世界有数の金鉱山のモットーは「全山笑顔でケガなく帰る!」 ~ 住友金属鉱山菱刈鉱山労働組合 ~

2015年7月2日

連合版オトナの社会科見学

~基幹労連 鹿児島県本部 住友金属鉱山菱刈鉱山労働組合~

タイトル

住友金属鉱山株式会社 菱刈鉱山

住友金属鉱山株式会社は、東京都港区に本社を置く、非鉄金属を扱う総合メーカー。同社が経営する菱刈鉱山は鹿児島県伊佐市にあり、現在商業規模で操業が行われている国内最大級の金属鉱山。世界有数の金鉱脈を持ち、毎年約7tの金を産出している。

01-01大事に、安全に守っていきたい

鹿児島県の北部にある菱刈(ひしかり)鉱山。鉱石中の金の含有量が多い、世界有数の金鉱山です。
現在の坑道の総延長は150km程度。本山(ほんざん)坑・山田坑の2カ所を合わせ、月に約280mほど掘り進めているのだとか。「年間7tの産出が目標ですが、『掘った以上に見つける』を目標に成果を挙げているので、実質的な埋蔵量は減っていないですね」と上橋さん。

探査課の大野さんは「鉱脈をただ掘れば良いのではなく、坑道は複雑ですから、どう通気するかを上橋さんのいる採鉱課と相談したり、近隣集落の地下を掘るとなれば住民の方々にもご説明して、最終的な掘る場所が決まります」。
鉱脈を探す人、測量、採鉱、保安を担う人…、鉱山は多くの業務で成り立っているのです。

03

菱刈鉱山に勤めて20年以上。「坑内の仕事はなんでもできる」という上橋さん、現在では若手の教育係を担当、大事にしているのはコミュニケーションだとか。「昼休みのちょっとした時間でも先輩のところにどんどん入っていけと。たまには一緒に飲みにいくとか、それも仕事やぞと。怒られつつも冗談も言える、そういう仲になって初めて仕事もうまくいくんですから」。

事務方として保安関係の情報周知を担当する元山さんは女性社員の一人として、男性の多い職場で女性の働く環境の改善にも努めています。女性は事務職や手選(鉱石の選別係)ばかりでしたが、最近、坑内で働く女性技術者が誕生。
元山さんは「従業員が仕事終わりに汗を流せるよう温泉を利用したお風呂があるんですが、女性用を造ることが決まりました!」。04

金は通電性がよくさびないため、電子機器の部品にも欠かせません。上橋さんは「金は、人が生み出すことはできない、神様が与えてくれたもの。大事に安全に、守っていきたいと思っています。全山(ぜんやま)(※)、けがなく毎日笑顔で家へ帰れるように、が目標ですね」。
※社員の他に関連業者なども含め鉱山で働くすべての人を指す言葉。

 

 

※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2015年6月号」に掲載された記事をWeb用に編集したものです。「月刊連合」の定期購読や電子書籍での購読についてはこちらをご覧ください。

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