記者会見 2020年6月

 

連合記者会見

6月定例記者会見

神津会長、相原事務局長、石田副事務局長、冨田総合政策推進局長(2020年6月18日)

連合記者会見全文
神津会長

 今日、久しぶりの定例会見としては、対面での開催となりました。多くの方にお越しいただきまして感謝を申し上げたいと思います。 中央執行委員会そのものも、約4カ月ぶりに対面と、一部Web参加ということを含めて開催をいたしました。また後ほど、主だった議案につきましては相原事務局長、それから中央闘争委員会の関係は冨田総合局長のほうからご報告をさせていただきたいと思います。私のほうからは、中央執行委員会の冒頭のところで、目下の状況を受け止めての我々としての今後の対処、私として思いの一端を申し述べましたので、それをかいつまんで報告して冒頭の一言とさせていただきたいと思います。
 コロナウイルス感染症対策、この感染症対策そのものもさることながら、それがもたらす様々な影響、雇用の問題、それから生活の問題、そして経済に関わる問題、これをどう乗り越えていくかということにおいて、レンジとして3つ考えながら進めていく必要があるのではないかということを申し上げています。
 1つは、まず当面を乗り切らなければならないと思います。この流れている血あるいは流れてしまいかねない血をどうやって止めていくのかということが焦眉の急だと思います。4月の統計を見ても休業者が600万人と、大変な数です。給付や貸し付けが滞っているということで、本当に何とか持ちこたえているところに一刻も早くそういった給付貸付が届いてほしいと願わざるを得ません。労働相談も、今週も15日、16日と女性に重点を置いた全国一斉の労働相談を行ってきました。集計はもう少し時間がかかりますが、この間、おびただしい数の相談が舞い込んでいるということであります。内容については既に見ていただいているところもありますが、概していうと、やはりワークルールにあまりにも無関心というか、知られていないというか、労働相談を送って来られる方々は実際に働いている方々が多いわけですが、しかしこの間のいろんな状況を見ても、使用者において、いろんなルールをあまりにも知らなさすぎる。そのことが非常に混乱をきたしているということの一因でもあると思います。まず、そういうことを知ってもらうということだけでも大変な意味があることだと思います。それからいろんな制度、これを新しいものも含めて、出来るだけ利用して何とかつないでいかなければいけないということでもあります。そういった声を受けての政策要請もさらにこれからも進めていかなければならないと思っています。
 それからもう1つ、レンジは3つあると思っていまして、そのもう1つは、しばらくの間、秋にまた、第2波や第3波、感染の波が来くることは必至だと、こういわれていますが、この間の状況で、スタートの時点でコロナウイルス自体が非常に厄介な、症状が現れない人が相当いるということを含めて厄介な代物であるということをもうあって、検査がなかなか行き届かない、その医療崩壊をきたさないようにという、ハラハラするような状況であったわけです。同じことを繰り返してはならないと思います。端的に申し上げれば、こういった感染対策と経済対策、自粛でもって経済の状況が相当悪化していますので、これを何とか復興をしなければなりません。元に戻す向きに持っていかなければなりません。感染対策と経済対策が出だしのところは、二項対立、お互いにこちらを立てればあちらが立たずという関係であったわけですが、ここから先はそれではいけないということだと思います。PCR検査を抜本的に拡充するとか、PCR検査だけではなくて他のいろんな手立てがこの間知見が得られているはずです。それをできるだけオープンに、人々が分かるようにしていくことが必要だと思います。不安を抱えたままですと、経済は盛り上がりませんから、働いている側にしても、電車通勤、公共交通機関も含めて、不安を抱えながら仕事に従事するということでは、これなかなかパイが膨らまないということだと思います。生活においてもそうです。ですからこの二項対立ということでない形を志向していかなければいけないというのが、この当面の、次の感染期に向けてということも含めての対策だと思います。
 それから3つ目ですが、これはコロナウイルスに対してこれをどう乗り越えていくかというのは、これ長期戦にならざるを得ないと思います。ワクチンであるとか、あるいは治療薬、これは私どもとして期待はしますが、当てにすることはできないだろうと思います。そうするともう数年レベルでこういう状況をどう克服していくのかという姿を足元から作っていかなければいけないということであると思います。そして、端的に言えば、この間露呈している状況は、立場の弱い人により強く影響が出ているということははっきりしていると思います。連合にしてみれば、「働くことを軸とする安心社会」これが実現をしていれば、政策実現の取り組みにおいてこれが現実のものとなっていれば、こんな日本の社会がジタバタするようなことにはなってなかったはずだという思いを一層強くしています。ということが、今日の中央執行委員会の冒頭に私として申し述べたところです。
 そして、少し前後しますが、中央執行委員会に入る前に今日は、立憲民主党の枝野代表、福山幹事長、それから国民民主党の玉木代表、平野幹事長、四方に、昨日国会が閉会したということでご挨拶に来ていただきました。実はいま申し上げたこの3つのレンジのこの最後の部分で、やはりその包摂であるとか、あるいはセーフティネット、先程申し上げた連合としては「働くことを軸とする安心社会」ということでありますし、これはもう2009年に成立した民主党政権がああいうことにならなければ、掲げていた理念が実現していれば、こんなことにはならなかったはずだということは、本当に重ねて物事が考えられるということではないのかなと、いうことを含めて、私のほうで一言申し述べて、お二方から挨拶をいただいたところです。すでにもう取材されている方も多いと思いますが、お二人からのご挨拶は、国会を振り返ってということは、それはそれとして、やはりここから先、新しいそういうその知見も踏まえたところで、そして元々持っていた理念も大切にしながら、新しい社会に向けての、枠組み、展望を作っていかなければいけないなというところが共通したお話であったというふうに思っています。私どもとして連合本部で勉強会を重ねながら、少し知見も蓄えながら、1つ新しい姿を、まあある意味再構成と言いますか、元々持っていた理念を骨にしながら、新しい知見もそこに加えて新しい社会像というものを作っていきたいというふうに考えているところであります。両党ともですね、そこのところは今後ある意味ではシンクロしていくところが多々あるのではないのかなというふうに思っていますので、総選挙をもこれはいつになるかわかりませんが、早ければ秋にでもということも視野に置いて考えていく必要があるだろうというふうに思っています。 私のほうからは以上とさせていただきます。

相原事務局長

 連合中央執行委員会のほうでは、素案として「1000万連合NEXT(仮称)」となっておりますが、資料2-1で提起をさせていただいております。本日は素案の提起ということに留まっておりますので、今後様々な議論を踏まえて、より肉付けをし、組織内外に展開できるような形にして参りたいとこのように思っております。中間目標なども掲げることも提起の上で進めていきたいというふうに思っておりますので、より実効性高めるこういう活動計画にしていきたいとこのように考えております。
 2点目が、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の最適循環。いわゆるパートナーシップ構築宣言にもとづいた連合としての行動です。すでに5月18日に、政府において「第1回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」が開催されておりますが、それを念頭に置きながら、連合としてももとより申し上げております地域の活性化、経営基盤の強化、いわゆる中小企業が地域を活性させていく上での大変キーになるということで、パートナーシップ宣言を様々なところで完備することが今後の好循環の実現には相応しいと、このように考えておりまして、今日運動展開について提起をさせていただいたと、このような形になっております。
 以上、私のほうから大きく2点です。

冨田総合政策推進局長

 総合政策推進局長の冨田でございます。私から第7回の中央闘争委員会の確認事項について、2点ほどは確認した内容をご報告したいと思います。
別冊でお配りしている確認事項ありますが、2.のところに現時点の取り組み状況を確認させていただいております。6月5日に公表しました第6回の回答集計におきましては8割を超える組合が妥結をしてございます。回答引き出しの内容の特徴的な点、2点ありますが、中小組合の賃上げが、額、率ともに前回の集計を上回りました。それから、有期・短時間・契約等労働者の時給は、時給、月給の両方で昨年同時期を上回るということで、コロナ禍にあっても賃上げの流れは継続しているということを確認いたしました。
 3.のところは、一方で2割の組合が未だ交渉を続けておりますので、最後までの解決に向けた体制と、次ページのところではまとめの議論の日程をあわせて確認をいただいておりますので、そのことをもって確認事項としたということを報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(毎日新聞・ヤザワ氏)

 毎日新聞のヤザワです。1000万連合NEXTの素案についてお尋ねします。これまで1000万という目標を掲げてきまして、今回中長期的に2030年に800万と、こういう数字を出してきましたが、この意義改めて、この1000万という数字が一人歩きしていたのか、あるいは現実的な目標にしたのか、この800万という数字を出してきた点について教えてください。

A.(会長)

 まだ、素案の段階ですので、1000万という数字は大事にしながら、今おっしゃられたように現実も踏まえて、しかし800万という数字も決して容易ということではありませんので、それが決して低い目標とは思いません。しかし、到達をそこにさせるのだという数値を持って、臨んでいこうというのが今のこの素案ということですから、しからば今まで1000万といっていたこととの関係はどうなのかということも含めて、これからきちんと整理をしていく必要はあると思います。ただ、自分たちが今までやってきて、1000万連合ということを掲げて、そして連合本部がそれまでに比べてはかなり前面に出る形を2013年から取ってきて、そのことの成果というものは出ていることは間違いなんだろうと思います。2013年以来、基本的には年々組織人員数を増やし続けてきて、久しぶりに「700万連合」という言い方ができるようになったということですので、そのことは、そういう力をこの間発揮をしてきたんだということは大事にしつつ、それをさらにネジを巻いていくということにおいて800万という数字を掲げているというのが今の素案の段階であるというふうに思っています。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。2点ありますが、1点目が都知事選に関することで、昨日、連合東京が小池さんを支持するというふうに機関決定しています。会見では4年間の小池都政をかなり評価されていたようですが、その今回の判断について会長ご自身はどういうふうに受け止めていらっしゃるのか、小池都政の評価も含めてお考えをお聞かせください。
 それから2点目はちょっと細かいことですが、先日の未来投資会議で、兼業・副業の際の労働時間規制について、上限規制と同時に割増規制も外さないという方針が示されたのですが、これについては連合としてはどういうふうに評価されるのか、以上2点お聞かせください。

A.(会長)

 まず都知事選については、基本的に地方の首長についてはそれぞれの地方連合会の考え方を尊重していますし、今回も連合東京は推薦ということでなくて支持という形ですので、そうすると本部マターではないということを含めていよいよもって連合東京の考え方を尊重するということに、その一言に尽きるということだと思っています。それで、連合東京は地方連合会として、首長と、まずその現職がどういう向き合い方を地方連合会に対してしているのか、様々な政策要請にどういうふうに応えているのか、これがまず1つ大きい要素になってきますので、いま話にもあったようにこの間小池さんかなり連合東京の要請にも向き合って、実際に政策としても実現した部分も少なからずあるというふうに聞いてますので、したがって今回のそういう支持ということに繋がったんだろうというふうに思っています。
 それから、兼業・副業は、私ももう少し深く見ていく必要があると思いますが、これ割増の話ですよね、これはしていくということは通算してやっていくことが当然必要な話だと思いますから、そういうことなんだろうというふうに受け止めています。

質疑応答[3]
Q.(時事通信・オオツカ氏)

 時事通信社のオオツカです。よろしくお願いします。2点ありまして、1点は最初の質問にありました1000万連合です。2030年800万という数字はどういうふうに出てきたのかという、もちろん簡単な目標ではないと思いますが、何故2030年800万なのかその辺について何か根拠とかがあるのか、ないのか、その辺を少し説明していただければと思います。
 2点目は、全世代型社会保障の会議でも、会長も出席されていましたが、まあ首相が今年度については、最低賃金の賃上げについて慎重な姿勢を示されている中で、会長のほうは賃上げの継続を訴えられていたと思いますが、その水準感について、ここ数年3%というのが続いていましたけど、これが継続していくべきなのか、それともやはりコロナという状況において、ある程度の圧縮はやむを得ないのか、また地方と都市の格差是正で、これについて今年についてどういうふうにやっていくと考えるのか、その辺について考え方を教えてください。

A.(事務局長)

 先ほど説明少し端折っておりました。今日の1000万連合の資料についてはピンクの紙が差し込んでありますが、その次に資料2-1で5ページにあります。そこでご覧いただく通り、左の下に2012年以降から19年までの年々の拡大実績が記載されております。いわゆる1つの実績値としては年間で14万8000人の、平均として組織拡大の人数は上がっていますが、連合の700万人にカウントされる登録人員としては年の3万3千人にとどまっているというのが今の現実です。したがって、60歳以降の再雇用の皆さんですとか、小さな規模で労働組合活動が困難になって解消された労組ですとか、やむなく連合から外れていった組合ですとか、様々な背景ありますが、年間拡大している実数としては15万弱のところがあるというのは1つです。それを、いわゆる歩留まりを大きくして進めていけば800万というのは、まあ10年ですから、15万×10年で150万人になりますので850万レベルには近づくということになりますが、なかなか一気にそこまでいかないとしても、可能性としてはある数字だっていうのが根拠になっています。したがって歩留まりを高めて、10年間で800万を超えるようなところまで持っていければ実力値として備わりその延長線上に1000万というのはかなり濃く見えてくるよねと、したがってこの10年が大事だということでセットしたものでありまして一定の根拠をもって説明ができようかと、このように思っています。

A.(会長)

 最低賃金についてですが、先日の全世代型社会保障の会議で、連合としての考え方は申し述べておりますのでそれはすでにご覧いただいている通りです。この間、経済の好循環ということを含めて、デフレ脱却そういう事の1つのパッケージの中でこの最低賃金というのはやはり上げていくべきだということがあったと思いますので、なんでそれを止めるのか、消極的な発言を政府もされるのか、これは経済界にしても、凍結というのは何かありがちに一見見えるけど、それって本当に皆さん方もそういうことでいいと思っているのですかっていうのは、私は素朴な疑問としてあります。本当に凍結なんていうことにして、またデフレに舞い戻るみたいなことにしては、コロナウイルスとの戦いに自ら白旗を揚げるようなもんだというふうに思います。ですから私はそのこの間3%という、その事をこれ政府も発信をし、相当程度意識をしてきたことを曲げる必要というのは、私はないと思います。それよりも何よりも、凍結とかいうようなそういう後ろ向きな発想で物事を考えると、公労使でそれぞれの都道府県で決めていくわけで、そのことに対して非常に、そういった場をないがしろにすることであって、地方のそういう公労使がこの間長年にわたって格差を開くようなことの繰り返しになってきた、それを今押しとどめて本格的に反転させようということに向かっていかなければいけないというふうに思います。ですからそのことに向けて、今回このコロナがもたらしている、あえて言えば問題提起というのは、都市部と地方の格差ということについて本当に、今まで地方創生だなんだって言っていましたが、やることがやれてないということに対してのある種の問題提起でもあるわけで、地方経済がもっと元気を取り戻して、それこそテレワークなんかも含めて、別に都市部に居なければ仕事ができないということじゃないということもかなり現実のものとなっていますから、そんなこんなも含めてむしろその格差をどうやって圧縮していくのか、そのことの論議を呼び起こす意味でも最低賃金のこれからの議論をしっかりやって、ありうるべき結論を見出していく必要があるというふうに思っています。

質疑応答[4]
Q.(毎日新聞・ハマナカ氏)

 毎日新聞のハマナカです。今日の立憲民主党と国民民主党の話に戻りますが、今後両党と連合との共通政策にしていくということでいいのかというのをまず確認させてください。それともう1点、これは先ほど玉木代表は9月をめどにと、それよりもっと早ければ早いほうがいいというような形でまとめる考えを示されましたが、神津会長のお考えを教えていただけますか。

A.(会長)

 最初から共通政策を作っていこうというふうに今何か打ち出しているということではありません。ただ、今日両代表からのご挨拶でも明らかなとおり、ある意味その当然と言えば当然だと思うのですが、考えることは一緒だなという感じは持っています。それは先ほど申し上げましたが、私ら連合としての言い方でいえば「働くことを軸とする安心社会」、これは昨年30周年を機にバージョンアップしましたが、元々は2010年に確立した考え方です。まだ、民主党政権の時代だったわけです。まあ例えば、給付をしながら教育訓練をする仕組みであるとか、まあこれはセーフティネットに関わるところですし、あるいはその有期雇用を、結果その5年でもって無期ということに転換する基本的な考え方であるとか、そういった雇用の世界において民主党政権が持っていた考え方と、連合としての政策はある意味一致をして実現したというところも様々ありますが、しかし大きな世の中の枠組みということでいえば、新自由主義的なその流れを転換するには至らなかった。自己責任論が横行することに歯止めをかけることができなかった。それで、それらのことが今回を大きく災いしていることは間違いないと思いますので、そういったその見方は当然我々も、あるいは立憲民主党も国民民主党も、このタイミングで、自分たちがもう少しやることを実現出来ていればという思いが湧いてくるのはある意味当然だと思います。今後そういう考えていることがかなり同期しているということは、お互いに確認できたと思いますので、そのことはお互いに照らし合わせながら進めていきたいなと思いますし、それは先ほども申し上げたように、なんかコロナが本格的に収束してから押っ取り刀でやろうという性格の話ではありませんから、そういうことを考えると秋というのは1つのターゲットに自然となってくるというところはあるんだろうというふうに思っています。

質疑応答[5]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 労働ジャーナルのシカタと申します。最低賃金についてお聞きします。コロナ禍で非常に厳しい審議になると思いますが、1つ、連合の要求で、去年12月のコロナ前に、連合は最低賃金方針というのを確認して、水準については3つの、800円と1000円以上と1000円を超しているところは、たぶん今年は最低800円を超すと思いますが、その連合が掲げている12月に出した方針というのは今でも、今年の中央最低賃金審議会の審議含めて維持されるのかどうかというのが1点です。
 それから第2点目は、今年の場合は中小企業なんかを見ると消費が落ち込んで非常に厳しいという局面があって、これまでとは違った中小支援というのが非常に大事なっていると思いますが、連合の方針なんか読むと価格の上昇を取り引きに転嫁できるようにというのは強調されているわけです。それだけではなくて中小企業の経営者が一番望んでいるのは社会保険料の軽減なんです。そのあたりで、まあ今年特にコロナのことを含めながら、中小企業の支援策で、新しい課題といいますかそのあたりは踏み込まれるのかどうか、今ある雇用調整なんとかっていう、業務改善というのあるわけですが、例えばこのコロナの場合、予備費の、コロナ予備費の10兆円あるわけですが、そのうちの一部をこの業務改善費のほうにね、回して充実させるとか、そういうような方策もあるのではないかと思います。この業務改善というのは非常に生産性向上で設備を購入しないと支給できないというので、なかなか中小企業の場合は使い勝手が悪いというのがありますが、そのあたり要件緩和含めて、中小企業の支援策について、価格の転嫁だけではなくて、具体的な政策として中央最低賃金審議会の審議なんかで意見を表明されていくのかどうか、この2点についてお聞きします。

A.(会長)

 最低賃金については、方針について変えるという考え方は持っていません。 中小企業についてですが、私は一言で言えばその生産性を上げるということだと思います。それで、それはなんでかというと、今までの日本の中小企業政策というのは必ずしもきちんと生産性を上げるということにつなげていないと思いますから、そこはある意味、いろんな補助金も含めて、手を差し伸べるということをすべて否定するつもりもちろんありませんが、生産性を上げるということがこれまで疎かであったことをどう反転させるのかという本質的なところがないと長続きしないんだろうと思います。長続きしないということは、やはりそこで働いている労働者もなかなか陽の目を見ないと言いますか、賃金は上がらない、あるいはその細々と、ということで、あまり展望持てないというのは働いている側にとっても極めて不幸なことですから、生産性を上げるということの中に実は本当は目に見えない生産性は高いものがあって、ところが価格で変な、なんていうか、商慣行の中で本来取るべき価格が取れていない、それを取るということもこれは実は生産性が、数値として本来の数値を取り戻すということだと思います。したがって、取引関係で、先ほど相原事務局長から今日の議案の説明ありましたが、そのパートナーシップ宣言というのも、そのことを大手企業が自覚をしっかりして財源を回していくということにしていかなければいけない。これは私どもが数年前から言っているそのサプライチェーンにおける付加価値の適正循環、適正分配ということでありますので、これをとにかくしっかりやるとことは、足元コロナがどうこうということに関わらず進めていかなければいけないと思います。それからも社会保険の問題も、これはできるだけ、本来は我々適用拡大ということも言っているわけでありまして、そこは、そういうことが可能となるような力を中小企業も持っていくということと両々相まって進めていく話ではないかなというふうに思っています。

質疑応答[6]
Q.(共同通信・ナカダ氏)

 共同通信のナカダです。立憲と国民とのそのポストコロナ像の検討について伺います。先ほど玉木代表のぶら下がりで、代表が6月26日に、神津会長、相原事務局長、あとは立憲民主党の代表、幹事長も含めて、6者での顔合わせというのを、会合というのをやるようなことをおっしゃっていますが、そこである程度3団体のポストコロナ像のすり合わせというか調整というか、そういったものを行う、今後行っていくイメージだというような説明をされていますが、そういったその6者での協議というのは神津会長の中でどのような位置づけなのかというのが1つと、あと、最初からその共通政策というのを打ち上げているわけではないというご説明でしたが、次期衆議員議院選挙があってその共通点も多い中で、いわゆる共通政策ないし共通公約みたいなものを視野に入れているわけではないのでしょうか、という確認を1つお願いします。

A.(会長)

 26日云々というのは、何かその確定してる話としてあるというわけではないので、先程申し上げたように、お互いの考えていることを照らし合わせるということは必要だと思ってます。そういう中でいつ何をやるかというのは、これからしっかりと決めていくということになると思います。 それから、共通政策という言い方をしているわけではありませんし、まだ、先程申し上げたようにその3者というのはこういう状況を目の当たりにして当然そういうことを考えるよなという、まだその段階だと思っています。したがって、今後照らし合わせていくという、そういう作業は必要なんだろうというふうには思っています。それで、一方で早ければ秋解散総選挙みたいなこともこれは視野に置かざるを得ませんから、そうすると当然本来は、政策協定を結んで臨んでいきたいというふうには思っています。まあそのことに結果結びつくということは当然あり得る話なんだろうというふうに思っています。

質疑応答[7]
Q.(朝日新聞・ヨシダ氏)

 朝日新聞のヨシダと申します。最低賃金について伺わせてください。先日、自民党の最低賃金一元化推進議員連盟の山本幸三議員が、連合の事務局長が来て話をしたというお話をされていました。まずどういった話をされていらっしゃったのかということをお伺いしたいというのと、以前、定例会見、定期大会の時の会見で自民党の一元化連盟との連係について質問があった際に、自民党とのそういった政策については労政局を通していくというのが筋だというようなお話があったので、その中であえて一元化連盟の議員と懇談したというところ、何が変わってそういったことになったのかということを教えてください。

A.(事務局長)

 誤解無きようにちょっと事実経過だけご報告しておきますが、6月5日に、これはオープンになっていますから何ら問題ないと思いますが、6月5日10時半から自民党の行政改革推進本部での意見交換がありました。それは、ウイズコロナ時代の働くについていかなる展望があるかと、こういうことでした。主催者は行政改革推進本部の塩崎本部長のもとで様々なワーキングチームがセットされているようでして、その中の1つに連合事務局長にお声がかかり、私がそこに行き、連合としての抱える課題や将来の働き方について様々意見交換させていただいたと、こういう事実経過です。その中で山本幸三先生のほうから、自民党の中においても最低賃金について全国一律などに関する考え方もこれまで有してきているところであるが、連合としての、本年取りわけ、こういうコロナの状況にもある中で最低賃金に関する考え方があれば披歴して欲しいと、こういうやり取りがあったというのが事実経過です。
 私のほうからは、先ほど神津会長がおっしゃられたような、取りわけ社会保障会議の中で私たちも意見表明してきておりますからそれに沿ってお話を申し上げたと、これが事実経過です。以上です。

質疑応答[8]
Q.(NHK・アンドウ氏)

 NHKのアンドウと申します。連合の政策とは直接関係ないんですが、今日の大きな出来事として河井克行さんと案里さんが、逮捕されるということがありました。会長も常々説明責任を果たせというようなことはおっしゃっていたと思いますが、こうした事態を受けてのコメントをいただければと思っています。

A.(会長)

 おっしゃっていただいたように、これ随分前から、たまたま連合広島で会見をした時も当然ご当地ですから質問がありまして、当然説明責任を果たすべきだと申し上げてきました。もう随分前のことです。ですから依然としてそのことが果たされないまま今日に至ったというのはきわめて遺憾であるというふうに言わざるを得ません。それで、政治とカネの問題というのは、これこそ政治改革で、かなり昔に比べて大幅に改まったというふうに認識しているだけに、まだ今に至ってもこんなことが行われているのかということについては非常にもう残念ですし、何よりこのことで政治の全体を、有権者、若い方々含めて見てしまうということがまた政治離れを一層その深化させてしまう恐れがあるということについても非常に残念だと思います。これは司法の場でぜひこれは実際何があったのかということを明らかにしてもらいたいというふうに思います。

質疑応答[9]
Q.(読売新聞・ウエノ氏)

 読売新聞のウエノです。今日配布いただいた資料の中にテレワークの調査結果がございました。こちらのほうでは、長時間労働になる傾向であったりとか、時間管理が不十分であったりとか、残業代の未払いみたいな状況が浮かび上がったかと思いますが、現状のそのテレワークの働き方について社会制度だったりとかっていうのはどういう現状にあるのかということと、どう変えていくべきかという、会長のお考えを教えてください。

A.(会長)

 この調査結果にもあるように、問題は歴然としていると思います。解決図るには、労使のコミュニケーションをしっかりと取る、それで、そのコミュニケーションを取るための土台としてのルールづくり、これに尽きると思います。これを早急に進めていく必要があると思います。確かにそのテレワークは、私ども自身も含めて、やれば出来るというプラス目の話があることも事実ですが、ともするとそのことが持てはやされて、一方での今日見ていただいたような、こういう実態が埋もれてしまう恐れがありますので、連合としてはこの調査結果を1つ起点にして、先ほど申し上げたようなことをしっかりと実現していきたいと思います。

質疑応答[10]
Q.(時事通信・コンドウ氏)

 時事通信のコンドウです。先ほどの立憲民主党、国民民主党との話し合いの件ですが、会長は今日の両代表がいる場でこのコロナ後の社会像に関して衆議員議院選挙の枠組みにもつなげていきたいということを発言されたと伺ったんですが、それについて本日両党両代表と意思確認は出来たのかということを確認させていただきたいのと、あと今両党の合流協議は棚上げになったままですが、コロナを機に新自由主義からの転換とか、人や命を大切にするという大きな新たな政策をこれから打ち出していくと思いますが、そこはあまり差異はないかなと感じているんですが、大きな塊づくりをこのコロナを機に進めていくというところに対して、会長は今期待感を持たれているのでしょうか。

A.(会長)

 今日のところはですね、衆議員議院選挙に向けての意思確認であるとか、あるいはその合流だとか、そういうことについて何か認識を合わせたという性格のものではありません。もちろん、大きな塊というのはありうべし、それは我々も望むということはこれはもうずいぶん前から言い続けてきていることですので、それは今後どういうことになるのか、それに結びつくかどうかということは、それはある種の期待感をずっと持ち続けていることは事実ですが、今日はまずその足元のこういうコロナがもたらしている状況を受けて、我々はどういうふうに今後を構想していくのかということについて、それは3者はかなりのところ思いは共有しているということが分かったということだと思ってますので、それを、繰り返しになりますが、今後しっかりと照らし合わせていく、そのことの先に、我々としてはそういうありうべき社会を実現していくために力を合わせていくというのは当然のことですから、その先に、よりそのことが明確になるような、そういうことは視野に置いていきたいなというふうに思います。

質疑応答[11]
Q.(読売新聞・アマノ氏)

 読売新聞のアマノです。今の質問に関連しますが、会長、共同会派昨年の秋に出来てから実績を積み上げていくことが必要だというふうにおっしゃっていましたが、通常国会の対応を見て、立憲民主党、国民民主党、社会民主党の、この共同会派の連携ですとか問題点、何かお感じになることがあれば教えてください。

A.(会長)

 私はあまりつぶさに追っていないものですから、基本的は報道を通じて得ている情報のほうが、今時点はむしろ多いので、これから少し振り返りも含めて検証していきたいと思います。共同会派というものが作られてその実を上げてきている、そのことは徐々に進められてきてるのではないのかなと、こういうふうに見ています。

質疑応答[12]
Q.(日経新聞・ウキシマ氏)

 日経新聞のウキシマです。今の質問とも少し関連しますが、この47ページの中に先ほどから言われている解散時期を本年の秋から年末年始としたその理由について教えていただいてもよろしいでしょうか。

A.(会長)

 あまりその具体的な根拠を、ここでこういう記載をしていることにリンクさせてということはありません。それで、世の中でいろんなことを言われてるので、そういうことも頭に置きながら、この種の話ですから、あまり後目に考えて悠長に物事を考えて、思うよりも早く解散が来てしまったということは許されませんので、そういう意味でまあこういう記載をしている、こういう見通しを持っているというふうに見ていただければと思います。

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