年頭記者会見 2017年1月

 

連合記者会見

年頭記者会見

(2017年1月5日)

連合記者会見全文
神津会長

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
 新年の冒頭、新年交歓会ということで恒例の行事をこの後予定しております。これも恒例の形ですが、その前段で、場所はこちらホテルラングウッドで記者会見ということでスタートさせていただきます。
 また、メディアの皆さん方いろんな形で連合をぜひ、もちろんこの会見はできるだけご参加いただきたいと思いますし、そのほかにもいろいろな形で、連合という存在は社会、経済、政治、いろいろな側面があります、皆さん方それぞれの分野で日ごろ取材されているという事だと思いますが、1つの側面だけではなかなか捉えきることができない存在でもあると思います。そういった意味で私どももできるだけ丁寧な応対をさせていただきたいと思っていますから、それぞれ皆さん方は所属のところの部分に関心を強く持っているという事だと思いますが、私どもからの説明はその事に留まらず、少し多岐に渡るお話をさせていただく事が大事だと思っていますので、そういった事も念頭においてお付き合いいただければありがたいという事も申しあげておきたいと思います。
 後ほどの新年交歓会でも主催者としての挨拶をいたしますので、そこと被るところがあろうかと思います。また、お手元に今日の次第のペーパーをお渡ししています。この場でお渡ししている趣旨は、裏返していただくと、私どもとしての新年のご挨拶という事で掲げています。実は例年、結構いろいろな事を言いたい、言いたい事がいっぱいあるものですから、字数もかなりあって字も小さかったのですが、やはりまずは読んでもらう、目を引きつける、そういう事が私どもにとっては非常に大事ではないかという思いの中で、できるだけ簡潔にしていこうという事で事務局とも相談してこのような形にさせていただいています。
 ご存知のように、連合は「力と政策」という事を標榜して今28年目になっているわけです。政策部隊、相当厚みのある政策集を例年ローリングしながら世の中に出していますが、それはそれでものすごく大事なことなんですが、いかに良い事をやっていても知ってもらわないと意味をなさないという事を、本部の中でも重ねて私は言っておりまして、そういった意味でできるだけ世の中に向けては、とっつきやすさ、分かりやすさ、そういった事を胸に今年も取り組んでいきたいと思っています。
 せっかくお配りいたしましたので見ていただきますと、そこの2段落目にあるように、「すべてに働く仲間、次代を担う人々のため不条理に敢然と立ち向かっていこう」という事ですし、「誰もが将来に不安なく働き、生活できる、持続可能な社会を実現するための運動を展開していきたい」という事です。足元2017の春季生活闘争、まさに交渉目前という事であります。2016は「底上げ」という事、そのもとで「月例賃金」であると「広がり」であると、そして「持続性」だと、この4つのキーワードを前面に押し立てて発信をしてまいりました。その甲斐もあって、会見の場でもこれは何度も話していますので、お集りの皆さん方には先刻ご承知のことですが、1つの新しい傾向は引き出す事ができたと思っています。ただ、今申し上げた4つのキーワードの中にもあるように、これは持続をさせなければ意味をなさないという事ですから、この2017の取り組みが決定的に重要だと思っています。働き方改革の問題も含めて、私ども、これはダジャレもいいところですけれども、今年は酉年だ、取りに行く年だと。これは自らが、働く者自らが生み出している価値、それに応当する成果の配分、これを求めていくという能動的な姿勢がなければ、何か与えられるものを待っている「与えられた感」だけで世の中は回っていくはずがない。むしろそれが世の中を覆ってしまうような事になると本当に将来を見通していくような活力が生まれるだろうかと、いう事だと思います。取りに行く姿勢、これは労働組合ならではのものだと思います。春季生活闘争、底上げという事を通じて、やはり労使関係は大事だ、労働組合がないとダメなのではないかと、その事をより強く発信をしていきたい、そういった思いにこの年頭の今あるという事を申し述べまして私からのひと言の、冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 今年秋で改選期を迎えるわけですが、今年1年の課題をどのように考えていらっしゃるのか、今、説明されましたが、その事と、あと次の期に向けて続投について現段階でどういうふうに考えていらっしゃるのかお聞かせください。

A.(会長)

 改選のことについては、年も改まったばかりでありますし、そこは基本的に役員推せん委員会が中心になって物事を考えていくという事でもありますので、私の立場で今何か言うと相当つんのめった事になるのでそこはご容赦いただきたいと思います。
 今年の課題という事で言えば、まさに今申し上げた事に、ある意味尽きるのですが、ただやはり世の中の全体の動きを見ますと、どうしても私ども労働組合の、戦後なり戦前も含めて、成立過程であるとか、あるいは戦後の民主主義が本当の意味でどういうふうに育っているかという事だとか、私がさっき使った「与えられた感」という事ではダメなんじゃないの、という事も含めて言えば、非常に大事な年であると思っています。とにかく、中身の成果はこれはこれでしっかりと出さなくてはいけませんが、政府がいろいろ良い事をやってくれるのはいいでしょうけども、何かそれにすべてお任せというような世の中の風潮は私は極めて危険だと思っていますから、そこはいろいろな事を、注意喚起も含めて連合として旗を振るという事は極めて大事ではないかと思います。それと、世界に目を向けても、分離とか分断とか、あるいは自分のところさえ良ければいいみたいな風潮がかなりのしてきているという事でもありますので、国際労働運動のつながり含めて、まさに労働組合というのは一緒に力を合わせて、あるいは徹底的に話し合って、皆で力を合わせて1つの方向に向かっていこうという事ですから、そういった国境を越えての労働運動のステージも含めて、さっき申し上げた、やはり労働組合は社会の中で極めて重要な存在、必要な存在、今だからこそ無いとダメなのではないのかという事を強く発信をしていきたいと、こういう思いにあります。

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 先ほど「すべてお任せという風潮は危険だと思っている」とおっしゃたのですが、これはもう少し具体的にいうとどういう危険があるとお考えなんでしょうか。

A.(会長)

 これもこの場で何回か申し上げた事があるのですが、官製春闘という言葉がありますよね、例えば春闘で言うと。私は40年前のインフレ退治の時にも政府が、政労使の共通認識を作っていった、このハイパーインフレを退治するためには要求のスタイルを少し考えてもらい抑制する必要があると、当時労働界にボールが投げられた。今回はデフレ脱却なので、政府からボールが経済界に投げられているということ自体は、とりわけ出だしにおいては、あっておかしくない事だと思っています。ただ、その事をもって官製春闘という言葉が普通に世の中に流布するというのは、私は非常に良くない事だと思っていまして、要は政府が全部決めるんですかと。これはいろいろな意味で良くないというのは、実際に労使関係の現場で団体交渉をやって最終的な結論を見出している労使のメンバーというのは物凄い汗かいているわけです。その人たちに対して、私は、極めて失礼だなという事もあるのですが、労働組合の無いところの経営者にとって一体どういうふうに物事を考えたらいいのかというのが、ちょっと素直に頭の中にストンと落ちないのではないかと。安倍総理が言うから、政府が音頭を取るから、その事だけで賃上げしますという企業が世の中にどれだけあるかという事だと思うんです。いわゆる中小とか零細とか、従業員のひとり一人の顔がきちんと毎日の繰り返しの中でわかっている、その経営者にとってみると給料は上げてやりたい、だけど自分の会社の将来はどういうふうになるのか。だから、ひとり一人が皆頑張って上げた成果というものをどれだけ財源として使うことができるのか、言ってみれば経営者の皆さん方は経営者の皆さん方で闘いの日々の中にあるわけですから、そこにもってきて、政府が言うからというだけで物事が回っていくと思ったらこれは大間違いではないのか、という事なんです。ですから、そこは、生産性の向上というのは労使関係がバネ力になって、経営者も自分のところの生み出したサービス、製品、価値に十分に応当する対価を取ってこないといけないわけで、「取りにいく」というのはそこも含めての「取りにいく」だと思うんです。やはり一人ひとりの能動的なマインド、姿勢、いろいろな対応に裏打ちされたものでなければ世の中というのは回っていかないという事だと思っていますから、そういう意味で「与えられている」だけで世の中ずるずると流れていくと結局活力が失われるのではないのかと、こんなふうに思っているものですから先ほどのような表現で申し上げているというところです。

質疑応答[2]
Q.(月刊誌ファクタ・ミヤジマ氏)

 連合は昨年ある種のブレークをしたと、オピニオンリーダーとしてかなり存在感を高めたと思いますが、その延長上で今日の挨拶の中に「社会に広がりのある取り組みを推進していく」と書いてあります。これは具体的に何かアイデアがあって、何か新しい取り組みを、オピニオンをやっていくのかどうか、それが1点。
 それからもう1つは、オピニオンリーダーである神津さんに伺いたいのですが、神津さんはカジノやったことがありますか。国内カジノとか、こういうものは積極派ですか。あるいは消極派ですか。あるいは国内カジノみたいなものを経済成長戦略と位置付ける事にどういうお考えをお持ちなのか。この2点を伺いたい。

A.(会長)

 まず、広がりを持つという事で言えば、進行させているものもかなりあるのですが、春闘の取り組みの中で、連合の組織のところはかなり打てば響くところがあって、先ほど申し上げたような成果も2016では引き出す事ができたと思っているのですが、残念ながら圧倒的に多数なのは、8割以上が労働組合が無いという事ですから、そういうところに向けて各地域で、これは経営者は当然ですけれども、各地方連合会が中心になって呼びかけて、県知事であるとか大学の先生だとか、あるいはNPOだとか、そういった人たちに広く集まってもらって、フォーラムをやって意識づくりを図ったり、日常的にもNPOなり協同組合そういう私どもといろいろな意味で考え方・認識を共有できるような人たちと広がりを持つようにしてきているつもりではあります。それと、春闘の関係で、去年ははじめて全国中小企業団体中央会、全国中央会ですね、そこの会長はじめ幹部の人たちとも意見交換会をやりまして、従来、経団連なり経済同友会、日商とはそういう意見交換会はやってきたのですが、まさに組合が無いところも含めて広がりを持つ事が必要だという事で意見交換会をやって、これは今年もやっていきますし、むしろそこの濃密さを高めていきたいと、こんなふうにも思っています。あとは、こういった場も含めてですが、できるだけ発信力を高めていくという事で、過分なお言葉もいただきましたけれども、まだまだこれからだと思っていますので、そこのところはあらゆる機会を通じて、あらゆる媒体も通じて発信力を高めていきたいと思っています。
 あと、カジノは、個人的には覗いたことがない事はないんですが、ずいぶん昔の話で、私は…あんまりいろいろ言ってはあれかもしれませんが…賭け事は非常に苦手で、大体ちょっと勝つ事があってもそのあと倍も十倍も負けてしまうものですから、それ以上やらない事にしていまして、賭け事、ギャンブル的な事はたぶんこの15年20年ぐらい全然やってないなという感じですが、カジノ法案いろいろ問題は大きかったのではないかと思います。超党派で、われわれが支援する民進党の議員も含めて、いろいろ考えられていること自体をすべて否定するつもりはないですけれども、何であんな性急にバタバタと、しかも世論は、いろいろな調査でも圧倒的に反対の人が多い中でああやって決めるというのはどういう事なのかというのは素直に思いますし、ただ法律として決まったわけですから、いろいろな打ち手は最後歯止めをかけるような修正も為されたと聞いていますから、それは最低限必要な事として、やはり懸念されている問題については未然に防止をするという事を最大限しっかりやるべきだと思います。経済に与える効果というのは、その事だけで経済が浮揚するというのは、そんな話かなというのが正直な思いです。

質疑応答[3]
Q.(産経新聞・マツモト氏)

 次期衆院選について。12月末にまとめられた衆院選に向けての方針の中で連合は「共産主義社会の実現をめざす政党も含めて共闘を行えば、政権を担いうる政党として国民からの理解を得られるとは考え難い」と、さらに「それは自公政権を利する事は明白である」と書き込まれました。現在、民進党は共産党も含めた枠組みで候補者調整や共通政策づくりというのをこれから本格化しますけれども、こういった動きをどうご覧になっているかお聞かせください。

A.(会長)

 同じその方針の中でも言っていたと思いますが、今、一強政治の構造になっていますから野党がバラバラなままで決していいという事ではないと思っています。選挙戦術として候補の一本化が模索されるのは、それは当然あって然るべき話だろうと思っています。ただ、やはりこれは言葉の問題も含めて、「共闘」という事になりますとそれは単なる候補一本化するという次元とはまったく異なってきますから、本当の意味での共闘なんていう事ができるはずがない。要するにめざす国家像が違うのであって、政策も部分的には一致する部分がたまたまはあるかもしれませんけれども、全般にわたってという事はごく普通に考えても有り得ないと思っていますから、その有り得ない事を、あるように世の中が見てしまうと民進党という存在はいったいどういうものかという事がブレてきてしまいますから、そこはブラさずに、民進党ここにありという事でやはり二大政党的な姿をめざす、一方のしっかりどっしりした存在だというふうにきちんと世の中に見えるようにしていかないといけないと思いますので、なにか「共闘」だとか「政策も含めての」みたいな事で誤ったイメージを与えてしまうのは、民進党にとっては極めてマイナスの事ではないのかなと思います。実際にこの間の国会でも、各法に対して民進党は85%を超える賛成をしているんですね。一方で共産党は50%もあるかないかという事なので、それは国家像の違いはもとより個別の政策を見てもずいぶん違いはあるはずなんです元々。したがってそれを無理に合わせるという事は、私はすべきではないという事だと思います。

質疑応答[4]
Q.(テレビ朝日・ハラ氏)

 先日、民進党の現状について野田幹事長が「背水の陣ではない。水の中に沈んでいる」という危機感を示されました。一方で今年は解散総選挙もささやかれていますが、選挙準備の立ち遅れを指摘する声もあります。改めて今年の民進党に望まれる事をひと言お願いします。

A.(会長)

 少し繰り返しもご容赦いただくとすれば、やはり一方の受け皿として国民の支持を受けとめられる二大政党的姿をきちんと持ち得る、片方の存在という事にしていかなければならないという事だと思います。野田幹事長のその表現というのは、私は党としてしっかりとした一体感を持つためには危機感をいかに共有できるかだと思いますので、幹事長としてのご発言というのはそういう意味で非常に共感するところです。総理があそこまで公開の場で発言していますから、年明け早々の解散は無いのだろうと思いますけれども、こればかりは最後どうなるか分かりませんけれども、そもそも解散という事が、言葉選ばずして言うと、勝手気ままにできるような日本の今の法体系はいかがなものかというのは同じ民進党の枝野さんもよくおっしゃっていて私もまったくその通りだと思っていまして、そこはイギリスも解散権を相当程度縛りましたからそういう本家本元のそういう動向も参考にしていくべきではないかと思っていますが、いずれにしてもまだ候補者擁立が217ぐらいでしたか、これは応援団の立場からすると当該の選挙区に民進党の候補がいないほど辛い事はないんですね。したがって候補擁立はぜひ速やかに進めてもらいたいと思っていますし、それと先ほど申し上げた国民の目線、1つの大きな塊、存在感、まとまり、それをアピールしてもらいたいという思いでいっぱいであります。

質疑応答[5]
Q.(フリー・トリイ氏)

 今日の来賓ご挨拶にどなたが来られるのか、という事と、鏡開きで各党からどういう方が来られるのでしょうか。
 それと、先ほどの質問にも関連しますが、連合は結成以来、共産党の人を呼んだ事はないわけですが、その理由をこの際逆に明確にされたほうがいいのではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。

A.(会長)

 今日のこの場は、こういう賀詞交歓会ですのでその場でどういう人が本当に来られるかはその場にならないと分からないところがありますので実際にご参加いただいてご確認いただきたいと思います。
 共産党は、いわずもがななので、あえて説明しないといかんという事でもないと思っています。それはもう歴史的な経過がありますし、構成組織の中には組織の分裂まで生じざるを得なかった、そうやって一部が共産党系のナショナルセンターに行ってしまったという辛い歴史を持っているわけですから、淡々と共産党にも案内を送るという事にはならないのは自明なので、それは何か歴史を変えるような動きが出てくればその時にはまた考えるという事でしかないと思っています。

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