また、産後パパ育休制度の創設や雇用環境整備、個別周知・意向確認の措置の義務化など、男女とも仕事と育児を両立できるようにするための法改正も行われた(2022年4月より3段階で施行)。
男女労働者の職業生活と家庭生活との両立支援を目的とする育児・介護休業法で、育児・介護休業制度のほか、短時間勤務制度や所定外労働の免除、子の看護休暇、介護休暇制度などの両立支援制度が定められている。
申し出の時点において、子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと。
申し出の時点において、介護休業開始予定日から93日経過する日から6カ月を経過する日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと。
産後休業していない労働者が出生直後の子を養育するために、原則としてこの出生後8週間以内の期間内で通算4週間(28日)まで、2回に分割して休業をすることができる。
事業主は、要件を満たした労働者からの申し出があった場合には、それを拒むことはできない(育児・介護休業法第5条)。
また、2022年4月より、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は、育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業取得の意向確認の措置を、個別に行う義務が加わった。なお、2023年4月からは、常時雇用する労働者が1000人を超える事業主は、育児休業との取得の状況を年1回公表することが義務づけられる。
育児・介護休業法では、特段の規定はないため、休業期間中の賃金の取り扱いは労使の取り決めによる。
満1歳(両親ともに育児休業を取得し、育児休業期間を1歳2カ月まで延長する場合は1歳2カ月、保育所が見つからない等の理由で育児休業期間を延長する場合は1歳6カ月または2歳)未満の子を養育するために育児休業をする雇用保険の被保険者に対する給付金。
従前は、育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算して12カ月以上あることのみが受給要件であったが、法改正により、2021年9月より、育児休業開始日前の2年間に被保険者期間が12カ月ない場合は、産前休業開始日等を起算点として、その日前2年間に賃金支払い基礎日数(就労日数)が11日以上ある完全月が12カ月以上ある場合にも、育児休業給付の支給にかかる被保険者期間要件として満たすこととなった。
180日目までは休業開始前賃金日額の67%、181日目以降は50%が支給される。ただし、事業主が育児休業給付期間中の賃金を支払う場合には、その賃金と給付金が休業開始時賃金の80%を超える場合には、給付金は減額され、その賃金のみで80%以上の場合、給付金は支給されない(雇用保険法第61条の4)。また支給額には上限額と下限額がある。
育児・介護休業法で定められた介護休業をする雇用保険の被保険者(休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算して12カ月以上あることが受給要件)に対する給付金。
同一の対象家族について休業した日数(93日を限度に3回まで)につき、休業開始時賃金の67%が支給される。
ただし、介護休業給付期間中に賃金の支払がある場合、その賃金と給付金が休業開始時賃金の80%を超える時には支給額が減額され、その賃金が80%以上の時には給付金は支給されない(雇用保険法第61条の6)。
子が3歳になるまでの育児休業中(産前産後休暇は除く)の社会保険料は、労働者負担分・使用者負担分ともに免除される。免除された期間分は保険料を支払ったものとして将来の年金額に反映される。介護休業に関しては、社会保険料の免除制度はない。
育児・介護休業法第5条、第6条、育児・介護休業法施行規則第7条
雇用保険法第61条の4、第61条の6