月刊『連合』

 

2015年5月号

目次
02
古賀伸明会長のフェスティナ・レンテ~東奔西走~
中小を中心に多くの組合が交渉継続中
2015春季生活闘争はこれからがまさに正念場だ
04
安心社会へ 橋を架けよう
Part1 どう生かす? 2つの新制度

 4月1日、「子ども・子育て支援新制度」「生活困窮者自立支援制度」の2つの新制度がスタートした。いずれも全世代支援型社会保障へのモデルチェンジの柱として検討され、社会保障・税一体改革の中で実現したものだ。連合がめざす「働くことを軸とする安心社会」を具体化する「安心の橋」を架ける第一歩でもある。新制度を生かしていくために、その意義と取り組みのポイントを整理しておこう。

■子ども・子育て支援新制度
榊原智子 読売新聞調査研究本部 主任研究

すべての子どもの育ちを社会全体で支える
画期的な政策理念のパラダイムシフト
 新制度がスタートした4月1日、内閣府には「子ども・子育て本部」が発足。「待機児童解消が期待される」と報じられたが、読売新聞調査研究本部の榊原智子主任研究員は「単なる待機児童対策ではない。戦後の児童福祉政策の大転換という歴史的意義と新たな理念を共有し、新制度を大きく育ててほしい」と投げかける。

■生活困窮者自立支援制
宮本太郎 中央大学法学部教授

実践的な就労準備、就労訓練へ
労働組合運動の知恵と経験を
 求職者支援制度に続く、第2のセーフティネットとして創設された生活困窮者自立支援制度。制度設計にも深く関わった宮本太郎中央大学教授は、「行政には『働くこと』を支援するノウハウが乏しい。労働組合の知恵と経験を生かして雇用と福祉をつないでほしい」と投げかける。

■連合の取り組み
平川則男 連合生活福祉局長

「働くことを軸とする安心社会」へ
2つの新制度の確実な実施を
 子ども・子育て支援新制度、生活困窮者自立支援制度の実現に連合は深く関わってきた。2つの新制度をどう評価し、どう生かしていくのか。職場や地域で取り組むべきことは何か。平川則男連合生活福祉局長に聞いた。

09
Part2 「安心の橋」を架ける地域の実践

 誰もが働くことを通じて社会に参加できる「働くことを軸とする安心社会」の実現へ。地域では、すでにさまざまな取り組みが広がっている。
 障がい者がいきいきと働ける場をつくろうと、連合三重の呼びかけで実現した「ステップアップカフェCotti菜」、労働組合が立ち上がり「労働者・市民立」の児童養護施設「一陽」を設立した越前自立支援協会、地域と連携し一人ひとりの生徒の困難に寄り添う支援に踏み込んだ神奈川県立田奈高校の取り組みを紹介する。

■ステップアップカフェCotti菜/障がい者がいきいきと働ける場
藤森久次 連合三重事務局長
■越前自立支援協会/労働者・市民が設立した児童養護施設
橋本達昌 児童養護施設・児童家庭支援センター 一陽 統括所長
■神奈川県立田奈高校/一人ひとりに寄り添うクリエイティブスクール
中野和巳 神奈川県立田奈高等学校校長
14
国連防災世界会議 in 仙台
新たな指針「仙台防災枠組」を採択

3月14日から18日にかけて、仙台市で第3回国連防災世界会議が開催された。
何が決まったのか。会議に参加した井上連合社会政策局長に話を聞いた。

井上久美枝 連合社会政策局長
■「世界の防災展」に連合が出展/国際労働機関(ILO)シンポジウム/
国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC)シンポジウム/
松阪市・みやぎジョネットシンポジウム
17
書評 現代公益学会編『東日本大震災後の公益学と労働組合』
呉 学殊 労働政策研修・研修機構(JILPT) 主任研究員
18
なぜ? ナゼ? まるわかり教室 労働時間規制

これから国会で審議される“労働時間規制”の何が問題なのか!?

20
神津里季生事務局長の どまんなか直球勝負!
民主主義に「お任せ」はあり得ない
22
経済同友会と幹部懇談会
「働き方と雇用のあり方に関する諸課題」をテーマに
23
気になる数字、斜め読み[22]
鈴木不二一 働く文化ネット理事
24
新連載
連合アタッシェの大使館だより[1]
山口博臣 在米国日本国大使館 二等書記官
基幹労連(新日鐵住金労連)出身
25
ミンガラーバー![29]
自由で民主的な労働運動をミャンマーの地に
中嶋 滋 ITUCミャンマー事務局長
26
篠田教授の「労働文化」耕論[34]
篠田 徹 早稲田大学社会科学部教授
28
連合版 オトナの社会科見学[51]
電力総連 日本原燃労働組合
30
グローバル・リポート[55]
矢作ルンドベリ智恵子 スウェーデン在住ジャーナリスト

 昨年9月のスウェーデン総選挙では、社会民主労働党が8年ぶりに政権に復帰し、金属産業労組出身のステファン・レヴェーン党首が首相に就任した。この選挙で、もう一つ注目を集めたのが、「反移民」を掲げるスウェーデン民主党の躍進だ。スウェーデンは他の欧州諸国に比べ、難民・政治亡命者の割合が人口比で突出して多い。人道的な立場から移民の受け入れを続けてきたことから、国民の約20%が移民のバックグラウンドを持っているという。反移民勢力と人種差別反対の声に揺れ動くスウェーデンから報告する。

32
全国でキラリ働き女子
つなが~る中![39]
公門えつこさん
連合滋賀 女性委員会 幹事
UAゼンセン 東洋紡績労働組合 堅田支部 執行委員
33
今月の表紙
幸・せ・さ・が・し
「何か見つかった?」
「第8回 連合・ILEC 幸せさがし文化展」 入賞(連合大賞)
撮影/丹羽賢一さん