3月15日の集中回答日。厳しい環境の中、ねばり強い交渉で4年連続の賃上げを引き出した。
さて、中小地場の賃上げ、非正規の処遇改善という「底上げ春闘」の取り組みは、いよいよこれからが本番だ。
この流れを「格差是正」にしっかりつなげていこう。
3月15日の第1先行組合、そして第2先行組合でも4年連続有額ベア回答を引き出した。続く中小組合の交渉をどう支援していくのか。すべての働く者の賃金引き上げにどう波及させていくのか。逢見事務局長の進行で、労働条件委員会委員長の相原副会長、中小共闘センター委員長の宮本副会長、非正規共闘代表の松浦副会長が、「底上げ春闘」2年目の経過と今後の取り組みのポイントを語った。
地方連合会では、今年も「地域の活性化のためには地域の中小企業の活性化が不可欠」を合言葉に「地域フォーラム」を開催している。3月5日の連合愛知地域フォーラムのテーマは、「中小企業の賃上げにむけた適正な公正取引と長時間労働の撲滅」。まさに「底上げ春闘」の最大のポイントだ。神津会長も参加し、活発な議論が交わされた。
熊本県を中心とする九州地震の発生から1年。一体いつまで続くのかと思われた余震も減り、全国版のニュースで見聞きする機会も減った。そんな熊本は今どんな状況なのか、現地を訪ねた。
市内中心部は復興に向けた歩みを感じるものの、熊本のシンボルである熊本城の崩壊は痛ましく、元の姿に戻るまでの道のりの険しさを感じた。まして震源地の益城にいたっては、言葉を失う状況だ。段差の残る道路、解体中の住宅や瓦がれき礫の山、「危険」の赤い紙が貼られたままの住宅がいたるところに残されている。倒壊したままの住宅はまるで地震直後で時が止まっているようで、とても“復興”といえる状況ではない。“復旧”さえ道半ばだ。
連合は、組合員の皆さんの協力を得て連合救援ボランティアや緊急カンパなどに取り組んできた。熊本の状況を心配する声も聞く。本誌面で現地の声を届けるとともに「風化させてはいけない」ことをあらためて訴えたい。