鳥取中央農業協同組合(JA鳥取中央)
県内3つのJAのうち中部地区1市4町がエリア。年間約160億円超の販売高を誇る、国内有数の農協。営農相談・技術指導などのほか、農業体験学習や食育教育、消費者地域内交流会など、農業と地域の発展のためにさまざまな貢献活動を行っている。
『鳥取和牛』の名と味を全国に
「鳥取の畜産は、全国に比べれば小規模なんですよ」と言う里田さん。砂丘といった自然や、二十世紀梨、スイカ、らっきょうなどの特産物が有名な鳥取県、かつては全国に種牛を供給するほどの日本有数の牛の産地でした。現在も肉質の良さでトップクラスの『鳥取和牛』、昨年も〝和牛のオリンピック〟で高い評価を得たばかり。「ただ、松阪牛や前沢牛のような知名度がない。ブランド化したい」と里田さん。
里田さんは農協に入って30年、コープの店舗や豚の飼育・加工・販売などを担当。約10年前に所属農協と鳥取中央が合併すると、単組の執行委員長として組合員のために奔走しつつ、職場では牛の畜産に携わるように。「豚は詳しかったんですけど、牛は全然で」。農家さんとのやりとりを通し勉強を重ね、経営のサポートや事務処理などを担当してきました。
全国的に規模が縮小傾向にある畜産業。小規模農家が多い鳥取県の畜産農家も生き残りを模索中で、取材した肥育農家の『とうはく畜産』も、2年前から自社で繁殖に取り組むように。代表の山下さんは「繁殖農家が減って子牛の値段が上がっている。自分たちで子牛から育てたほうがコスト削減になる」と母牛を増やす予定でいるそう。里田さんは「農協の軸は『営農』。鳥取和牛をいかに付加価値をつけて売るかを、農協としても努力しないと」。口溶けや風味が自慢のブランド牛『鳥取和牛オレイン55』の立ち上げや、鳥取県と農協が連携して東京の市場に上場するなど、県をあげてPRを展開。「鳥取和牛も全国に名が通るように、取り組みを続けていきたいです」
※この記事は、連合が企画・編集している「月刊連合6月号」の記事をWEB用に再編集したものです。