2022春季生活闘争 第1回回答集計結果記者会見

 

連合記者会見

2022春季生活闘争 第1回回答集計結果記者会見

芳野会長・松浦会長代行・金子副会長・酒向副会長・安藤副会長・難波副会長・清水事務局長・村上副事務局長・仁平総合政策推進局長(2022年3月18日)

芳野会長

 大変お疲れさまでございます。対面とオンラインで多くの方々にご参加をいただきまして感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。5つの部門別共闘連絡会議の代表者も同席させていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 昨日17日に3日間のヤマ場を終えた段階で回答引き出し状況について中央闘争委員長としてコメントを公表していますので、それもご覧いただきたいと思います。まずは多くの組合で要求書を出し、回答を引き出していただいたこと、そして交渉に真摯に応じていただいた経営側にも敬意を表したいと思います。取り巻く状況は明らかに昨年よりも良かったと考えますが、それでも3年目に入ってしまったコロナ禍、昨年来のエネルギー価格の高騰、半導体不足など、サプライチェーンの混乱に加え、ロシアのウクライナ侵攻や一昨日の東北地方の地震など、懸念材料が次から次へと出される中での交渉は非常にご苦労されたことと思います。要求に対して満額の回答を得た組合が多かったのは1つの特徴ではないかと思ってございます。組合が職場の現状を踏まえてしっかりとした要求を出したのに応え、会社側も企業の中長期的な発展を見据えて「人への投資」の観点から、真摯かつ有意義な交渉が行われたことにこそ意味があると認識をしてございます。有期・短時間などの働き方の労働者についても例年以上の回答が示されたこともその1つの表れではないかと思います。闘争方針ですべての組合が賃上げに取り組むことを掲げました。賃上げの社会的広がりを拡大していくことが私たちの責務であるということも確認をしています。これから回答を引き出していく組合にこの良い流れをつなげていくことが、先行した組合、構成組織そして連合の役割であると考えております。まさしく「未来をつくる。みんなでつくる。」の春季生活闘争スローガンの下で、連合としては引き続き精一杯サポートをしていきたいと考えております。以上でございます。

仁平総合政策推進局長

 仁平です。お手元あるいはデータでお配りしていると思いますが、プレスリリースをご覧いただきたいと思います。本日10時段階でご報告いただいた回答の内容について集計をしたものでございます。次のページめくっていただきますと、一番数の多い平均賃金方式のところをご覧いただきたいと思います。まず集計組合数のところでございますが、昨年を見ていただきますとこの時点、同時期で663組合127万人でございましたが、本日集計したところ776組合155万人ということに数が増えているところでございます。定昇込みの金額は6,581円、2.14%、昨年比でいきますとほぼ1,000円のプラスという水準でございます。その下に賃上げ分が明確に分かる組合の集計ということで記載をしております。これもちょっと注意して見ていただく必要があるかなと思っておりまして、昨年対比マイナスのマークが出ておりますが、実は大幅に賃金改善分の獲得組合が増えておりまして、その影響が大きいということを申し上げたいと思います。2021年のところを見ていただきますと286組合48万人でございましたが、今年この段階で賃金改善分を引き出した組合が459組116万人ということになっております。例えばでありますが、回答速報のところで個別のデータも開示しておりますが、例えば恐縮ですけどJR北海道など20年ぶりに、500円という金額でございますけど、こういうゼロだったものが500円引き出したということも含めて、賃上げの幅が広がっている。その分、同時期の水準だけ単純に比べればマイナスも出ているということで、今年のマスコミの報道の皆さんに単純に昨年対比賃上げ分が分かるところがこうでしたっていうのを比較すると、読者の皆さんに誤解を与えるのかなと思っておりますが、そういうことでございます。まさに精力的に各組合交渉していただいた結果だと思います。その下、見ていただいて、有期・短時間・契約等労働者の賃上げのところでございます。会長からございましたが組合数と上げ幅ともに昨年を上回っているところでございます。ちなみに加重平均を試算してみますと2.56%ということになります。これは一般労働者の2.14%を上回る、格差是正が一定進んでいるということが確認できるのかなと思っております。次のページでございます、3ページ。下のグラフでございますが、2013年以降の第1回ヤマ場を越えた時点の回答集計の、過去どうだったのかということで、比較をしてみますと賃上げ率2.14%、率のところでございますけど、これを比較しますと、2020の水準を超えて2019くらいの水準感かなと思います。中小に関しては2.05%ということですので2020くらいの感じということになっているところでございます。私の方からは以上でございます。

金子副会長(金属共闘連絡会議)

 お疲れさまです。金属共闘連絡会議代表の金子でございます。どうかよろしくお願いします。 それでは共闘内の状況について全般を申し上げたいと思います。金属共闘各組合は2月中旬の申し入れ、要求を提出した以降、各組合精力的に交渉を重ねてまいりました。交渉を通じて経営側は「人への投資」の必要性については非常に理解を示しておりました。しかし、コロナ禍の影響や、資材、燃料価格の高騰、そしてウクライナ情勢の深刻化など、先行きの不透明さによって、その「人への投資」に対する具体的な水準についてはギリギリまで慎重な態度に終始していたということであります。そういった中で我々は組合員の生活に及ぼす影響だとか、先行き不透明さを乗り切るためには適正な配分が必要だということ、そしてこの1年間の組合員の努力、頑張り、これに十二分に報いる評価を強く求めてきたということでございます。3月16日の集中回答日に大手を中心に回答を引き出しております。ここまでの集計を見ますと、ほとんどの組合で賃上げ、いわゆる賃金改善を獲得しております。さらにその賃上げ額の平均で見ますと昨年一昨年を上回っているのはもちろんなのですが、2014年以降明確に物昇(※ 物価上昇)のあった2015年を除くと、除くとというか、2015年に次ぐ高い引き上げ額になっているということでございます。受け止めとしては、交渉終盤、取り巻く環境が日に日に厳しさを増している中にあっても、各組合が賃上げにこだわりギリギリの交渉を行ってきた中で着実な成果を引き出せたというふうに受け止めております。こうした回答が組合員の生活の安心・安定はもちろん日本経済の自律的成長に寄与し得るものであり、労使の社会的な役割を果たしたというふうに考えております。そして企業内最低賃金については、金属共闘の目標とする17万7,000円に向けて強力に取り組みが行われておりまして、多くの組合で最賃の引き上げを獲得しております。一時金についても、業績の回復を背景に概ね要求に込めた思いに沿った最大限の水準を引き出しております。あと働き方の見直し、非正規雇用で働く労働者の労働諸条件の改善などについても引き続き注視をしていきたいと思っております。
 今後に向けてですが、現在交渉を重ねている中堅・中小労組をはじめ、すべての組合においてそれぞれの労使が抱える課題を徹底的に議論した上で賃上げの獲得をはかり、底上げ・格差是正を実現できることを強く望んでおります。そしてその中でここまでの先行組合の築いた良い流れがプラスに波及していくことを期待したいと思っています。金属共闘としても各地域での指導的な役割を踏まえながら、こうした成果がすべての働く仲間たちに広がるように引き続き全力でサポートしていく所存であることを最後に申し上げて報告とさせていただきます。以上です。

酒向副会長(化学・食品・製造等共闘連絡会議)

 皆さん、こんばんは。化学・食品・製造等共闘連絡会議の酒向でございます。私ども連絡会議の方はお手元の資料にございますように、UAゼンセンさんの製造産業部門ならびにJEC連合、フード連合、ゴム連合、紙パ連合、印刷労連、セラミック連合の7産別の共闘連絡会議となっております。今回、それぞれの産別におきまして連合の方針を踏まえる中で、最低到達水準や年齢別の到達目標を設定し、賃金の水準の引き上げならびに格差の是正ということを念頭に置きながら「人への投資」という思いを強く持ちながら要求を行っております。
 要求の水準につきましては、加重平均で総額で9,169円2.9%という形で要求を高く掲げて交渉に臨みました。業種が非常に広いものですから業種でバラつきはあるんですけども、総じて業績の方は改善方向にございました。ただ冒頭もありましたように、原材料価格の高騰やウクライナ情勢で海外の輸送網の停滞など、先行きが非常に見通せない不透明な状況の中での交渉ということになりましたが、それぞれ加盟組織の中で粘り強くこの「人への投資」ということを訴える中で、それなりの成果を上げてまいりました。交渉の方は非常に積極的に展開されている中で賃金の改善獲得組合数は明らかに昨年よりで増えておりまして、UAゼンセンで19から23、JEC連合で3から10という形で非常に明らかに増えております。獲得金額につきましても前年より大きく上回っておりまして、加重平均で7,701円、昨年が6,193円でございますので約1,500円ぐらいのアップと、率にしても2.3%、昨年が1.95%ということでございますので、明らかに額につきましても成果を上げていただいております。決して要求に比べますと満額というわけではございませんので、満足できるということではございませんけども、明らかにより良い流れが出来ているものだというふうに認識をしております。ただ、もちろんこの方針の中では月例賃金の引き上げということにこだわっているのですけれども、どうしても難しい組合というのもありまして、その部分につきましては業績が改善している分を一時金で反映しているといったようなケースも見られております。また中小の交渉につきましてはむしろこれからが本格化という形になろうかと思っています。業績は総じて大手よりも厳しい状況にあるんですけども、やはり格差是正に向けて、業種内における強い共闘の効果を発揮しながら先行した大手組合が獲得している良い流れをぜひとも引き継いでいけるよう、粘り強く頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 また、有期・短時間の賃金の引き上げにつきましても積極的に取り組んでおりまして、獲得している金額はそれぞれ20円以上の増という形になっております。また企業内最賃の取り組みについても積極的に取り組まさせていただいておりまして、それぞれの産別で前進が見られているという状況です。
 また、賃上げ交渉と同時に働き方の改善にも積極的に取り組まさせていただいておりまして、長時間労働の是正といったところでは勤務間インターバルや労働時間の短縮、休日増、またテレワーク関連の環境整備や高齢者雇用、育児休業や不妊治療への対応など様々な広範囲にわたってそれぞれの加盟組合の中で成果を上げられているといった状況になっております。私どもからは以上とさせていただきます。

松浦会長代行(流通・サービス・金融共闘連絡会議)

 流通・サービス・金融共闘、UAゼンセンの松浦でございます。いくつか共闘に参加している組織の皆さんからそれぞれご報告をいただいています。まずそれぞれの組織からいただいている報告にもとづいてご報告をさせていただきたいと思います。
 UAゼンセンでございますが、流通の関係については、この流通部門に関しては一昨年より昨年の方が高い妥結になっていて今年はそれをさらに上回る形になっている。だから2年連続で増加しているということで、主に食品スーパー、それからいわゆるインテリア、家電量販などの専門店、こういったところでの妥結が続いておるというところでございます。額的にはおおよそ7,000円程度ということで、前年と比較できる同組合ということでいうと358円ほど去年よりは増えているということです。あとサービスの関係については、外食関係はまだあまり多く出ておりませんで、例えばクレジットカードの関係だとかそういったところ、比較的堅調なところがすでに出ております。そちらについては9,000円を超える額ということで、前年比1,592円、これは昨年一旦下がっておりました、そこから今年は上がったというところでございます。中には外食関係もいくつか妥結をすでにしておりまして、こちらについては多くやっぱり昨年は賃上げできなかった、引き上げ分ができなかったところが、今年は「人の投資」、将来を見据えた、コロナ禍からの出口を見据えたというところで積極的な回答が出始めているということでございます。
 それから生保労連さんからもご報告をいただいております。今まだ現実に数字的には報告が入っておりませんけれど、いわゆるその営業職員については10組合8組合が収束をしていると。内勤職員については15組合中5組合が収束をしているというふうなことでございまして、賃金改善に関する回答を、営業職員引き出したところ、それから内勤職員についても頑張りに報いるとともに生活の安定向上、モチベーション、働きがいの向上に資する回答が引き出されているというご報告をいただいております。すでに新聞紙上等で生命保険会社いくつか賃上げの意向が、会社からだと思いますが、示されているような報道もございますので、おおよそそういう形に沿って今後ご報告がいただけるものではないかということで、非常にこの業界も前向きな形で進んでいる。
 それから損保労連さんでございますが、損保労連さんはですね、要求をしてからまだ解決設定日まで至っていないというところではございますけれど、業界との間での話し合いにおいては、この不確実性が高まる状況にあっても損保業界の社会的使命を引き続き果たすべく、社員一人ひとりの力を最大限に引き出すための「人への投資」に積極的に取り組む必要があるという回答を業界の経営側から出されているということで、単組交渉も概ね順調に推移しているというご報告をいただいたところでございます。
 それからもう1つ、サービス連合さんの関係ですが、やはりホテル関係を中心に、ホテル・観光関係中心に大変厳しい環境ではありますが、将来を見据え人材への投資の必要性を労使で共有し、昨年できなかった、あるいは凍結された賃金改善を実施した上で今年度の賃金改善を要求した加盟組合もあるということで、昨年引き下げられた労働条件の回復、据え置かれたものをさらに改善というふうな形で現在取り組んでいるということのご報告をいただいているところでございます。
 様々な業界の状況がございますけれど、厳しい中でもやっぱり本年度は昨年度よりも一歩進んだ前向きの形での今労使交渉が進められているということでございます。以上です。

安藤副会長(インフラ・公益共闘連絡会議)

 皆さん、お疲れさまです。インフラ・公益共闘連絡会議を代表いたしまして安藤の方から申し上げさせていただきたいと思います。私から当部門におけます現時点での回答状況にご説明させていただきますが、当部門はインフラ事業など民間で働く仲間だけでなく公務で働く仲間が多く結集しておりますが、現時点ではインフラ事業を中心とした説明となることをあらかじめご了承いただきたいと存じます。見ていただいて分かるように幅広い業種・業態の中で構成しておりまして、経営状況についてもばらつきが大きいところがありますが、それぞれ労使で積極的に真摯に交渉により導き出した結果というふうに受け止めております。
 はじめに賃上げについて申し上げたいと思います。昨年を上回る回答や昨年は賃上げできていなかった組合が、賃上げの回答を引き出すなど良い結果を引き出している組合が多くあるというところでございます。また人材確保のため初任給改定を行う組合もあり、この勢いがこの後に続くことを期待しているところでございます。詳しくは回答速報をご覧いただきたいと存じます。
 次に有期・短時間・契約等で働く者の処遇改善についてでございます。すべての雇用形態で正社員と同水準の月例賃金改善や、0.5%から2%の月例賃金改善、有期契約等労働者に一時金13万円の満額回答を引き出した組合も出ております。また期間雇用社員から正社員への登用について、昨年より400人多く登用するとの回答を得た組合もあります。
 企業内最低賃金協定については、協定金額を法定最賃に28円から32円上積みするという回答を引き出した組合もあります。
 続いて働き方の見直しについてでございますが、長時間労働の是正に向けてコアタイム無しのフレックスタイム制の導入や、勤務間インターバル制度の休息時間の延長、さらには積立年休制度の導入、入社初年度における年次有給休暇の付与日数の拡大などの回答を引き出した組合もございます。その他には病気・不妊治療休暇などの新設や、不妊治療休暇の休暇日数を年10日から30日に拡大するとの回答もございました。最後にジェンダー平等・多様性の推進に関して、これまで制度の対象外となっていた同性パートナーについても各種手当・休暇制度を適用するとの回答を得た組合をありました。
 現時点において回答を引き出した組合はまだまだ限られており、これから要求を提出する部門組合もありますが、インフラ・公益部門としては先行組合が引き出した回答を中小組合に波及させ前進回答を引き出すためにも、それぞれの構成組織で今後の交渉を強力にサポートしていきたいと思います。
 また春闘の流れを、人事院、人事委員会勧告を通じて公務で働く者への波及もできるよう、今後の労使交渉においても力強く取り組みを進めていきたいと思います。私からは以上となります。ありがとうございました。

難波副会長(交通・運輸共闘連絡会議)

 交通・運輸共闘連絡会議の難波です。よろしくお願いします。私からは、人流・物流に分けて報告をしたいと思います。人流・物流とも、交通・運輸人材の不足、確保をどうしていくかということが最大の課題テーマになったというのが今春闘の状況になってます。ただ人流につきましては、やはりコロナ禍、昨年の年末までのピークアウトでは7割から8割程度まで利用状況が戻ったということの報告もあったのですが、それ以降の第6波によって大きく利用者が減少しているということで非常に厳しい業績が続くということで、鉄道でもいわゆる長距離を持っているJR関係につきましては定昇を中心に確保をしているという状況になっています。ただ先ほど仁平総合局長からも報告がありましたように、JR北海道においては21年ぶりのベア500円の獲得、あるいはJR貨物につきましても300円のベアの獲得ということで、やはり人材不足に対する対応ということで、ベースアップであったり定昇の実施ということの確認がされています。近距離を中心とする民間鉄道・私鉄につきましては、2021年昨年の春季生活闘争の妥結金額よりも高い数字で妥結をしているということの報告を受けています。
 航空の関係なのですが、やはり鉄道と同様に、まず利用者が非常に少ないと、減っているということと、ウクライナの関係においてヨーロッパ便の対応が見通せないということもありまして非常に厳しい交渉が続いていると。ただ国際航空貨物につきましては需要が旺盛ということもありまして、好調な状況があると。ただ、いずれにしましても厳しい状況、経営側が来年度の業績見通しができないということで、妥結までは相当時間がかかるのではないかといった報告が来ています。
 ハイタク(※ ハイヤー・タクシー)につきましてはこれからの交渉ということになりますが、ハイタクにつきましてもコロナ以前と比べてまだ営業収入が約6割にとどまっているということもあってですね、雇用調整助成金の特例を活用して雇用を維持していくという状況が続いている中での交渉になりますから、非常に厳しいということで、厳しさが中心に報告されています。
 物流でありますが、物流につきましては第3クォーターまでは増収増益の状況続きましたので、その流れの中でいわゆる大手を中心に前年度プラスの回答を得ているということです。ただやはり燃料価格の高騰によって運賃料金に転嫁が難しいということもありまして、先行き不透明感の中での交渉がこれから中小続くということになりますから、中小への波及をどういうふうに進めていくのかということは課題として捉えています。
 いずれにしましても、繰り返しになりますが交通運輸関係は人材の流出、あるいは人材確保が難しいという状況の中で、これは労使共有したテーマとしてベクトル同じくしていますので、人材確保のために何が今できるのかということを交渉協議の中で議論をしているということを申し上げて報告といたします。以上です。

質疑応答[1]
Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 毎日新聞のトウカイリンといいます。質問ですけども、芳野さんでも仁平さんでもいいのんですけども、質問です。要するに先行組合の頑張りをどう波及するのかというのが春闘の一番の勘所だと思うのんですけども、先行組合が取ったということだと思うのんですけど今日の全体の雰囲気として、その中で具体的にはどのように波及させていくことを考えているのか。あえて言えば例年で言えば「先行組合が取ったらあとは広がっていくよね」というような感じを受けているのんですけども、具体的に本当にこの後の中小あるいは零細に向けてどのように波及させていくのかという、何かアイデアがあるのであればお聞かせ願いたいというと、あとこれは芳野会長になのんですけども、芳野会長はこの春闘で女性の賃金格差の問題なんかもちゃんと確認して追求していくような形をやってほしいということをおっしゃってましたけども、今の段階で女性の問題で成果として上がってきているというのを聞いているか、もし聞いてれば教えていただきたいというこの2点です。お願いします。

A.(仁平総合政策推進局長)

 トウカイリンさん、ありがとうございます。集計もちょっと見ていただいた通り、中小がちゃんとこのままいけるのかっていうのは、ちょっと心配なところはあります。ただプラスの材料としては3月の中闘(※ 第4回中央闘争委員会)のときもご報告させていただきましたけど、要求組合数が多いっていうことはやはり交渉して獲得して、交渉しようと思っている組合が多いということはプラス材料だと思います。ただ先ほども皆さんからあったように、例えば原材料の価格、エネルギー価格も含めて中小がやっぱり厳しいっていうのは確かだと思うので、政府の、そういう意味では支援策みたいなものもやっぱり期待したいというふうに思っているのが1つです。それと、先ほど全国中央会(※ 全国中小企業団体中央会)と意見交換というか懇談会をしてきたんですが、その中の資料の中でもこういう資料がありました。昨年の7月時点の調査でありましたけど、実は「何で賃金を決めていますか」といったときに「企業業績で決めています」というのが実は今まで第1位だったのですけど、「人材の確保」というのが実は決めている1位になっているというのが資料として出ていました。そういうのも含めて、経営者としてもそういう課題、人材の確保・定着というのは大きな課題なのだろうなと。そういう中で精一杯の交渉をして進めていくということが大事なことかと思っております。

A.(会長)

 ありがとうございます。芳野でございます。今の仁平の補足になるかもしれませんが、中小、小さいところはこれから春闘に取り組むというところもあるかというふうに思います。おそらく遅いところでは7月ぐらいまでかかるのかなと思いますが、今回の春闘についてはすべての組合がまず要求書を提出をするということを掲げ、「未来をつくる。みんなでつくる。」春闘というスローガンの下で闘っていますので、連合としては幅広く情報を公開することで、この賃上げの流れというものを継続させたいというのが1つのアイデアではないかと思います。それから女性の賃金格差についてなのですが、現段階では回答についてのご報告をいただいていますので、今後その中身について連合としては把握に努めていきたいというふうに考えています。

質疑応答[2]
Q.(労働ペンクラブ・シカタ氏)

 労働ペンクラブのシカタといいますが、芳野会長とそれから金子会長にお聞きしたいのですが。芳野会長にお聞きしたいのは、今年の春闘は分配構造の構造転換というのを連合は出してるわけですが、そういう点では企業の内部留保の問題ですね、どう取り組むかっていうのも非常に重要だと思うんですが、3月3日の中闘の確認事項では内閣府のミニ経済白書を引用されて、この中身では企業の賃上げや設備投資は積極化するということで、経済の成長と分配の好循環を進めていくということですが、「賃上げ」という用語が入ってるわけで、これは言ってみれば企業が蓄えている現預金の、現預金というのは内部留保の構成の1つになるわけです、これは連合があえてこのヤマ場を前に経済のミニ白書を引用して、企業が貯めている預金を賃上げに回すということを紹介したということは、内部留保の活用を連合も提起されているのかどうか、これは経団連の経労委報告も企業買収や設備投資だけでなくて人への投資に内部留保を使えということをいっているわけで、そのあたりで内部留保について連合は認めてるのかどうか活用される方向なのかどうかというのが第1点です。それから第2点は、これは今日5人の共闘会議が並んでいますが、去年までと比べて今年は連合は5部門共闘会議を重視されたのではないかと思うんですが、その成果をどう見られているのかということで、報告見ても流通部門なんかはきっちり各部会の報告を受けて報告がありましたけれど、まだらがあると思いますが5部門共闘をどう評価されているのか、できましたら松浦会長にもそのあたりの評価もお聞きできたらと思います。
 それから金子会長には、この回答表にあるように去年の場合は自動車は白紙だったわけです。ところが今年は言ってみれば回答のところが埋まっているわけです。これは言われているように、回答の社会的波及という点では非常に重要なことではないかと思うのですが、今年自動車が要求方式で個別賃金とあわせて平均方式を戻したというのか、そのあたりの狙いというのはどういうあたりに持たれているのかという、この点について、まあできればトヨタの問題もお聞きしたいのですが今個社のことは聞かないでくれというから、この要求方式で平均を復元した理由をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

A.(会長)

 はい、ありがとうございます。加盟組合のそれぞれの企業状況というのは違うかというふうに思いますので、おそらく交渉の中でそれぞれ確認をしながら、内部留保の話も交渉の中で出てきているのではないかなと思いますが、今回要求状況・回答状況を見てみますとこれまでよりもやはり確実に前進をしていますので、その意味では「人への投資」に回っているのではないかという認識を持っています。

A.(松浦会長代行)

 共闘はですね、流通・サービス・金融共闘のことだけしかちょっと私は分かっておりませんので、私の持っていた問題意識と共闘会議の中でどんな話をしたかっていうことでいうと、やっぱりその未来づくりの春季生活闘争ということで、これからは賃金はやっぱりしっかり上げていく、あらゆる業種が賃金をしっかり上げていく必要があると。要は高いから低いからではなくて、あらゆる業種が賃金を上げていくという必要があるということの中で、流通・サービス・金融共闘としてやっぱりこの連合の運動に貢献をしていこうじゃないかという話を、今まで以上にしていこうじゃないかという話をさせていただいたということでありますし、どうしても交渉時期というのは、まだ時間をかけて前倒しをしていかなきゃいけない部分はあるけれど、本日と4月5日にはこうやって共闘の報告をするタイミングがあるので、できるだけ具体的に皆さんにお知らせできる情報をいただきたいというお願いをさせていただいたということが、本日具体的に各組織の話をできることになった、そういうことでございます。

A.(金子副会長)

 自動車の質問がありましたので私からお答えしたいと思います。シカタさん、いつも温かい応援ありがとうございます。おっしゃる通りで昨年は自動車の集計は個別賃金だけであえて平均賃金を示さずに行いました。この意図は2019年からやっております絶対額を重視した取り組みという考え方をより明確に内外に示すためにそういうふうにしたわけなのですが、昨年の取り組みの総括の中でやはり、冒頭に芳野会長が言われたように、我々やっぱり情報を提供しながら全体の糧にしていくということも目的にしている中で、やや分かりにくさといったものがあったというような反省を踏まえて、本年は平均賃金も併記をするようになったということで、そこまで見ていただいているということで逆に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 朝日新聞の記者のフジサキです。芳野会長に伺いたいのですけれども、先ほどのトウカイリンさんの質問と同じなのですが、もう少し、芳野さん中小のJAMご出身なのでよりそこを強めて連合として幅広く情報公開することでとおっしゃったのを、もう少し詳しくどんな情報とか、どういうふうに中小への期待というのをご自身の言葉でいただけますでしょうか。

A.(会長)

 情報というのは都度々々回答状況を公開していくということになるかというふうに思います。やはり中小が賃上げをやっていくには、これまでも記者会見でご説明していますが、価格転嫁、公正取引の課題がありますので、そういったことについても引き続き連合としては発信を続けていきたいということになるかと思います。

質疑応答[4]
Q.(日経新聞・シマモト氏)

 日経新聞のシマモトと申します。芳野会長に伺いたいのですけれども、今年の春闘全体の雰囲気を振り返ってという感じなのですが、2月の経団連とのトップ会談でもあまり意見の対立というか溝みたいなものは感じなくて、どちらかというと闘うというよりは協調しながらいろいろ話し合っていくという雰囲気を感じたのですけれども、今年の春闘の経営側との交渉の雰囲気という昨年以前と比べて何か変化みたいなものは感じるところありましたでしょうか。

A.(会長)

 はい、ありがとうございます。やはり経営サイドも、人への投資、人手不足の問題ですとか、やはり企業が発展していくためにはモチベーションを上げていくということも必要ですし、少子高齢社会に向けて人材確保、様々な課題を経営側も持っていますので、その意味ではやはり「人への投資」ということについて経営サイドも重きを置いたということではないかなと思います。ですので、労使お互いに話し合いながら協調しながら今回の春闘の協議が重ね続けられてきたということではないかと思います。

質疑応答[5]
Q.(ロイター・キタムラ氏)

 ロイターのキタムラと申します。よろしくお願いいたします。ここまでの結果、出足は非常に良いように見えますけれども、最近の急速かつ幅広い物価上昇に対する生活防衛という意味では十分だとお考えになられますでしょうか。芳野会長と、できれば各共闘連絡会議の代表者の皆さんに産別ごとの温度差等がもしありましたら一言ずつお願いできればと思うのですけれども。

A.(会長)

 ありがとうございます。生活防衛という点では、今物価が非常に上がってきていますので生活は引き続き厳しいのではないかという判断ですが、そうは言ってもやはり今年の春闘で賃上げができてきているということは前進しているということですので評価したいというふうに思います。

A.(金子副会長)

 物価上昇については職業何に就いているかに関係なく国民としては均等だと思っていますので、芳野会長が言われた通りだというふうに思っております。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 芳野会長に、政治的な質問で大変恐縮なのですけれども1点伺います。今日、立憲民主党の泉代表が、社民党、共産党、れいわ新選組とそれぞれ党首会談をしました。その中で、共産党とは夏の参院選に向けて候補者調整をしていくということで合意をしました。このことについて、まあ政党が決めることということだと思うのですけれども、理解をされるかどうかということと、あわせて、今日国民民主党との党首会談は実現しませんでした。野党第一党として立憲民主党に今後国民民主党とどういう関係を築いていってほしいか、これも含めてお願いします。

A.(会長)

 今日は春闘の記者会見なので簡単にお答えしたいと思いますが、連合としてはこれまで言ってきている通り、立憲と国民の間でやっていただきたいということですので、引き続きそれをご理解いただくということで働きかけをしていきます。

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