労働・賃金・雇用

 

労働者代表制

職場の声を正しく伝えるために

 働き方や雇用の形態が多様化している今、職場のさまざまな声を踏まえた労使協定が求められています。労働基準法をはじめとする各種法令では、多くの場合、労使協定を結ぶ際、労働者側の締結主体を次のように定めています。

事業所において、

  • ①労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合)がある場合
    その労働組合
  • ②過半数労働組合がない場合
    労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)

 しかし、過半数代表者に関しては、会社側が指名したり、社員会・親睦会等の代表者が自動的に就任したりするなど、不適切な方法による選出が約4割にものぼっています。

過半数代表がきちんと選ばれているか確認しましょう

 36協定をはじめとする労使協定を適切に締結するためには、事業場単位ごとに、過半数代表(過半数組合または過半数代表者)が適正に選出されている必要があります。過半数代表を選ぶときや、労使協定締結の都度、下の表に職場の状況を記入して過半数になっているか確認しましょう。

労働組合がある場合
①過半数組合のチェック
事業場の労働組合の加入者数
過半数組合がない場合
②過半数代表者のチェック
事業場で過半数代表者を支持している労働者数
事業場で働くすべての労働者数
【ポイント】
  • 「事業場」とは……
    • 必ずしも会社全体を意味しない
    • 原則、同じ場所にあれば同じ事業場、別の場所にあれば別の事業場
      (例:本社、支社、工場など)
  • 「すべての労働者」とは……
    • 直接雇用関係があるすべての労働者
      (例:正社員、パートタイマー・アルバイト・契約社員、再雇用者、管理者、出向者など)
      ※出向者は、労働時間管理を行う出向先の労働者数としてカウント。派遣社員は間接雇用のためカウントされません。
      ※派遣社員は直接雇用関係のある、派遣元の労働者としてカウントされます。
過半数代表のチェックポイント
① 過半数組合になっている場合

 過半数組合であっても、もう一度、次の3点を確認しましょう。

  • 会社全体で過半数組合であっても、「事業場単位」で過半数要件のチェックを行っているか
  • 労使協定の締結の都度など定期的に過半数要件のチェックを行っているか
  • 組合員以外の職場の仲間の声も集約できているか
②過半数組合になっていない場合 または 労働組合がない場合

 過半数代表者の選出が必要になります。次の3点を必ず確認して選出しましょう。また、過半数組合でない場合には、組織化の取り組みもあわせて進めることが重要です。

  • すべての労働者の過半数を代表していること
  • 管理監督者ではないこと
  • 民主的な方法で選出すること
    適切な方法 不適切な方法
    • 投票(無記名、秘密投票)が原則
    • 使用者からの一方的な指名
    • 挙手、起立、回覧などによる信任
    • 親睦会の代表者や一定の役職者、過半数でない労働組合が自動的に就任
    • 各職場代表による互選
    • 一定の役職者が互選により選出
労働者代表法案要綱骨子(案)

 連合は、労働者代表が適切に選出されるよう、2006年に「労働者代表法案要綱骨子(案)」をまとめ、2021年に一部見直しを行いました。

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