月刊『連合』

 

2018年6月号

目次
02
公務員の労働基本権を考えよう
「公務員」というと、どんな仕事をイメージするだろうか。真っ先に浮かぶのは中央官庁や市町村の役所かもしれないが、実はもっと多種多様だ。警察や消防、税務署、税関、刑務所の職員、教職員や保育士、医師、看護師、水道や清掃、道路などのインフラ、森林、港湾の整備などを担う公務員もいる。いずれも、私たちの暮らしの安心や安全を守る公共サービスを提供する仕事だ。
ところが、日本の公務員は労働基本権が制約されている。団体交渉や労使協議を通じて労働条件を決定し職場環境を改善していくという、民間では当たり前のことができない。消防職員をはじめ、労働組合を結成する権利さえない場合もある。国際的に見れば、労働基本権に関するILO条約は公務員も対象に含まれている。各国でも警察や軍隊を除いて公務員の労働基本権を認めるという流れになっている。しかし、日本では1948年に権利が制約されて以来、その状態が継続している。
連合は、公務員の労働基本権回復によって自律的労使関係を確立し、民主的で透明な公務員制度改革を進めることを求めてきた。質の高い公共サービスの提供には、働く人たちが働きがいをもって活躍できる労働条件・労働環境の確保が必要であり、そのためには自律的労使関係の構築が不可欠であるからだ。
なぜ、公務員の労働基本権回復が必要なのか。もう一度わが事として考えてみたい。
05
■課題提起 質の高い公共サービスと公務員の労働基本権
カレン・カーチス ILO国際労働基準局次長、結社の自由部担当責任者
07
■公共サービスの現場から
青木玲奈 全国消防職員協議会女性連絡会代表
玉澤聡子 岩手県教職員組合
井上大志 日本税関労働組合書記次長
08
■クローズアップ「消防職員の団結権」
青木玲奈 全国消防職員協議会女性連絡会代表
大牟田市消防本部職員
09
■連合のスタンスと取り組み
相原康伸 連合事務局長
10
新連載
相原事務局長のナチュラルのーと[1]
自然体の言葉で綴ります
13
気になる数字、斜め読み[50]
鈴木不二一 働く文化ネット理事
14
■ 逢見会長代行の行不由徑ゆくにこみちによらず[2]
連合結成への道のり —労働戦線統一への努力
16
■ 2020 TOKYO 人をつなぐ 夢をつなぐ
パラリンピックものがたり[4]
山本 篤 陸上競技プロアスリート
20
連合寄付講座 全国で開講中![5]
宮崎大学編[特別編]
22
国際労働運動の窓[4]
郷野晶子 ILO(国際労働機関)理事
23
道幸せんせいとワークルールを学ぼう![7]
道幸哲也 (一社)日本ワークルール検定協会 代表理事
24
連合版 オトナの社会科見学[79]
全国農団労 鳥取中央農協労働組合
26
なぜ? ナゼ? まるわかり教室
ハラスメント・暴力の実態
28
パソコンの前でひとりごと[10]
朝比奈あすか 小説家
29
表紙のクロスワード
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