4月1日、「子ども・子育て支援新制度」「生活困窮者自立支援制度」の2つの新制度がスタートした。いずれも全世代支援型社会保障へのモデルチェンジの柱として検討され、社会保障・税一体改革の中で実現したものだ。連合がめざす「働くことを軸とする安心社会」を具体化する「安心の橋」を架ける第一歩でもある。新制度を生かしていくために、その意義と取り組みのポイントを整理しておこう。
すべての子どもの育ちを社会全体で支える
画期的な政策理念のパラダイムシフト
新制度がスタートした4月1日、内閣府には「子ども・子育て本部」が発足。「待機児童解消が期待される」と報じられたが、読売新聞調査研究本部の榊原智子主任研究員は「単なる待機児童対策ではない。戦後の児童福祉政策の大転換という歴史的意義と新たな理念を共有し、新制度を大きく育ててほしい」と投げかける。
実践的な就労準備、就労訓練へ
労働組合運動の知恵と経験を
求職者支援制度に続く、第2のセーフティネットとして創設された生活困窮者自立支援制度。制度設計にも深く関わった宮本太郎中央大学教授は、「行政には『働くこと』を支援するノウハウが乏しい。労働組合の知恵と経験を生かして雇用と福祉をつないでほしい」と投げかける。
「働くことを軸とする安心社会」へ
2つの新制度の確実な実施を
子ども・子育て支援新制度、生活困窮者自立支援制度の実現に連合は深く関わってきた。2つの新制度をどう評価し、どう生かしていくのか。職場や地域で取り組むべきことは何か。平川則男連合生活福祉局長に聞いた。
誰もが働くことを通じて社会に参加できる「働くことを軸とする安心社会」の実現へ。地域では、すでにさまざまな取り組みが広がっている。
障がい者がいきいきと働ける場をつくろうと、連合三重の呼びかけで実現した「ステップアップカフェCotti菜」、労働組合が立ち上がり「労働者・市民立」の児童養護施設「一陽」を設立した越前自立支援協会、地域と連携し一人ひとりの生徒の困難に寄り添う支援に踏み込んだ神奈川県立田奈高校の取り組みを紹介する。
3月14日から18日にかけて、仙台市で第3回国連防災世界会議が開催された。
何が決まったのか。会議に参加した井上連合社会政策局長に話を聞いた。
これから国会で審議される“労働時間規制”の何が問題なのか!?
昨年9月のスウェーデン総選挙では、社会民主労働党が8年ぶりに政権に復帰し、金属産業労組出身のステファン・レヴェーン党首が首相に就任した。この選挙で、もう一つ注目を集めたのが、「反移民」を掲げるスウェーデン民主党の躍進だ。スウェーデンは他の欧州諸国に比べ、難民・政治亡命者の割合が人口比で突出して多い。人道的な立場から移民の受け入れを続けてきたことから、国民の約20%が移民のバックグラウンドを持っているという。反移民勢力と人種差別反対の声に揺れ動くスウェーデンから報告する。