2017春季生活闘争 第3回回答集計結果記者会見

 

連合記者会見

2017春季生活闘争 第3回回答集計結果記者会見

神津会長・宮本副会長・難波副会長・逢見事務局長・安永副事務局長・須田総合労働局長(2017年3月31日)

連合記者会見全文

(※聞き取れない部分、不明な部分には「●」を使っています)

須田総合労働局長

 総合労働、須田です。よろしくお願いいたします。
 プレスリリースを1枚めくっていただきまして2ページ、賃金引上げ平均方式の総括表が載ってございます。1954組合、引き上げ額6147円、率で2.05という事で先週24日に発表しましたアップ率2.05と同じ数字になっております。その下に300人未満、1.99%と、これは先週の段階2.00という事ですので、これも同様の傾向で続いているという事です。その下、参考1という事で、この1954組合中、賃上げ分いわゆるベア相当分が把握できる組合1155組合でございます。賃上げの額で言うと1326円という数字になっております。この1155組合を回答分布で展開したのが、共闘推進アピールの裏にグラフがあると思います。この1155組合を300人未満の582組合、300人以上の573組合をいわゆる1000円以下か以上かという事で分解したのがこのグラフです。左側300人以上、2016年度の比較でいくと白い部分が1000円未満の回答を引き出したと、少し黒いところが1001円以上と。1000円札にいくらは積めたというのがこの黒い部分です。大手のほうは2016年287組合だったものが今回252組合という事で、6%ポイントほど下がっておりますが、中小を見ていただきますと昨年207組合43.9が、今段階296、約51%という事で、中小の頑張りが目立っているというのが見ていただけると思います。この事がプレスリリース戻っていただきまして2ページの一番下に同一組合比較を行っております。同一組合比較の下から2つ目のハコに300人未満というところがありますが、賃上げ分で300人未満計で対前年比100円増と。内訳を見ますと定昇相当分、労務構成もあってマイナスになっておりますが、全体でも44円のプラスという事で、300人以上がマイナスの中で300人未満は昨年を上回る回答を引き出しているという状況にございます。
 3ページは、司会のほうから言いましたように今回初めて非正規一時金それから進捗状況についても集計をしております。非正規の時給の欄を見ていただきますと上げ幅で24.63円単純平均です。加重平均で23.49円。対前年比でいくといずれも4円以上引き上げがあるという事です。この24円というものを平均時給の964円で単純に割り算してみると2.6%ぐらいになります。先ほど、平均で全体で2.05と申し上げましたが、非正規が正規を上回る回答を引き出しているという状況にございます。3.の一時金、月数要求で回答を引き出しているところ、それから金額要求で回答を引き出しているところ、それぞれ相関ありませんので4.94ヶ月が160万相当だという見方をしないでください。月数があくまで月数、額は額ということで見ていただきたいと思います。季別と書いているところは、今は夏の分しかやっていないというのを「季別」という言い方をしております。それから進捗状況ですが今回月例賃金の取り組みの進捗を明確に把握したいという事で集計方法を若干変えました。闘争に参加している組合は8100組合、すでに要求提出している組合は5756組合、そのうち月例賃金の改善の要求をしている組合が3687組合、現段階妥結済みが1209組合で妥結状況はおおむね3分の1済んでいると。残り3分の2がこれからだという状況にあるというふうに見ていただきたいと思います。
 それから17ページを見ていただきたいと思います。いわゆる諸要求という形で、非正規労働者の均等均衡待遇あるいは雇用確保に向けた取り組み、それから男女平等の取り組み、ワークライフバランス、ワークルールという形で個別詳細の中身はこれからの把握になりますが、取り組んだか取り組んでいないか、あるいは交渉の進展があったか無かったかという組合の数だけを記載しておりますので参考にしていただければと思います。特に18ぺージのワークライフバランスのところの長時間労働の是正等々についても、36協定の特別条項の上限規制あるいはインターバル規制の導入、所定労働時間の縮減、年次有給休暇の取得増あるいは残業の縮減、等々、いわゆる「働き方改革」的な事もこれまで同様引き続き取り組まれているという事がわかると思います。それから18ページの4.のワークルールの取り組みの(2)、これは今年はじめて取り組んだ内容です。治療と職業生活の両立支援に関する取り組みという方針を掲げて今回はじめて20組合が要求を提出し交渉中という状況にあるという事ですので、この諸要求に関しましてはこれから毎月末ずっと集計をして公表していきますので参考にしていただければと思います。
 回答状況は以上でございます。

神津会長

 それぞれに大変ご苦労さまです。前段の共闘推進集会でも私申し述べたところですが、今ほど現時点の集計内容をお聞きいただいた中でも、とりわけ私としては300人未満の中小組織、昨年と対比が出来るところの賃上げ、ベースアップが昨年の現時点同時期の水準を上回っているという事は私はやはり底上げ春闘という事をそれぞれの組織が労使交渉の中で体現をしてきたものであるというふうに思います。これは本当に、この事を糧にして、今ほどありましたようにまだ3分の1ですから、ここから先に何としてもつなげていきたいという思いでいっぱいであります。かつてのインフレ前提の春闘であれば、3月半ばの集中回答日、第1のヤマ場なわけですが、そこでの状況がすべてを決定付けるというようなところが少なからずあったわけですが、そういう意味では、3月の半ばの段階でも業種業態構成組織によって状況は様々であり、また大手をむしろ中小が上回るという傾向もその時点でもあったわけですが、そこのところがデフレをいかに脱却していくかという底上げ春闘だという事を標榜しています。そのもとで、かつてのインフレ時代の春闘の常識とは明らかに異なる傾向が本日段階の集計の中でも表れているという事ではないかと思っています。また、いろんな形の、賃上げのみならず、の部分での様々前向きな回答も、今日の集計の中では具体的な回答に至るところの項目も日本語表現のものを見ていただいています。これはこれで今年の春季生活闘争の1つの大きな特徴であると思いますので、そのへんもぜひ参考にしていただきたいと思います。
 今日は共闘推進集会の中でいくつかの構成組織からいろんな特徴点も含めての状況報告、決意表明もありました。そういったところを、お互いに取り込めるところ、良い話はそれぞれ横展開していこうという事も申し合わせたところであります。これからそういった事も含めての相乗効果、実を上げていきたいというふうに考えているという事をまず私のほうから申し述べておきたいと思います。

宮本副会長(中小共闘センター委員長・JAM会長)

 中小共闘センターの委員長を務めております副会長の宮本でございます。
 私のほうから現状況について少し触れたいと思います。まず、これは神津会長もおっしゃた事でございますけれども、中小においても4年連続でベアを実施をしているという事。これそのものについては中小共闘センターとしても評価をしております。特に2年連続で中小の回答額が大手を上回っている。このことについても大変評価ができるのではないかと思っています。しかし一方で中小経営者、経営側の交渉に臨む態度は慎重でございまして、さらに今後の経済動向等々をにらみながらこの慎重さは変化がない。こんな中で中小の中でも、ベア獲得ができた労働組合と、残念ながらベアゼロで終わってしまっているところもある、こういった意味で言うと大手と中小の格差の是正もさることながら、中小同士の中でも格差が今開きつつあるところもあると危惧をしています。一方で、賃金制度が確立されていない中小が非常の多いわけでございますが、こういったところでも賃金水準の到達目標を設定をして、賃金の絶対水準にこだわる取り組みによって、生産性の高い職場をつくり、そして格差是正の実現もできると確信をしております。その意味からもこれ以上の賃金格差は許されないわけでありまして、大手追従、大手準拠からの脱却転換の2年目の春闘になりましたけれども、要求段階から大手を上回る中小が増加をしています。賃金の社会性を高めるためには、連合が開示をしています代表銘柄あるいは中堅銘柄をベンチマークとした個別賃金重視の交渉により獲得したベア原資の配分にもこだわっていかなければなりません。昨年に続いて中小の妥結が大手を上回っていますけれども、賃金構造維持分を加えた水準の高さ比較では、残念ながらまだ大手と中小の格差は是正されておりません。そのため、賃金情報の収集とデータの開示はこれからも不可欠な課題でございます。中小春闘はこれからがヤマ場でございまして、多くの中小労使の交渉をしっかりと支援をしていきたいと思っていますし、未解決組合の交渉を促し、そして多くの中小労組での早期解決をめざす事で多くの未組織あるいは非正規の皆さん方に波及できるよう相乗効果を生み出していきたいと思いますので、最後までのご理解をお願いしたいと思います。私からは以上でございます。

難波副会長(中小共闘センター副委員長・運輸労連中央執行委員長)

 運輸労連の難波と申します。よろしくお願いします。
 私からは、いま宮本委員長がおっしゃった内容だと思います、とりわけ私の出身の運輸の状況を少しお話をしてみたいと思っています。ちょうど年初、昨年から原油価格の高騰という事で、前年と比較しますと燃料価格が大幅に増えるという状況の中で運輸の場合はスタートしたわけでありますが、やはり2月のヤマト運輸労使交渉が、まさにヤマトショックという言い方もありますが、そこで一変をしたと思っています。そこでとりわけ運輸については人手不足という状況が目の当たりになりまして、連合の仲間でもあるわけでありますが、お客様の物流担当者のみならず社会全般として人手不足という事が認知されたのかなと思っています。ですからまさに中小、人手不足という中で非常に厳しい状況ではありますが、やはり賃金、労働条件を引き上げていかないと人が集まってこないという状況は今でも続いています。運輸のみならず、中小が頑張って元気にしていかないと、日本の経済そのものが立ち行かないのだろうというふうに思っていますので、そういう意味で言うとこれからの中小の頑張りをどうやって支えていくのかという事が大きなテーマと思っています。いずれにしましてもこれからが中小については本番ですしスタートだと思っています。6月までかかる単組もありますが、そういった単組に対してサポートししっかり支えていくという事も含めて考えていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。以上です。

質疑応答[1]
Q.(読売新聞・フクモリ氏)

 須田さんに。いただいた資料の18ページでいわゆる日本語回答というところで、いわゆる働き方改革にからむところで言うと、労働時間の短縮のところは去年より回答数が減っていて意外な感じがしたんですが、ご承知の通り今回の春闘というのは政府で労働時間の残業の規制などを議論していた時期と重なっていて、労使共に様子見があったのかなという感じもしますが、例えば所定労働時間の短縮だと要求したのが706で去年の737より減っていて、回答も去年は146あったんですけれども今回は91に減っていると。残業で見たら758件要求して去年の595より増えているんですけど回答は去年の39から25に減っていると。このあたり原因をどういうふうに分析されているのかと、あと来年はこの傾向はどうなるとご覧になっているのか。そのへんを教えてください。

A.(須田総合労働局長)

 先ほども申し上げましたけど個別具体的にはこれから収集しますので、今段階のヒアリングの状況という形で勘弁いただきたいのですが、前年と比較して数が増えたからいいとか悪いとかという話ではなくて、つまり、問題があって、去年であれば737組合が課題解決しようとして146が改善したわけです。その差の分だけ今年出てくるのかと言うと、それはプラスアルファになっているわけです。だから、推移をどう見ていくのかというのがありますので、単に件数が増えた減ったというだけでは分析できないと思っています。当然、特に労働時間全体ですけれども、会社の仕事の進め方そのものを変えていかないと労働時間縮減できないわけですよね。単純に人を増やせばいいというわけではありませんから、そうすると解決するまで時間もかかりますので、構成組織によっては労使検討の場というものをまず設置して具体的にどうやったら短縮できるのかと、長いところでは2年ぐらい議論してやっと時間短縮になると。例えば今年のフード連合さんの味の素さんも2年ぐらい議論した結果、今年回答が出ているわけです。労働時間はすべてそういう形で足の長い取り組みになりますので、すぐに出てくるとは限らないというふうに思っております。なんていうんですかね、政府は政府で一生懸命頑張っていただいてますが、我々、人手不足、人口減少という日本の構造問題の中でどういう働き方をしなければいけないのかというのはずっと主張させていただいています。2014年から始まっているいわゆる月例賃金にこだわるという取り組みと同時に働き方改革、多様な働き方をどうするんだ、処遇をどうするんだ、というのはずっと長年やっていますので、その流れの中でそれぞれ構成組織が課題点をどう解決していくのかという整理をやっていますから、実行計画で具体的にどうなっていくのか、あるいは労基法改正がどうなっていくのかという法律の問題もありますけども、それだけではなく、課題解決の取り組みが進みますので、我々も注視していきますが、労働組合ですから法律は守って当たり前、法律を上回る処遇にどうするんだと。労基法1条で書いている事ですけれども、それを目指してやっていますので、それぞれの課題解決に向かった取り組みはこれからも続いていくというふうに認識しております。

(読売新聞・フクモリ氏)

 確認ですが、件数自体が減ったというのは要するに例えば去年もう協議に入ったところはそれで課題がある会社が減ったので今年はちょっと減っているという理解でいいんですか。

(須田総合局長)

 そういう会社もある、という事です。去年やらなくて今年やったというところもあると。その詳細な分析はまだ出来てませんので、そういったパターンがありますという事で今日段階ご理解いただければと思います。

質疑応答[2]
Q.(労働ジャーナル・シカタ氏)

 2点お聞きしたい。 1つはちょっと細かい、もし分かればですが、5ページの金融・保険のところで14組合が登録されているわけですが、そのうち300人未満が1社しかないんですけど、去年と比べて3500円ぐらい下がっているという事で、これは1社しかないから固有名詞…これは結構大きい落ち込みなんですが、どういう理由かもし分かれば、ゼロ金利であれば他のところももっと落ちると思いますが、何か分かれば、というのが1点です。
 それから2点目は、個別賃金方式についてお聞きしたいのですが、7ページの35歳の計でA方式ですよね、B方式の場合は定昇が入ってくるから大手の定昇が中小より大きいからどうしてもB方式の場合は大手が高く出ると思いますが、A方式の35歳のところで300人から999人とか、このあたりが大手を上回っていますよね。これは、去年を見れば分かるんですが、大手よりは中小の個別賃金のほうが、純ベアのところでも増えているとあったり、1つの特徴と見ていいのかどうか。こういう35歳のところが個別賃金上がるから、賃金カーブから見ても、他の平均方式に直せば全体の水準のアップにつながっているのかどうか、そのあたりをどう見たらいいのか、そのあたりよろしくお願いします。

A.(須田総合局長)

 すみません。金融については詳細を把握できてません。それから、個別Aは言われるとおり純ベア方式ですので、ここも中小が頑張っているという見方をしていただいて結構だと思います。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・ニエカワ氏)

 2点うかがいます。 先週もうかがったのですが、1つまず、回答の組合数が増えているところをどう見るのかという事で、回答がなかったところが積極的にベアなどの回答をしている事の表れだというような事を先週うかがったんですが、今回もその傾向が続いていると考えているかどうか、が1点。
 もう1点、非正規の部分で、時給の賃上げ額が上がっていますけれどもこれは最低賃金も昨年25円平均で上がっているわけで、このあたり最低賃金の影響とか人手不足の影響がこの賃上げにどんなふうにからんでいるのか、評価を教えてください。

A.(会長)

 1点目は、私は前回同様引き続きそういう傾向ではないかと。私らの立場からすると少し欲目のところがあるかも知れませんけどね、ただやはり積極的に、特に底上げだという事なり、中小の組織こそ大手準拠大手追随から脱却して、自律的に取っていこうじゃないかという事を掲げていますので、1つにはその事の表れだろうというふうに思いますし、3月で月内決着を図っていこうという旗の振り方というのもありますから、まさに今日3月末日で昨年に比べると前倒しで回答引き出しを実現できていると、見ておきたいと思います。
 それから非正規という形態で働いている方々、とりわけ連合においてはパートですね、この方々が非常に多いわけですが、最低賃金がここ数年かつてに比べるとかなり上がってきているという事も背景としてはあるのかなと思いますが厳密にその事が今日の段階の集計で効き具合としてどこまでかという事で言うと、ちょっと今時点でははっきりと分析的に申し上げる事は出来ないのかなと思います。あとはやはり人手不足という事も一方でありますし、また全体の傾向が昨年時点でもかなりはっきりしてきていますから、そうするとそういう流れを引き継いでいるという事でもあるのではないかと思います。

質疑応答[4]
Q.(日本テレビ・モリ氏)

 会長と、宮本さんと難波さんにおたずねします。
 先ほど会長が一番最初に、評価のところで、今回中小がプラスになったのはそれぞれの組織が底上げ春闘というものを体現したとおっしゃっていましたが、これ以外に要因があれば教えていただきたいのが1つ。
 それからお三方におたずねしたいのは、これからさき中小がどんどん本格化していくわけですが、底上げというキーワード、横の広がりというところで、広がっていく上で特にこれが必要だという事がありましたらお聞かせください。

A.(会長)

 推測も含めてという事になりますが、やはり世の中全体として人手不足感があるという事は一般論としても私どもにとっては追い風に働く要素だと思います。そこは1つあるのかなと思います。それとこれからの課題でもあるんですが、やはり取引関係、そこに私どもも非常にメスを入れていかなきゃいかんという意味での発信をしていますし、世の中全体としても、その事を抜きに、働く者とりわけ中小…中小という事も一律的にどうかという事もありますが、やはり取引関係で優越的地位に対してなかなか本来取るべき対価を取り得ていないという事が、従来の日本の取引構造の中で重くのしかかっている要因としてあると思いますので、その事をどうやってあるべき方向に持っていくのかという事が、まだ緒に就いたばかりではないかと思いますが、その意識を持ちながら運動として取り組んでいますので、その事も1つ要素としてあるのではないかなと、これはそういうふうに今後それをさらに高めていきたいという気持ちも含めて、認識をしておきたいと思います。

A.(宮本副会長)

 底上げ、広がりをさらに強めていくために何が必要か。先ほど少し紹介した連合がずっと情報開示しています個別賃金を取り組むための銘柄、いわゆる代表バッターをベンチマークにして、そこの賃金の上げ幅ではなくて賃金の水準にこだわっていく、この交渉をやはり毎年続けていくという事が重要だと思っています。大手の皆さん方は今年4年連続で相当のベアを積み上げておりますけれども、中小は4年連続でベアを実施した単組はやはりそう多くないはずです。これはまだまだヤマ場はこれから続くわけですけれども、そういった意味でしっかり毎年ベアの要求をし交渉するためには個別賃金重視の取り組みが必要だという事。それからもう1つは神津会長もおっしゃった、例えば私が所属しているものづくり産業のJAMは今年「価値を認め合う社会の実現」という事を1つのキャッチフレーズにしております。これまでの、要求して交渉するだけではなくて、中小の職場の中で生み出された付加価値を社会全体で認め合おうじゃないか、そしてその付加価値にふさわしい取引によって賃金の原資を生み出していく、そして労使で配分について交渉をしていく、こういったエンドユーザーも含めて、元請けから下請けそして孫請け、先ほど言いましたエンドユーザーも含めてその価値を認め合う社会の実現というものにしていこうと。この追い風になっているのは昨年12月に経産省あるいは中企庁あるいは公正取引委員会もこの下請法の運用基準の見直しですとか、あるいは支払い手形の期間の短縮ですとか、こういった事もようやく本腰を入れてきております。我々その事を追い風にして、さらに中小末端にまで行き届くような賃上げの底上げそして広がりを持たせていきたいと思っています。

A.(難波副会長)

 キーワードは、取引環境、公正取引、適正取引だと思います。中小の経営者の皆さんとお話をしても、やはり人材を確保するために適正な支払いをしたい、適正な人件費を払いたいという気持ちはよくお話は聞くのでありますが、どうしても適正取引がないためにですね、払いたくても払えないという実態をよく訴えられています。この事がまず一番最初にやるべき事ではないかと思っています。ですから例えば、元請け、下請け、ですから元請けが適正な取引をして適正な価格でお客様から料金を収受し、もう1回循環させていくというような社会構造が必要だと思っています。日本人の中で言うところのサービスと言ったら何なんだろうか、そもそもサービスって無料ではないかというようなイメージ、こういうイメージ先行の社会構造を変えていかないといけないと思っています。とりわけ、私は運輸でありますから「送料無料」という言葉が一人歩きしてしまって、なんとなく、例えば通販貨物については無料で送られてくるんだというような事がありますから、そういった社会観念含めて変えていかないと、なかなか底上げできないと思っていますので、まずは適正な取引、公正取引という事から変えていくべきだと思ってます。