働くことに関する問題を未然に防ぐには、働くときに必要な法律や決まりの「ワークルール」をきちんと知っておくことが大切です。
今回のテーマは「社会保険」について。
【社会保険とは】
労働者やその家族の病気やケガ、老後の生活などに対して保険給付を行い、生活を保障する制度のこと。2016年10月から適用対象者が拡大されます。
Q.正社員と同じ時間働いているのにパートは社会保険に入れないと言われた。
それって本当?
A.違います。パートタイマーなどの短時間労働者であっても、正社員の概ね4分の3(週30時間)以上働いている方は原則社会保険の適用となります。ただし、2016年10月より下部の5条件をクリアした場合も社会保険への加入が義務づけられますので、加入手続きをするように会社と交渉しましょう。
会社が対応しない場合は、労働組合に相談してください。組合がない場合には、「連合なんでも労働相談ダイヤル(0120-154-052)」にご相談ください。
Q.10月から社会保険制度が変わるので勤務時間を減らすよう会社から指示された。社会保険に入ると手取りが減るらしいから会社の言うことを聞いたほうがよい?
A.2016年10月1日から社会保険の適用対象者が拡大され、今までは加入対象でなかった人も、対象になる場合があります。その保険料は労働者・事業主がそれぞれ負担します。そのため、経費が増えることを嫌がる経営者の中には、加入要件にあたらないよう勝手に勤務時間や給料を減らすケースがあるかもしれません。そうした会社の行為は不利益変更にあたり違法です。
社会保険は労働者が病気やケガなどをした時に頼りになる制度です。現在全額自分で国民年金などの保険料を払っている方は負担が減ります。もし会社から労働時間や給料の引下げの提案を受けたら、その場で了承せず、労働組合などに相談しましょう。
月刊連合(2016年10月号)の「社会保険の適用拡大」はこちら
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2016年10月号の「社会保険」に関してはこちら。
※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2016年10月号」に掲載された記事をWeb用に編集したものです。「月刊連合」の定期購読や電子書籍での購読についてはこちらをご覧ください。