記者会見 2024年11月21日

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長(2024年11月21日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加をいただきまして誠にありがとうございます。暖かい日が続いていたと思いましたら、急激に気温が低下してまいりました。記者の皆さまも体調には十分お気をつけいただきたいと思います。
 さて、本日の中央執行委員会では、来週の中央委員会で確認する2025春季生活闘争方針について議論をいたしました。2024闘争に続いて、5%以上の賃上げをめざすとともに、大手組合と中小組合との格差を解消するため、中小組合では格差解消分として6%以上の賃上げをめざす方針となっております。中小・小規模事業所での賃上げに向けて、原資の確保に資するように、労務費を含む価格転嫁がこれまで以上に進むよう政労使の認識の共有も含めて精一杯取り組んでまいりたいと思います。
 また、総選挙の結果を踏まえて国会が開催され、改めて石破内閣が発足をしました。10月1日に発足した第1次内閣から続いて女性閣僚はわずか2名と、政務三役全体でも女性の起用が非常に少ないことは残念でなりません。ご承知のとおり、政治分野における男女共同参画推進法には内閣総理大臣をはじめ、政務三役などにおいても男女が共同して参画する機会が確保されることが重要である旨が定められています。このことを認識して取り組んでいただきたいと思います。日本のジェンダーギャップ指数を押し下げている大きな要因の一つは、政治分野における女性の参画が極端に小さいということです。今般の衆議院選挙で女性議員は過去最高となりましたが、比率としては23%強にとどまっています。政治分野での、より一層の取り組みを強く期待して、冒頭のご挨拶に代えさせていただきたいと思います。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 それでは、今日何点か様々な点で確認、あるいは開催の決定をしたことがございます。まず、来年の4月、毎年行っておりますが、第96回メーデー中央大会については4月26日に代々木公園B地区、例年と同じ場所で開催をするということで、実行委員会を招集するという形で今日確認をしたところでございます。
 続いて、働く者のための「労働基準関係法制」の実現に向けた連合の考え方について、確認をいただいたところでございます。「働き方改革」から5年が経過をして、今後、労働政策審議会において、労働基準法などの見直しの議論が見込まれるといったことを踏まえて、考え方を取りまとめたところでございます。また、厚生労働省の中には、この間、記者会見でもご質問いただいたりしたことがありますが、労働基準関係法制研究会が1月から開催されておりますが、こちらで労働基準法の見直しの議論も引き続き行われているということも踏まえております。労働組合の取り組みによって、総実動時間の縮減や年次有給休暇の取得促進などの取り組みは着実に進んでいますが、依然として長時間労働の問題などは解決を見ていないということも含めて、法制面での労働者保護の観点からのさらなる改正が必要であろうということであります。今後、労政審の審議が行われると思いますし、それに基づく労働基準法の見直し議論について、今日決めました考え方に基づいて取り組んでいきたいと思っております。具体的には皆さんに配信をしている資料の中にもありますが、連合の考え方として現状と課題として捉えたことは、今ほど申し上げたこともありますが、依然として解決しない長時間労働があること、それからテレワーク等の働き方の柔軟化があるわけですが、過重労働につながりかねない状況があるということ、多数生じている労働関係の法令違反、法の順守がなされていないということ、労働基準関係法制の適用を受けることができない「曖昧な雇用」、フリーランス等の雇用の増加、こういったものにきちっと対応していく必要があるということで、基本的な考え方については5点についてまとめたところでございます。労働基準法は労働条件の最低基準を定めた強行法規であり、この労働者保護の基本原則を堅持していくべきということが1点。2点目は法規制の解除、「デロゲーション」というようなことがありますが、その拡大については認められないというのが連合の考え方です。また、3点目としては、集団的労使関係の中核的な担い手は労働組合であるということを踏まえ過半数代表制については適正化すべきということ。4点目については、労基法だけではなく、ジェンダー平等やいわゆる「同一労働同一賃金」の法規定の強化などについてもしっかりと検討を進めるべき。そして最後の5点目については、労働基準監督行政の強化をはかるべき。こういったことを5つのポイントとして、あと細かく様々な項目がありますが、まずはこういったところで、今日考え方をまとめたところでございます。
 続いて、冒頭会長からもありましたが、2025春季生活闘争の方針についてでございます。すでに10月の中央執行委員会でも皆さんにも見ていただいておりましたが、11月1日の中央討論集会での討論も含めて、今日、闘争方針(案)を確認したところでございます。スローガンをまず決めさせていただきまして、メインスローガンについては「みんなでつくろう!賃上げがあたりまえの社会」ということで、賃上げが当たり前の社会ということです。サブスローガンとして「みんなでつくろう!働く仲間の労働組合」ということで、この2本のメイン・サブスローガンでいこうということで今日確認をいたしました。基本スタンスについては、前回お示ししたものと変わってございませんが、連合はすべての働く人の持続的な生活向上をはかり、新たなステージを我が国に定着させるということの、この「定着」ということにこだわっていきたいということでございます。賃金も物価も上がらないという、これまでの社会的な規範、ノルムという考え方については、今まさにそれを変えるときだということでございます。また、先ほど申し上げたことに関わりますが、過半数代表制を適正に選ぶことと、労働組合があるところで賃上げができているという、このことを踏まえてですね、集団的労使関係の輪を広げる取り組みを強めていこうということであります。そういったことで、健全な労使関係の下での労使交渉が重要であるということ、このことについても確認をしまして、職場における労使協定の締結、あるいは過半数労働者制の運用の適正化、こういったことをしっかりと連合としてもやっていこうということであります。賃金の要求については大きく変わったことはございませんが、中小組合の取り組みに関わって、目標値で、先ほど会長からありましたが、5%に格差是正分1%を加えるということで6%・18,000円以上ということでありましたが、パーセントだとそれぞれによってですね、6%がいろいろありますので、しっかりと額を先に出すべきだという中央討論集会でもご意見もありましたので、1%以上に加えて「18,000円以上・6%以上を目安とする」ということで金額を先に出す形でまとめることといたしました。それから闘争行動については、例年行っておりますが闘争開始宣言集会については2月6日に、また、連合全国一斉アクションという形で、集会、中央集会や行動を行ってまいりましたが、今年は2月27日に設定をして、全国一斉に取り組んでいこうということであります。また、引き続きの中小組合の支援ということで共闘推進集会、これも4月に入ってからの4日に展開しようということで、大きな集会を構えながら進めていこうということであります。いずれにしても、11月28日、来週の中央委員会で闘争方針として最終決定をはかりますので、細かいことについてはその中央委員会等も経た12月の中央執行委員会で聞いていただければと思います。それから、来年の2025新年交歓会でございますが、1月6日に夕方にアートホテル日暮里ラングッドで開催をします。この間人数制限だとか様々なことがありましたが、今回の2025新年交歓会から、いわゆるフルバージョン、1000人の皆さんにご案内する形でのフルバージョンということで、昨年は能登半島のことがありましたので新年互礼会という形に切り替えましたが、新年交歓会フルバージョンで行うことを今日確認いたしました。
 私からは以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。3点あって、1つはこれ会長にお願いしたいんですが、いわゆるその103万円の壁について、国民とそれから与党との間で合意がされたようですけれども、103万円って税の問題で、連合のいわゆる女性の働き方との関連で言うと、もうすでに手当てはなされている、制度的な問題は解決しているんだというのが一般的な理解だと思うんですけれども、改めて今回のこの103万円の問題について、連合の考え方と何か矛盾であるとかはないのかどうか確認させてください。以上が1点目です。
 それから、2点目として、労働基準関係法制研究会のたたき台との関係なんですが、細かいところは別にして、過半数代表であるとかあるいは労使委員会について、何らかの形で労働基準法上に明確化するような方向性が打ち出されていますけれども、先ほど事務局長がおっしゃったように、適正な選出という点では一致している面もあるのかなと思う一方で、労働基準法の中の選択肢として明確にそれが書かれてしまうと、ある意味労働組合とのオプションとして並列的な関係、並立的な関係になるんじゃないかという見方もあるかと思うんですが、そのあたりについては連合としてはどういうふうに考えているのかというのが2点目。
 3点目として、今日の協議事項の中の基盤強化で「『地方連合会に対する本部監査実施細則』制定についてとありますね。これは新しいもので、どんな目的、どんな狙いでこういうものを作るんでしょうか。以上、3点お願いします。

A.(会長)

 まず、1点目ですけれども、所得税の課税最低限は95年以降見直しが行われていないという状況です。直近の物価動向などを踏まえれば見直す必要があると考えています。一方で、いわゆる壁の問題は、所得税だけではなく社会保険などもあるため、税と社会保障を一体的に改革していく必要があると連合としては考えています。2025年度税制改正に対する連合の考え方については、第13回中央執行委員会ですでに確認がされているということです。

A.(事務局長)

 集団的労使関係の過半数代表制ですが、連合としてはですね、先ほど申し上げたように、それの基盤になるのはやっぱり労働組合であって、労働組合がない場合に過半数の労働者代表制ということがあるのですけれども、私たちとすれば、労働組合が過半数をもちろん占めているのが一番いいのですが、労働組合がたとえ過半数でなくても労働者代表になることはできるわけで、そういったことを会社、経営者のほうが、阻害をして、いわゆる労働組合じゃない人を選定するような、そういった仕組みを是認するような形での労基法への記載をされるようなことであれば、それについてはやっぱり反対であるということで、あくまでも労働組合が交渉の、職場の代表であるという、そういった考えに基づいて私たちとしては取り組んでいきたいと思っています。
 会計監査のところですね、これは地方連合会の地方交付金の形、中央会費制度が2026年1月1日に始まりますので、当然そういった形で本部から交付をすれば交付をしたお金がどのように使われているか、どのような予算立てでどのような決算なのかということについて、一般的に監査をする必要がありますので、今までそういった規定がありませんでしたから、そういった形について細則を作り、より具体的に地方連合会が動けるようにするために、今逐次そういったものを整備しているということであります。その一環で今日制定について協議をさせていただきました。

質疑応答[2]
Q.(共同通信・ヤマザキ氏)

 共同通信のヤマザキです。芳野会長に伺います。103万円の壁の関連で、国民民主党が与党と協議をして、今回経済対策に盛り込まれるということになるんですが、これ「部分連合」と見る向きもありますけれども、国民のスタンスとか成果についてどのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 国民民主党には国民民主党の考え方があるかと思いますし、この間も国民民主党は政策実現に向けて是是非非というスタンスでやってこられていますので、連合としてはそれを受け止めているということかと思います。連合は連合としての考え方がありますので、引き続き立憲民主党・国民民主党に要請などを行いながら、連合の考え方をお示ししていくということを続けていきたいと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 朝日新聞のカタダです。芳野会長にお伺いします。労働基準関係法制の有識者会議の考え方についてなんですけども、1点目が割増賃金規制に関わる、兼業・副業の通算についてですね、たたき台では労働時間を通算しない制度が出ておりますけども、通算がなくなることで長時間労働につながる懸念もあると思うんですけれども、この通算、現行解釈を堅持すべきというような意見について詳しくお伺いしたいのが1点目。
 あと、もう1点目がですね、考え方の「その他」のところでスポットワークの規制をはかるべきというような文言が入っていると思うんですけれども、この文言を入れた背景とどういった規制を考えているのかというのをお伺いしたいです。

A.(会長)

 まず、兼業・副業の部分ですけれども、連合の方針としては、労働時間を通算し、割増賃金を支払うべきという考え方を持っています。また、2つ目のスポットワークのところについては、直前のキャンセルですとか、安全衛生の問題があり、規制は強化すべきという考え方を持っています。詳細については、担当役員のほうから。

A.(冨髙総合政策推進局長)

 総合政策推進局の冨髙でございます。基本的には、今、芳野会長が申し上げたとおりでございますけれども、兼業・副業については記載のとおりでございます。現行の制度を堅持すべきだと考えているところでございますし、スポットワークにつきましては、昨今ですね、報道でもありますように様々な課題がありまして、今、会長のほうからも申し上げたような相談が我々のほうにも寄せられているということでございますので、今後、我々としてネット調査等も考えておりますので、そういったものも踏まえながらどういった規制が必要なのかということについて考えていきたいと考えております。以上です。

質疑応答[4]
Q.(NHK・イガラシ氏)

 NHKのイガラシです。芳野会長にお伺いします。先ほどの年収103万円の壁の質問と若干重なるところがあるんですが、立憲民主党の大西税調会長が、昨日の党会合で、今般の、自公が国民民主党と協議を進めていることについてですね、一部の野党とこそこそ話をするのではなくて野党第1党に正面から協力を求めるのが筋ではないかということを述べました。改めてですが、この発言の受け止めですとか、この3党の協議の受け止めをお伺いします。

A.(会長)

 受け止めというよりは、それは直接、立憲から国民民主党におっしゃった方がいいのではないでしょうか。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 朝日新聞のフジサキです。会長にできればお伺いしたいんですが、先ほどの厚労省の労働基準法関係法制研究会なんですけれども、過半数代表制の適正運用は重要という前提でですね、拡充策によっては労組との競合もしかねないというところで、制度設計というのが重視されていると思うんですけれども、JR連合などいくつかの産別からそういう懸念の声が上がっていると思うんですが、今後、連合としての考え方、どう臨むかという点があれば教えてください。

A.(事務局長)

 先ほどの続きというか、関連しているので私のほうからで。
 具体的に、労働者代表が、職場代表になっているというのはいくつもあるわけですけれども、今、その中でも様々な選び方に問題があるということで、過半数代表者については労基則にも定められている項目がありますけれども、それを逸脱して、法に規定する協定を締結する者を選出することを明らかにしない上で、挙手による選定をしなかったりとか、いわゆる指名みたいな形で、労働組合ではなくて、先ほどJR連合のお話もありましたが、いわゆる職場会や職場の交流会、それの代表がそのまま職場代表になるというようなことが今後まかり通っていくことについて、私たちとしては非常に懸念をしていると。今でも定められている決め方があるわけですから、管理職の立場にあるような人はなってはいけないであるとかですね、先ほど言った目的を明確にした上で投票することであるとか、それによって選ばれることであるとかですね。労働者代表は、フレックスタイム制の導入であるとか、36協定だとか、いろんな結ばなくてはいけないものがありますから、それにはきちっと適正な形で労働者代表が選ばれるということが必要だということで、いくつも、産別も含めて懸念の声は上がっているので、しっかりと取り組んでいきたい。労基法の安易な改正については、私たちとすれば疑義を申し上げてはいかなくてはならないなと思っています。

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 関連で2点お伺いさせてください。議論のたたき台がこの間示されたと思うんですけれども、その中で実質的で効果的な労使コミュニケーションを実現する中核というふうに労働組合が位置付けられたと思うんですが、一方で議論の過程の中で出ている活性化策とかへの言及というのはあまり十分なかったんじゃないかと思いますが、労働組合としては、連合としてはどういうことを求められたいということがあるかどうか、それともう1つが便宜供与というところも1つ論点になるんじゃないかと思うんですけれども、連合の中では、連合総研と「労働組合の未来」というところで、そういう提起が出ていたかと思うんですけども、今後、そういったことについて連合の中での議論というのは考えられていくのかどうかお伺いします。

A.(事務局長)

 研究会とか含めて、いろんな議論はされているところありますけれども、まとまって、今、研究会から出ていることについて最終的な報告が上がった段階で、それについてはうちとしてもまとめて答えていくことが必要かと思いますけど、今は懸念があることについて、先ほど申し上げたような形で、労働者代表制については対応していきたいと考えています。

A.(会長)

 担当役員のほうから。

A.(事務局長)

 補足をしてもらいますので、よろしくお願いします。

A.(冨髙総合政策推進局長)

 担当役員でございます。基本、今申し上げていただいた通りでございますけれども、基本的にですね、我々今回考え方の中で入れておりますのは労使コミュニケーションということで、中身的には労働組合が重要なんだということは書いていただいているんですけれども、じゃあ具体的にどういうことが必要なのかというのは書いてありませんので、そういった意味では労働組合の役割啓発を含むようなワークルール教育の充実を行っていただいたり、また、労働組合が経営資源としても機能しているというような啓発もしっかりしていただいて、組合があることが望ましいのだというところをもう少ししっかり支援していただくというのは必要ではないかなというふうに思っております。便宜供与のところにつきましては、確かに様々な意見がございまして、私ども2021年の時に労働者代表に関する考え方を作りましたけれども、その際も様々、やるべきでないかということであったり、これをやると組合つぶしにもつながるのではないかという声もございました。そのあたりにつきましては、今後、たたき台が成文化してくる中で、我々の中でももう少し絞り込んで議論していく必要もあるかなというふうにも思っておりますので、今のところはそのように考えております。以上です。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・ササイ氏)

 朝日新聞のササイと言います。衆院選の後から担当になりました。よろしくお願いいたします。先ほどから続いて質問に関連してなんですけれども、国民民主党から見たときに、立憲との連携に関しては、基本政策の一致が必要だという話を常々されていて、野田代表に代わってから、そういった協議は表の場では行われているように見えません。一方で、自公との関係においては、常設の協議体というものは拒否しているんですけれども、昨日の協議が終わった後にですね、政策ごとの、政策本位の議論をする枠組みができたと、幹事長・国対委員長を飛ばして政調会長同士で話し合う、そういう場ができたというようなこともおっしゃっていてですね、状況的には連合が考えられているようなベクトルとはちょっと違うベクトルなのかなというふうに受け止めるんですけれども、その辺のご認識と、そしてこういう事態が続くことの、参院選、他の選挙への影響みたいなものをどういうふうに考えていらっしゃるか、伺えますでしょうか。

A.(会長)

 立憲民主党の代表選挙前の段階で、連合組織内議員を通じながら基本政策の合意に向けて議論をスタートしようというところまでは来ていて、そして立憲民主党の代表選挙があり、それが今中断しているという状況です。衆議院選挙終わった後に両代表とお会いしましたけれども、協議については継続をしていくということをおっしゃられていますので、これから始まっていくかと思います。そして、来週からまた国民と立憲とトップ懇談会が始まりますので、その中でも確認をしていきたいと思います。

Q.(朝日新聞・ササイ氏)

 今みたいな事態が続くことの、参院選など選挙への影響みたいなのはどういうふうにご覧になってますでしょうか。

A.(会長)

 連合としては、今回の衆議院選挙は割といい流れで来ていますので、この流れを参議院につなげていきたい。次の参議院選挙の時に連合としてはいい形で戦うということを考えれば、やはり立憲と国民との間で政策協定が結べればというところですので、そこに努力をしていきたいと思っています。

質疑応答[7]
Q.(シカタ氏)

 シカタといいますが、春闘と組織拡大の件でお聞きしたいんですが、春闘方針でも3番目の柱に労働組合で集う仲間を増やして集団的労使関係を増やすという形で、討論集会でもですね、複数の産別がですね、厚労省の調査によれば約3000円ぐらい組合があったほうが高いから春闘で組織拡大しようという意見が出たわけですが、あの時に答弁では今年の春闘でちょっと具体化したいという答弁もあったんですが、その中身がどういう中身かということも含めて、組織拡大の表にあるように66組合が新しく組織拡大して人数が2万ぐらいなんですが、この春闘の時に組合作りたいという相談が増えているということは言われているのですが、具体的にどれぐらい相談があって、組織されたのがどれくらいかというのがわかれば、それで一応ここでは新しく組合を作ったのは66という数字があるわけですが、この中で春闘絡みのものがいくつあるかという、そういうことがもしわかれば、で、今後どういう、今年の春闘でどういう具体的に組織拡大に手をつけるのかというあたりで、聞きたいと思います。よろしく。

A.(会長)

 詳細については担当役員から。河野さん。

A.(河野総合組織局長)

 総合組織局の河野です。春闘方針の中にあります102ページの「春季生活闘争を通じた、集団的労使関係の強化・構築と組織拡大の取り組み」に記載をいたしました。おっしゃる通り、討論集会またはこの間の各委員会等でも、この春闘時期における組織拡大の必要性ということが意見を出されたということを踏まえまして、今回新たに4番の項目を起こしたと。具体的には中身を見ていただいたら結構なんですけれども、春季生活闘争の中で労使交渉が頻繁に行われていくということを踏まえますと、団体交渉の中において例えば企業内の労働協約の見直し・点検、そのようなことが企業内の組織拡大につながっていく可能性が非常に高いということでありますから、具体的にはそのようなことを構成組織・加盟組合一丸となって取り組んでいくということをしっかり書いたということであります。それと、数字はあれなんですけれども、昨年の2024のときと2023の「労働組合を作りたい」という相談件数につきましては、確実に増えているということは申し上げることができると思います。各地方連合会に具体的な数字を調査しているものではありませんので、連合本部がおさえているものでいきますと増加しているのは間違いございません。以上です。

質疑応答[8]
Q.(日経新聞・マツイ氏)

 日経新聞のマツイです。芳野会長にお願いします。1つは特定最賃についてです。近年、地域別最賃が急上昇する一方で最低賃金制度のもう1つの柱である特定最賃の適用というのは限られた地域・業種にとどまっています。経営側には不要論もあります。特定最賃の形骸化の背景というのをどのように分析されますか。25春闘の基本構想では企業内最賃協定の重要性というのも指摘をされていますけれど、日本の賃上げにとって特定最賃が果たす役割をどのように評価されますか。

A.(会長)

 連合としては最賃の方針がありますので、その方針を実現に向けて運動強化していくということで、今の段階ではまずは「誰でも1000円」という目標がありますので、それをしっかりと取り組んでいくということになるかと思います。あと仁平さんいますか。

A.(仁平総合政策推進局長)

 地域別最賃と別に特定最賃のご質問だったと理解をいたします。今、200以上特定最賃がございます。ここに書いてある通りなんですけれども、やはり役割が違うものですから、誰でも働いている人全員を対象にする地域別の最賃と、基幹的労働者を対象にして、そこにふさわしい賃金水準を産業を限定して横断的に、企業を横断して組合のないところにも適用していくという役割って、やっぱり引き続き大事なんだろうと思っています。ただ、地域別最賃の上がり方が近年やはりスピードアップしておりますので、特定最賃との差が少なくなっている、あるいはそれに追い越されているというようなところがあるというのが事実なんだろうと思っています。そこについては、先ほど申し上げたように使用者団体のご理解も踏まえながら、やっぱり本来あるべき役割というのがあるんじゃないかということで、しっかりここについては審議会で話をしていきたいと思っております。

Q.(日経新聞・マツイ氏)

 もう1つ芳野さんにお願いします。賃金の世代間格差についてです。25春闘の基本構想では、最近、初任給が急激に引き上げられているのに対して中高年の賃上げというのは抑制されていると、世代間での原資の配分について改めて協議すべきとの一文が盛り込まれました。従来の日本の賃金というのは若手の水準が非常に低く抑えられ、定年まで勤めることで元が取れると、そういう仕組みになってます。ただ、最近は転職も増えていますし、こういった仕組みが不合理なものになっていて、最近の若年層の賃上げというのはそういった不均衡の修正という側面もあるんじゃないかと思います。会長は、若手の賃金が低く抑えられて中高年になってから賃金が上昇していくという仕組み自体望ましいというふうにお考えになりますか。現行の定昇制度の継続がすべての働き手のためになるというふうにお考えになりますか。

A.(会長)

 賃金制度そのものはそれぞれの個別企業の労使に委ねられているかと思いますので、そこの労使でしっかりと議論をしていくということがとても重要ではないかなと思います。その上で、ここ数年、初任給が非常に上がってきているということがありますが、初任給が上がれば当然その近辺の人たちの是正も入っているかと思いますので、おそらく労働組合としては、初任給が上がれば自社の賃金カーブがどうなっているのかということも検証して賃上げ交渉に臨んでいるかと思いますので、そこは補正をかけているのではないかなと思います。そして、中高年層の話がありましたけれども、おそらく大手を中心に成果能力主義型の賃金体系が入ってきているかと思いますので、賃金体系だけではなく評価基準も含めて、それぞれの労使の中でしっかりと確認・交渉していくことがとても重要ではないかなと思います。

質疑応答[9]
Q.(モリ氏)

 フリーの記者のモリです。春闘方針についてお尋ねしますけれども、来年は賃上げの定着を重視して、それをはかるというお話ですけれども、この「定着」の考え方なんですけれども、今年もすでに5%を超えてますね、全体で、しかし来年の賃上げの要求基準も5%以上で今年と変わらない、ということは、今後5%程度の賃上げで安定的に持続すればよろしいと、特に6%7%は狙う必要はないよということをこの「定着」と考えておられるんでしょうか。

A.(会長)

 2024春季生活闘争の時に、賃金も物価も安定的に上昇していく、そして、経済を回していくということを方針に掲げています。その意味で、その5%以上の賃上げというものは今年目標を達成できた。ただし、大手と中小の差が開いてしまったというところは2024闘争での反省点です。2025の方針では巡航軌道に乗せていくということですので、5%以上の賃上げをこれから続けていくということが1つあります。ただ、目標は毎年毎年議論をしていきますので、安定的に上げていくという意味では5%以上の賃上げというのはこれからも必要です。ただし、毎年必ずその方針については議論をしていくということになるかと思います。特に2025は先ほど申し上げたように、2024の時に大手と中小の格差が広がってしまいましたので、2025については1万8000円以上そして6%以上という目標を掲げ、格差是正に力を入れていきたいという考え方です。

Q.(モリ氏)

 今年、金属労協の主要組合はもう満額回答のオンパレードで、中には話題になりましたけど要求を超える額を回答する企業もありました、ということは、もう今後大手はちょっと一休みして、中小の底上げをすればいいというお考えでしょうか。

A.(会長)

 5%以上ですので、それぞれの組合の中でしっかりと要求を組み立ててほしいと思います。やはり上に引き上げていってもらうことってとても大事ですので、日本の企業って割と産業もこう横並びで見ていく視点もありますので、いいところはどんどん上げてほしいと思いますし、そこに中小も追いついていくということもとても重要ではないかなと思います。

質疑応答[10]
Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 朝日新聞のキタガワです。芳野会長に3点お伺いできればと思うんですけれども、1点目なんですが、103万円の壁のお話なんですけれども、国民の主張されているような引き上げになりますと税収として、うん兆円単位の減収になるというような状況で、また高所得者層ほどメリットがあるということも指摘されているわけですけれども、連合としてはまあそういった大幅な減収につながる…まあ先ほど課税最低限については見直しは必要だというお話でしたけれども、こういった水準での引き上げが必要だというふうにお考えなのかどうか、適正な水準みたいなのがあれば教えていただきたいというのが1点目です。
 あと2点目なんですけれども、労働基準関係法制の関係で、ちょっと確認なんですけれども、先ほども質問出ていましたが、兼業・副業時の通算のお話で、現行解釈を堅持すべきということですが、これは割増賃金制度というのが、長時間労働の抑止みたいなことを趣旨として設けられている制度だと思いますけれども、そういった趣旨から通算の見直しには反対されていらっしゃるということなのか、あと今後労政審なども始まりますが、反対という立場を今後も通していかれるようなお考えなのかという点が2点目です。
 あと3点目なんですが、髙木元会長のお別れの会について、こちらは発起人団体として連合ほかグループ労連など5団体の名前が挙がっていますけれども、こちらこの5団体の「共催」という形でよろしいのかどうか、確認させていただければと思います。

A.(会長)

 一番最後の質問は、共催になるかと思います。
 そして、まず1点目ですけれども、基礎控除は憲法25条に基づく生存権の担保、そして給与所得控除は雇用労働者の必要経費との位置づけを踏まえれば、少なくとも生計費や必要経費の物価上昇分を引き上げていく必要があると考えています。そして、基礎控除額などを引き上げると、税率が高い高額所得者ほど税負担の軽減額が高くなるので、課税最低限の引上げとあわせて、基礎控除の税額控除化も検討する必要があるのではないかと考えています。それから2つ目の点については、役員のほうに。

A.(冨髙総合政策推進局長)

 副業・兼業につきましては先ほど申し上げた通りでございまして、62ページにもあるんですけれども、適切な労働時間管理を基盤にしつつ健康管理することが極めて重要であるという考えから、異なる事業場であっても通算をするということを、現行解釈を堅持すべきということを明確にうたっておりますので、そういった主張を展開してまいりたいと思います。以上です。

質疑応答[11]
Q.(東京新聞・アツミ氏)

 東京新聞のアツミと申します。芳野会長に、また103万円の壁の話なんですけども、前回の会見で財源の問題を注視していくという趣旨のことをおっしゃってたんですが、なかなか深まっていないようにも見受けられます。今までの財源の議論というのをどう見ていらっしゃるかという点を伺いたいのと、それに関連して、この問題を提起した国民民主党自身が「財源は政府が考えること」という趣旨のスタンスを取っているということに関して、どのような評価をしているかという点も伺えればと思います。

A.(会長)

 財源については、やはりそれは政府、与党がしっかり考えていくことだと思いますので、国民民主党もそういう考え方なのではないかなと思っています。連合としては、その議論を見守っていきたいと思います。

質疑応答[12]
Q.(北海道新聞・イトウ氏)

 北海道新聞のイトウと申します。年金についてなんですけれども、先日の社会保障審議会の年金部会で、厚生労働省が働く人の新たな保険料負担を軽減するため、労使折半が原則なんですけれども、負担割合を変更できる特例の検討を提案しましたが、連合としてはこのような提案についてどのように考えているのか教えてください。

A.(会長)

 担当役員のほうから。

A.(佐保総合政策推進局長)

 総合政策推進の佐保でございます。確かに11月15日の年金部会でそういう提案がなされました。これにつきましては、基本的には労使自治の話でありますので、労使双方で話し合って決めていただきたいということであります。中小企業を中心になかなか労使折半を動かせないといったこともあろうかと思いますが、そういうことにつきましてはいわゆる保険料の労使折半の負担の軽減のため、支援策として、政府に支援策を求めていくことと、労務費の価格転嫁を求めていくといったことを考えております。以上です。

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