2015年9月30日に成立した、改正労働者派遣法。実は中身がよく分からなかったりということはありませんか。今回は改正法のポイントをおさらいし、派遣労働者の方の雇用の安定と処遇の改善のため労働組合として何ができるかについて考えてみましょう。
派遣法が改正されたのね。
私の会社にも派遣社員の方がいるけど、労働組合は何をすればいいの?
教えて! レンゴー仮面☆
これまでは、いわゆる専門26業務以外の業務には3年までしか派遣社員を受け入れられなかったわよね?
でも労働組合が反対したら延長はできなくなるんでしょう? それなら安心ね。
正社員をめざす派遣社員は多いのに、そんなことになったらますます正社員になりにくくなってしまうわね!
そういえば、派遣会社に「雇用安定措置」っていうのが義務づけられたらしいけど、正社員にするっていうこと?
「正社員化を促進する法改正」なんてまったく嘘ね!それならせめて派遣社員の処遇をよくすることはできないのかしら?
労働組合としてできることは何もないのかしら…。
派遣先企業の労働組合としてできること!
派遣可能制限の見直し
● 派遣労働者の受け入れ時、期間制限到来時に、交渉・協議の協約化・ルール化を!
● 意見聴取での反対意見が取り入れられなかった場合、派遣労働者の正社員としての雇い入れや、延長する期間の短縮を求めましょう!
「雇用安定措置」が義務化
● 派遣元から派遣労働者の直接雇用申込依頼を受けたら、受け入れを求めましょう!
● 直接雇用された場合には、ぜひ労働組合の一員になってもらうよう働きかけを!労働条件の点検・改善も大切。
● 正社員を募集する際、受け入れている派遣労働者への優先的な情報提供・採用への配慮を求めましょう。
均衡待遇に関する措置の見直し
● 派遣先で均衡待遇に関する措置が確実に実施されるよう働きかけを!
● 派遣先の了解を得られずに休暇が取得できない実態も…。実態把握を行い、確実な休暇取得や長時間労働の是正に向け交渉・協議を!
連合も取り組んでいます!
連合「改正労働者派遣法セミナー~ここがポイント!2015年改正と労働組合の取り組み~」(2016年1月20日、中央大学駿河台記念館にて開催)
改正ポイントの解説や、派遣労働者の現状と課題、労働組合としての取り組みについてセミナーを行いました。
3月には派遣社員向けのセミナーを開催します。
※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2016年3月号」に掲載された記事をWeb用に編集したものです。「月刊連合」の定期購読や電子書籍での購読についてはこちらをご覧ください。