記者会見 2019年5月

 

連合記者会見

5月定例記者会見

神津会長・相原事務局長・内田副事務局長・冨田総合労働局長(2019年5月23日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日も多数の方々にお集まりいただきましてありがとうございます。少し順不同になりますが、今日の中執、中央闘争委員会に絡めての話、まず中央闘争委員会で春季生活闘争目下の状況を把握するとともに、中間取りまとめを行っています。詳しくはまた後ほど説明をさせていただきたいと思います。一言で言えば昨年の同時期の状況は、賃上げで言えば上回っておりますし、また中小企業のところの健闘も堅調であると思います。また、働き方改革に伴っての様々な取り組みも、項目様々ですが、昨年に比べてかなり要求をし、回答を引き出していると思います。そういう意味では目下のところ、まだ全体の4分の1ぐらいは交渉途上ということで、最終的な集計をまた見据えていく必要がありますが、傾向としてはこの賃上げの流れをしっかりと維持、あるいは今回上げ幅のみならず絶対額にもこだわるということが一定程度、功を奏していると理解をしております。そのことは申し上げておきたいと思います。
 それから中央執行委員会で、今日取り扱った内容、ビジョンですとか、あるいは政策構想の内容、それと足元の政策制度要求の内容は非常にボリュームのある内容でした。
 話が前後しますが、今日の中央執行委員会、元号が令和ということになってはじめてということであります。この定例の会見においてもそのことは言える訳でありますが、この前後において、申し上げてきているのは、令和という新しい時代は積極的に私どももしっかりと、その一員として担っていきたい、あるいはその展望をしっかりと持っていきたいということは当然のことであります。ただ、あえて申し上げれば、世の中少し浮ついた部分も含めて大丈夫なのかというところが否めません。この平成という30年余りを振り返って見た時に、大きな課題が積み残されているということは言わざるを得ないと思います。社会保障の問題、税財政、いずれも今後を見通すといっても、やるべき事をあまりにも積み残してきていて、やるべきことを怠ってきているということだと思いますし、昭和のところから振り返ってみても戦後の日本、そこは虚心坦懐に振り返ってみて、積み残したことに私どもとしては課題解決に立ち向かっていかなければいけません。そのことを世の中に警鐘をならしていくべきですし、連合というのはそういう役割をしっかりと負っている、その役割を果たしていかなければいけないそういう存在だということも改めて認識をしておきたいと思います。
 冒頭述べました春季生活闘争では、労働条件課題など様々な課題において連合として課題解決を図ってきた部分もそれなりにもちろんあります。ただ最後、今の政治構造ということに、どうしても壁としてぶち当たるということも、これははっきりと認識をしておかなければならないと思います。一強政治ということで、この間推移をしています。このことの弊害で、緩みであるとか、おごりであるとか、やはりそのことも大きな課題が積み残されているということと表裏一体をなすものという風に現時点受け止めざるを得ないと思います。目下、解散であるとか、あるいは同日選挙必至と、こういうことが言われています。大義が後付けで何か探されると言うのは一体どういう解散なのかという思いがなくもありませんが、しかし仮に解散ということになれば、一強政治の緩み、驕り、これを正す。これは格好のチャンスだということは、私どもが応援をしている立憲民主党なり国民民主党がそこのところを強く認識していると承知していますので、ここに来て野党のそういう力を合わせも、やっとモードが変わってきたのだろうと、私どもとして与党を利さないということで両党と政策協定を結び合ってきたことがようやくそういう形になってきつつあるのかなと思います。ただ、地方連合会ごとに見ますと、中々そうは言っても現場の苦労というのは様々ありますが、まだまだだというところもありますし、またこの政治の世界において、野田前総理であるとか、岡田克也さんとか、そういう有力者の方々も本当の意味でこの力合わせは本物になっているだろうかというコメントも見られるところであります。そういった意味でこれが今後どういう風に展開していくのかということについては、私どもとしてじっくりと注視をしながら、言うべきことは言っていくことが増々大事な状況になっているのかなと思っています。
 以上のことを冒頭申し上げまして、後ほどまたご質問もありましたらいただきたいと思います。よろしくお願いします。

相原事務局長

 中執の関係です。黄色い表紙にございます通り、協議事項としてご報告提起をさせていただいております。資料2-1、登録人員の修正がございました。ピンク色の中に入れてあるものの次のページになりますが、全体としての701万人のカウントは変更がありません。修正する構成組織がございまして、連合として改めて今日確認をさせていただきました。報道のみなさんにもご報告申し上げてきておりますので、修正についてお詫びを申し上げて改めてのご報告とさせていただきます。いま神津会長からありましたとおり資料2-2から別冊のところまで、2-2、2-3、別冊における政策構想まで、重点政策さらには政策要求と提言など幅広に今日確認を致したところです。確認事項の資料を3-4にありますとおり、連合の重点政策を今後政府政党へ要請行動して参りたいと思います。日程の関係上、昨日、立憲民主党、公明党には政策要請終了しております。官邸等にも終えておりますが3-4をもちまして幅広に今後要請活動を精力的に進めてまいります。なお、前後しましたが資料2-8、選挙区、第25回参議院選挙区におきまして、本日は福島、新潟、京都、香川について、選挙区の候補予定者を推薦確認し、2-9をもちまして推薦の取り消し、京都、熊本について推薦の取り消しをしたことを報告申し上げたいと思います。

冨田総合労働局長

 総合労働の冨田でございます。私から中央闘争委員会の確認事項につきましてご報告申し上げたいと思います。緑の合紙めくっていただきまして、右肩4-1のところで確認事項を確認致しております。本日は3.にありますとおり、5月8日時点の交渉の回答状況を踏まえて中間まとめを提起し、ご確認をいただきました。この内容につきましては6月6日に開催されます第80回の中央委員会に提起をし、その確認をもって最終的なまとめの検討に入るということで提起を致しましたのでご確認いただければと思います。具体的な中間まとめにつきましては3ページ以降記載がありますのでお読み取りをいただければと思います。

質疑応答[1]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。神津会長、同日選挙だということをもう既にそれなりそういう見方を、組織にも出しているのかどうか、それが1点ですね。 それからもう1点、同日の可能性がどれぐらいあると今ご認識しているのか。 それから、昨日国民民主党が東京から水野素子さんという、中々面白いユニークな、「宇宙かあさん」ですか、その方が立候補表明したら今日もう神津さんのところにご挨拶の来ているような話を聞きました。ということは、やはり少しエンジンがかかってきたという風に見ていいのかということ。また、この人が国民民主党の玉木さんによると、1丁目1番地の候補だと言っていますが、印象を含めて、少し元気が出てきたのかどうか、それを教えてください。

A.(会長)

 同日選挙を前提にした指示ということになりますと、本格的に体制を考えるであるとか、まずその前提となる衆議院は衆議院で政策をどう考えるかとか、そういったあたりも必要になってきますので、そういった形を取っているということではありません。ただ、どう考えても相当程度意識しておかなければいけないことは間違いないと思うので、あまり数字で何パーセントという性格のものではないと思います。しかしこれは、可能性があるということを想定して物事を組み立てていかないといけないということだと思います。これは構成組織なり、地方連合会もある意味そういう緊張感は、ここに至る状況の中で持ってきていると見ていただいていいのかなと思っています。
 それから、ずいぶん情報が早いなと思いますが、東京で水野さんが国民民主党から出られるということでご挨拶に今日来られました。ご経歴なり実績とかを知り、お会いして10分ぐらいお話ししたのでその限りにおいてですが、中々の候補者を見つけてきたなという印象は持ちましたし、おっしゃられたようにキャッチフレーズが「宇宙かあさん」ということで彼女自身が子育てしながら大変な苦労をしてきていて、その経験も踏まえながら署名活動もやってきたところとか、一方ではJAXAにおける仕事振りというのも大変な実績を持っていて、まさにイノベーションということを考えたときに今の日本の力、将来に向けてということで相当な問題意識を持っておられる方だということは本当短い時間の中でもよく分かりました。まあ東京の選挙区というのもこれも中々大変なところですし、何としても私どもが応援するこの立憲民主党と国民民主党の候補には勝ち上がってもらいたいなと思いますが、それもこれもやはり東京という土地柄からすると野党が力を合わせているという実感が広く有権者に響くようなことにならないと、そう簡単ではないと思います。冒頭にも申し上げたように、一般の有権者にも響いて、これは戦いになるぞと、十分にこの一強政治の流れを変えるような雰囲気を持っていると受け止められるように、特に両党の努力が必要になってくるということだと思います。

質疑応答[2]
Q.(毎日新聞・ハマナカ氏)

 毎日新聞のハマナカと申します。先ほど野党の一本化のお話を少しされていて地方にはそれぞれいろんな苦労があるというようなお話をされたと思います。まさにそれは熊本のお話を指しておられるのかなと思ったのですが、熊本でああいう形で推薦を取り下げられたということで、一昨日も新たに8つの選挙区でその野党統一候補という形で決まりましたが、今後同じような事態が起きてくるという懸念もあるのかなと思いますが、そのあたりについてはどういう風にお考えでしょうか。

A.(会長)

 同じ対処が必要になってくることが起きてくるとは全く思っていません。冒頭の中で申し上げた地方連合会の様々な苦労があるというのは、別に熊本だけを指して言っている訳ではありません。野党の力合わせが非常にうまくいっているというところもあります。ただ、例えば見かけが一本化されたと言っても、本当の意味で力合わせができたのかどうかというのは必ずしも一概には言えないということだと思っています。野田さんなり、岡田さんが指摘しているのは、やはりそういうあたりのことだと思うので、これも心底力を合わせて一強政治のモード変えていく、与党を利さないということになっているかどうかというのは、地方、都道府県ごとに様々というのが実情です。
 そういう中での熊本ですが、これは地元の方では経緯はかなり正確に報道されているという風に承知をしています。これは連合熊本としては見過ごすことのできないような状況がありましたので、ある意味ここは一旦区切りをつけてこのモヤモヤ感を引きずるということではなくて、ただ一方ではこの連合熊本と、立憲民主党、国民民主党、それから社民党と、4者協議の枠組みはしっかりと継続しながら、この事態をしっかりと見守り、必要な対応を図っていくと聞いてますので、そういう中でまだこれからも苦労しながら取り組んでいくということだと思っています。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。春闘について毎回聞いていますが、先ほど会長は昨年の今の現時点に比べると賃上げが終わっているということですが、要求を提出した組合数とそれからおそらくカバーしている人員を見ると前回同様、まだ最新の統計でも昨年からかなり減っているという状況があります。これはもう今の時点でこうだとすると、多分最終的な傾向も変わらないのかなと思いますが、ここはどういう風に見ていらっしゃるんでしょうか。それが1点目で、2点目は事務的なことですが、今日承認されたこの社会保障と教育と税制に関する政策構想は別冊となっていて、私たちに配付されていませんがこれはどうしてでしょうか。

A.(会長)

 1点目は、私もそこのところが非常に気になっていました。中間まとめのところは、実際に集計として届いている数字はこの通りなので、それはもう淡々と記載をしていますが、気になったので後で冨田さんの方で補足してください。細かく見るとサワジさんもおっしゃったように、最終的にどうかというところが非常に気になります。要するにまだ要求しているが、この数字に反映されてないところが相当数あります。昨年の状況とあまり大きく変わらない。少しいろいろ組合の再編なんかもあるかもしれないので、数字として下がった感じにはなるかもしれませんが、ここまで組合数とか人員数が大幅に減ってるような、そういうことにはならないというそういう感触は一応私として得ているので、もう少し詳しく冨田さんの方からお願いしたいと思います。

A.(冨田総合労働局長)

 先ほどご指摘いただきましたとおり、要求の段階で行くと昨年同時期に比べて現時点の数字で見ると640組合ぐらい減っているという状況なのですが、集計への参加の仕方が少し構成組織ごとにまちまちでして、実際に交渉はしているものの要求の段階からまだ集計に登録できてない組合が520組合ほどこの中には含まれているということは、詳細にいくつか調べた結果で分かっています。後は元々構成組織の取り組みの仕方で2年おきに要求をしているところがありますので、そうしたところは今回の集計には入っていないとか、後はそれぞれの構成組織の状況によって昨年までは要求したけど今年はできないとか、もしくは昨年はしてないけれども今年はしているといったような増減の入れ繰りがいくつかあります。先ほど申し上げた2年サイクルですとか、そうした増減の結果まで見ますと今年集計に参加できてない組合というのはおそらく現時点では100組合程度になろうかと思います。それで、先ほど申し上げた520の組合も具体的な回答引き出しのために鋭意交渉を続けていると聞いておりますので、最終的には評価の方にも入ってくるかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、結果を出すために頑張っていますので結果のところへの反映についてはおそらく同じような傾向をたどるのではないかと現時点では見ています。ただ、先ほども申し上げましたとおり、全体で見れば4分の1がまだ交渉中ですので、まとめの段階を持ってして最終的には評価したいと考えています。

(司会)

 よろしいですか。先ほどサワジさんからの質問で協議事項2、3、4に関しての冊子は、6月6日の中央委員会の中で確認を取ります。その前段で本日は対比のこれまで修正した部分のものが中に入っているということなので、冊子自体は6月6日の中央委員会の方でお配りをしようと思っておりますのでよろしくお願い致します。

質疑応答[4]
Q.(朝日新聞・タキザワ氏)

 朝日新聞のタキザワです。春闘の話題で伺います。この今の資料の8ページ目のところに、賃金水準、絶対水準を追求するというところの、今回の評価と課題について触れられていると思います。課題の部分で、賃金の実態把握とか分析のための態勢を取られなかったですとか、中小組合のサポート体制の構築が必要であるという風に書かれていますが、以前からこの課題というのは多分ご認識されてたような気がしていて、今回の春闘の取り組みで新たに見えた課題とは、もう少し詳しく聞くとどんなところにあるのでしょうか。
 後、この中小組合のサポート体制というのはどちらかというと産別がやるようなイメージがありますが、連合としては他にどんな対策、来年以降どういう対策を取っていかれるのか神津会長に伺います。

A.(会長)

 1点目は冨田さんの方でもお願いしたいと思います。2点目のところは、まさに今回はこれからの春季生活闘争のあり方をさらに踏み込んで、ある意味改革という要素も含めて議論をしていくための、助走というというか、その問題提起も含めての取り組みであったということであると思っています。従っておっしゃられるように構成組織が相当程度意識していかなければいけませんし、後はやはり地方連合会の役割というのは、これまで以上に大きいものがあると思います。まさに地場含めてまだまだ今取り組みの真っ最中というところだと思いますが、これを連合本部なりあるいは構成組織含めての連合全体でどうサポートしていくのか、そういうあたりがより一層クローズアップをされていくと思いますし、そのことを強く念頭に置いてこれから来年に向けてということで言えば秋の前段の仕込みの部分で、相当しっかり議論をしていく必要があるということだと思っています。

A.(冨田総合労働局長)

 1点目のご質問は私の方からお答えさせていただきたいと思います。この課題は過去からの課題でありつつもその課題の重要さが今年はより鮮明に浮き彫りになったというのが一番大きなことではないかと思っています。上げ幅をいくらやるかということは、上げ幅の金額が出せればいいということになるので、具体的に賃金水準が仮に分かっていなかったとしてもパーセンテージでいくら要求しようということになりますが、今回のように賃金水準を重視した取り組みをするということになると今の自分たちの水準がどこにあるのかということをまず把握しなければならないですし、構成組織の中でもそこに向けて例えば賃金政策を作っていこうだとか、今回の件で様々に新たな取り組みが行われましたが、やはり最後突き詰めていくと賃金実態が分からないとそうしたことのステップも踏めないよね、ということがまさにここに書かれています。構成組織の中には専従の役員を置けないような小さな中小組合であればあるほどそうした組合がありますので、そこに向けて構成組織の本部がサポートするのは当然のことですが、本部と距離的に遠い地方に本部があるような小さな組合も多数あります。ここのところが先程会長が申し上げたとおり構成組織とそれから近くにいる地方連合会と相互にどのような協力体制が組めるのかということを今後議論の俎上に上げていきたいと思っています。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・テラモト氏)

 朝日新聞のテラモトと言います。先ほど質問の参院選熊本選挙区の推薦取り消しについて伺いたいと思います。推薦取り消しということで連合本部としては今後自主投票という形を取られるということでよろしいのかということと、もう1点は現職の自民党候補もいますが野党統一候補としてもうすでに合意しているこの阿部候補への推薦を取り消すことで与党を利することになるのではないかという指摘もありますが、その点の影響について伺えればと思います。

A.(会長)

 経過は、地元の方でかなり正確に報道されているということで、内容について少し端折りましたが、統一地方選挙の際に県会議員選挙で連合が推している連合の候補とバッティングしているところで、その共産党候補の応援の演説を街宣カーに乗ってされてしまったということで、これが相当連合熊本の構成組織では尾を引いてしまい、このまま推薦ということでいいのかということで、議論を重ねて相当な悩みを持ちながらも今回の結論に至っているということで聞いています。先ほど申し上げたようにずっと引きずったままで、だめじゃないかというのは最悪だと思いますので、このタイミングでむしろ区切りをつけて、さっき申し上げたように4者協議の枠組みは継続しますから、まさに与党を利さないために状況をどう把握し、そのことをどう共有するかという枠組みですので、その下で形式上自主投票ということにならざるを得ませんが、しかし思いは連合全体として与党を利さないということですから、その下で連合熊本として対応を取っていくという理解をしていますので、そういう流れの中だと見ていただきたいと思います。ある意味そういうことになってしまったというのは当地現地の私どもと力を合わせているこの4者協議の枠組みの他の3党が、きちんとしたそのサポートができていたのかという、そのことをもう一度その虚心坦懐に見極めていただきたいということの意味もあったのだろうと思っています。そういう意味で雨降って地固まるにしていただければいいのではないかと思っています。

質疑応答[6]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 春闘について2点ほどお聞きします。1つは大手中小の格差の問題ですが、13ページの回答で、99人以下のところを評価していますが、時系列から行けば、3年間ぐらいで見ると300人未満と300人以上では中小のベア率は大手を超えている訳です。これが3年連続で中小のベアが大手を上回っているという点では評価できるのではないかと思いますが、どう見たらいいのかというのが1点です。
 それから、水準についての評価ですが、全体でベアが0.5%ということでは物価は0.8%か0.9%と見ると、今年も物価以下の水準になっている訳です。2013年から賃上げが物価、名目物価以下という、言ってみれば実質賃金マイナスで賃金デフレが続いている訳です。2016年は除きますが、2013年から見ると6回も賃金デフレが続いているという点では、水準評価で賃上げの流れが力強く維持されているという評価をしていいのかどうか、という点については6回も続く賃金デフレの克服と言われています。水準についての踏み込んだ評価も必要ではないかと思いますし、個別賃金の関係を見ても、平均が全部マイナス傾向の中で個別のところはプラスですが、比較すると100円玉2枚とか0.1%ぐらいです。そういう点からみれば平均賃金にしろ、個別賃金にしろ、もう少し上げ幅といいますか少なくとも賃金デフレを克服するぐらいの闘い方という必要があるのではないかと思います。そのあたりの水準評価について何も記載がないのでお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 1点目はまさにそこの積極的な意味合いを捉えていただいた訳で、シカタさんがおっしゃられたことは本当に素直にそう見ていただいているということはありがたいと思うし、そういった要素として、今日は中間まとめですから最終的なまとめの時にどういった表現がいいのかどうかわかりませんが積極的な意味合いを全体で共有したいと思いますので、そのことは参考にしておきたいと思います。
 それから上げ幅自体の問題というのは、連合としてマクロ経済の観点から、2+2の4ということを言っていますし、あるいはそのそれぞれの交渉過程においてそれぞれの組織が要求として掲げたことと、回答に乖離があるところが相当あるのだろうと思います。従ってあるべき姿との対比で言って不十分だということはおっしゃる通りだと思います。ただ、いろいろ制約ある中でここまでやってきているという事は組織の中では互いにそこは認識をし合いたいと思うので、表現含めてまたこれも最終まとめにどう反映していくのかということだと思います。それと、どうしても世の中全体がまだまだ持ち上がっていないので、そこが我々の要求をするということと答えとは、中々近づいてこない、そのことの大きなこの背景にあると思うので引き続きひたすら底上げということなり、今後に向けての改革のあり方にも通ずるところですが、これまで20年間遅れをとってきているところにどうやってこの波及をさせていくのか、そこが伴っていかないと、要求として我々が正当だといくら言ってもこの結果がついてこないとこの繰り返しになりかねないので、そういう構造問題に根差しているのではないかと思います。

質疑応答[7]
Q.(熊本日日新聞・ナミマツ氏)

 熊本日日新聞のナミマツと申します。先ほどからご説明されています参院選の熊本選挙区のことでもう少し補足で会長にお尋ねしますが、先ほど熊本選挙区の状況細かく説明していただいたところですが、今回の推薦に至った状況というのは個別のレアケースであるというようなご認識でいらっしゃるのかということと、全国で今進んでるその一本化協議への影響がどのように今回の決定があるのか無いのかというようなところを教えていただきたいと思います。

A.(会長)

 ありがとうございます。ご質問の表現そのまま借りれば一言でいえばレアケースとして見ていただきたいと思います。熊本日日新聞さんの方でそういう意味で正確な報道をしていただいた中にもあるように、これは陣営の方から推薦の取り下げのお申し出をいただいているということですから、要するにそういう事に至ったということ自体がこれ全くのレアケースです。従って変なモヤモヤ感をお互いに、あるいは組織の中で引きずらないという意味でも、そういう一区切りをつけるということが、今回のこういった事象につながったと見ていただければと思います。従って、これもこの今の断面でこういう対処を取るということで、これは極めてレアケースであって、全体の野党の力合わせなり候補の一本化ということに対して水を差すという意味は全く持ってないと是非ご理解いただきたいと思います。

質疑応答[8]
Q.(日刊工業新聞・ヤギサワ氏)

 日刊工業新聞のヤギサワです。神津会長にお尋ねしますが、(月刊連合の)今月号でデービッド・アトキンソンさんと対談しているように、最賃に向けている取り組みを今後どうするか、アトキンソンさんがいうように全国一律最賃に向けた動きをするのか、ということと、まだ国民と立憲が参院選の公約の中に最賃を入れていませんが、どういった内容になるよう要請するのか、この2点をお願いします。

A.(会長)

 もうすでに私どもとしては、基本的には最低賃金はもっと大幅に上げるべきだということを言ってきていますし、また今の最賃の仕組みというのは格差を上塗りするような仕組みで、これに対しても是正すべきだということも主張してきました。やっとその率のところではそれを改善をするようなことにはなってきていますが、しかし現実にはまだまだ、この東京と鹿児島で圧倒的なこの差があるということ、これが及ぼしている負の影響というのは極めて大きいと思っていますので、向かう方向はもうここでアトキンソンさんと対談をしてきて会話してきたようなことで、一緒だと思っています。三者構成で結論を見い出していくということの一員として取り組んでいきますから、主張は様々な形でその場に応じて主張していきますし、そのことを基礎に置きながら具体的にその最賃の委員会の中で取り組んでいくということであります。
 それからその政策、両党との関係で言いますと今回ご承知のように11月の末に結んだ政策協定は、基本的にはその大きい方向性ということを意識して結びましたので、まさに続く社会、続けたい社会という言葉に収斂をさせたようなことであります。その中に最低賃金も1つの大事な要素として入っていると思っていますので、これから具体的にそれぞれの党が詳しい政策をどう掲げていくのか、そういう中で私どもの日頃の主張も、ぜひ取り組んでいただきたいなと思っています。

質疑応答[9]
Q.(読売新聞・ヤマシタ氏)

 読売新聞のヤマシタと言います。終身雇用の在り方について最近経団連の会長とか、トヨタ自動車の社長が今までのようなあり方は限界に近いみたいなことをおっしゃっていますが、それに対するご認識と、高度プロフェッショナル制度が始まって2ヶ月弱経つ訳ですが、適用された労働者が1人しかいないという数字も出ています。連合ご自身が高プロ制度については慎重反対なお立場だと思いますが、1人しかいないという状況についての受け止めと、ご見解をお願いします。

A.(会長)

 経団連の会長や、トヨタの社長の発言というのは、報道を通じてしか受け取っていないものですから、しかも聞くところによれば、ある部分だけ該当するところだけ報道されているような印象もありますので、全体感通じて確認をするべきなのかもしれませんが、あえてそこまでのことはしていません。ただ、その切り取られて報道されるというのはこれもう世の常ですから、そういう中で誤解を与えるような、あるいはそういう部分だけが目立つような、そういう発言振りはいかがかなと思いますし、そこは十分に注意していただきたいなと思います。まさかそういう意味で雇用についての考え方を大転換図るということではないと思っています。もし、そういうことであればそれはお互いにしっかりと論戦をしていく必要があると思いますので、そこのところは注意いただきたいなというのが率直な感想ですね。
 それと高プロです。1社だけということですが、その1社だけというとどこだろうと気になります。これだけもう天下の中で明らかになった制度ですから、もっとオープンにしていったらいいのかなという気もます。きちんとした適用が本当にされるのだろうかということですし、制度の持ってる危なさということを具体的にどうやって歯止めかけていってるのかということが非常に気になります。そこのところはもう少し天下に分かるようにしていくべきじゃないのかなと思います。
 そういうことがないと、何かその経済界、使用者側の方から、使い勝手の悪い制度みたいなことで、変にその規制が緩められたりするということも非常に問題です。間違ってもそんなことにつながらないように、もう少しきちんと世の中に分かるようにすべきじゃないのかなと思います。

質疑応答[10]
Q.(フリー・ミヤケ氏)

 フリーのミヤケと申します。いま高プロの話が出ましたが、一例出たということで、このことはどうしても国民およびもちろんメディアのみなさんもそうですが、誰のどこなのかというのは大変気になるところでして、これを個人情報とかもあると思いますが、この最初の1人のご意見を聞く、どういうことなのかと聞くこともまた大事だと思っております。そうしたことを政治の方やもしくは省庁に、お申し出されるようなご予定はありますでしょうか。

A.(会長)

 いま時点で具体的にこうだと決めていることはありません。ただ、私どもだけではなくて世の中が注目するところだと思いますので、それは全体がそういうことを求めていくことになるのではないかと思っています。

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