中央闘争委員長「2020春季生活闘争アピール」

2020年3月10日

2020春季生活闘争アピール

底上げ」「底支え」「格差是正」の実現に向けた
今後の取り組みについて

~ 賃上げをすべての働く者へ ~

 

本日、2020春季生活闘争における最初のヤマ場を迎えた。

今次闘争において組合は、これまで中長期的に取り組んできた「経済の自律的成長」の実現と将来不安の払拭、組合員の生活の安心・安定、人材の確保・定着、経営計画達成に向けたこれまでの努力・頑張りなどを強く主張し、月例賃金の引き上げにこだわった交渉を重ねてきた。

各組合が要求書を提出して以降、日本を取り巻く環境は急変している。私たちの命と健康、そして日々の生活を維持するため、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた政府の様々な施策に、国民全体で取り組んでいる。だからこそ、私たちの基盤である日本経済を維持し、企業・産業を存続・成長させていくためにも、同じ職場で働くすべての労働者への「人への投資」が必要である。

本日現在、各組合が月例賃金の引き上げにこだわり、粘り強く交渉を追い上げた結果、満額回答や有額回答を引き出した組合が少なからずある。

すべての働く者の「底上げ」「底支え」「格差是正」を実現し、分配構造を転換させていくには、本日までに示された回答を土台とし、続く中堅・中小組合はもとより、未組織を含めたすべての働く者の賃金引き上げに確実に波及させていかなければならない。

第5回戦術委員会確認事項を踏まえ、以下の事項に取り組むことを要請する。

1.交渉中の組合は、「今次闘争に臨む態度」を堅持しつつ、先行組合が引き出した回答を土台とし、要求趣旨に沿った回答を引き出すべく、最後の最後まで粘り強く交渉を追い上げる。

2.構成組織は、交渉中の組合に対する訪問オルグなど、要求趣旨に沿った回答引き出しに向け全力を尽くす。大手組合はグループ・関連会社組合の支援を強化する。

3.連合本部は、ヤマ場(3月10日~12日)の期間、切れ目なく情報を発信し各組合の交渉を後押しするとともに、経営環境が悪化している中小・零細企業を支援するため、「サプライチェーン全体の維持・確保」に向けた、政府、政党、経営者団体等への要請を行う。

4.地方連合会は、地場共闘のもとで構成組織の地方組織と連携し、中小・地場組合の交渉を支援するとともに、回答内容などの情報をタイムリーに共有・提供し、効果的なアピールを行う。

連合は、月例賃金引き上げの流れを継続・波及させるべく、交渉環境の維持と経営環境の改善にむけて、構成組織、組合、地方連合会との連携を強めていく

                        2020年3月10日

                        日本労働組合総連合会(連合)

                        2020春季生活闘争 中央闘争委員長

                        神津 里季生

 

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