記者会見 2016年7月臨時

 

連合記者会見

7月臨時記者会見

神津会長・井村総合政治局長(2016年7月11日)

連合記者会見全文
神津会長

 それぞれに大変ご苦労様です。今日は定例の記者会見とは別で、参議院選挙開票翌日ということでこの場を設けさせていただきました。取材をされていた方々はあまり寝ておられないのではないかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
 今日付けで談話を出させていただいていますので、私の冒頭のひと言もこれをなぞりながら申し上げたいと思います。1点目は事実認識でありますので、淡々とこういった結果だったという事です。2点目ですが、民進党と私どもは政策協定も結んで全面的な支援をしてきたわけですが、民進党の結果についての受け止めです。いかんせん結党間もないという事があって、一強政治からの脱却の受け皿の中心に民進党があるとずっと申し述べてきたわけですが、頑張ったとは思いますし最悪の状況からは脱しているという結果は出していると思いますが、言い続けてきたところの「受け皿」という事では国民の思いを全面的に受け止めるには至らなかったのは事実だと思います。また、一人区の野党候補の一本化についても、最後のところで接戦を制するという一本化をした甲斐があった選挙区もありました。ただ、全体で見たときには保守基盤を崩すには至ってないという事でありますので、これらについて検証が必要だと思います。3点目は連合が直接的に関わるところの比例代表選挙であります。ここに記載がありますように、今回の候補者名の得票数は約211万票という事で、これまでの最多の182万票からも28万票の増という事となり、相場として大体150~160万票というのがありましたので、そういった事との比較において手応えは感じる事ができたと思います。ただ本来持っている実力に鑑みれば、まだまだ頑張らないといけないですし、私の立場からすると普通のサラリーマン・サラリーウーマンの代表として、自分たちの仲間として手を挙げてくれた組織内候補、比例のみならず選挙区におきましても、それが当選という結果に結びつかなかったという方もありました。そこのところは極めて残念だというのが特に私としては思いがあります。4点目は投票率で、ここはいろいろな意味で分析が必要だと思います。肯定的な側面、否定的な側面、両面あろうかと思っております。5点目ですが、連合としてのこれからの所存という事でありまして、社会に渦巻く不安や不満さらには国民の多様なニーズを丁寧に拾い上げていきたい。連合として、ここ数年来、社会に開かれた存在としてしっかりと結びつきを強めていきたいという事で、そこは着実に取り組みを進めていると思っています。この間、一昨年の解散を含めて、国政選挙ばかりというのは私もいささかいかがかと思っております。連合という存在は、政治、選挙に正面から向き合う存在だと思っていまして、それはもちろん堅持しつつ、政治の世界にも与党野党の間で対話をもっと重視する本来の姿を求めていきたいと思いますし、私たち自身も社会との結びつき・接点をより強める労働運動としての取り組みをさらに強化していきたい。その事が巡りめぐって世の中全体の政治意識の醸成に繋がっていくという認識を持っていますので、そういった活動や取り組みを一層強化していきたいと思っています。私のほうからは冒頭以上です。

質疑応答[1]
Q.(共同通信・タカシロ氏)

 今のご発言にもありましたが、共産党を含む野党共闘の効果について、今回全体としてきちんと効果が挙げられていたのかという事と、次の衆議院選挙に向けてこの連携は強化すべきかどうかの認識について伺えますでしょうか。

A.(会長)

 何度も繰り返しになりますが、私は決して「共闘」という事ではないと思っているのですが、やはり選挙をやっていくに当たって、一強多弱という事なり、安全保障の問題を中心に共通した思いを持つ事ができる人たちが一人の候補を応援したという姿だったと思います。一概には言えないと思いますが、その事が功を奏した選挙区は間違いなくあったと思います。一人区で、少なくとも3年前とは大幅に違った姿を実現できたというのは、一定の効果があったという事だと思います。ただ、選挙区ごとにどういった事だったのかはきちっとした検証が必要だと思いますし、参議院選挙だからこそ32の一人区でそういった絵柄ができたという事だと思いますので全体としてそれをどう考えるかという事も民進党としてしっかりとした総括が必要になってくると思います。

質疑応答[2]
Q.(読売新聞・サトウ氏)

 今回の参院選の結果で、いわゆる改憲勢力が3分の2を超える事になりました。民進党としては3分の2を阻止する事を掲げてやってきたと思いますが、党執行部の責任についてはどのようにお考えでしょうか。

A.(会長)

 党の執行部として今回の結果をどう受け止めてどう総括するのかというのは基本的に党の話なので、責任云々というのは私どもが軽々に言う状況ではないと思います。3分の2という事も、無所属の人でも改憲に前向きであるとか、あるいは公明党にしても一緒くたで改憲勢力という捉え方での話なので、実際のところ改憲に向けた発議を進めるのか進めないのかもまだ分かりませんから、そのへんの状況はよく見定めないといけませんので、必ずしも今の時点で民進党の執行部がどうこうという事には当たらないと思っています。一般論として、憲法の議論は本当にじっくりと与野党で落ち着いて議論すべきであって、ただ一方で自民党の憲法改正草案みたいなとんでもない内容が手元にあること自体が改憲議論を本来の姿から遠ざけているのではないかと思いますから、そんなものはいったんゼロクリアして、しっかりと落ち着いた環境で国民のために議論をしていただきたいと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 今後、首相が憲法審査会などで議論をしていく事になろうかと思いますが、連合としては憲法改正についてどういうお考えを持っていらっしゃるのか、今後国会での議論にあわせて連合としてどのように議論を進めていくお考えなのか。その点についてお伺いしたい。

A.(会長)

 連合として直近で本格的な議論をやっているわけではありませんので、あくまで私見という事でお聞きいただければと思いますが、私は決して「不磨の大典」という事ではないと思いますから、いろいろ細かい条文も含めて検討の余地があるという事も聞きますので、そこは全体の中で今まで憲法が日本の社会に果たしてきた役割…なんといっても三原則です、平和憲法、国民主権、基本的人権の尊重、この憲法があったからこそ今の日本が築かれたと思いますからそこの骨のところはむしろよりしっかりとしたものにしながら、しかしもし足らざる部分あるいは改変したほうがいいところがあるという事であれば、部分的なつまみ食いではなくて国民的議論が為される事が望ましいのではないかと思います。

Q.(朝日新聞・キタガワ氏)

 連合として今後考え方をまとめられたり、検討会を立ち上げられたり、そういうお考えはあるんでしょうか?

A.(会長)

 今の時点で私はそうすべきだというふうには思っていません。ただ、これからどういう議論になるのか早めに見定めながら、どうしていくかを三役会、中央執行委員会で議論・相談していくということになろうかと思います。

質疑応答[4]
Q.(時事通信・コマツ氏)

 東京都知事選挙についてお伺いします。今週告示されますが、現状、増田さんと小池さんが出馬表明されていて、宇都宮さんも出馬表明されました。民進党は東京都連が元経済産業省の古賀茂明さんに出馬要請するという事になっていまして、一方、野党4党の候補として石田純一さんの名前も挙がっています。連合としての東京都知事選挙に臨む基本的なスタンスを教えていただきたいのと、野党側が候補者乱立という状況に近づいているがそれについてのご感想もお願いします。

A.(会長)

 基本的には地方の首長の話はそれぞれの当該の地方連合会が主体的に検討し、その話を、必要な部分については連合本部に持ってこられるという事ですので、基本的にはそこに委ねる内容です。加えて、今おっしゃられたような状況自体も私は仔細に把握しているわけでもないので、そこはコメントしづらいという事です。ただ、いずれにしても言える事は、私どもは政策本位ですので政策面でどういう評価ができるのかという事で連合東京としてスタンスを決めていくと理解をしています。

質疑応答[5]
Q.(日本経済新聞・オガワ氏)

 先ほど安倍総理の会見がありまして、働き方改革について言及がありました。「長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現、非正規という言葉を国内から一掃する」という発言があったのですが、これまでの政府の取り組みを含めて、働き方改革をどのように評価しているか、これからの行方をどのように見ていらっしゃるかご意見をお伺いしたい。

A.(会長)

 これまでもこの場でも何回かやりとりさせていただいていますが、ひと言で言えば、昨年の通常国会で派遣法を強行採決したような事が典型ですが、かつての政権で対応してきた事からすると、少なからずアドバルーンではないのかという思いを持ち続けてきていますので、アドバルーンが上がっていて売り場に行ったらまだ品揃えが出来ていません、ということではなくて、きちんとした品物を揃えていただきたいという事に尽きると思っています。とりわけ労働時間の問題、片や労働基準法の労働時間の問題は国会でまだ審議に入っていない。その事と労働時間についての規制を強めたいという事と、話がどこでどう繋がるのか、ずいぶん矛盾しているのではないかとも思いますので、そこは過ちを改めるにしくはなしですから、出し直しをされたほうが本来良いのではないかと思いますし、同一労働同一賃金も使用者側の立証責任まで踏み込めるのかどうかで、売り場に行った品物が本物かどうか決まると思いますから、アドバルーンを上げた以上しっかりやっていただきたいというのが私どものスタンスです。

質疑応答[6]
Q.(シカタ氏)

 厳しい質問になるかもしれませんが、連合が力を入れた組織内候補ですが、これまでは11人立って10人とか、前回は9人立って6人とか、今度は12人立って8人。このあたりをどう見られているのか見解をお聞きしたい。

A.(会長)

 先ほど申し上げたように私の立場からすると、それぞれ本当に勇気を持って手を挙げてくれている人たちでしたから12名全員当選してもらいたかったというのが本当に偽らざる気持ちですから、極めて残念としか言いようが無いです。私の立場からすると、やはり基盤のところ、枠を広げるというのが最大の課題であり、したがって党名の浸透をしっかりやってくださいとか、あるいは統一名簿についても何とか可能性を見出したいという事で、言うべき事は言ってきたつもりですがなかなかその事が民進党に対する支持率のアップにはストレートに結びつかなかったという事です。したがって民進党として全体の枠が11でしかなかったので、そういう本当に辛い厳しい戦いを展開した中での結果と言わざるをえないと思います。そういう中では、それぞれが本当に最大限がんばった結果だと思っています。

Q.(シカタ氏)

 労働運動の視点から見ると集票力の低下があって、候補をあげてもなかなか票に結びつかないという結果は今度の選挙だけではなくて、かねてから組合の集票力の低下というのは指摘されているわけですが、今後どうやって運動を強めていくのか。

A.(会長)

 これもいろいろな場で言っているのですが、連合の組合員というのは普通の国民市民の目線の人たちですから、世の中全体が政治離れだとか、あるいは若い方々は一層そういうところが顕著だとか、あるいは、今回少し上がりましたが、投票率が長期低落傾向だとか、そういう中にあってそれぞれの組織の役員は大変な苦労をしています。昔に比べてその苦労というのは一層増している。そういう中で、この談話にもありますように、私は今回は集票力という事で言えば、211万票という事で相当アップされたと思っています。連合は686万人いるではないかと言われればそれまでですが、過去との比較において言えば、執行部はもちろんですが機関役員、職場の方々と直接接する人たちの頑張りがあって世の中全体を跳ね返してこういう結果を出してくれたと私は思っています。もちろんまだまだ不十分ですからもっと頑張ってきたいという事です。

質疑応答[7]
Q.(読売新聞・サトウ氏)

 先ほど会長からも言及ございましたが、民進党と新しく党名が変わったわけですが今回の参院選に党名変更した影響はどの程度あったとお考えでしょうか。

A.(会長)

 ここは厳密に言えばもう少し分析も要ると思います。例えば今回無効票がどれだけ出ているか手元にありませんし、もう少し仔細に見ていく必要があると思います。ただ談話にも出しているように、やはりまだ発足間もないという事もあって、政策や党名の浸透はもっとはっちゃきになってやっておくべきだったのではないかと、これは率直に思います。

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