連合版オトナの社会科見学
~電機連合 明電舎労働組合~
株式会社 明電舎
東京都品川区に本社を置く株式会社明電舎は、発電機・変電機器をはじめとした重電機器、水処理システム、モータ・インバータといった産業システム機器等を手がける電気機器メーカーで、社会インフラを支える企業として創業以来117年の歴史を誇る。群馬県太田市では、現在、水道事業のうち「取水から蛇口までの維持管理及び料金徴収」を一括して、アドバンストビジネス株式会社(以下、「ABS」)に委託しています。株式会社明電舎はABSの構成会社として、太田市の浄水場維持管理を担っています。
ライフラインを守る誇りを持って
「浄水場って『監視モニターを観てるだけでしょ』と思うかもしれませんが、同じ場所にいることってそうそうないんです」と柏瀬さん。実際、約30人がローテーションを組むという事務所には、事務員の方が1人だけ。「皆何かしら、どこかを飛び回っています」。
2001年の水道法の改正で、民間企業も〝責任と権限を持った〟水道事業の受託が可能となり、太田市では02年度より、明電舎が浄水場の維持管理を受託。現在、渡良瀬浄水場では取水から配水場へ水を送り出すまでの運転、それら設備の保全、水質検査の3つの管理を業務としています。
その中で柏瀬さんは、人員のシフトから点検など運用スケジュールの調整、不測の事態にも対応します。「設備に不具合があれば、供給がどれくらいもつかシミュレートして対応しますし、水質に変化があれば薬の量の調整や確認もありますし」。毎日があっという間なのだそう。
バイトをしていた学生時代、「社会の中でどう自分が役立っているか」と迷い、「公共性の高い仕事を」と明電舎に入社。「だから今、とてもやりがいがあります。中越地震のとき、新潟の出雲崎町に水道復旧の応援に行ったのも貴重な経験で、すごく皆さんに感謝されました。水を当たり前に出すことの大切さを感じましたし、今のモチベーションにも繋がっています」。
天候でも日々変わる水質。化学物質が河川に流入したり、地震などでは施設そのものへの影響にも目を配ります。そんなとき、スタッフの皆さんは自ずと集まるのだとか。「ライフラインに関わっているプライドを皆が持っている。嬉しいし、頼もしく思います」。
家庭での水道利用量が減り、水道事業そのものが転換期の真っただ中。「1年後に水道事業は3市5町で広域化されます。そこに明電舎がどう貢献できるか、また広域化にうまく移行できればと思っています」。
※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2015年3月号」記事をWeb用に編集したものです。「月刊連合」の定期購読や電子書籍での購読についてはこちらをご覧ください。