労働・賃金・雇用

 

過労死等防止に関する国の政策

過労死等防止大綱の改訂

 2024年8月に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が改訂されました。新たな大綱では、時間外労働の上限規制の遵守徹底、勤務間インターバル制度のさらなる導入促進、過労死等の再発防止指導やフリーランス等の働く環境整備の強化、カスタマーハラスメント等のハラスメント対策の一層の充実化など、過労死等の防止にむけて一歩進んだ内容となりました。

 数値目標については、長時間労働の是正に向けて、特に長時間労働者の割合が高い重点業種(トラック運送業、建設業、医療従事者、教職員、情報通信業)に対する取り組みを強化することが明記されました。

【「過労死等防止のための対策に関する大綱」(2024年8月)の数値目標】

  数値目標 期限 進捗
長時間労働の削減 週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下 令和10年 8.4%
(令和5年)
勤務間インターバル制度 ①労働者数30人以上の企業のうち、制度を知らなかった企業割合を5%未満
②労働者数30人以上の企業のうち、制度を導入している企業割合を15%以上に、勤務間インターバル制度の導入率が低い中小企業への導入に向けた取組を推進する。
令和10年 ①9.2%
②8.0%
(令和5年)
年次有給休暇の取得率 年次有給休暇の取得率70%以上 令和10年 62.1%
(令和4年)
メンタルヘルス対策 メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を80%以上 令和9年 63.4%
(令和4年)
自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み又はストレスがあるとする労働者の割合を50%未満 令和9年 82.2%
(令和4年)
ストレスチェックの活用 労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を50%以上 令和9年 2.3%
(令和4年)
労災の認定基準の変更

 心理的負荷による精神障害の労災認定基準は2023年9月に改正され、カスタマーハラスメントや感染症等の病気や事故の危険性が高い業務が与える心理的負荷が評価対象に追加されています。

心理的負荷による精神障害の労災認定基準

 また、脳・心臓疾患の労災認定基準も2021年9月に改正され、過労死ライン(注)に達していない労働時間でも、労働時間と労働時間以外の心理的負荷要因を総合的に判断がされることが明確化されました。
脳・心臓疾患の労災認定基準
(注)過労死ライン:労災認定基準で過労死を認定する時間外労働時間(1カ月100時間、2~6カ月80時間)

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