記者会見 2024年6月20日

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2024年6月20日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
 はじめに、先月末に開催をしました第92回中央委員会へのご取材、誠にありがとうございました。中央委員会では、2024春季生活闘争の中間まとめを確認いたしました。1991年以来となる定昇込み5%台の賃上げが実現し、経済社会のステージ転換に向けた大きな一歩として受け止めております。その上で、6月3日に第6回集計結果を公表いたしました。およそ9割の組合で妥結し、賃上げ率が5.08%と5%台を維持しております。来月には最終の集計結果を公表しますが、5%台が維持されることを期待しております。メディアの皆様には引き続きご関心をお寄せいただけるとありがたく思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、能登半島地震について触れておきたいと思います。被災地の子ども支援の一環として、約40カ所の学童クラブへ、計1,400個の防災ヘルメットを寄贈いたしました。併せて、フード連合のご協力のもと、お菓子の詰め合わせもお届けをいたしました。現地では余震が続いていますので、お送りしたヘルメットが子どもたちの命を守る一助になってくれればと思っております。また、同時に女性支援として、防犯ブザー2,000個も現地にお届けをいたしました。発災から半年以上が過ぎ、私も何度も現地に訪れましたが、倒壊した家屋がいまだ手つかずの状態の地域もあります。一刻も早く復旧・復興が進むことを願っておりますし、連合としても引き続き現地に寄り添って活動を進めてまいりたいと思います。
 次に、先週、世界経済フォーラムから2024年のジェンダーギャップ指数が公表されたことについて触れたいと思います。2024年の日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中118位となりました。昨年から7つ順位を上げましたが、到底評価できるものではありません。G7の中でも最下位はもちろんですが、1つ上のイタリアとは30番もの開きがあり、圧倒的な差があります。依然として、政治分野・経済分野で非常に低い位置にあり、今年はさらに教育分野でも順位を落としています。日本としても何の対応もしていないというわけではありませんが、他国もギャップ解消に向けて取り組んでいますので、それ以上に努力が必要であるというふうに判断をいたします。私たちも含めてさらに努力してまいりたいと思います。
 最後に、通常国会が明日事実上の閉会となります。今次通常国会も組合員の生活や働き方に影響のある大きな政策が議論されましたが、子ども・子育て支援金制度のように負担増を伴う政策について、必ずしも組合員や国民の理解を十分に得られたとは言えないものもありました。直面する様々な課題についての認識や対応が必要なことについては、ある程度の共通の理解は得られていると思いますが、その対応方法について、共感をもって理解を得ながら政治が進められたかというと必ずしもそうではなかったのではないかと思います。とりわけ今国会では政治とカネの問題が大きかったと思います。円安や物価高により多くの国民は厳しい生活を強いられているにもかかわらず、政治家が不透明…不明瞭な巨額の資金を裏金として扱っていたことに憤りや不条理を強く感じましたし、その後の対応についても曖昧なまま国会が閉じるということに、政治への不信感が増して、政治を身近なこととして向き合う気持ちがそがれてしまったのではないでしょうか。連合は「働くことを軸とする安心社会」を掲げて活動しており、生活者の視点に立った政策論議が展開される緊張感ある政治を求めています。その実現に向けて、地道に取り組んでまいりたいと思います。
 以上、簡単ではありますが冒頭の挨拶に代えさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 本日の中央執行委員会でございますが、まずご協議いただいた部分は、公的年金制度の見直しに対する連合の対応について、ご確認をいただきました。社会保障審議会の年金部会で、2024年ですから、今年末の取りまとめに向けて、いわゆる公的年金制度の見直しの議論が現在進んでいるということでございます。2024年の夏頃には財政検証も公表予定で、そういうのと並行しながらやっているということであります。一定程度夏に向けて議論が進むという中で、連合の基本的な対応について今日ご協議いただいたということです。連合の基本的な考え方としては、公正・公平であるとともに、多様化した働き方、ライフスタイルなどに中立的な公的年金制度を確立するということが連合の基本的な考え方ですから、それに基づいて、現在連合は社会保障構想(第3次)を掲げておりますが、その中にも、すべての人が加入する所得比例年金への一元化や最低保障年金の創設などですね、将来的な年金制度の考え方、これについては基本堅持しながら議論に臨んでいきたいと思っています。具体的な年金部会などでの意見反映に努めてまいりますが、現在は第3次の社会保障構想を見直すという、検討するということで、「働き方に中立的な社会保障制度等のあり方に関する連合としての検討の方向性(素案)」を中央執行委員会で今期確認をしております。そのことを踏まえて、社会保障構想の点検見直しを並行しながら進めて、この夏の様々な議論に臨んでいきたいというふうに考えているところです。今日はその基本的な考え方についてご確認をいただいたというのが大きな協議事項でございます。
 もう1点は、第50回の衆議院選挙候補予定者の推薦でございます。これについて、本日は4地方連合会から5名の方の推薦の申請が上がりましたので、累計38地方連合会154名の推薦を今日決めたところでございます。また、来年実施の予定になっています。第27回参議院選挙に向けてもですね、3つの構成組織から3名、比例代表に関わっての推薦の要請がございましたので、それについて協議をし、これまでの累計ですね、8構成組織から8名、そして1地方連合会から1名の選挙区の候補者について参議院選挙の候補を決めたところでございます。 本日の中央執行委員会の主な協議については以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(日本経済新聞・イダ氏)

 日本経済新聞のイダと申します。よろしくお願いいたします。芳野会長に2点お伺いいたします。賃上げに関して2点お伺いいたします。まず1点目です。先日公表された連合の第6回の集計でも、芳野会長からあったとおり全体で5.08%、特に300人未満の中小の組合でも4.45%と今年の春闘は高い賃上げを獲得できたところかなと思っております。一方で足元の円安とか原材料高が続くと、来年以降、継続的に企業が賃上げに対応するかどうかというのは不透明感が強まっているところでもあるのかなと思います。来年以降ですね、この賃上げを特に経営体力が低い中小の企業で賃上げをより獲得していくためにどういったような施策が今後必要と考えるか、どのようなことを国全体として進めていくべきであると考えるか、連合としての考えをまず1点お願いします。
 2点目が先般公表された骨太の方針の案のところでも、政府から賃上げの促進というのは改めて明記されております。そこには様々最低賃金の引上げ等も含めてですね、いろいろ盛り込まれておりますが、賃上げの部分での連合としてのこの骨太の方針の評価と、またこういった部分はより賃上げの促進をするためにはより必要であるとかですね、もっとこうしたほうがいいというところがあればご意見をお願いしたいと思います。

A.(会長)

 まず、まだ2024春季生活闘争終わっていませんので、コメントは非常に難しいと思いますが、やはり継続的な賃上げということを考えると労務費を含めた価格転嫁がやはりしっかりと達成できるということが重要かと思いますので、この点は引き続き強化をしていきたいと思いますし、この課題については春季生活闘争の時だけではなく日頃の労使の取り組みの中でも、労働側からやはり企業側に自社がどうなっているのかということを日頃から点検していくということが重要ですので、その取り組みを継続していきたいと思います。それと、おそらく議論が始まっているか思いますが、下請法の改正なども有効だと思いますし、また、昨年と今回とやはり規模間格差が、水準は良いとは言っても、規模間格差が広がってしまいましたので、この格差を詰めていくためにはやはり最低賃金を引き上げていくということも重要ですので、そういったことに力を今後入れていきたいということも考えております。あと評価ですが、これは私たち連合としては引き続き賃上げに向けて、どう戦略を持ってこれから取り組んでいくのかということがあるわけなんですけれども、やはり今の段階では政労使同じ方向性を向いていますので、引き続き政労使で同じ方向性を向いているのかどうなのかということを確認しながら、また地方版政労使会議の継続も連合としては求めていますので、この地方版政労使会議がそれぞれの地域の中でしっかりと目的に合った取り組みがなされることを期待をしていきたいと思います。

質疑応答[2]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。大きく4点お願いします。1つは先ほど事務局長から説明があった公的年金の見直しに関する議論なんですが、この考え方の中で何か従来と変わったところ、あるいはポイントみたいなのがあったら教えていただきたいのと、あと、先般まとめられた方向性の素案で、第3号の廃止も含めてというふうに踏み込みましたけど、これはその後。組織内でどんな議論がされているのか現状を教えてください。 それと、いただいた資料の中で日建協の脱退に関する資料が別紙として入っていて、これを見ると会費の問題、財政的な問題というのが理由になっているんですけれども、これはどのように連合としては受け止められているのか、それが3点目。 あと、都知事選に対する連合東京の対応について今日の中執で何らかのやり取りがあったのかどうか、それを確認させてください。以上、4点お願いいたします。

A.(事務局長)

 公的年金制度についてですけれども、基本的には、今日の連合の考え方、そして資料にある「公的年金制度の見直しに対する連合の対応について(案)」で説明したことで、特段新しいということではないんですけれども、かなり様々なことについて協議をする必要があるということは確認をしています。特に、「働き方に中立的な社会保障制度等のあり方に関する連合の検討の方向性(素案)」で言えば、ご質問のあったいわゆる第3号被保険者の件であるとか、そういったところについても方針の方向性を出してますけれども、それについてやっぱり具体的に議論を積み重ねて連合としてのなるべく早い段階で方針を出していく必要はあるだろうと。ただ社会保障全体の問題なので、その1点だけの議論に特化することはないということであります。また、賃金との関係もありますので、そういったところの幅広い議論が必要だということで、現段階は検討の方向性(素案)と今日確認をしました考え方、こちらは(案)が取れましたので、これに基づいて協議をしていくというふうになっているところでございます。
 それから日建協については、連合としてはこの間様々な協議を続けてきましたが、今回のことは極めて残念な形になっています。連合脱退を判断するに至った事実、それについては真摯に受け止めなければならないということで、今日も中央執行委員会にお諮りをしたところでございます。脱退の慰留については様々お話をさせていただきましたけれども、それが受け入れにつながらなかったということは残念であります。ただ、今回のことが、中央会費制度、これはもちろん日建協にも、他の産別と同じようにご説明をしました。それについてのご理解もいただくべく努力もいたしましたが、そもそも日建協の方向として、連合の、いわゆる企業や産業あるいは地域レベルの活動と合わせた「力と政策」の政策制度よりも、それぞれの組織の中での財政の問題、それから、やはり専従者の費用の問題だとか、そういったことがこの間も長い検討課題にはなっていたということで、今回はその財源を生み出すこととご自身の組織の課題についての運動にその分振り分けていきたいということが、この間積み上げた議論としてお話があったということであります。中央会費制度ことで脱退というのは、私たちは考えていないところであります。極めて残念だと思っておりますけど。
 都知事選についてはですね、昨日の連合東京の会議がございまして、そこでの方針が決まったということで、今日は報告の中で一般の活動報告の中で、連合東京からそういった決定した内容について中央執行委員会の中で経過であったり連合東京のお考えについてご説明があったというところでございます。

A.(会長)

 第3号の議論経過については担当の佐保さんのほうからお願いします。

A.(佐保総合局長)※声のみ

 私のほうから若干補足して説明させていただきます。今回の連合の考え方は、従来より踏み込んだというか、この検討の方向性(素案)に書いておりますとおり、第3号被保険者制度については将来的な廃止を含め抜本的な見直しを検討するとしており、前回の年金制度改正の時よりは踏み込んでいるといった状況でございます。ただ、検討の方向性の議論にも検討しておりますし、今回の考え方にも書いておりますが、第3号被保険者やその世帯の生活実態、高齢単身女性に多い貧困の状況の分析ということや、働きたくても働けない第3号被保険者のこともありますので、そういったことを踏まえて、具体的なところについては社会保障政策担当者会議で今議論をはじめているところでございます。方向性としては、将来的に廃止を含め抜本的な見直しを検討していくということでございますが、具体的なところについてはなるべく早くスピード感を持ってやっていきたいというふうに思っております。以上です。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 知事選については今日の中執の参加者の中から何か意見は出ませんでしたか。

A.(事務局長)

 連合東京からの説明を受けた後、特段それについてご意見はございませんでした。

質疑応答[3]
Q.(テレビ東京・オノ氏)

 テレビ東京のオノでございます。芳野会長にお伺いします。来週、最低賃金の議論がはじまります。今年の最低賃金、去年は1,000円を超えるという大きな節目となったわけですが、生活費の向上などいろいろと課題があると思います。また、地域間格差、これまた広がっているという指摘もありますが、今年の最低賃金の議論にあたってですね、連合としてどういった方針、何を大事にしていくのか、そこのお考えをまずお聞かせください。

A.(会長)

 まず2024春季生活闘争の中でも、格差是正は3つの柱立てで取り組みをしていますのでそれは引き続きということになりますが、最賃についてはすでに方針がありますので、その方針に則ってということになるかと思います。具体的には担当の仁平さんから。

A.(仁平総合局長)

 会長も申し上げたとおり、基本的な方針は12月に確認をしておりまして、連合としては、去年おっしゃっていたように加重平均は1,000円を超えましたけど、全国的にはまだ39の道県において1,000円を下回っているわけでありますから、連合としては今年来年この2年間の中で全県1,000円を超えるようなことをめざしていきたいということでございます。詳しい主張などについてはまた審議会の中で述べさせていただきたいと思っておりますが、会長が申し上げたとおり、1つは33年ぶりのこの賃上げの流れということが1つございますし、働く者という意味では、引き続き物価などが上がっている中で生活の厳しいということ、あるいは経営的には人手不足などもより深刻化している、こういった点の違いなども反映しながらわれわれ精一杯大幅な引き上げをはかっていきたいと、求めていきたいと思っております。

質疑応答[4]
Q.(東京新聞・アツミ氏)

 東京新聞のアツミと申します。選択的夫婦別姓について芳野会長に伺います。経団連が早期実現を求める提言を出しましたが、これに対する受け止め、どのように評価するかという点をまず伺いたいのと、改めてなんですが連合としての選択的夫婦別姓に対するスタンスと会長のお考えを伺えればと思います。

A.(会長)

 経団連が考え方を示されたということについて非常に心強く思っています。連合としても導入の方向を持っています。この間ですね、選択的夫婦別氏制度については「家族観」を重視する方たちと、実際に導入を求めている人たちは個人のアイデンティティとして導入を求めています。そして多くの女性たちが今働き続けていく中で不都合を感じていたり手続きで様々な面倒なことがあったりということで、現実的にやはり氏を継続したいと思っていますので、あるべき姿の人たちと現実論の人たちとなかなかここがかみ合っていないというのが今の状況ではないかなと思います。やはり多くの人たちが選択的夫婦別氏制度を導入してほしいという方向になってきていますので、連合としては引き続きこれは要請をしていきたいと思いますし、内閣府の男女共同参画会議などでも連合としては主張をしていますのでこの取り組みについては引き続きということになります。

Q.(東京新聞・アツミ氏)

 経営者も働く人も選択的夫婦別姓を推進したいという思いがあるのに相変わらず進まないというところのそれはなぜだと思われますか。改めてです。

A.(会長)

 やはり「家族のあり方」というものの強い考え方の人たちが意思決定の場に多いということではないでしょうか。

質疑応答[5]
Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 毎日新聞のトウカイリンです。最賃のことにもうちょっとお尋ねしたいんですけども、先ほど仁平さん、まだ39の道県が1,000円に到達してないということで この2年ほどで全県到達という形をおっしゃってたんですけども、現実的に考えると一番低いところだと120円近く上げなきゃならないと思うんですけども2年で、それを実現させるようなアイデアなり考えなりがおありなのかという、もちろん相手があることですからね、ですけどもやっぱりもう決断しかないような気がするんですよね、100円とか200円とかのレベルで上げていくとなれば。どこまで本気があるのかなというのも含めて僕は聞きたいんですけども、何かアイデアはございますでしょうか。

A.(仁平総合局長)

 これはやはり審議会のメンバーなものですから、その中でしっかり主張させていただきたいと思っております。今岩手ですと893円だと思っておりますので107円分なんだと思います。ただ去年Cランクのところも含めて、これはもう大幅に上げていただいたところもたくさんあって、やはり1,000円をめざした流れっていうのは、この間も全国この前段で回らせていただきましたけど、すごく期待感が大きいんだと思っています。こういう期待を背景として、去年もCのところでいきますと結果的には44円の引き上げだったと思います。それを加速していくような形で1,000円をめざすということは決して乱暴なことではない、頑張って努力すれば十分できるんじゃないかと思っている次第でございます。

Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 ありがとうございます。それ関連して追加に芳野さんになんですけれども、それこそ政労使会議でこの1,000円をあと1年で全県やりましょうとか、そういう意味の腹合わせをやっていこうというお考えですね。あと、もう1点、地方版政労使会議も含めてなんですけれども、これも通年の取り組みにしたいというふうに考えていらっしゃるのか。そこも含めてお願いします。

A.(会長)

 もちろん政労使の意見交換、そして地方版政労使会議の中でも連合としてはしっかりと主張していくべきだと思っています。また、地方版政労使会議は継続ということで、通年の取り組みとしてやっていきたいと思います。加えて言うならば、今回11月に申し入れをさせていただいて1月から3月の間に実現をできたということなんですが、47都道府県で非常に濃淡があったということと、ペーパーを回して終わってしまった地方もありますので、その地方版政労使会議のメンバーや目的を明確にして、それぞれの地方の課題を政労使が共有しながら地域活性化に向けて、そこで生活者、働いている人たちの向上に向けて、しっかりと議論をしていただくということが目的ですので、次に開催をされるときには、すでに政府には目的に合った取り組みを地方で行っていただきたいということは申し上げていますので、引き続きそれを注視していきたいと考えています。
 それから最賃についてはこれから議論がはじまっていきますので、あまり私がコメントを出してはいけないと思いますが、その地方の中小・小規模事業所、とりわけ赤字が続いているところはこの最賃を引き上げるということについて本当に大変だということは認識をしています。ですので、そういった事業所をどう支援していけるのかということも併せて考えていく必要性はあるのではないかなと思います。

質疑応答[6]
Q.(シカタ氏)

 シカタと言います。2点お聞きしたいんですが、1つは年金の問題です。この「高齢期の就労と年金受給のあり方」ね、これについては支給開始年齢とか触れているんですが、今年金の問題では高齢者の場合、スライド制ね、物価スライドとかそれで給付水準が減額されるわけです。これは労働側から見れば、75年か6年に物価スライドと賃金スライドを勝ち取って、物価が上がれば年金にも反映、それから賃金が上がれば年金にも反映というのがあったんですが、今逆に物価が上がってもスライド制という理由でもって年金が下げられているわけです。これについて全然表記が無いんですが、どういう受け止め方を連合としてされるのか、これを1点お聞きしたいと思います。
 それから最賃について、これは去年連合がヨーロッパを視察して賃金中位数の6割をめざすと一定のシミュレーションも出されて、2037年だったかな、賃金も上がり最賃も上がっていけば1,900円くらいあるというシミュレーションを出したんですが、これからの最賃の審議や運動で賃金中位数の6割をめざすという、そのあたりの運動のあり方といいますか、要するにその中賃の審議だけではなかなか進まないと思うので、そのあたりを含めて連合として賃金中位数にどうやってめざしていくのかというあたりもちょっとお聞きしたいと思います。よろしく。

A.(会長)

 ありがとうございます。1点目、佐保さんいいですか。

A.(佐保総合局長)

 まず、老齢年金の支給開始年齢についてはここに書いてありますとおり「さらなる引き上げは行わない」と、65歳から70歳にするとかそういうことはしないと。65歳からです。その上で、あとは個人の選択で繰り下げすると当然年金の受給額が上がってきますので、そこは個人の選択ではないかなと思っています。それから、マクロ経済スライドの話もご質問いただいたのではないかなと思っておりますが、国民年金・基礎年金の部分とそれから老齢厚生年金、報酬比例分とあると思います。報酬比例分は賃金の上昇によって標準報酬月額が上の方がどんどん上がっていきますので、いずれマクロ経済スライドは終わってしまうということで聞いております。かたや基礎年金の部分、マクロ経済スライドがずっと続いていくということになりますので、そうなってくると被用者保険に入っていらっしゃる働いている方については報酬比例分がありますから基礎年金部分の低下についてはなんとかなる、言い方は失礼かもしれませんが、そういうことになると思うんですけど、基礎年金しかない国民年金だけの方は今の受給額がどんどん減っていくということになります。ですので給付期間の延長だとか国庫負担を引き上げると、そういったことで少しでも基礎年金の給付水準を下げないといった取り組みをやっていくということを書いているというところですね。それから財政基盤の強化とかいうことを通じて所得代替率を上げていくといったことについても考え方として一定示しているといった状況でございます。以上でございます。

Q.(シカタ氏)

 今回の考え方に入ってますか。国庫負担を上げるとか、今あなたが言われた。入ってますか、文字として。

A.(佐保総合局長)※声のみ

 資料3ページ目のⅢ.で基礎年金の給付水準の引上げについて書いております。基礎年金の国庫負担割合を段階的に引き上げ、基礎年金をマクロ経済スライドの対象から外していくといったことで文字にしております。

A.(仁平総合局長)

 最賃についてでありますが、先ほどのイダさんのご質問とも被る部分がありますが、当面39の1,000円に達していないところはもうこれに全力を挙げるということでありますが、すでにそういう意味では、逆に言えば、9つの都府県についてはもう1,000円をクリアしているわけですから、次なる目標に向けてしっかりやっていこうと、われわれがめざすのが一般労働者の中位数の6割というところをめざしていきたいと思っています。そういう意味で、これが全体の中期目標になるのかというご質問だと思っているんですけど、まずは連合としてこうした考え方をしっかり持った上で中期的な考え方を整理して打ち出しているということは、私は非常に大事なことなんじゃないかと思っておりまして、まさに今賃金も安定的に上昇する、あるいは物価ももうちょっと安定的に推移させていただくと、そうした中で改めて日本の最賃がどうあるべきなのかという話はもうちょっと落ち着いた議論ができるんではないか。政府の掲げる1,500円というのはどういう理由でそうなっているのかというのは、いまだに私もよく納得できないところがございますので、連合としての考え方、改めて世界の流れの中で賃金が全体的に動いていく中で賃金も最賃も格差をその中で縮小していくという考え方をぜひ粘り強く私は主張させていただいて、みんながそういうところで、そうだなというふうになるように、これは努力していきたいと思っております。

質疑応答[7]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。先ほどジェンダー指数の話がございましたが、東京都(知事選)について言うと、現職も女性で新人も女性で、事実上男性という選択肢がないような選挙になるわけですね。こういう状況というのはある種の労働界の女性のトップとしまして、東京の女性のリーダー同士の戦いというのにやっぱりどういうことを期待したいのか、やっぱりそういう戦い、象徴的な戦いだと思うんですけど、逆に芳野さんもこのうちどちらの女性を応援するということがあり得るのか、当然あってもいいと思うんですけど、やはり女性、こんな選挙ってあんまりないと思うんですけどね、率直にどうご覧になるのか伺いたい。

A.(会長)

 東京に住み、東京で働いている人たちのまさしく選挙になりますので、それぞれの方々がどういう政策を打ち出していくのかということをしっかり見極めていく必要性があるのではないかなと思います。1名はやはり現職ですので、この間の政策がどうだったのかという検証が必要でしょうし 、これからどういう東京を描いて、これからのことを見ていくこともとても重要ではないかなと考えております。

Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 連合東京は小池さんを支持すると、国民民主党は連合東京に従うような形でたぶん支持でやるんでしょうね当然ながら。それで、要するに産別についてはそれぞれの判断だということなんですか、すると例えば連合としても、会長、副会長、松浦さんですとかね、それから副会長16人いますが、この方たちがそれぞれの候補に分かれて応援するようなそれがあってもいいと思うんですけど、まあ双方ともどっかの政党のあれではないわけですからね、そのへんのところっていうのは、松浦さんなんか当然小池さんのところで私は応援するんだろうと思うんですけど、そのへんのところはどういうふうに、芳野さん自身もやっぱり最後どちらかの政権の内容を見てこちらを応援するということがあってもいいのかもしれないんですけど、そのへんはどういうふうに、要するに本部の主体性というのはもう自主投票ということなんですか。そのへんは先ほど中執してどういう整理になったのか伺いたい。

A.(会長)

 地方選挙ですので、まず連合東京の考え方を本部としては受け止めて尊重していくということになります。そして連合東京としても様々な意見があった中での「支持」という判断になっていますので、「推薦」になってくると連合本部マターになるんですが、「支持」ということですのでこれは連合東京マターになってきます。連合東京としてはそこに参加をしているそれぞれの産別がどう判断するにしてもお互いに受け止めて小池候補を支持していくと結論付けたということですので、おそらく東京にある産別本部もその東京の考え方、産別の地方・東京の考え方を尊重するのではないかなと思います。

Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 すると、芳野さんが小池さんと一緒に街宣車に登ることは十分あり得るということですか。

A.(会長)

 東京中心の選挙ですので、本部に来るということはないと思います。

質疑応答[8]
Q.(NHK・シカノ氏)

 NHKのシカノと申します。政治の動きについて芳野会長に伺います。今日、立憲民主党が岸田内閣に対して不信任決議案を提出しまして、これが先ほど衆議院本会議で自民・公明両党などの反対多数で否決されました。この動きについてどういうふうに受け止められますかということですね、あとこの採決にあたっては、野党ですね、立憲民主党だけではなくて、維新の会、共産党、国民民主党が賛成したということで、れいわは棄権しましたけれども野党が揃って賛成するという動き、これについてどのような受け止め評価されますでしょうか。その2点お願いいたします。

A.(会長)

 それぞれの政党の判断があるかと思いますので、連合としてはその考え方を受け止めるという形になるかと思います。その上でですけれども、今連合としては前回皆さんにご報告したかと思いますが、国政選挙に向けての方針について一部修正補強をしています。まずこの連合の考え方を連携している立憲民主党・国民民主党にご説明をしながら合意に向けて取り組みをしていくという方針が掲げられていますので、今週17日に国民民主党とトップ懇談会があってその場で連合の考え方について改めて説明をさせていただき、来月立憲民主党とトップ懇がありますのでそこでまた説明をさせていただいて、立憲・国民・連合と3者で合意できるように、今の段階では連合としてはそこに向けてしっかり取り組みをしていきたいという段階ですのでそっちに力を注いでいきたいと思います。

Q.(NHK・シカノ氏)

 今回この立憲と国民さんがこの不信任案に揃って賛成したということについてはどういうふうに見ますでしょうか。もしあればお願いします。

A.(会長)

 それだけではなくて、連合としてはこれまでもさまざまな政策について、やはり立憲と国民と歩調を合わせてほしいということは申し上げてきましたので、それは引き続きということになるかと。

RENGO-TV
連合記者会見
ツイキャス・あつまれ!ユニオンスクエア~毎月05日はれんごうの日~
アニメーション・PR動画
主な活動に関する動画
ワークルール動画
年金のしくみ