年頭記者会見 2020年1月

 

連合記者会見

年頭記者会見

神津会長・逢見会長代行・川本会長代行・相原事務局長(2020年1月6日)

連合記者会見全文
神津会長

 改めまして明けましておめでとうございます。今日も大変多くの方にお集まりいただきました。感謝申し上げたいと思います。
新年の冒頭の会見ということでありますので、当然のことながら年が改まって、抱負を簡単に述べさせていただきたいと思います。と申しましても、ご承知のように連合は、昨年が30周年ということでもありましたのでビジョンを策定し、政策構想もブラッシュアップをし、そして昨年10月以降の1期2年間の運動方針も掲げてきています。それらは言ってみれば抱負と言いますか、目標に散りばめられたものであります。どれもこれもなかなか容易な目標ではないと思っていますが、やはり働くすべての人たちのため、そして日本の経済社会これからの将来に向かって非常に大事な目標あるいは政策ということだと思っております。取りわけ、そうは言っても私自身の存念として今年しっかりと力を入れていきたいということで2つ申し上げておきたいと思います。1つはやはり仲間を増やすということです。労働組合として「組織拡大」という言い方が1つの定型パターンですが、そういうことのみならず、やはり集団的労使関係、働く人たちが自分たちの欲求あるいはその建設的な意見について声を上げるということの大事さ、それを使用者側としっかりと話し合いができるという環境というのが極めて大事だと思っています。1つは働き方改革です。これは今年の4月から長時間労働是正、36協定、残業の罰則付きの上限規制、これが中小企業も含めてということになります。そして同じこの4月からは、大企業だけが先行するという形になってしまいますが、同一労働同一賃金です。正確には均等・均衡処遇です。雇用形態にかかわらずということで、やはりこの36協定の問題ひとつ取っても未だに従業員の過半数を代表する人の選び方がいい加減なところが散見されるということです。労働組合がそこにしっかりと、職場にあることが当たり前だと、こういうことにしていく必要があります。同一労働同一賃金ということに至っては、何が均等でなければいけないのか、何は均衡ということなのか、こういうことというのは、その労使で制度上の認識共有がないと本当の意味でものにならないということに他ならないと思っています。そういった意味でひとつ重要なテーマを我々日本の社会は抱えている訳ですから、労働組合の必要性ということをこれまで以上にしっかりと世の中に浸透させていかなければならないと思います。
 それからもう1つ、発信力これをもっと高めていきたいということです。この後の新年交歓会への挨拶の中でもそういったことを述べようかなと思っていますが、日本の社会は少子高齢化、人口減少ということのみならず、どんどん萎んでいってしまっているのではないのか、それは世界の流れの中においても極めて特異な状況で、このまま放っておいて一体どうなるのかということの危機感を強めざるを得ません。賃金の状況にしても欧米先進国がこの間20年間上げてきた状況と、いかにデフレの状況が続いてきたとはいえ、あまりにも実態が違いすぎるということについて、労働組合・連合としては当然ですが、社会全体がもう少しまともな危機感を持っていかないとどんどん萎むばかりじゃないのかなという感じがします。技術革新であるとか、デジタル化ということなども含めて、これは企業社会も相当世界の水準に立ち遅れているのではないか、あるいは将来に亘ってこの1億人を超える日本人を養うだけの飯の種というものがしっかり確保されているのだろうかというようなこと等々、非常に危機感を強めざるを得ません。そういったことについても先程申し上げたように政策構想も働く者の立場から相当いいものを作っていると思いますが、そのことを世の中にもっと知ってもらわないことには意味をなさないということだと思っていまして、私をはじめそれぞれの立場でしっかりと発信力を強めていくことが連合にとっては非常に大事なテーマではないかなと思っています。
 冒頭ということで私の方からは以上とさせていただきます。今年もぜひいろんな点で注目していただいて、この場を含めて様々ご指摘をいただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

質疑応答[1]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 朝日新聞のサワジです。2点、経済と政治について伺います。見通しについてどういうふうにお考えになっているのか。まず経済についてですが、中東情勢の緊迫化に伴って今日も株価が影響を受けるなど若干不安定な要素が出てきていますが、このへんについて今年の春季生活闘争などへの影響についてどういうふうにご覧になっているのかが1点。
 それから2点目として、ご自身のブログで直近では政党の合流論について書かれています。今年どのくらいのスケジュールで、どういったことを期待されているのか。改めて年頭にあたってお聞かせ下さい。以上2点お願いします。

A.(会長)

 ありがとうございます。まず経済ですが、ご指摘いただいた点も含めて、なかなか明るい要素があるというふうには思えないと思います。米中の関係は一時の懸念に比べたら少し持ち直すような気配もあるのかなと思いますが、いずれにしても分断と言いますか、自国ファーストというような、そういった流れというものがまだまだ引き続いているということも含めて考えると、なかなかそういう意味で短期的な観点で明るい材料というのはあるとは思っていません。ただ迎える2020の春季生活闘争ということで言えば、これは是非経済界も逃げないで考えてもらいたいと思いますが、次元が違うと思います。我々が取り組んでいるこの賃上げの流れというのは、先程申し上げたようなことの世界の流れの中でも全く置き去りになっている日本、このままでいいのかということが根底にあると思います。したがって、この失われた20年間がなくて、それで、そういう短期の状況のアヤでじゃあ今年の春季生活闘争どうなんだっていうこととは全く違う次元の話だというふうに思っています。20年間で、名目で見た時にアメリカは賃金水準が倍になっていて、EUの主要国は1.6倍になっていて、日本の場合は0.9倍です。これは名目で分かりやすい数字ということで申し上げましたが、実質で見ても同じような傾向があります。歴然としている訳ですし、お隣の韓国と比べた時に、大企業同士で比べると、だいたい年収水準は韓国の大企業は日本の大企業の1.5倍、加えて韓国の大企業は医療費がタダだとか、それは独特の運用がある訳ですが、あるいは子弟の教育費がタダ、みたいなことのこの大きなギャップというのは一体どういうことかということはあると思います。昨年の4月から入管法がバタバタと改正されて、この問題は避けて通ることができないと私は思っていますが、外国人労働者、14業種は新しい枠組みでお迎えをすると、こういうことになっています。初年度目標の5万人に対して今のところその試験を受けに来てくれるという人が約1,000人にしかなっていないということです。これだけ低処遇低水準の国にはもう来てくれないというのが実態ではないのかなというぐらいの大きなギャップが生まれていますから、少しそこは短期的な経済のアヤでもって云々かんぬんするという次元の春季生活闘争ではないということを改めて申し上げておきたいなと思います。
 それから2点目の政治に関してですが、触れていただいたように一昨日ブログで少し文章が長くなってしまいました。本当はブログやSNSの世界というのは、もう少し短くまとめるのがいいと思いますが、なかなかこういうことも少し言っておかないとみたいなことで、そこは逆に丁寧な内容表現したつもりですので、もしまだの方はお時間があれば覗いて見ていただければありがたいなと思います。そこに縷々を述べさせていただいた通りでありますし、これまで申し上げてきたように基本的に私どもは二大政党的運営というのを志向していますので、ですからそこはそういう観点で期待は当然持っていますが、間違ってもバラバラ感ガタガタ感を再び呼び起こすようなことだけは避けてもらいたいなというふうに思います。お互いの立場を尊重して丁寧に進めていただきたいと、これは言い続けてきている話ですが、そのことを引き続きこの胸に秘めながら、新年明けて今度は両党の党首同士で協議をされるというふうに伺っていますので、状況を見守りたいというふうに思っています。以上です。

質疑応答[2]
Q.(読売新聞・ヨシダ氏)

 読売新聞のヨシダと申します。春闘に関して2点お伺いします。1点目が、経団連の中西会長は電機業界を念頭に、同じ産業の中でも業態がガラリと変わってしまっていると、業界の中で統一して交渉するあり方に疑問を投げかけている訳ですが、産別によってはそういう状況はこれからデジタル化によって生まれてくるかも知れず、そういったところの統一で戦うところの意義あるいはその変化への対応についてどのようにお考えかというのをまずそこからお願いします。

A.(会長)

 電機業界を念頭においてということのご発言については、あまり詳細まで分かっていないので、少しザクっとした言い方になるところはご容赦いただきたいと思いますが、私どもが知る限りでは電機連合は構成組織の中でも、業種ごとあるいはむしろ職種ごと、そこでかなりしっかりした賃金政策、その水準のあるべきなども含めて持っているというふうに認識していますので、むしろそういうところにおいてどうなんだという、そういう労使の議論を期待したいなと思います。それと、必ずしも中西会長の発言を正確に受けてのコメントになるかどうかわかりませんので、そのへんもご容赦いただきたいですが、全般的に経営側の皆さんが「横並びは終わった」という言い方をされますが、私どもからすると、そもそもこの20年間大企業と中小企業の間で横並びが全然されてない訳です。そのことがこの日本における格差社会だとか、先程申し上げたような平均ベースの賃金実態とかで、そこに加えていわゆる非正規と言われる形態で働いている方々が本来の多様な働き方ではなくその場しのぎでコスト削減のために低処遇の働き方になっているというものを、20年間増やし続けてきてしまったのではないかと思います。ですから、もう少し賃金の水準を、全部一緒というのは勿論ありえない訳ですが、ただある程度その仕事の内容に応じてそこは横一線で物事を考えないと社会の構造自体が、先程来申し上げているように、おかしなことになってはいないのかなと、こんなふうに思います。最低賃金の問題についてもいわゆる産業別最低賃金、今は特定最低賃金と言ってます。これはもう廃止でしょうがないみたいなことを経営の方々平気で言いますが、私はそれぞれの産業なり横に共通する部分で、賃金水準というのはある程度で平準化されたものというのがあるということの方がむしろ納得感がお互いにあるのではないのかなと思いますし、自分のところの産業はこのぐらいの水準がなければならないぐらいの、そういう矜持って言いますか、そういうものをむしろ経営の皆さんというのはもっときちんと持って欲しいなと、こんな気持ちを持っています。

Q.(読売新聞・ヨシダ氏)

 2つ目、少し似ていますが、先程の発言の中で「仲間を増やす」という所感をおっしゃっていました。新しい新興系の IT企業なんかですとかなり労働組合そのものがなくて成長しているところも多くなってきていますし、去年の中央委員会でも全銀連合の会費の減免の話がありましたが、今ある会員の中でもそういった地殻変動が起きていて、これをどう守っていきつつ新しい企業に参加を呼びかけていくかというところをお願いできますでしょうか。

A.(会長)

 組織人員というのは、拡大をすることができた、増やすことができたというところもあれば減るところもあり、いろんな事情の中であって、そこをなんとか増えている方が多いという感じに、この6年ぐらいなっています。私どもとして三位一体という言い方をしていますが、構成組織と地方連合会とそれから連合本部もしっかりと前面に出てやる形を整えてからはそういう状況になっていますし、17年ぶりに700万人台を回復したというのも、そういうプラスがありマイナスがあり、しかしなんとかプラスの方が上回っているという状況にしてきたということだとは思っています。それで、今2つ例を挙げられたことで言うと、確かにIT業界というのは多分組織率ということで言ってもあまり高くないと思います。ただ長い目で見たときに組合があるということがその企業の成長に取ってどうなのかということは、もう少し目を凝らして見ていく必要があるのかなと思っていますし、IT企業の経営者とたまたまいろんな懇談会で一緒になった時に、本当は働いている人の気持ちをもう少しうまく聞くこともできる手立てがないかなみたいな、そんな話をされたことがありました。おそらく、経営者も様々だと思いますが、何かきっかけを持ちたいという方々も私は結構潜在的にはいらっしゃるのかなと思っています。
 それと全銀連合ですが、どう考えても地方銀行というのは雇用の状況は極めて厳しいというふうに思っています。実は組合の運営もなかなかままならないというところも中にはあるというふうにもお聞きをしていますので、少しそこは相当意識して手を差し伸べると言いますか、そういう産業政策といいますか企業としての対策ということについても自分の問題としていろいろ相談し悩みを分かち合っていきたいなと、こういうふうに思っています。

質疑応答[3]
Q.(産経新聞・チダ氏)

 産経新聞のチダと申します。よろしくお願いします。立憲民主党と国民民主党の合流についてお伺いいたします。立憲民主党と国民民主党の合流方式をめぐって新党結成に否定的な立憲民主党の枝野代表と積極的な玉木代表との間で認識の溝がだいぶ深まっているような印象を受けますが、会長としては合流方式についてどのようにすべきかお考えがあれば伺わせてください。

A.(会長)

 さっき申し上げたことに尽きますが、協議ということであればなおのこと、お互いの立場を尊重し丁寧に進めていただきたいと、この一言に尽きると思っています。今日たぶん、党首同士のということで言えばはじめて話し合いをされるということだと思いますので、そういうタイミングで私が横から云々かんぬんするのも、そこは差し控えておこうかなと思いますが、ただ言えることはとにかくお互いの立場を尊重して丁寧にということと、有権者に分かりやすいことにしていただくということが最大のポイントだと思います。だからそんな容易なことではないと思います。二大政党的運営ということを究極的には望んでいるということは何度も申し上げている訳ですから、1つの大きな塊というものは希望をしていることには変わりありませんが、しかしそれは有権者が「ああそうか」というある種の期待に応えてくれたという感じが無いと、あるいはそこに今後つなげていくというものでないといけないと思いますので、そこはぜひ両代表でそういうことに結びつく結論を見出していただきたいなと、こういうふうに思います。

質疑応答[4]
Q.(フリー・モリ氏)

 フリーの記者のモリと申します。先ほど賃金が上がっていないというお話をされましたが、これは第一義的には生産性が上がらない問題があると思いますが、ということは経営の問題であると思います。労働組合側も連合の春の賃上げの要求基準が2%プラス2%ですか基本的に、これを5年間続けていると。経済の状況は変わっても基本的に大体同じ要求基準で来たというところにも何か問題があったのではないかと思うのですが、これが第1点です。もう1つは、今年自動車業界の組合の中でベアの配分について人事評価に応じて差をより広げようというようなそういう要求をしようと検討している動きがありますが、これについてはどういうふうにご覧になっているか、この2点を教えてください。

A.(会長)

 まず要求の考え方については、数字が不十分だったというようなそういう認識は全く持っていません。それはその都度その都度置かれた状況なり、実際にそれを受けて方針化をしていく構成組織の意見を踏まえて作ってきている訳ですし、だから要求してそれに満足の水準での答えが年々重ねられていて「なんだ、要求の数字が手ぬるいんじゃないか」みたいな事であればまた少し話は違うかもしれませんが、あまりその1つの数字を掲げる時に、そこは少し何を考えているんだみたいなことで、構成組織の要求を議論する時になじまないとか、ましてや交渉をする時に説得力、切迫力がないというようなことにはすべきではないだろうと思います。一方でその数字の問題を申し上げるならば、先程申し上げたように20年間格差が開きっぱなしな訳です。したがって、昨年もその要求の水準というのはいったい何か、みたいなことを言われましたが、今年は特に賃金実額といいますか、賃金水準そのもので、絶対額に重きをおいていこうということで、そうすると中小のところの要求のその水準というのは相当普通に考えると高いものにならざるを得ないです。それで、これはだけど計画性を持って経営者側も考えていただきたいということも含めてメッセージを出している訳です。今後どういうことを経営側、経団連が言ってくるか分かりませんが、だいたい20年間でこんな格差拡大を生じさせたのは一体誰の責任かというと、まあこれは労働組合も責任がありますが、だけど社会全体なかんずく経営者サイドとしてあまりにも、たこつぼ的な思想で日本全体のことを考えていなかったのではないのかということを言わざるを得ません。したがって要求の水準が高い云々なんだかんだ言う前に、日本の社会の置かれた状況なり、その下で労使が何をめざして行かなければいけないのかというところに着目をしていただくように私どもとしては持っていきたいなというふうに思います。
 それから2点目は、これはトヨタ労使の話だと思いますが、多分実際の労使ではそんなことには当然なっていないと思いますが、取り上げられ方含めて、制度論議とそれから実際に賃金交渉でどうしていくのかというところがややごちゃ混ぜになっているのかなという感じがします。それで、たぶん私が類推も含めて見ていることからすると、制度としてどうしていくのかということを労使でしっかり話し合い、その時には労働側のニーズあるいはその集団としての労働組合ですから、それぞれの立場の人にきちんと納得してもらわなければならない訳ですから、働く側にとって納得的な制度にしていくためには能動的に要求をするという、そういう姿勢の表れなのだろうというふうに思っています。一方ではこれは賃金改定で、春季生活闘争の中で回答を得てその後の配分をどうするかというのは、一般的にはその後配分交渉するという形の方が世の中多いと思いますので、そういう中で意味のある配分を労使でしっかりと話し合って決めていくというのが通常からある姿だろうというふうに思っています。

質疑応答[5]
Q.(ファクタ・ミヤジマ氏)

 ファクタのミヤジマです。日本が沈んでいくと、それに対する危機感があって発信力を高めると、まさに同感だし具体的にどういうふうに発信力を高めていこうと考えになっているのか伺いたい。この間この1ヶ月ばかり与党がこれだけ政治不信を惹起しているのに実際今の野党の合流構想というのはまったく国民不在というか、いったい何をやっているのだろうというのが国民の見方だと思いますが、先程会長がおっしゃった日本の国が萎んでいく中で、実はこの間1番萎んだのは野党じゃないかと思っていますが、本当に罪深いと思うのですが、ここでまとまらなかったらもう与党を応援するぐらいのことをおっしゃっても、発信力だとすればやはり言うべきこと言わないとダメなのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

A.(会長)

 冒頭申し述べた発信力ということからしますと、私は前からそういうことも言ってきていますが、どうも政治との関わりで連合を捉えられるというところが比重として、あるいは頻度としても少し多すぎるのかなという感じを持っています。言い方に非常にそつがあるかもしれません。取り上げていただいてなんぼの世界ですから、政治関係を主に担当しておられる記者さんに誤解なきようにお願いしたいと思いますが、取り上げていただくのは大変ありがたいことですし取材もむしろもっとしていただきたいと思っていますが、労働運動として、先程申し上げたように労働組合がないときちんと回っていかないのではないかというところにもっと発信力を高めなければいけないなと、こういうことだと思っています。ではどうしていくのかというのは、今いろいろ意識してやっていることをもう少し力を入れていくということで、SNSの世界も私なりの手応えというのは感じていますし、まだまだですがしっかりやっていきたいなということも考えています。それと例の曖昧な雇用というところにおいて、これも本当に一部の経営者が全く自分の利害だけを考えてそういう働き方をむやみやたらに増やそうというところが垣間見られますので、そういうことに対しては相当私どもも反撃していかないといけないし、ベルコ闘争というのも足元で粘り強くやっていますが、そういったところでもっと目立っていかなければならないなと思っています。
 ただおっしゃっていただいたように政治のところがもう少しまともな状況にならないと、連合としてもせっかく良い政策を作っても全く浮かばれないということはあります。しかし、応援団の立場ということで言えば、与党は別に応援するまでもなく非常にもう一強政治で膨れ上がっていますから、それじゃあ自民党を応援するというふうにはなかなかならないなと思います。ただ、いろんな形での政策要請含めてのつながりというものは既にそれはそれなりのものを持っているつもりですので、そういう意味でのパイプというのはしっかり持っていかなければいけないなと、こういうふうに思っています。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・ヨシダ氏)

 朝日新聞のヨシダです。先程も経団連の会長の会見のお話がありましたが私もそれについて伺わせてください。中西会長が年末の記者会見で、脱日本型雇用の議論を、みたいなことを会見で話されていました。いわゆる年功序列ですが、新規一括採用について見直しの議論をということを春闘でも議論すべきではないかというような話がありましたが、神津会長としてはいかがお考えでしょうか。

A.(会長)

 経団連という立場というのは、もっと日本社会全体のことについて目を向けた発言していただきたいなと、いやもしかしたら発言されているのかも分かりませんが、どうしてもその目立つ部分だけが大きく取り上げられているのかもしれません。少しそうやって報道されている内容だけからすると、大企業中心のおっしゃり方かなというような気もしますし、しっかりした労使関係を持っているところというのは、もうとっくに、いわゆるかつての、言葉の響きを含めての年功序列だとかいうこととはもう姿形相当変えてる訳です。それは先程申し上げたように労働組合の方も働いている人たちの集団ですから、それぞれの立場の納得感というものをきちんと担保はしながら、ある意味、知恵と工夫を重ねてきているというふうに思います。だからこの期に及んで何かそんなことを今さらおっしゃるというのは、私自身は意味合いがよく分からないところがあります。ということで、例えば海外の人を含めての高度人材というのは、それはそれだけの高い買い方をすればいい訳で、それは別に労使関係が邪魔をしているなんていうことはないと思っています。それは経営が怠けていない限りは、高度人材はそれなりの高い報酬をもって買うということはもっとどんどんやったらいいと思います。それで、それがきちんと企業の成長に結びついて、その労使関係上の配分は公正分配きちんとやってということに別に何もバッティングする話はないと思います。そこはゆめゆめ労使関係が足かせになっているというつもりでおっしゃっていると思っていませんが、全体のことをよく見ていただきたいと思うし、それはもう繰り返しになりますが、この間の中小と大手の格差、それと非正規と言われる形態、これが残念ながら本来の姿と違う形で低処遇に置かれていて、それが2割が4割になった、そのことに対して今後どうしていくべきなのかということについても、もう少し深い発言をもっと意識して世の中にしていただきたいものだなと、こういうふうに思います。

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