芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2025年1月23日)
お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加いただきまして誠にありがとうございます。1月6日の年頭記者会見には多くの皆様にお越しをいただきました。また一昨日は、連合第5代会長を務めた髙木剛さんの「お別れの会」にも多くのマスコミの皆様に足をお運びいただきました。あらためて御礼を申し上げます。ありがとうございました。なお、定例記者会見としては今年はじめてとなりますので、今年もどうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
はじめに、2025春季生活闘争について触れたいと思います。本日の闘争委員会の概要については後ほど説明いたしますが、昨日、経団連との懇談会を開催し、本格的な労使交渉がスタートいたしました。懇談会のぶら下がりでもお話をしましたが、今次闘争でも賃上げを継続していかなければならないことは労使で共通認識であることを確認しております。しかし、実際の交渉は最終的に個別の労使に委ねられていますので、個々の労使が自社の賃上げはもちろんのこと、その積み重ねが日本経済を支えていくことになるとの気概を持ち、個々の労使が真摯に交渉を進めていくよう連合としてもしっかりと支えてまいりたいと思います。
明日からは通常国会がスタートいたします。本日の中央執行委員会において、いくつかの法案を重点法案と位置づけて、通常国会への対応を進めてまいります。昨年末の臨時国会では、少数与党による国会運営において、野党の意見も取り入れられるなど、熟議の臨時国会であったと思います。明日からの通常国会は、150日間という長丁場となりますが、会期全体を通じて、与野党による熟議を基本に、真に国民に寄り添った政策が実現するよう期待をしております。そして、その先に参議院議員選挙がありますので、とりわけ立憲民主党、国民民主党には、国会論戦を通じて国民の皆様から両党への信頼が今以上に寄せられるよう努力をしていくことも期待をしています。
以上、簡単ではありますけれども冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは中央執行委員会について、いくつかの協議事項また確認事項等ありましたが、私のほうから何点か。まず、協議事項としてありました、社会保障構想、教育制度構想、そして税制改革構想と、連合では3構想と言っておりますが、この連合が示してきた3つの構想について、今、見直し、そして点検の期間に入っております。その関係で、今日、職場討議に付すべく、3構想(改訂版)素案を確認いただいたということであります。おおむね2035年を目途に、実現したい政策の方向感や、前回策定したのが2019年でございましたから、それから6年経過をした間の経済や社会情勢の変化、あるいは政策制度の進展状況などを中心に、現在、点検・見直しを行って今日に至っているということであります。社会保障構想については、大きくは、やはりコロナ禍があってですね、そこで浮き彫りになったセーフティネットの脆弱性であるとか、あるいは少子高齢化のさらなる進展と、こういったことを含めて、社会保障審議会などでも様々な議論が行われている状況を踏まえて、点検・見直し議論を行って構想全般にわたって更新をかけておりますので、そういった意味では改訂版ということで素案を示してございます。教育制度構想については、教育費の無償化の進展状況や教育現場のデジタル化などの進展などがあって、そういったことを点検いたしましたが、必要な更新にとどめたということで、大きな部分については変わらないということでございます。また、税制改革構想については、この間の税制改正や2023年に政府税調が示しております中期の答申等の取りまとめ、こういったものを踏まえて点検を行って、必要な更新を行ったということで、大きく改訂したのは社会保障構想ということになっております。なお、この構想については、今日、中央執行委員会で確認をいただきましたので、この後、2月、3月と職場討議に2ヶ月ほどご議論いただきまして、そして4月以降も議論を重ねて、最終的には5月28日に中央委員会を開催の予定でございますので、そこでこの3構想について確認をいただくということで、今日、流れも含めてご確認をいただいたところであります。
それからもう1点については、先ほど会長の挨拶の中にもありましたが、明日からはじまる通常国会への法案対応ということであります。「その1」ということで、現在政府から示されている政府案、閣法について対応を今日「その1」として決めました。全体としては12本の法案について、成立を求めるものが5本、そして修正を求めるものが4本、廃案を求めるものは現段階ではありません。その他ということで、まだ法案の内容が明らかになっていないものが3本ありますので、そういったことで計12本について基本的な対応についてご協議をいただいて、これからそれを様々な場面で説明に伺っていく、政党に対しても説明を、フォーラム議員に対しても説明を行っていきたい、また地方連合会にも説明をしていきたいと思っています。なお、今回は閣法の法案対応で、この通常国会は150日でございますから、議員立法について提出されることが様々議論されています。学校給食費の無償化の話であるとか、選択的夫婦別姓制度、また公務員制度改革などですね、議員立法を検討されているという政党の話もお聞きをしておりますので、そういったものが出た時には、あらためて法案対応を考えていきたいということも併せて今日ご確認をいただいたところでございます。
また、今年は戦後80年、敗戦から80年ということで、平和運動を1年かけて推進をしていこうということで、連合結成以来の核兵器廃絶と恒久平和の実現ということで、様々な世界情勢も含めた背景をもとに1年間の取り組み、具体的には1年というのも、この4月から来年の4月、NPTの再検討会議等も来年ございますので、今年の4月から来年の4月にかけての1年間の間に様々な取り組みを行っていこうということで、今日ご議論いただき基本的な方向についてご確認いただいたところでございます。
また、これも会長から冒頭ありましたが、第27回参議院選挙がいよいよ年明けて目の前に、今年ということで、半年余りの後になってまいりましたので、今回も地方連合会からありました推薦候補者についてご協議いただき、今日は2地方連合会から2名の方の推薦を決定し、比例代表では構成組織9名、そして選挙区については14地方連合会から14名の方を、今日の段階で確認をしているところでございます。
それから、もう1点は中央執行委員会の後に引き続き開催されました春季生活闘争の第2回中央闘争委員会を開きましたので、このことについては担当の仁平のほうから説明をさせていただきます。
はい、緑の合紙からになります。来月に入りますと要求の提出が順次はじまってまいりますので、その前段における情報共有というのが本日でございます。
別紙のほうのところをちょっとご覧いただきたいと思いますが、6ページには昨日の昼に発表いたしました、経団連の「経労委報告」に対する見解を載せてございます。そして、15ページになりますが、別紙の2として、今週の火曜日に連合総研がシミュレーションの改訂版を出しておりますので、これの情報共有をいたしました。19ページでございますが、これまで出していなかったものを一覧にしたものでございます。どうしても中央の行動というのが目立つわけでございますが、全国各地で我々の仲間が行動しておりますので一覧表に見える化をして、今年はじめて取りまとめたものでございます。23ページの一番ラストのところには、この第1アクションゾーンでの行動として集計もしてみました。全国での行動数、164の行動が組まれており、7万4千人の組合員の行動が企画されているということでございます。
確認事項は以上でございます。
時事通信のキダです。芳野会長に参院選に関してお伺いできればと思います。昨日、日本維新の会が一人区の野党候補一本化に向け、インターネットでの世論調査を活用した予備選を実施し、5月中旬までに擁立する政党を確定する案を示しました。共産党を含む全野党に参加を呼びかけるとしていますが、野党内には慎重意見もあります。あらためて維新の案の発表を受けて、予備選のこうした方法の妥当性も含めてお考えをお聞かせいただければと思います。
政党が考えることですのでコメントは差し控えたいと思いますが、連合としてはこれまでどおり立憲民主党・国民民主党において候補者調整をし一緒に戦っていく形をめざしていきたいと思います。
朝日新聞のキタガワです。芳野会長に2点お伺いできればと思います。1点目は春闘に関してですけれども、一部のエコノミストの方の予測値なんかを見ますと、昨年を下回るような予測が出ていて、コンセンサスでも4.7%程度で5%を割るような予測が出ていたりですとか、あと一部の産別では昨年の要求水準よりも低い水準であったり、産別とか単組ではそういったところもあるわけですけれども、連合としては5%以上の目標というのを立てていらっしゃるわけですけれども、現在の日本のマクロの経済状況ですとか、あと中小の状況などを含めて、今年の春闘で5%以上の、昨年の達成されたような実績を確保していけるというふうにお考えなのかどうかお伺いできればと思います。
もう1点がですね、昨日、首相官邸のほうに行かれて首相と面会されていらっしゃるかと思うんですけれども、このタイミングで首相と会談された理由、またその中で政労会見についても求めていらっしゃるというようなこともおっしゃっていたかと思うんですけれども、連合としてはこれ政労会見、まあそれ以外にも政労使会議とかいろんな会議体の場はあるかと思うんですが、連合としてはどういった狙いで、どういった要望をされようとしてこういう政労会見を求めていらっしゃるのか、また、その実現の見通しについても教えていただければと思います。
まず1点目ですけれども、これから加盟組合の中で要求を決めていくところもありますし、交渉は、具体的交渉はこれからですのでコメントは差し控えたいと思いますけれども、連合としてはやはり5%以上、中小では6%以上という目標を掲げていますので、その目標に向けてしっかりと要求を組み立ててほしいということと、2025はやはり結果も求めていきたいと思いますので、これからの交渉を見届けていくことになるかというふうに思います。そして、価格転嫁の取り組み等、これまでもやってきていますけれども、やはり中小・小規模事業所が原資を確保していくためには非常に重要な課題ですので、この取り組みもしっかりやっていきたいと思います。
そして2点目なんですけれども、政府系の会議の時には石破総理と名刺交換をしたり、ご挨拶をしたことはありましたけれども、石破総理になってからきちっとご挨拶をする機会がありませんでしたので、こちらのほうから要請をしたところ、タイミングとして昨日になったと、これは相手があることですので、そういうタイミングになったということです。話の流れの中で、岸田総理の時の政策をそのまま尊重していくという中で、政労使の意見交換であったり、下請法の改正であったり、地方版政労使会議であったり、連合の要請に対して応えていただけたという中で、政労会見については、当時「前向きに検討する」という中で実現できなかったということもあったので、ぜひ政労会見を開催していただきたいということを要請しています。前向きに検討していただけるということでした。現場の実態をわかる、現場の実態をきちっと把握しているということが、連合としての強みで、47都道府県に地方連合会があって、地域の活動をしていますから、やはり今のこういった地方の様々な実態について正確な情報を届けられるのはやはり連合の強みだと思いますので、そんなことも含めて政労会見の中で現場の実態についてお話をさせていただきたいというようなことも申し上げています。ですので、何年前ですかね、政労会見が中断をされていますけれども、新たなやり方であってもいいと思いますし、それは、その時、時代時代に合わせたやり方でいいかと思っていますので、実現できる段階になった時には、こちらとしてしっかりと政策要請をし、それが実行できるように持っていきたいと思います。
今、政労会見について、地方の実態を届けたいというお話でしたけど、具体的なテーマとしては、政労会見がもし実現した場合、どんなテーマで話し合いを求めたいというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
どのタイミングでできるかということもあるかと思いますが、例えば春季生活闘争の交渉期間中であれば、やはり春闘の波及効果を狙ったものが第一義的なテーマになるかと思いますし、通年を通しての議題であれば、女性活躍ももちろんそうですし、生活困窮者の課題ももちろんそうですし、今、非常に貧困層が増えてきていますので、そういう地域での取り組み含めた課題などについてもお届けできるかと思います。
日本経済新聞のイダです。よろしくお願いします。芳野会長にお伺いします。先ほど、今日の中執の協議事項の中で、法案に対する対応があったと思うんですが、その中に修正を求める法案の1つとして、年金改革の法案が挙げられているかと思います。評価のところでは、会長も常々おっしゃっていた第3号被保険者制度の廃止が今回盛り込まれていないので、国民的な議論の場の設置を求めるというのはあるんですが、それに加えて今回は、マクロ経済スライドの調整期間の一致について、厚生年金の受給者への影響等も踏まえて、当該部分の削除など修正を求めるというふうにありますが、マクロ経済スライドのところもこのように修正を求めるというふうにした理由のところですね、この年金法案に対する対応のところ、その背景と目的のところを伺ってもいいでしょうか。
佐保さんお願いします。
担当している佐保からお答えをさせていただきたいと思います。マクロ経済スライド、給付調整の早期終了といったものにつきましては、将来的に基礎年金の給付に必要となる国庫負担財源、これはネット等では最大で年2.3兆円という国庫負担が必要と言われておりますが、その国庫負担財源が確保されていないといったこと、それから国民年金の拠出期間の延長について、これ45年化というところを我々連合も求めてまいりましたが、昨年7月3日の財政検証の際に早々に財政的にそんなに悪くならないという見込みで、45年化については今後議論しないと早々に打ち切ったといったことがありながら、基礎年金の給付水準を底上げするといった課題、それから給付水準低下する厚生年金受給者は一定程度発生しますので、そういった方々の影響といった課題とかありますので、そこら辺につきまして年金部会の中でも議論が不十分だったと思いますので、当該部分の削除を求めていくということにしております。
ありがとうございます。もう1点、会長にお伺いしたいんですけれども、会長は常々社会保障については働き方に中立な社会保障というふうにおっしゃってましたけれども、今回の年金の話、3号のところも含めてですけど、今回の話では会長がおっしゃってた働き方に中立というのはまだ達成できてないというふうなご理解ということでいいのか、それの受け止めをお願いします。
出来ていないという認識を持っています。
NHKのイガラシです。本年もよろしくお願いします。2点ありまして、まず1点目が参議院選挙の関係で、参議院選挙の候補者調整など野党連携に向けてですね、連合として立憲民主党と国民民主党の両党に対して具体的にどのような働きかけを行っていくか伺います。
トップ懇談会を開催していますので、その中で引き続き確認をしながら要請をしていくということになるかに思います。
続けて2点目で、先ほどご説明がありました戦後・被爆80年の関連で会長に伺います。本日の協議資料の中に、会長名で核兵器禁止条約に関する総理宛の要望書がありまして、右上のほうには日付2月××日と書いてありますけれども、来月、総理宛で会長が要望に行く方向で調整しているということでしょうか。
今のところは私が行く予定にはなっていません。
あらためてですね、この連合として戦後・被爆80年の取り組みですとか、3月にニューヨークで行われる核禁条約会議のオブザーバー参加の意義についてお願いします。
ちょうど昨年になりますが、連合の平和行動について、連合が加盟をしているITUCの書記長がお見えになり、広島・長崎の平和行動をご覧になって、非常に連合が恒久平和について積極的に活動しているということと、平和大使の皆さん、若い人たちがしっかりと受け継いで戦争の実相をお伝えしているというところに感銘をいただき、非常に世界の労働界から連合のこうした取り組みについて注目を集めているということもあり、今年80年を機に世界に向けて、やはり唯一の戦争被爆国でありますので、しっかりとこれを世界に向けて発信をしていきたいという中での取り組みになるということです。
朝日新聞のサワジです。細かいことなので担当の方でも全然構わないんですけど、2点ありまして、1つは、先ほど清水さんが議員立法に対する対応に言及されましたけれども、社会保険労務士法の改正について、ずっと議論していて、おととい今週の月曜日にあった新年会でも、自公さんだけじゃなくて立憲も国民も賛成するというふうな、早く早期成立を求めるということをおっしゃっているんですが、一方で、日本労働弁護団などはかなり厳しい批判をして反対声明を出しているという状況なんですけれども、現在、社労士会が要請している、例えば労務監査規定の創設であるとか、要望している改正事項について、連合としてはどんなスタンスなのかというのが1点目。
それから2点目は、今日発表になっているスポットワークに関する調査は非常に興味深い内容になっておりまして、冨髙さんのコメントで「これらの結果を踏まえれば、労働関係法令の遵守徹底をはかることは当然のことながら、現行の法制度における規定で十分に労働者を守ることが可能なのか検証し、ルールを整備していくことが必要と考えます」というふうに書かれております。これを踏まえて、今後、連合としてスポットワークについてどういうふうに対応していくのか、ルールといってもいろいろあると思っていて、ガイドラインの整備を求めるであるとか、もっと進んで立法化を求めるとか、いろんなレベルがあると思うんですけども、今後、連合として具体的にこのテーマについてどうやって取り組んでいかれる方針なのか。以上、2点お願いします。
担当の冨髙さんから。
まず、社労士法でございますけれども、ご指摘もあるように社労士といってもいろいろな方がいらっしゃるわけで、労働法に精通をされている方ばかりではないということを考えると、すべての社労士が適用されるようなところというのは我々としては懸念しているところでございますし、また、試験の内容とかも、労働法に関する部分がそこまで十分ではない中でですね、今回の法令というところは少し懸念があるかなと考えているところでございまして、そういった懸念につきましては、すでに昨年の段階で立憲・国民等には伝えているところでございます。
もう1点スポットワークで、どういったことをやっていくかというところでございますけれども、今回ネット調査ということで若干詳細について聞けない部分もございまして、若干ネット調査の限界というところもあるかなと思っているところと、やはり実態をもう少しきちんと把握をする必要があるかなと思っておりまして、その件につきましてはこれまでも労政審の中で厚労省に訴えているところでございます。厚労省としてしっかりとスポットワークの現状の実態を踏まえた上で、どういった規制が必要なのか、それは今おっしゃったようにガイドラインレベルでいいのか、法的にもう少し規制をしたほうがいいのか、今回の調査の中では経験したトラブルの内容を聞いておりますけれども、求人と仕事内容や労働条件が違うというような回答が出ておりまして、こういったものは本来現行の法令でもしっかりと守らなければいけないものであるにもかかわらず、そういった実態がございますので、そうなってくると労基法・職安法を踏まえた上で、どういった規制が必要なのかというのはもう少し厚労省としてしっかりと実態把握をした上で労政審等で議論していく必要があるのかなと考えているところです。
労ペンのシカタですが、中小支援について2点ほどお聞きしたいんですが、1つは中小の支援のあり方ですね、中小問題は昔から重要で、ますます重要性を増していると思うんですけれど、支援のあり方で、財源について労務費の価格転嫁を進めようというのが1つの世論化になってきて新しい動きだと思うんですが、労働組合としてどういう支援をするかという点について、連合としてですね、好事例というのか、事例集をね、一度調べてみたらどうかというのは思ってるんですけれど、というのが今年の場合にある産別なんかは昨年以上の回答をめざすというところで、中小には産別が水準ができるまでは妥結するなと、で、いついつまでに妥結しようと、もし妥結に会社が答えない場合は地連・地方のオルグがね、単組まで乗り込んでいって交渉することまで決めている産別もあるわけです。そういう点では、具体的に財源を確保するということとあわせて、具体的な支援をどうするかという形でね、そういう事例があればね、連合として調べて、非正規の場合は好事例集というので本が出て、運動の連合の中に波及というのがあるんですけれど、中小のあり方について、各産別とも結構いい中小支援の運動をこれまでもやってきているし、今年は特にここを強めるんだということもありますので、そのあたりをぜひ事例集みたいな形でまとめられたらどうかということを思っているんですが、そのあたり今年だけで終わらない話なので、若干中期的な視点も含めながら、そういう中小支援のあり方について連合として調べられたらどうかというのが思っているのでどう検討されるのかというのが1点です。
あと2点は、また財源に関わるんですが、労務費の価格転嫁というのは経営側に対して財源を求めているわけです。やっぱり政府に対しても、政府も自ら財政的支援を中小にすべきではないかと思ってまして、価格転嫁というのは政府が旗を振ればいいんだけれど、全然痛くないというのがあってね、そういう点で僕は「賃上げ促進税」ですね、これは今年の経労委報告にも経団連自身がベアのところで、中小のベアを含めてやっていくためには政府の賃上げ促進税の活用もあるという形で言ってるわけで、そのあたりは労働組合としてもね賃上げ促進税を活用するってあたりでも具体的に検討されていけばどうかと思って、これは実態はね、もう連合のほうはご存知のように、活用してるのはほとんど大手企業なんですよ、中小はほとんど活用できないんですよね、そういう点ではよく思うんだけど、今の野党の国会情勢の変化なんかも含めながらね、そういう、言ってみれば政府も中小企業に対して財源支援しろと、具体的には賃上げ促進税なんかのね、これは法改正しなくても運用でできると思うんですよ、言ってみれば法人税をどうするかという問題ですから、そのあたりでこれも今年できればいいんですけれども、もしできなかった場合ね、法人税の賃上げ促進税について運用改善をして中小も活用できるようなことはどうかと思ってまして、実のところは今トヨタとか結構使っているんですね、大手は使っていて中小はほとんど使えないというのがありまして、そのあたりの運用是正というあたりも検討されたらどうかと思うんですが、この2点についてお聞きしたいと思います。よろしく。
私のほうからお答えしたいと思っています。ちょっとマスコミの皆さんにはオープンにしていないお話なんですが、実は価格転嫁の取り組みについては共闘連絡会などでそれぞれの産別がどんなことをやっているのかという話は集約をし、こんな中身でやっていますというのを共有することはもうセットしております。ただ、ちょっとまだはじめてなものですから、皆さんにお見せするような中身になるかどうか、あるいはまさに、突っ込んでやっているところと、それを見てこれからやろうというところとか、もう様々あるものですから、今後ご提案の話も含めて検討してまいりたいと思っています。
あと、政府の支援でございますが、まず、この間もずっと言ってきている話は、賃上げ税制の話もあるんですけど、やっぱり1つ大事なのは公共分野から発注されている、政府自身が調達するものについて、ちゃんと転嫁されていないんじゃないかということについては、まず自分のできることを徹底してもらうと。やっぱり、それは出来てなくて困ってるという話を現場で受けておりますので、まずやるべきことをやってほしい。それは地方公共団体も含めて、都道府県とか含めて、やってほしいと思っておりますし、あと公共料金とか、公的分野の規制で価格を決めていることなどについても、規制があるのでなかなか個別の契約とか取引では決定できないというふうな政策的な課題もあるので、まずそういうのもちゃんとやるべきだと。その上で賃上げ税制の話というのはあるんだろうと思っています。これもまさに大手の法人税の減税のウエイトの方が大きいんじゃないか、私もちゃんと数字把握していないんですけど、たぶんそうなんだろうとは思いますが、それはなぜかといえばやっぱり黒字が大企業に集中しているからだと思います。ですから、中小への波及ということを考えると、まず価格転嫁も含めて中小企業の利益が出るように適正にしていくと、その上で減税について聞いてくるという時間軸の中でここについても考えていく必要があるあるんじゃないかと思っておりまして、引き続きこの辺については、まさに我々がやろうとしているのは、中小も含めて全体として去年を超えていこうという話でありますので、政策的に使えるものは使ってプラスの効果を得たいと思っております。
確かに法人税の問題で、納めてないんだから払えないという、例えば価格転嫁の場合は、大手なんか見れば、支払い能力じゃなくてね、賃金上がった場合は価格転嫁の交渉の材料になるというのもあるわけですよ。そういう点からいけばね、賃上げ促進税なんかもね、そういう法人税を云々もあるけれど、やっぱしね、中小でも賃上げしたらきっちりね、政府としてね、賃上げ促進税は対象になるようなそういう運用に変えてもいいんではないかと、そういう時期ではないかと思ってましてね、儲かるというのは政府のほうも、要するに儲かったら適用するかというのは政府も言っているわけで、そうではなくて賃上げとか、価格取引の場合は最賃が上がったらとか、物価上がっても交渉材料になると言っているわけですから、そのあたり賃上げ促進税の場合も具体的な中身で運用改善されたらどうかと思っていまして、ぜひ検討してもらいたいと思います。よろしく。
毎日新聞のシオタと申します。芳野会長に賃上げの年代別の格差についてご見解をお伺いしたいんですけれども、最近、大手の企業で初任給を大幅に引き上げるという報道も目立っておりまして、かつ、連合白書でも指摘をされていますけれども、年齢別の賃上げ率でやっぱり中高年の年代が賃上げ率として低くなっていると。で、物価上昇に追いついていないと感じている年代別の割合も、中高年のほうが高くなっているという資料が出ているんですけれども、ここについてですね、どういうふうな課題感を感じているのか。考え方としては、どうしても賃上げの原資限られる中で、この時代に年効序列的な賃上げのあり方というのが果たして適切なのかという視点もあるかと思うんですけれども、そういうことも踏まえて何か春闘の中で具体的に対策を取っていくようなお考えがあるのかどうかも併せてお伺いしたいと思います。
賃金制度については、それぞれ個別の労使に委ねられているかと思いますので、コメントは避けたいと思いますけれども、やはり初任給が上がるということはおそらくその初任給が上がった分、賃金体系などの見直しも行われているかと思いますし、そこが上がったとしても、その先上がらないということが分かってしまうと、おそらくその人たちのモチベーションも上がらなくなってきてしまうので、スタートのところだけグンと上がるというやり方については、その先もちゃんと見据えないと、働き続けていくということを考えたときにちょっと懸念があるかなと思います。やはり、中高年層の賃金引き上げがままならなくなってくると、職場の中ってタテ社会が残っているので、たぶん後輩とか部下たちにあまり良い影響を与えないのではないかと思いますし、年功序列が良いかどうかというのはそれぞれの企業の判断だとは思いますけれども、やはり企業の発展がなければ処遇改善には向かいませんので、どの年代であってもしっかりとモチベーションが上がるような制度を確立していくということが大事だと思いますし、賃金制度というのは10年ぐらいで見直していくということが一般的な考え方になっていますので、そういう中できちっと整えていくということが大事ではないでしょうか。
朝日新聞のカタダと申します。1点だけ、つながらない権利についてお伺いしたいんですけども、つながらない権利について厚労省の労基法の有識者研究会はですね、今月はじめに出した報告書でですね、ガイドラインの策定について盛り込まれましたけども、その受け止めとですね、あと、一方で連合は立法化を求めるというような主張をされていると思うんですけども、どういった立法化を想定されているのかということと、これから国に何か働きかけていくことがあれば教えてください。
冨髙さん、お願いします。
1個目もう一度言っていただいてよろしいですか、申し訳ありません。
厚労省の荒木研、労働基準法研究会の報告書でガイドラインの策定といったところが盛り込まれまして、その受け止めを教えてください。
たぶん2つ目の質問とつながると思うんですけれども、我々も法制化といいますか、やはりもう少しきちんと研究をして、海外の事例等も踏まえながら、どういったやり方が望ましいのかというところはきちんと調査するべきだと考えているところでございますので、そういった形で今後有識者の中で検討をしていただきたいということでございます。
月刊ファクタのミヤジマと申します。民放労連の委員長は岸田花子さんという方ですが、「安心して働ける環境の実現をすべての放送局に求めます」という談話を出しておられます。まさにジェンダー平等ということで、ジェンダー主流でやってきた芳野さんは、この事件ですね、性加害ですね、これについてどういう感想を持っていて、こういう問題について労働組合の果たすべき役割というんでしょうか。それについて率直にどうお考えになるのか、これ別にフジテレビだけの話だと思っている国民は一人もいないと思うんですけど、率直にどう思うのか伺いたい。
絶対にあってはならないし、許してはいけない案件だと思います。今回のフジテレビの、タレントの中居正広さんと女性とのトラブルについては事実関係が不明ですのでコメントは控えたいと思いますけれども、やはり企業としては社員に対する安全配慮義務を負っているということと、ビジネスと人権の観点からも、社員の人権を守る責任があると思っています。その上で、取引関係におけるこうしたハラスメントというのは、力関係といいますか、非常に弱い立場のほうにしわ寄せが行ってしまうということがありますので、非常に難しいこともあると思いますけれども、優越的地位を背景として、協力が求められない場合については、ハラスメント対策の実効性を担保するという意味では、国として相談窓口を整備するなどの対策が必要ではないかというふうに思います。そして、健全な労使関係があれば、日々の労働組合の取り組みの中で、もっと未然に防ぐことができたのではないかと思いますので、連合傘下の加盟組合に対しても日々の組合活動において、職場の中でのハラスメント対策ですとか、職場の人間関係を含めて、しっかりとしたチェック機能を働かせていくということを周知していきたいと思います。