学生発! 4大学合同シンポジウム 学生が考える労働とワークルール教育

2017年11月15日

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【参加校】

小樽商科大学 國武英生ゼミ │ 北海学園大学 淺野高宏ゼミ │ 北海道大学 加藤智章ゼミ │ 北星学園大学 林健太郎ゼミ

9月18日、北海道の4つの大学で、労働法を学ぶ学生が合同シンポジウムを開催した。いずれもワークルール検定の問題作成を担っている先生たちのゼミ生だ。テーマは「学生が考える『労働』と『ワークルール教育』」。会場に足を踏み入れると、台風が接近する悪天候にもかかわらず、100名近い学生でぎっしり。企画も進行もすべて学生が行った。これから社会に出る学生たちは、「働くこと」をどう考えているのか。グループディスカッションも実施しながら「働くこと」の深層に迫った。

どんな企業を選ぶのか?

就活に臨む学生のあいだで「ブラック企業」をどう見分けるかは、よく話題に上るという。しかし、何に着目して「ブラック」と考えるかは、学生それぞれの価値観によって違ってくる。残業があるからブラック企業と考える学生もいれば、むしろ残業があってもやりがいがあると捉える者も。

そこで、グループディスカッションでは自分たちが働きたいと思う職場像をいくつかのモデルケースごとに議論し、ブラック企業かどうかを見極める上で欠かせない要素は何かについて話し合った。モデルケースは下の5つ。

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学生たちは、何に着目して企業を選んだのか。人気が高かったのはBさん。「年収と働き方のバランスがよい」「縦社会はマイナスもあるが、学ぶことも多い」「結婚して家族を養える年収」が理由。Dさんのケースも「自分や家族との時間がとれる」「家事や育児を妻だけに押し付けたくない」などの理由で支持を集めた。Aさんは年収は高いが、「プライベートをすり減らす」と除外。Cさんは「有給が取りづらいのは難点だが、それは将来変えていける」。フレックスタイムと年収、やりがいが魅力でEさんを選んだグループもあった。

「ワークルール教育」とはどうあるべきか

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続いて、「自分たちや企業側で知っておくべきワークルールとは何か」や、「ワークルール教育において法律的な権利や問題を教えるだけで十分なのか」、「ブラック企業問題は法律を知るだけで解決できる問題なのか」というテーマについてもディスカッションを行った。学生からは、「最低限法律を守る」だけでなく、「自分が働く上で大切にすることを見極める力を付ける」「職場を分析する能力を磨く」「コミュニケーション能力を養う」などもワークルール教育で同時に行うべきという意見が出された。また、「社会人と学生の交流の機会をつくるべき」「自分が労働問題に直面した時、そのことを自覚できるようにすべき」という意見もあった。

これに対し、進行を見守っていたゼミの先生方がコメント。「ワークルールは本来交通規則のようなもので遵守することはあたりまえ。問題を捉える感覚を磨き、問題を感じたら、どうすれば解決できるのかを考えてほしい」、さらに「就職した会社でおかしいことがあれば、変えることもできる。ワークルールを学んだ皆さんが、今後仲間と力を合わせてより良い職場をつくっていくことを期待する」とアドバイスを送った。

参加した学生たちは「ワークルール教育は法律面だけでなく、コミュニケーション能力を身に付けることなど、多角的な視点で考える必要がある」「働く上で自分が大切にしなければならないことが見えてきた」と感想を述べた。

これから社会に出るにあたり、「労働」に対する考え方を見直し、「働き方」を考えるきっかけの場となる学生発のシンポジウムであった。