連合2019春季生活闘争方針決定に向けて

2018年12月4日

すべての働く者のための取り組みとして

政治の動きの如何に関わらず、我われはすべての働く者のための取り組みを、労働組合としての根源的な取り組みを、加速していかなければなりません。

2018春季生活闘争では、「底上げ・底支え」「格差是正」と、すべての働く者の立場に立った働き方の実現に向かって、賃上げ要求のすそ野が広がりました。構成組織・地方連合会の踏ん張りにより、昨年以上に底上げ春闘の実をあげていただきました。
そして来季の闘争に向けて、11月30日に開催される中央委員会にて闘争方針を確認すべく、議論を本格化させてまいります。この数年間の「賃上げ」の流れを継続・強化するとともに、いかにして「底上げ・底支え」「格差是正」を社会全体に波及させていくか、皆さんの積極的な議論をお願いしたいと思います。

最低賃金については、2018年度の目安を受けて、各地方の地域別最低賃金審議会での審議の結果、実に23県で目安を上回る引き上げが行われ、とりわけDランクは16県すべてがプラス1円ないし2円の引き上げとなりました。底上げに邁進された各地方連合会の皆さんのご尽力に改めて敬意を表するものであります。

そして働き方改革に関してです。ご承知のように関連法は、6月29日に成立しました。罰則付の時間外労働の上限規制や、雇用形態間における不合理な格差の解消に向けた同一労働同一賃金の法整備など、連合が求めてきた事項が実現する点はおおいに評価できます。しかし、「高度プロフェッショナル制度」という、労働基準法上の労働時間規制を適用せず、長時間労働、過労死・過労自殺の危険性を増すような制度が、法案から削除されることなく創設されることは、極めて遺憾であります。

神津 連合会長

 

今後私たちは、大事な内容については実効性を担保させ、危険なものは歯止めをかけていかなければなりません。労働政策審議会の連合側委員を中心とした連携を軸としながら、しっかりと取り組んでまいる所存です。

そして、法律が整備されても、それが各職場で活かされなければ意味がありません。このことがいよいよ問われてくるのであります。
連合はまずその第1弾として、長時間労働是正の取り組み、大キャンペーンを展開して参ります。まずは自分たちの足元を照らすとともに、世の中全体の運動としていかなければなりません。 労働組合の有無にかかわらず、すべての職場において、より良い働き方の実現をめざし、36協定の適切な締結をはじめとする職場での取り組みを、労使で徹底していくことが重要です。
Action!36」と銘打ってこの取り組みを展開していきます。
その一環として、3月6日を、日本全体が認知する「36(サブロク)の日」としてまいりたいと思います。連合発の、しかし連合だけではなく、長時間労働是正、過労死・過労自殺ゼロを願うありとあらゆる人たちの結び合う運動として、「36(サブロク)の日」を一つのシンボルとして、大きなうねりをおこしていこうではありませんか。
Action!36」の取り組みを全員で支えていただきたい。心よりお願い申し上げます。