6月は、連合「男女平等月間」。1985年6月の男女雇用機会均等法公布を記念して設定されたもので、毎年、男女平等参画社会実現に向けた取り組みを展開してきた。
しかしながら、日本のジェンダー・ギャップ指数は146ヵ国中116位と最下位グループ。労働組合の女性参画も道半ば。国際労働運動をはじめ世界では「男女同数」が実現しつつあるのに、なぜ日本では遅々として進まないのか。あらゆるジェンダー差別をなくし、一人ひとりが尊重される社会にするためにはどうすればいいのか。巻頭対談のゲストは、本田一成武庫川女子大学教授。チェーンストアや主婦パート研究の第一人者であり、最近は労働組合の女性「クミジョ」の懐に深く飛び込んだ研究でも注目を集めている。本田教授と芳野会長が、ジェンダー平等実現のカギを握る「クミジョ」と「労働組合の未来」について語り合った。
連合の「男女平等月間」は、1985年6月の男女雇用機会均等法公布を記念して、2004年に設定。以来、時々の男女平等課題への取り組みを進めてきた。しかしながら、日本のジェンダー・ギャップ指数は146ヵ国中116位と低迷。G7広島サミットでも、日本のジェンダー平等の遅れやLGBT法案への対応に厳しい目が向けられた。
「ジェンダー平等」は、今やSDGsにも掲げられた「世界の常識」。それなのに、なぜ日本ではジェンダー平等が遅々として進まないのか。それは女性だけの問題(=他人事)だと思われているからではないか。そこで、「自分事化」するために、若者、男性、性的マイノリティの視点からのジェンダー平等へのアプローチを企画した。その本編に入る前に、まずはジェンダー平等をめぐる運動の歴史をたどっておこう。