毎年、依然として多くの過労死・過労自殺が労働災害として認定されており、過労死等ゼロに向けた取り組みの徹底は喫緊の課題です。さらに、コロナ禍における働き方やテレワークの拡がりなど、働く人たちを取り巻く状況が大きく変化するなか、誰もが安心して働ける職場づくりがますます重要です。
2021年7月には、新たな「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が策定されました。勤務間インターバル制度の数値目標が引き上げられたことに加え、コロナ禍での労働時間の状況を踏まえた過重労働対策や、テレワークなど多様な働き方への対策なども盛り込まれています。
過労死等をなくすためには、行政(国・地方公共団体)や企業の取り組みに加え、労働組合の役割がとても重要です。連合では、職場から過労死等を出さないために、労働時間ルールを守るなどの過重労働対策を推進しています。
長時間労働の削減 | ○週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下(2025年まで) |
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勤務間インターバル制度 | ○制度を知らない企業の割合を5%未満(2025年まで) ○制度導入企業の割合を15%以上(2025年まで) ※いずれも労働者30人以上の企業
※特に、勤務間インターバル制度の導入率が低い中小企業への導入に向けた取組を推進する。
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年次有給休暇の取得率 | ○取得率を70%以上(2025年まで) ※特に取得日数ゼロの者の解消に向けて取り組む |
メンタルヘルス対策 | ○対策に取り組む事業場の割合を80%以上(2022年まで) |
相談先の整備 | ○仕事上の不安、悩み、ストレスについて、職場に相談先がある労働者の割合を90%以上(2022年まで) |
ストレスチェックの活用 | ○ストレスチェック結果を集団分析して活用した事業場の割合を 60%以上(2022年まで) |
過労死等防止対策推進法では、過労死等を防止することの重要性について国民の関心と理解を深めるため、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定めています。連合でも、「過労死等ゼロ」の実現をめざして、11月の過労死等防止啓発月間に取り組みを行っています。
連合では、この他にも、2021年の「過労死等防止啓発月間」にあわせ、シンポジウムの開催や、「働き方チェック」の展開、連合チャンネル「あつまれ!ユニオンスクエア」生配信など、様々な活動を実施予定です。
無理や我慢を重ね、心身に不調をきたす前に、身体や脳を休ませましょう。
メンタル不調の兆しが見えたら、早期に対応(休息を取る、チームで仕事を分担する、お医者さんに行くなど…)することが大切です。
この機会にあなた自身や職場の仲間、ご家族のことを見つめ直してみませんか?
厚生労働省「働く人のこころの耳」https://kokoro.mhlw.go.jpなどのサイトもチェックしてみましょう。