記者会見 2021年9月28日

 

連合記者会見

9月28日定例記者会見

神津会長、相原事務局長(2021年9月28日)

連合記者会見全文
神津会長

 本日も大変多くの方にお見えいただきまして感謝を申し上げたいと思います。本日、三役会そして中央執行委員会がございました。中執の議事内容の中からかいつまんでということについては、また後ほど相原事務局長のほうからお願いしたいと思います。
 私は議事の中で1つ特徴点といいますか、これはぜひ皆さん方には注目していただきたいなと思うのは労働協約の拡張適用、茨城県の家電量販店の所定労働時間について32年ぶりに適用が認められたという内容がありまして、これを今日の中央執行委員会の中でも報告をし、そしてこれは3つの労働協約いずれもUAゼンセンの加盟組織ということでありまして、松浦副会長のほうからも補足説明を受けたということです。内容は、朝日新聞のほうで詳しく取り上げられているということですが、先ほど32年ぶりということを申し上げましたが、これヨーロッパ先進国では労働協約の拡張適用というのはある意味、日本の場合は32年ぶりということですが、そんなことではなく普通に、国によって制度は様々だとは思いますが、ある意味こういった仕組みがあって格差の拡大を防いでいるという非常に大事な仕組みだと思います。わが国の場合、仕組みはありますがそれらヨーロッパの先進国と比べると実質的にハードルが高いということだとか、あるいは労働組合としてもっと組織をあまねく持っていなければいけないということも反映されているのかなと思います。ただ、フランスのように組織率が7%程度であっても90数%の労働者に賃金であるとか労働時間であるとか、そういった労働協約が組合のない方々にも適用されると、そういった端的な事例もありますから、わが国の社会がこの20年間余り格差の拡大をずっと繰り返してきたということをどうやって歯止めをかけていくのかということにおいて、ここは本来政府、国会における立法措置であるとか、そういったところにもっと我々の社会が頭をめぐらしていくべきではないか、あるいはその先頭に我々連合がもっとアピールを強めていく必要があるのではないかということだと思っています。ぜひこのことについては着目していただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 今日も前段で役員推せん委員会の難波委員長、安河内副委員長から皆さん方へのお話もあったと思います。役員推せん委員会の議論経過でありますとか具体的な内容そのものについては、そこでやり取りをしていただいたということだと思いますし、私どもも直接その議論に携わっているわけではありませんので、そのことについては触れるわけにはいかないというか、触れる能力がないわけですが、難波委員長からもお話、そういった意味合いのこともあったかと思いますが、今回ご承知のようにかなり時間もかかりましたし回数も重ねてきたということで、丁寧な議論を心掛けてきたということにもちろん他ならないんですが、なかなか今日の合意に至るまで時間を要したことは事実です。ただ私はこれは三役会でも中央執行委員会でもこういった趣旨のことを申し述べたのですが、連合として前期第15期において結成30周年ということの中で「ビジョン」をブラッシュアップしてきたということです。「働くことを軸とする安心社会」という基本コンセプトは堅持しつつさらにそれを深掘りしていく、そのもとでジェンダー平等そして多様性推進ということをこの新しいビジョンのいわばド真ん中に掲げ、そのことを具体的に体現すべく、この第16期の運動方針においても中心軸に据えてきたということです。実際この役員推薦のいろいろな議論の中でも、副会長ポストの女性枠を拡大する、あるいは地方連合会のブロック代表ここにおいてもできるだけ女性を登用する、そういったことはかねてから、初期の段階から議論をしてきて実現に今回かなりの部分こぎつけているということです。申し上げたいのはそういった基盤の問題意識があって今回芳野さんということで連合として初めての女性会長、推薦が今日整ったということだと私は思っています。そして新事務局長候補として本日、確認がされた清水さんも、ジェンダー平等・多様性推進委員会の委員長が芳野さんで副委員長が清水さんですから、この2人がそういう意味では新会長・事務局長の候補ということに相成ったということでもありますし、またもう1つの大きな要素としてはこのコロナ禍です。本当にもう2年になろうかというようなことです、したがってこの連合第16期の大半はコロナ禍の中にあってこれをどう乗り越えていくのかということであります。すでにわが国が抱えていた脆弱性・矛盾そのことが際立って大きく表に出た、露呈をしたということに他ならないと思います。そういった中にはコロナ禍になって、私たちの命と暮らしを守るという、そういった社会の仕組みになっているんだろうかと、公務の現場においてこの間新自由主義・自己責任論が横行した中で過度な合理化ということに終始してきたのではないか。そして財政の問題も相まって、蓋を開けてみたらこんなことになっているというのがわが国の実態ではなかったのかということです。私どもとしても、そういった問題認識を根底に持つ中で今回のこういった役員推せん委員会の議論の帰結があったというふうに私は考えておるところです。そういったことを申し上げて後ほど様々ご質問をいただいていきたいと思います。よろしくお願いします。

相原事務局長

 第27回中央執行委員会、協議事項をいくつか確認をいただきました。2022年の連合アクション、テーマを持って、そして今まで、ややもすると労働運動もしくは組合活動から接点が多くなかったそういう皆さんに対する世論喚起なども含めて新しい取り組みをもう1回進めていこうと、こういうアクションの取り組みを確認いただきました。衆議院選挙の関係は都合215名となります予定者の推薦確認をいただきました。およびILO条約、どれも大変大事なことですが、連合としてリソースをかけていく、こういう優先的な課題についての整理を行いました。および大会直前の中央執行委員会ということもありまして、大会宣言などについてご確認を賜ったということになります。私から以上です。

質疑応答[1]

Q.(産経新聞・ハラカワ氏)

 よろしくお願いします。会長に2点お伺いしたいと思います。先ほど役員推せん委員会の記者会見がありまして新役員の会長以下の発表、この人を推薦するという発表がありましたが、神津会長として今の政治情勢というのは、菅総理が退陣を表明してから自民党総裁選が今行われていて、各種世論調査だと自民党の支持率は伸びているけれども連合が支援する立憲民主党・国民民主党の支持率はもう1つ伸び悩んでいるという状況で、まもなく衆議院選挙をむかえ、また来年には参議院選挙がありますが、こうした状況の中で新体制には連合の政治運動としてどのようなことを期待されるか、これまでのご経験も踏まえてどのようなことを期待されるかというのをまず1点目お伺いたいと思います。

A.(会長)

 私どもは組織で議論をして、その都度方針を立ててそれに則って運営していますから、極端にいうと人がどういうふうに変わっても考え方に変更はありません。そういってしまうとつれない回答みたいな感じになるかもしれませんが、しかしそれ以上でもそれ以下でもないということだと思います。出身組織は、それぞれ構成組織いろいろな考え方があって、ただ連合の考え方の枠内でしっかりやろうということなので、今度の新しい体制の人は出身組織でいろいろな物事を考えて育ってきていることは事実ですが、例えば私にしても実際にこの本部に来て事務局長職を8年前に担わせていただいて、やはりある意味連合としてどういう物事の組み立て方をしてきたか、そこにまず没入したというのが自分の記憶としてもありますので、したがって先ほど申し上げたことの繰り返しになってしまいますが連合としてのものの考え方、そういう意味でいえば二大政党的運営をあくまで目指したいということですし、足元いよいよ迫ってきている総選挙、そして来年の夏の参議院選挙ということを考えますと、私どもが働く者の政策を理解している勢力がしっかり力を合わせて進んで欲しいなということですから、そのことは基本に据えながら運営をしていくということだと思っています。

Q.(産経新聞・ハラカワ氏)

 もう1点、立憲民主党が来たる衆議院選に向けて公約第6弾ということで昨日経済政策を発表されまして、その中の第1番目に年収1000万円程度以下の個人に対する所得税の実質免除と時限的な5%の消費税減税というのを掲げていますが、これらの政策は連合は支持されるのでしょうか。

A.(会長)

 やはり分配をしっかりやるべきだという基本的な考え方だとか、税制は今のままでは駄目だと、そういう大枠のところは認識を共有していると思っています。ただ具体的なそういう年収1000万まで実質云々とか、そういうところまで考え方をすり合わせているわけでもありませんので、まあ正直いって見え方として「そうだ」という方ももちろんいらっしゃるでしょうけど、これだけ借金財政ということが誰の目にも明らかになっていますから、そっちが「大丈夫かな」というふうに思われる有権者も多分少なからずいると思うので、そこは私ども連合からすると持続的な発展、特に将来世代にただでさえ相当なツケを残していますので、それが膨れ上がるようなことにしてはいけないと。枝野代表がいわれているところは、しっかり消費につながるような、経済活性化ということにはこっちが近道だということをいっておられると思うので、そこのところは我々も認識は一緒ですが、具体的にどうするこうするというところは全部が全部一緒ということではないということです。

質疑応答[2]

Q.(フリー・モリ氏)

 神津会長は事務局長から会長に昇格されました。そこでお尋ねしますが、相原事務局長は神津会長を支えるために尽力されてきたと思いますが、今回結果として後任会長に推薦されませんでした。これについてはどういう受け止め方をされておられますか。

A.(会長)

 そのあたりというのはまさに役員推せん委員会の議論の中身にも関わる話だと思うので、それは私としてどうこういうべき話ではないと思います。それで、これまでいろいろなケース・パターンがあります。それはモリさんもご存知だと思いますが、例えば連合結成当時の初代の山田精吾さん、山田さんはやはり名事務局長として2期4年全うされたわけです。ですから私は中央執行委員会でもそういう趣旨のことを申し述べましたが、この変革の時代に連合自身も大きく変革していかなくてはいけないというその時にあって、まさにこの2期4年の中で改革マインドを様々な連合の課題において実現をしてきた、あるいは芽を育ててきたというのは、やはり相原事務局長がその事務局運営の扇の要にあったからだと思っていますので、そういう意味では今申し上げた山田精吾さんの例もありますし、しっかりと2期4年の中で力を発揮して、ある意味職責を全うしたと私は思っているところです。

質疑応答[3]

Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 相原さんに直接お伺いしますが、当然役員推せん委員会のいろいろなプロセスの中でご本人の、現執行部の意向というのもヒアリングされていると思いますが、相原さんご自身は役せんのヒアリングに対して、年齢的にも実績的にも今後続けられたりとかあるいは会長になられるという可能性は十分あったと思います。どういった意思を表明されていたのでしょうか。差し支えない範囲で教えてください。

A.(事務局長)

 サワジさんありがとうございます。差し支えがありそうなので、先ほど役員推せん委員長・副委員長からもご丁寧なご報告があったと思います。すでに結論が見出された事柄でもありますので、そのプロセスについて逐一を私から発言させていただくのは控えておこうとこのように思います。ありがとうございます。

質疑応答[4]

Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 神津会長に確認でご質問ですが、芳野さんを会長に、また清水さんを事務局長にという推薦方針については中執の場でも役員推せん委員会から報告されたということでよろしいですか。

A.(会長)

 そうです、そうです、はい。

Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 ありがとうございます。また届出期限は30日だと思いますが、そうなるとまだどなたかが立候補する可能性が残っていると思います。そうした中で神津会長ご自身と相原事務局長それぞれ今後の、その、退任されるのかどうかというのを公式に発表されてこなかったと思いますが、ご意向を伺えますでしょうか。

A.(会長)

 そのあたりはあえていうような話でもないと思っていますし、役員推せん委員会からの報告というのは、今日そういう説明もあったと思いますが、委員会開催が38回を数えてということで、それだけ真摯な議論が重ねられた中で今日に至っているということですから、そのこと自体は真摯に受け止めていくことだと思います。いずれにしろ、相原事務局長にしても私にしても個人的な思いとかその辺の存念は改めて大会の時にその時の状況に応じてしっかりとそこは申し述べていきたいなというふうに思いますので、今日時点でどうこうということは控えておきたいと思います。

A.(事務局長)

 そうですね。あの右に同じです。

Q.(NHK・ヨネヅ氏)

 もう1点、この新体制は、先ほどのやり取りでもありましたが衆院選を直後に控えることになると思いますし、また参院選も来年に控えるということで、かなり難しい舵取りも迫られていくことになるとは思います。これまで神津会長は野党の大きな塊を作っていく、理念が一緒のところは、立憲民主党・国民民主党は一緒になるべきだという考えでこられたと思いますが、新執行部についてはこの点についてはどのように進めてほしいとお考えでしょうか。

A.(会長)

 それは先ほど申し述べた通りで、方針・基本的な考え方というのはずっと確立してやってきていますから、それを引き継いでやるというのは100%間違いないことです。それで総選挙を目前にしてということで、もちろんそれは大変な事ですけれどある意味誰がやってもこれは大変なことと思いますので、要するに政治の世界のことはプレイヤーたる政治家かどういうふうに取り組んでいくか、私どもだけでどうにかなることじゃありません。ただ私どもとしては働く者本位の政策の実現に向けていろいろなことを要請し、時には協定も結び、それは営々と積み重ねていくしかないということだと思います。

質疑応答[5]

Q.(TBS・イチザワ氏)

 今のお二方への質問に関連しますが、とはいえおそらくお二人とも最後の定例の会見になると思いますので、振り返って所感といいますか、特に4年前に希望の党の騒動で野党が分裂して以降これまでいろいろあったと思います。それについてお考えをお二方伺えませんでしょうか。

A.(会長)

 そうですね、様々ありますが、今ご質問具体的に1点に絞っておっしゃっていただいたのでそれについていうと、振り返ると民主党政権が崩壊して、例の社会保障と税の一体改革の三党合意、これを巡ってバラバラになって。以降いろいろな形での再編というかバラバラ感が常につきまとっていて、希望の党騒動の時もこれはとんでもない話だったので実際に何があったかというのは、私当時現職の会長として普通はそんなことをやるものではありませんが、本にも私の知る限りのことは書き表わしました。結果やはり大きく2つに分かれてしまった。これは働く者本位の政策を実現していくべき連合としては非常に困った事態であって、そのことを陰に陽にいろんな形でものの考え方も提示しながらなんとか、まだ完結した形とは思っていませんが、昨年政党合流を大きく、そこに向けた私どもとしての何というかできることをやってきたということだと思います。やっとなんとかそういうところまではこぎつけてきたということだと思います。まだそういう意味では先ほど申し上げたように完結しているということではありませんが、1つこの10年間大きく毀損したところをなんとかここにまで持ってきたということはいえるのではないかと思っています。

質疑応答[6]

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 2点お伺い差し上げたいんですが、まず1つが清水さんの推薦方針のところで神津会長「コロナ禍で」とおっしゃっていたと思いますが、そこはたぶん私の理解では公務員の制度改正とかそういった医療とか介護とかを考えた時にそういった制度改正というところでの賃上げを考えているとか、そういったことも念頭にいわゆる春季生活闘争とはまた違う形での制度改正ということもあるのかなと思って理解したんですが、そこら辺の推薦方針の「コロナ禍」というところ、どういうところに推薦方針があるのか...

A.(会長)

 そこまで具体的なということはありませんが、例えば清水さんの出身の日教組としての政策課題でいえば、片や民間の働き方改革ということがこの間少なくとも法整備としては大きく進んだと。しかし教職員の皆さん含めて公務の世界はまた全く別枠なわけです。確かに同じように準拠してこういうふうにやりましょうよというふうにはなっていますが、民間のほうの労働法改正のように罰則付きになっているわけでもないし、そもそも公務員の労働基本権が回復されていない中で団体交渉して労働協約を結ぶということになってないわけです。それで、教職員の皆さんの世界の話でいえばいわゆる給特法というものがあって、結局ある一定のところまでしか賃金がみなしで払われずに後は何時間働いても結局収入は一緒だということになってしまっているわけです。教職員の方々含めて公務の世界の働き方改革は明らかに置き去りになっているわけです。学校現場の問題、やたら負担ばかりが増えてきているこの間、そういうことに少なからずスポットが当たってきたとは思いますが、ただ現実にはそういう矛盾というのは大きく残ったままです。一方コロナ禍で学校の現場の負担はものすごく増えているわけです。今足元でもオンライン授業がどういうふうに位置づけられるのかというのは地方自治体でもてんでバラバラだとか、それではオンライン授業がきちんと出席に扱われるのかどうかも何かずいぶんまちまちみたいな、そういうことに苛まれているわけです。先ほど申し上げたようにコロナ禍で元々抱えていた矛盾があらわになったというのが、公務の現場はその最たるものの1つだろうと思いますので、いや、役員推せん委員会の議論で最初からそれをターゲットにやっていたということではないと思いますが、根底にそういった問題意識を我々持っているものですから、そういった中で今回の役員推せん委員会の今日段階の結論というのはそういった問題意識との関係というのは大いにあるんだろうと思っているということです。

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 もう1点のほうですが、外の記者の立場から見ると、連合の今回の役員推せん委員会で時間がかかったということは連合の抱えている課題の重さと難しさということが現れるなと感じるんですけれども、今岐路に立っている連合の立場というところをなかなか人事が決まらないことから感じさせられるわけなんですが、今回決まった人事というのは新しい今までなかったタイプのリーダーが決まったということで刷新感はあるんですが、一方でまったく今まで会長・事務局長を経験したことがない産別がそれぞれ関わられるということで、どういう連合執行部だったり連合のあり方として、他の産別からの支援だったりとか、どういった協力体制が必要だと思われますか。

A.(会長)

 そうですね、1つには確かにご本人方もそういう意味では当然未経験ですし、出し元の産別としてもはじめてということ。私はだから全体でしっかり支えていかなければいけないという感じはある意味従来になく高まっているのではないかなと、そういうふうに思ってますし、いずれにしても運営はこれまで確立している方針のもとに進めていくということだし、先ほど申し述べたように前期から今期にかけて新しいコンセプトのもとでいろんな芽を育ててきたということなので、この芽に水をやり光を当ててしっかりと育てていくということだと思います。したがってある種運動路線ということでいえば前期から今期のこういった流れをしっかりと引き継いでいっていただくということではないかと思います。

質疑応答[7]

Q.(毎日新聞・トウカイリン氏)

 神津会長にお尋ねです。たまさか今自民党総裁選もあって、各候補がいろんな政策をいったり考え方を述べたりして、それなりに自民党の支持率が回復したりしているんですけども、連合のこの役員をめぐる一連の流れの中でやはり選考過程がすごく見えづらい。30何回も話をして苦労したというのは十分理解しますが、一般の連合の組合員そしてまた連合が労働者の代表だというのであればこの見えづらい選考経過、要するに誰が何をやるのか全く知らずに「こういう人に決まりました」という状況になっているのかなという気がするんですね。それは別にこれまでのやり方ですから良いも悪いもという話でしょうけども、今後に向けて役員推せん委員会のあり方を労働者全体に見えやすくするとか、とにかく突然ポンと出てきて「この方になりましたよ」といわれても多くの労働者は自分たちの代表だとはなかなか思えないですよね。自民党でさえああいうふうに総裁選挙をやって論を戦わせているわけですから、連合ももうちょっとやり方を考えるとかそういうことは今後の課題としてないでしょうか。今回女性の登用とか、いろんな幅広いところから役員を探してくるとか、本当に役員推せん委員会の方は苦労されたと思うんですけれどもその苦労の分だけ、たぶん地方連合の人の話を聞いても「何をやってるのか全然分からない」と「また上から押し付けられるのか」という声たくさん聞いたんですね。だからそこら辺を踏まえた上で今後変えていこうとか、課題として考えていこうとか、そういう思いはありますか。

A.(会長)

 一言でいうとなかなか変えていくのは難しいなと思います。トウカイリンさんがおっしゃったことは確かに実際に地方連合会であるとか、あるいは普通の組合員の方からすると当然そういうふうに見えてしまうということの問題は確かにあると思います。じゃあどういう形にすればそのことが解消できて、だけど大事なことはきちんと議論がされてしかるべく皆が一致できる役員推薦に到達することが望ましいので、それを外してしまうともちろんどうしようもありません。したがって私自身も、別に今回ということではなくて、どうあるべきかということはいろいろ考えたりしたことはありますが、結論からいうと今のやり方をなかなか変えるというのは難しいなと思います。少なくとも、例えば私が会長として今度はこうすべきみたいに、後継指名みたいなことを含めて決めてしまうみたいな、いや労働組合といわず世の中いろいろな会社組織も含めてそうやって決めてしまうところも結構あると思いますが、少なくともそんなことはしてはいけないという中で、それぞれグループから委員を出しあって8人の役員推せん委員が議論をするというのが、お手盛りは許さないという今の仕組みにはなっていると思います。例えば今回38回開催したということは、そこでの議論経過を全部紹介するのは、それはむしろ妥当性を欠くのだろうと思うので、ご指摘のところの意味合いはわかるけどもなかなかこれは難しいというのか正直なところです。  それとご質問で自民党の総裁選との対比みたいなこともありましたので、あえて申し上げれば総裁選で皆さん聞こえのいい見栄えの良いことをいろいろおっしゃっているけれども、そこまでいうのであれば何で今までちゃんとやってくれてないのかというふうに私なんかは素直に思いますし、どなたが総裁になるか分かりませんが、ちゃんと今までいってきたことを本当に実現してくださいというふうに強く思います。私どもは全然違うものなのでこの2つを比べてどうこうというつもりでいうわけではありませんが、最前から申し上げているように皆で話し合って決めた方針、その運営方法、それに則って、極端にいうと誰がやってもそこのところは外さないという形でやっていますので、だからこそこれだけ時間がかかったけども見出した結論においては皆で力を合わせていこうということになっているというふうに、そこのところは見ていただきたいなと思います。

質疑応答[8]

Q.(シカタ氏)

 今日はたぶん最後の記者会見になると思いますが、会長にお聞きします。6年間の運動を振り返って簡単なコメントといいますか、例えば連合の組合員を700万人に回復させたとか、制度政策では同一労働同一賃金を制定させたとか、そういう運動の成果もある一方、例えば政策面においては例の残業代ゼロ法案でかなり組織的な混乱を起こしているとか、あるいは春季生活闘争にしても底上げをはかったけれど大手組合がなかなか立ち上がらなくて、神津会長も20年間世界から遅れた賃金を何とかしようといわれたわけですが是正されていないと、あと政治の分野では先ほども質問がありましたけれど苦労されながらなかなか1つにまとまらないというようなこともあるわけですが、そういうこの6年間の評価できる面と課題の面を含めてどういう思いかということをお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 正直いって私自身が、これをやった、あれをやったとか、これは出来ませんでしたというのもある意味おこがましいというふうに思っていて、もちろん私は最善を尽くして出来る限りのことをやってきたつもりですが、私一人でどうこうしたというふうには全く思ってなくて、それこそ事務局運営の要としての事務局長が頑張ってくれたからこそ実現できたことというのが大半のことなので、私なんかはそれに乗っかってきたようなものだと思っていますが、繰り返しになりますが私一人がどうこうじゃない、連合という組織が今おっしゃったことを含めてとにかく1つずつ前に進めてきていることだと思っています。労働運動は派手さはありませんが、だから僕は唯一もう少しやれたら良かったと思うのは、連合という存在、労働組合の意味合い、それが持っている可能性とか力、そのことをもっと世の中に知ってもらいたい。これはだから私なりに精一杯やってきたつもりだけどもここはなかなか難物だったなと思っています。他のことについては今シカタさんがおっしゃったような、確かに働き方改革でホワイトカラーエグゼンプションもいろいろ揶揄もされたけど私はあのこともいろいろ議論をした末にああいうまとめ方をしてきたというふうに思っているし、働き方改革にしてもあるいは政党合流の問題にしても、先ほど申し上げた通りでもちろんまだ完結はしていませんが、完結はしてないけどかつての状況からすると相当程度改善をしてきて、もう少し時間が経てばかなり旧民主党から繋がるところの勢力ももっと回復していくだろうなと思いますし、それと賃金の問題もデフレの状況での春季生活闘争というのはじめての経験なので、確かにおっしゃられるところのもどかしさというのは我々自身が持っている。これを底上げ・底支え・格差是正ということは中小の賃上げが大手を上回るとか、そういう形を実現してきたというのは、これは成果としては今までになかったものなので大事だと思いますが、世の中にどうやって広げるかということにおいてはもどかしさがまだ残っていることは事実。ただ一歩一歩前に進めてきていることをこれから先さらにブレークスルーをはかっていくということが必要だろうというふうに思ってます。

質疑応答[9]

Q.(日本経済新聞・マツイ氏)

 神津会長と相原さんにそれぞれお願いします。これまで連合というのは伝統的に鉄とか自動車とかそういう重厚長大型産業の労組出身の方がイニシアチブを取ってこられたと思いますが、新体制はそうではなくなります。それはなぜだというふうにお考えになりますか。あとそのことの春季生活闘争とか労使交渉全体、あと運動の継続性全体への影響というのをどんなふうに分析されますか。

A.(会長)

 春季生活闘争の交渉に与える影響が、会長や事務局長がどこの出身組織かということは全く関係ないというふうに思っています。先ほどから申し上げているように、全体で議論をして議論を重ねて方針を作って、そのもとに皆で頑張ろうということでやっていますので、そこはある意味全く心配していません。今回こういう陣容で出身組織が会長・事務局長でいえばJAMであり日教組だということですが、先ほど申し上げたようなそういう問題意識を根底に持ちながら役員推せん委員会として38回の議論を重ねて今日に至ったということなので、私の出身のところは重厚長大、JAMはご存知のように機械金属、芳野さんは機械金属のJAMを出身組織として背負ってきたことも事実だけど、何といってもそれはジェンダー平等であり多様性推進、その旗を掲げている中で今回推薦候補となったということが一番のある意味旗印だろうと思いますので、そういった目で見ていただきたいなというふうに思います。

A.(事務局長)

 今会長がおっしゃられたことに代表されますが、私民間の出身でしたが公務の勉強も相当させていただきました。勉強というと少し上から目線ですが、知らないことが多かったです。学校の働き方、児童生徒に向き合う教師の大変さ、公務職場における働き方、何も知らなかったです。逆に公務の皆さんは国際競争にさらされるこの厳しい現実をどのように見るか、もしくは地方連合会は産別を、産別は地方連合会を、中央は地方を、また男性は女性をと、そういう思いが通い合う、もしくはクロスするポイントに連合のエネルギーは宿るものだというふうに思っていますから、私はどなたがトップリーダーを占めたとしてもそこに通い合うエネルギーは今後も永遠にあるということからすると大いに新体制を期待しています。

質疑応答[10]

Q.(日本経済新聞・ヨダ氏)

 先ほどから組織で動いているんだという話がいろいろある中で恐縮ですが、さはさりながらトップの個性というのも組織運営には反映されていくと思います。今回新会長候補の芳野さんは、神津会長から見て人柄・能力・実績などをどのように評価されているかというのを伺えないでしょうか。

A.(会長)

 三役会における副会長としての実績というのはすでにありますし、当然立場からして発言はジェンダー平等・多様性推進というところに比重がかかってきていることは事実ですが、非常にはっきりと明確に考え方を都度発言の中で打ち出しておられるし、あとは国際会議でITUC・国際労働組合総連合という組織があって、そこの執行委員を芳野さんと私と2人で担当していていろんな国際会議にも一緒に行く機会がありました。いつも主張は明確ですし、かついろんな組織との交流も積極的にできる人ということですし、これから新たに会長職に就かれるにあたってはその発信力といいますか、先ほど申し上げたように知ってもらうということが我々労働運動・連合にとっては非常に大事なことなので、そこのところは大いに私なんぞよりもはるかに期待できるではないかとこういうふうに思います。

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