連合が強く反対してきたホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外制度)が、今国会で審議される見通しとなった。2月13日に労働政策審議会が取りまとめた報告(「今後の労働時間法制等の在り方について」)には、「高度プロフェッショナル制度」の創設が盛り込まれた一方、すべての労働者を対象とする「労働時間の量的上限規制」「休息時間(勤務間インターバル)規制」などの長時間労働抑止策の整備は見送られた。昨年11月、過労死等防止対策推進法が施行され、過労死防止は「国の責務」となった。いま、最優先すべきは「残業代ゼロ」ではなく「過労死ゼロ」に向けた過重労働対策の強化であるはずだ。なぜ、長時間労働が問題なのか。なぜ、時短が進まないのか。その根本に目を向けてみた。
「これ以上、誰も過労死で大切な家族を失うことがないように…」。「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表は、祈るような思いで過労死防止法制定に奔走してきた。「過労死の原因は長時間過重労働。成果を求められれば、人は休めなくなる。新たな労働時間規制の適用除外制度が導入されたら、さらに過労死が増えかねない。防止法に基づく対策強化こそ急ぐべきだ」と訴える。
過労死防止は「国の責務」。過重労働対策として労働時間短縮の重要性は政労使で認識が一致しているが、問題はその方法だ。労働側は職場の実態を踏まえ、時間外労働の上限規制と勤務間インターバル規制の整備を求めてきた。一方、使用者側は「ホワイトカラー・エグゼンプションを導入し、労働時間を弾力化すれば労働時間を短縮できる」と強弁する。
どう論破すればいいのか。日本労働弁護団の宮里邦雄弁護士に指南を受けた。
2015春季生活闘争は本格的な交渉段階へ。
闘争開始宣言、地域フォーラム、労使懇談会、古賀会長との対話集会、非正規の処遇改善-。
「底上げ・底支え」に向けた最前線の取り組みをお伝えする。
昨年末、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」で安倍首相が経済界に「賃上げに最大限の努力」を要請した2日後、青森の地で「春闘」をテーマとする公開講座が開かれた。何が議論されたのか。連合青森の内村隆志会長に聞いた。
連合愛知では、先駆けて「連合愛知タウンミーティング」を開催してきた。昨年9月には「女性の活躍促進!を考える」をテーマにその第3回を開催。今年は春季生活闘争に合わせて3月1日に「連合愛知地域フォーラム」を開催予定だという。テーマ設定や企画にどんな工夫を重ねてきたのか。連合愛知の土肥和則会長に聞いた。
2015春季生活闘争の幕開けといわれる連合と経団連との懇談会が1月29日、東京都内で行われた。労使トップによる熱い論議の模様を報告する。
社会全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に取り組む2015春季生活闘争。
1月31日(土)、「自治体に働く非正規問題を考える古賀会長との対話集会」が東京都内で開催された。非正規雇用をめぐる問題は民間だけの問題ではない。公共部門においても、3人に1人が不安定で低賃金の非正規として働くことを余儀なくされており、「官製ワーキングプア」とも呼ばれる。まさに社会の在り方が問われている問題だ。
鶴見製作所労組は、「正規・非正規にかかわらず社員全員が仲間」を合言葉に、非正規労働者の処遇改善に取り組んでいることで知られ、「NHKニュースウォッチ9」で取り上げられた。
吉井組合長に話を聞くことができた。
イトーヨーカドー労働組合の合言葉は「参加から拡がる組合活動」。
10年以上前から、一人ひとりに声を掛けるというステップを踏んでパートナー社員の組織化・処遇改善を進めてきた。その取り組みの原点と今後の課題について、小鷲書記長に聞いた。
1月29日夜、東京都内で行われたトマ・ピケティ氏の来日講演会。
主催した朝日新聞社から古賀会長に招待チケットが届いた。本誌連載の人気コラム 「フェスティナ・レンテ」で、ピケティ氏の著書『21世紀の資本』を絶賛したことが影響したのだろうか。それはさておき熱気ムンムンの会場の最前列で「生ピケティ」に耳を傾けていた古賀会長。質疑応答で、鋭い質問を投げかけた。
当日の古賀会長とのやり取りを中心に、「ピケティ語録」をお届けする。
イラク戦争の終結が宣言されてから3年余りが経過するが、その戦地に平和と安定が訪れる兆しはいまだ見えない。そんな中、昨年公開されたクリント・イーストウッド監督の最新作『アメリカン・スナイパー』が話題を呼んでいるという。イラク戦争に従軍した伝説の狙撃手を描いたもので、アカデミー賞音響編集賞を獲得し、日本でも2月21日から公開されている。映画はいったい何を投げかけたのだろうか。