のところで動きがあるといったところになってございます。3ページ目のところに有期・短時間・契約等労働者の賃上げの時給の加重平均のところを見ていただきますと、6%台、6.06ということで、この水準を維持し、それぞれ健闘が続いているということをご報告させていただきたいと思います。以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(NHK・イガラシ氏)

 NHKのイガラシです。立憲民主党と国民民主党と連合の三者での基本政策の合意の関連で会長に伺います。今回の三者での合意によって、立民と国民の両党の間での夏の参議院選挙に向けた候補者調整や選挙協力がどのように進んでほしいとお考えか、会長の考えをお願いします。

A.(会長)

 今回の合意については、いわゆる心合わせが非常に大きいと考えておりますが、候補者調整ですとか協力については、この間も連合としては一貫して連合の考え方を両党に申し上げていますので、引き続きその考え方について申し上げていくということになるかと思います。

Q.(NHK・イガラシ氏)

 すみません更問いで、現状で国民民主党のほうがですね、参議院選挙では一人区でも積極的に擁立していくというような方針で、このまま行ってしまいますと、なかなか今回の合意文書をもってしても選挙協力が進まない可能性もありますけれども、そこについてはいかがでしょうか。

A.(会長)

 政党が考える部分もありますけれども、連合としては連合としての考え方がありますので、トップ懇談会を通じながら引き続き言っていくということになります。今回、合意文書については、この間の国政選挙を戦っていく中で、やはり現場サイドから非常に戦いにくいということがあり、立憲、国民、合意できる部分については連合も入りながら合意をし、戦いやすい形を作っていくという中での1つのステップかと思っていますので、引き続き連合としては両党に投げかけを行っていきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。3点あるんですけれども、今の質問にも関連しますが、今日の資料でいうと2-12ですね、この考え方について、扱いについてというのが、案が別紙になっていて、この冊子を見るとそこの部分が切った跡があるんですけれども、これは何かその原案と比べて何か修正があったということなのかというふうに伺われますが、もし修正があって何か大きなところで修正があったのか、あるのであれば教えてください。それが1点目。
 それから2点目、これは以前もお伺いしたんですが、芳野会長はJUKIの委員長もされているので、今年のJUKIの春闘どうだったのか、ぜひ聞かせてください。先日、JAMの会見で聞いたら「ご本人に聞いてくれ」ということだったのでお願いします。
 3点目、これはちょっと細かくなって、担当者の方で構わないですが、今日いただいたリリースで労働相談にChatGPT機能を搭載するという案をいただいていて、役所・自治体などのWeb情報って書かれてるんですけども、Web情報というのはネット上にあるあらゆる情報を収集した結果なのか、ちょっと確認させていただきたいです。

A.(会長)

 まず1点目なんですが、火曜日に三役会がありまして、そこで若干修正が入りましたので、印刷が間に合わないということで、差し替えただけです。それから2番目は、単組のことですので、連合の記者会見で言うのはどうかと思いますが、今年はいいです。それだけ言っておきたいと思います。3点目は、河野さんいますか。

A.(河野総合組織局長)

 総合組織局の河野です。サワジさんのご質問は、そのChatGPTを導入している中にURLがいろいろとあるけれども、自治体や各省庁の、それはどういう意味なのかということですか。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 いえ、違います。つまり、Web情報と書かれているので、Web情報というのは公的なものなのか、私が若干危惧するのは社労士さんなんかもいろんな情報をネット上に流していて、正直言っていかがなものかという情報もいっぱいあるわけですよね、労働関係について言えば、そういうものまで対象になっていると、結果が本当に適切なものなのかどうかというところに若干の懸念を抱いたので、このWeb情報というのは一体どういったものまで、あらゆるものを含んでいるのか。

A.(河野総合組織局長)

 そういう意味では、連合が選んでいる自治体なり各省庁のURLをWeb情報と申し上げているところであります。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 あと、すみません更問いで、JUKIの結果は「今年はいい」というふうにおっしゃったんですが、そうするとこれは連合が求めている水準であるとか、現状に比べて多少数字の違いはあるけれども遜色のない結果であったということでしょうか。

A.(会長)

 コメントは差し控えたいと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・ミナミ氏)

 朝日新聞のミナミと申します。選択的夫婦別姓についてお伺いします。今回子の姓を、氏を決める時期には連合としてはこだわらないというふうな方針を出されておりますが、これ法制審案などへもウイングを広げるような判断かなと思うんですけれども、こういう結論に至った理由というか、思いをお聞かせいただければと思います。

A.(会長)

 連合としてはもともと「出生時」に方針としてはなっていましたけれども、この選択的夫婦別氏制度の早期導入の状況を見てみますと、かなり厳しい状況になってきているという判断の中で、連合としてはまず導入をいち早くしたいと、そちらの思いがありますので、若干柔軟にしているということです。

Q.(朝日新聞・ミナミ氏)

 そういう意味では同じような判断を立憲民主党もされていて、この前、法案を示されておりますけど、立憲案に対する意見、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

A.(会長)

 立憲案についても連合とほぼ同じ考え方ですので、引き続き立憲とも協力をしていきたいと思います。

Q.(朝日新聞・ミナミ氏)

 最後にもう1点、一方で国民民主党などは今国会の成立に慎重な姿勢を示しておりまして、立憲とちょっと距離があるように思うのですが、こうした国民民主党の選択的夫婦別姓に関する考え方、姿勢についてどう思われるかお聞かせください。

A.(会長)

 国民民主党については、今日公明党に要請を行いましたけれども、国民民主党にも要請を行く予定にしていまして、今、日程調整をしていますので、その機会に連合の考え方について要請をし理解を求めていきたいと思います。国民民主党については、今日公明党に要請を行きましたけれども、国民民主党にも要請を行く予定にしていまして、今、日程調整をしていますので、その機会に連合の考え方について要請をし理解を求めていきたいと思います。

質疑応答[4]
Q.(日経新聞・シマイ氏)

 日経新聞のシマイと申します。春季生活闘争の件で伺います。今回ちょっと有期・短時間・契約労働者の賃上げについて伺いたいんですけれども、70円を超える時給の賃上げということでかなり好調かと思うんですけれども、この受け止めを芳野会長に伺いたいのと、どういう背景があるのかというのがもし分かる範囲でありましたらお願いしたいのと、あと、この水準、最低賃金、これ夏に向けて議論始まるかと思うんですけど、少し先ですけれども始まる中で、この水準というのが弾みになるのかどうか、そのあたり所感を会長に伺えたらと思います。

A.(会長)

 まだ交渉が継続していますので今の段階ではコメントを差し控えたいと思います。

A.(仁平総合政策推進局長)

 会長から、コメントは、ということですので、こういった数字も参考に三者構成の中でデータとして活かしていきたいと思っています。

質疑応答[5]
Q.(時事通信・キダ氏)

 時事通信のキダです。芳野会長に立憲民主党・国民民主党との基本政策に関してお伺いします。率直に今回合意に至ったことをどのように受け止められているのか、意義をどう考えているのかというのをお聞かせください。

A.(会長)

 率直に、連合組織内議員懇談会の皆さんに本当に汗をかいていただいて、合意まで持ってこれたということは安堵しております。そして、これは作って終わりではないので、連合はもちろん地方連合会・構成組織にこの合意文書を落としていくわけですけれども、立憲・国民についてもしっかりと周知をしていただいて、これからの様々な選挙に向かっていくにあたって、一緒に戦える形の第一歩かと思いますので、そういう意味では一歩前進ということで、三者で合意できたというのは非常に良かったという判断をしています。

質疑応答[6]
Q.(毎日新聞・タナベ氏)

 毎日新聞のタナベです。合意の件でですね、中身についてと形式についてお願いします。中身について、会長が重視されている選択的別姓について、これはこの基本政策の合意の中ではどこで読み取れるのか、あるいは盛り込まれていないのかというところと、あと、形式なんですけれども、かつて国政選挙では署名して政策協定を結ぶだったり、前回の衆院選は政策合意もなかったということがありました。今回、最初の時点では連名での署名というのも発言からすると想定されていたと思うんですけれども、今回こういう形になった背景と評価についてお願いします。

A.(会長)

 立憲・国民双方で話し合って合意されたものについて、連合として見たときに、連合の方針といいますか、連合の考え方の範疇に入っているということで、連合としても合意をしていくということになりましたので、こういった形式になったということは、両党の努力の結果でこういう形式になったということです。
 別姓ですか。ここには具体的には入っていませんが、一番最後のところで「多様性を認め合い」という部分が入っていますので、そういった考え方の中に別姓についても入ってくるかと思います。

質疑応答[7]
Q.(NHK・ヒラヤマ氏)

 NHKのヒラヤマです。会長に2点伺えればと思います。春闘のほうで、集中回答日から1ヶ月ほど過ぎて、大手と中小の格差の部分、これから広がらないようにどうするかというところと、6%以上の目標は割る形となって、中小は5%も割る形となっていますけれども、ここの受け止めを伺いたいです。
 あともう1点、政労会見でアメリカ関税の影響が中小企業の賃上げに影響しないようにということだったんですけれども、連合として、今、中小企業の賃上げの懸念感と、それに向けてどうしていきたいかというところを伺えればと思います。

A.(会長)

 まさしく今年2025春季生活闘争は大手と中小との格差を縮めたいということが最大の目標だったわけですけれども、まだ交渉が継続をしていますし、中小については6月ぐらいまで交渉が続いていくかと思いますので、この交渉について本部としてはサポートしていきたいと思います。私としては何とか5%台で終わってもらえればということで、交渉に当たっている執行部の皆さんに何とか頑張ってほしいという気持ちを伝えていきたいと思いますが、この間も申し上げている通り、中小・小規模事業所というのは、相場を気にしたりだとか、同業他社の水準を見るという傾向にありますので、連合としては持っている数字をしっかりと情報公開をしていきたいというのが1つと、5月27日に47都道府県の会長が集まって街頭宣伝行動も、お昼の時間帯になりますけれども行いますので、機運の醸成にそうした行動によって努めていきたいと思いますし、連合としてたぶん初めての行動になるかと思いますので、ぜひマスコミの皆様にも取材をしていただければと思います。
 あと、トランプ関税についてはやはり今多くの国民が非常に不安を抱えているということがありますので、不安を払拭していただきたいということを政労会見で申し上げましたし、これからたぶん自動車産業中心にどれだけの影響が出てくるかということについては、連合として注視していきたいと考えています。

質疑応答[8]
Q.(北海道新聞・イワサキ氏)

 北海道新聞のイワサキと申します。よろしくお願いいたします。連合さんと立憲民主党、国民民主党との三者での基本政策の合意についてお伺いできればと思います。先ほど会長のほうから「安堵した」という、「これが一歩だ」という話もあったところだったんですけれども、両党で考え方が異なる政策も中にはある中で、すり合わせといいますか、そういった作業の難しさもあったことかと思います。例えば、考え方に開きがある原発などの表現を避けたのかなというところで見ていたところもあったんですけれども、この内容そのものについてのご評価を改めてお聞かせいただけますでしょうか。

A.(会長)

 先ほども申し上げたとおり、連合の政策の範囲内、範疇であるという判断を持っていますので、連合としてもこの考え方については取りまとめができてよかったという判断になるかと思います。

質疑応答[9]
Q.(日経新聞・ハンザワ氏)

 日経新聞のハンザワと言います。春闘の関係で、ちょっと細かいので仁平さんにお聞きできればありがたいんですけど。今日のニュースリリースの5ページ目に、いわゆる業種別の第4回回答集計の、去年との同じ時点との差が一覧表で出てます。これを業種別でバッと見ると製造業はほぼ去年並み。交通運輸とかサービス・ホテルとか、去年ちょっと低かったところは頑張って上げているのかなというのが伺えます。一方で商業流通のところを見るとマイナス三角が多いんですね、金額でもワーッとマイナスになってる率だけじゃなくて。まだ途中段階ではあるんですけれども、これをどういうふうに分析というか見ていらっしゃるのか、今申し上げたようなサービスとか交通運輸が頑張ったという見方でいいのか。商業流通に関してはなんでちょっと去年より下回っているのか、金額も下回っていると、これをちょっと教えていただければと思います。

A.(仁平総合政策推進局長)

 この後、また総括に向けて、それぞれの産別の状況なども聞く中で、合わせて解釈をしなければならないと思うんですけど、全体の状況を眺めている中でいけば、なぜ交通運輸が頑張ったのかということでありますが、これは去年も要求状況を見てみても、なかなかコロナ禍からの回復というのがまだまだ道半ばだというのが、主な産別の去年の状況だったんじゃないかと思っています。そういう意味では、要求も全体並みに追いつくくらいまで、交通運輸というのは今回やっぱり人手不足の話とかインバウンドを含めた人の流れの話とかいろいろあるんだろうと思いますが、そういう中で積極的な要求をし、その中で経営側も回答している。それにしてもまだ全体の平均までは行っていないと、こういう状況なんだと思います。商業流通につきましては、これは家計調査の状況なども見ていきますと、やっぱり買い控えみたいな話っていうのがやはり国内の個人消費の低迷、インバウンドは好調なんですけれども、その辺の低迷ということは、ある意味影響しているのかなという気がしております。

質疑応答[10]
Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 朝日新聞のカタダと申します。2点ありまして、まず1点ずつお伺いします。先ほどの質問と被るんですけども、アメリカの関税政策について、今の春闘での中小の交渉に影響が出ているのかどうかというところの認識とですね、あとは政労会見で関税政策の対応を要請したということですけども、具体的にどういったことを求めたのかという詳細が分かれば教えていただければと思います。まず1点目お願いします。

A.(会長)

 1点目の影響については、まだ交渉中ですし、どのくらい影響が出たかどうかというのは把握をしていませんので、コメントは差し控えたいと思います。
 それからトランプさんの関税については、まず中小に影響が出るのではないかという懸念も持っていますので、連合としては春闘時期での政労会見ということも踏まえて、やはり賃上げ、賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せていくということが今年の最大の目標ですので、政府としてもこれを続けていくために政府として必要な対応をしていただきたいということが1つ。あと為替の安定と、それから中小企業ですとかサプライチェーンで結びつきの強い業種の状況把握、そして今、赤沢大臣が現地に行っておりますが、外交交渉を含めて必要な対策を早期に打ち出してほしいということと、先ほども申し上げましたけれども、やはり国民が不安を感じているかと思いますので、不安の払拭について対応していただきたいというようなことを申し上げています。

Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 ありがとうございます。あともう1点なんですけども、ちょっとだいぶ前の話でも恐縮なんですけども、自民党大会にご出席されたことについて、改めてその出席された意義とですね、あとはもう1点が出席にあたって副会長含め関係者への根回しというか情報共有が直前になっているという、取材で分かっているんですけども、その根回しが不十分だったんじゃないかというところでの声が上がっている中で、出席までのプロセスが妥当だったのかというところの認識について教えてください。

A.(会長)

 これは連合として判断することですので根回しは必要ないかと思います。今回、自民党から要請があったときに上三役と相談し、自民党大会出席というのは内外からさまざま意見が出るということは想定できていましたので、特段無理して出席する必要もないと思っていましたし、お断りするということも「あり」かと思っていましたが、相談した結果、タイミング的に春闘についてしっかりと機運醸成も含めてお願いをしていくということが1つあると。そして、選択的夫婦別氏制度ですとか第3号被保険者問題ですとか、連合の考え方と自民党の考え方の違う部分について要請をしていく、挨拶の中で要請をしていくということも必要ではないかというトータル的な判断の中で出席をしていくということを決断しています。公表については、先方の発表もありますので、こちらとしては先方の発表に合わせていくということでギリギリの連合としての発表になったわけですけれども、向こうが発表した時にも連合としてなぜ自民党大会に出席をするのか、どういう挨拶をするのかということもきちっと皆さんにお知らせをしますよということで、こちらからアナウンスをしていますので、それで十分だったのではないかなと思います。そして、自民党大会の挨拶をご覧いただいた多くの方たちからは、ああいった大会の中で別氏のことを話したりだとか3号のことを話したりだとか、そういったことについて「よく話してくれた」というようなご意見をいただいていますので、それは良かったかなと思います。

質疑応答[11]
Q.(シカタ氏)

 シカタと言いますが、春闘のことで3点でお聞きしたいんですが、1つは格差是正の今日の回答の評価、あと2つは産別最賃の取り組みの現状、それから3つ目はこれ会長にお聞きしたいんですが、全国中小企業中央会と署名、共同談話を発表されたその中身についてですね、共同組合との取引条件の決定という、この部分についてちょっと見解をお聞きしたいということで、まず1点目の格差是正は今年の春闘の大きい課題だったんですが、今日出された資料を見ると、これまでの特徴というのは中小は獲得額は低いけれど、去年と比べた上げ幅では額も率も上がっているというのが特徴であって、これは連合もそうだし各産別もそういう特徴だったわけですが、今日の資料を見ると中小のほうが率でですね、率で上回ってるだけで去年からは額でも下がっているわけです。ということは、7月の最終集計見るとね、おそらく中小のほうが疲れてきているというのか、まあこれから資料を詰めていくと思いますけれど、あと3回か4回の集計を見ると中小のほうが獲得額も低いし去年との獲得額、率から見ても低いという、そういうような傾向が指摘できるのではないかと思って、1つの評価として我々も要するに額は低いけれど去年との比較ではアップして中小健闘だと見たんですが、そういうことがだんだん言えなくなってきてる気もするわけで、そのあたりの見通しというのをお聞きしたいというのが第1点です。
 それからあと産別最賃のほう、これは連合の政策討論集会でゼンセンのほうから医療・介護産別最賃を特定最賃としたいという形で、その時に連合のアンサーとして「検討したい」という答えがあったわけですが、検討状況は今どういう形になっているのか、特にこれは石破首相も厚労大臣も主体性を持って検討したいというわけで、そういう点では連合としてもどういう対応を取られるか注目されると思いますので、ぜひその取り組みの現状と今後の方向、で、今年の特定最賃の時に出されるのかどうか、要件から見ても非常に厳しくて、今後検討する必要があるのではないかと思っているんですが、今年の改定期に申し込みをされるのかどうか、そのあたりの見込みをお聞きしたいというのが1点です。
 3点目はですね、これは会長とそれから全国中小企業団体中央会の方が合意した中身で、僕もよく知らないんですけどね、付加価値の適正配分と取引の適正化で、事業者と中小企業組合の団体協約締結により取引条件を決定でき、法に基づく団体協約の周知活用を積極的に推進とあるんですけど、これ非常に面白いというか良い中身で、個別の中小経営者の場合、価格取引をしてくれと言ったら要するに注文を断られるという形で、不安があるわけで、こういう形で中小企業組合との団体協約の締結というのは非常に、もし履行できれば良い中身だと思うんですけれど、この中身は具体的にどういう中身なのか、全国中小企業団体中央会としてこういうことができるのかできないのか、できなかったらこういう共同声明に出さないと思うんですけれど、どういうことを考えられているのか、例えば自動車の下請け会社が自工会に対して締結を結んで交渉できるような形で考えられているのかどうか、そのあたりの中身についてお聞きしたいと思います。よろしく。

A.(仁平総合政策推進局長)

 シカタさん、私のほうからお答えを差し上げたいと思っております。賃上げのところの話についてはご案内の通り、まだ3分の1ぐらい残っておりまして最終的にどうなるか、今そういう意味では必死に高い水準をめざして交渉していると思っておりますので、それを今はしっかりと我々は支えるということが大事なのかなと思っております。結果を先読みしてどうこうというよりは、今やれることに我々は全力を尽くしたいというふうに思っております。
 2点目が、産別最賃の話でありますが、あの時も私のほうから答えさせていただきましたが、まさに労働条件が社会的に低いところの改善の手法として1つ使ってみようというご提案だったと思っておりますが、これは今のルールでいけば労働協約をベースにしたルールでいけば、特に介護分野でいけば、組織率1桁なものですから、なかなか今のルールの中では難しいということでありまして、ただ、このルール自体の見直し、これも40年くらい元のベースがあって推移をしてきたわけで、当時とは組織率も違いますし、置かれている各産業の状況とかいうことも違うと思います。そういうことも合わせて今のルールでいいのかという議論を、これは会長が出た実現会議の時だったでしょうか、意見書でも出させていただいておりまして、論点整理をいずれにしてもルール見直しに向けた論点整理というのをやらないと、今のルールの下ではなかなか新設については特に2分の1というハードルがあるものですから、なかなかそのままの適用でやるということは難しいんじゃないかと。ただ必要性は感じているので、産別とも連携をはかりながらやっていきたいということでございます。
 団体協約の件につきましては、これも3月の20何日かの時に中央会との共同談話のところでも、お互いの強みを生かしてやっていこうじゃないか、特に適正な価格転嫁の話も含めて協力していこうじゃないかということをやっておりまして、その一環として団体協約の話も入っています。団体協約というのはご案内の通りだと思いますけど、これはまさに中央会のような企業の共同組合が各企業と結ぶところで、労働組合が関わっている話ではないものですから、現状でもそういう枠組みの中で締結をされているところがあります。それはたぶん私が答えるんではなくて中央会に聞いていただいたほうがいいと思いますが、確か3桁の単位で協約があるんじゃなかったかどうかと思います。要は、そこの取引については独禁法の適用の除外になるもんですから、そういう中で価格転嫁を進めていくというのは1つの手法だと理解しております。

Q.(シカタ氏)

 ルール見直しの件でね、厚労省の中には今均等待遇は協約ベースじゃなくてね、競争ね、公正競争要件だったら3分の1でなくても、もっと低くても、要するに申し込めば厚労省は受け止めるという声もあるわけで、そういう点では非常に今のところ3分の1必要ですから、3分の1って言ったら20万か30万ぐらいは必要なんですよ。ところが厚労省は3分の1はなくても受け取る、申し込めば受理するって言ってるんで、そのあたりを大いに活かされたらどうかと思いますので、ぜひよろしく。

質疑応答[12]
Q.(モリ氏)

 フリーの記者のモリです。会長にお尋ねしますが、今日の資料を見ると、連合の結成以来の賃上げ率の推移のグラフ見ると、ずっと鍋底を這っていたのが、一昨年、昨年、今年と急上昇していますね。成果上がっているんですが、組合の組織率は厚労省でまとめているのは一昨年、去年と下がっていますよね、ずっと下がって組合数も減っていると。それから先ほど話ありましたけど、連合の組織人員もなかなか700万台に乗らないと。どうしてこれだけ成果上げても組合は増えないのでしょう、組合の組織率はですね、組織は拡大しないのか、その理由はどうご覧になっているかお尋ねします。

A.(会長)

 理由はいろいろあるかと思います。まずは、労働者の年齢が今上がってきていますので、定年退職者が増えてきて、組合員から外れるということもあるでしょうし、あと、ヒアリングをかけていますと、いわゆるM&Aで労働組合のあるところと無いところが合併したときに、どうしてもそこで組合がなくなってしまうということもありますので、連合としては、そういったときには必ず組合を作っていくということ、組合を維持していくということをサポートしていきたいと思っています。さまざま要因はあるかと思いますけれども、よくよく見ていくと非正規(組合員)は増えてきていますので、引き続き全体としては減ってはきていますけれども、非正規(組合員)が増えてきているということは1つ良い点かと思いますので、計画に則って組織拡大の取り組みを強めていきたいと思います。

Q.(モリ氏)

 昔から組合離れという意識がありますよね。これはなかなか変わらないものでしょうか。

A.(会長)

 連合のネット調査を見てみますと、労働組合の認知というものが非常に低いということが出ていますので、それは私たち反省点として、これは連合だけではなく構成組織また加盟組合との連携もとても大事になってくるかと思いますけれども、労働組合の無い職場の皆さんに対して、労働組合の意義だとか存在価値というものをもっともっとお示ししていく必要性があるかなと思います。その意味では連合の発信力が問われているかというふうに思いますので、積極的に広報していきたいと思います。

質疑応答[13]
Q.(トリイ氏)

 フリーのトリイと申します。まず会長にお伺いしたいんですけれども、矢田わか子補佐官が辞任されて、事実上の解任という見方もあると思うんですけれども、この件に関して14日の政労会見で、矢田補佐官の後任をどうするのか、あるいは置くのかどうか、そういう話があったのでしょうか。矢田補佐官は雇用・賃上げ担当ということでございます。
 2点目は、連合と支持・協力関係にある政党の参議院選挙の公認についてでございます。連合の組織内候補者と競合する蓮舫さんが今度は比例に出るということで、これは連合の、立憲の得票数がそんなに変わらないのに得票を持っていかれるんじゃないかとか、そういう影響というのも考えられるんじゃないか。
 それと、もう1つは選挙区で大阪から出ている、まだ公認はされていないんですけれども足立康史という人ですけれども、この人は私設秘書に時間外は支払わないと公言されたということがネット記事にも載っておりますので、その点について、立民や国民の候補者となっている方について、そういう方がいらっしゃることについてどう思われるかということでお伺いしたいと思います。

A.(会長)

 まず1点目ですけれども、矢田補佐官が辞任になったということについては政府のほうにお聞きいただいたほうがいいかと思います。また、政労会見でそういった話はしておりませんので。する必要もないと思っています。
 そして2点目の蓮舫さんの件なんですが、これも立憲民主党に聞いてください。うちは関係ないので。
 あと3つ目の足立さんの件ですが、これは国民民主党に聞いていただきたいと思います。連合のスタンスとしては、立憲にしろ国民にしろ、まず候補者以前に人としてどうなのかということもありますので、そういう視点で党に対しては対応していきたいと思います。

質疑応答[14]
Q.(TBS・ニッタ氏)

 TBSのニッタです。基本政策についてお伺いします。基本政策をテコに、立憲は参院選の一人区で国民民主党と候補者調整を加速させたいという考えを持っていると思うんですけれども、一方、国民民主党の玉木代表は今日のぶら下がりで、選挙協力をするのに必要なレベルかどうかというのは別途判断があるというふうに、基本政策について語っています。この国民民主党の対応についてどのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 連合としては引き続き連合の考え方を両党に理解・納得いただけるように、トップ懇談会を含めてお話をしていくということと、あと今後も事務局長を中心に両党と様々打ち合わせをする機会がありますので、連合の考え方を周知していくことになるかと思います。

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