7つの絆

 

米軍基地問題に対する活動

在日米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本見直しを

 連合は、在日米軍基地問題の解消をめざした運動を展開しています。

 現在、日本国内には130以上の基地を含む米軍施設があります。横田基地(東京都)、厚木基地(神奈川県)、普天間基地(沖縄県)など、在日米軍基地の多くが人口密集地付近に位置するため、騒音・事故など深刻な問題が起こっています。これらの問題は、在日米軍基地がある地域だけの問題ではなく、日本全体で国民共有の課題として考えていく必要があります。

 また、米軍関係者による事件・事故も後を絶ちませんが、そのときに立ちはだかる大きな壁があります。「日米地位協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定)」です。


嘉手納基地

普天間飛行場

 「地位協定」とは、外国の軍隊が駐留する際、その地位・役割・権利などを定めるために当事国の間で締結される協定です。
 しかし、この日米地位協定には、多くの問題があります。例えば、

  • 米軍関係者による「公務中」の事件・事故について、アメリカ側が第一次裁判権を持つ(日本で裁判を受けるべき事件・事故でも、原則、日本側で裁判権を行使できない。「公務中」であるか否かの判断はアメリカ側が行う上、アメリカ側が軍事裁判を行わず、軽微な処分で済まされる恐れがある)。
  • 米軍関係者による「公務外」の事件・事故について、アメリカ側が被疑者の身柄を拘束した場合、被疑者の身柄が日本側に引き渡されるのは日本の検察による起訴後となる(そのため、日本側で十分に捜査できない恐れがある。現在、凶悪な「特定の犯罪」の場合、日本側からの被疑者の身柄引き渡し要求について、アメリカ側が「好意的配慮」を払うこととなっているが、その判断権はアメリカ側にある)。
  • 基地・施設に対する排他的使用権により、日本側が基地・施設に入る際、在日米軍の許可が必要(この排他的使用権により、「米軍機の事故現場=すべて在日米軍の管轄下」と拡大解釈されている恐れがある)。
  • 在日米軍によって発生した環境問題について、原状回復の義務が免除されている(対策費用も汚染者負担の原則ではなく、日本側が在日米軍駐留経費負担、いわゆる「思いやり予算」で対応している)。
  • 在日米軍の車両が「軍務」として証明を取れば、有料道路通行料金は日本政府が負担する(ただし、その「証明」が無際限となっている恐れがある)。
  • 航空特例法(日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律)により、航空法の最低安全高度規制、迷惑飛行規制を受けずに飛行できる。これにより、本来は認められないような低空飛行が行われている。

 また、日米地位協定の運用に関して月2回、実務者協議を行っているのが「日米合同委員会」です。この日米合同委員会は、日米地位協定第25条にもとづき、「この協定(=日米地位協定)の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する日本国政府と合衆国政府との間の協議機関」として設置されています。そして、「合同委員会は、特に、合衆国が相互協力及び安全保障条約の目的の遂行に当たつて使用するため必要とされる日本国内の施設及び区域を決定する協議機関として、任務を行なう」としています。しかし、その議事内容は原則非公開です。

 この間、日米地位協定の運用改善や補足協定締結などが行われてきたものの、問題の抑止・解決の施策としては不十分な内容となっています。
 日米地位協定が、1960年の締結から一度も必要な見直しが行われてこなかったことによる弊害が生まれているのです。

 一方、主要諸外国では、基地・施設への立入、訓練・演習への関与、警察権の行使などを外国の駐留軍に対しても認めています。それは、特段の例外でない限り、それぞれの国内法を原則として駐留軍にも適用させているからです。
  日本と同じく、第二次世界大戦で敗れたドイツ、イタリアでも地位協定(NATO軍地位協定)の補足協定(ボン補足協定)や了解覚書(モデル実務取極)の改正などが行われています。また、韓国でも在韓米軍地位協定の改正が行われています。

 日米地位協定は、在日米軍基地で働く労働者にも影響を及ぼしています。
 現在、約2万5,000人が日本国政府(防衛大臣)に雇用され、全国各地の在日米軍基地で「駐留軍等労働者」として働いています。その仕事は、事務、技術、消防、警備のほか、在日米軍基地内の売店・食堂など多岐にわたっています。

 しかし、ここにも日米地位協定の壁が立ちはだかります。駐留軍等労働者は、「日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の日米安全保障条約第三条に基づく行政協定の実施に伴い国家公務員法の一部を改正する等の法律」第8条により、国に雇用されているが「国家公務員ではない」と定められています。一方、日米地位協定第12条第5項の解釈により、民間労働者のための国内法適用から漏れてしまうという、法の谷間の立場に置かれています。例えば、

  • 雇用主である防衛省は、在日米軍の許可なしでは職場(在日米軍基地)に入れない(=駐留軍等労働者の就労実態や労働環境を十分に把握できない)。
  • 労働災害が発生した場合でも、労働基準監督署の立ち入りには在日米軍の許可と同伴が必要。
  • 雇用主は日本国政府(防衛大臣)、使用者は在日米軍であり、駐留軍等労働者の労働条件は防衛大臣が決定することとなっているが、在日米軍の同意なしでは決定できない。
  • そのため、労働者保護のための日本の国内法が改正されても在日米軍の同意なしでは実施できない(労働協約なし、安全衛生委員会なし、36協定なし、年次有給休暇の次年度繰越なし)。

 連合は、日米地位協定の問題を放置できないと考え、2003年より、主要な在日米軍基地を抱える15の地方連合会、在日米軍基地で働く労働者でつくる全駐労(全駐留軍労働組合)とともに検討を行い、2004年1月16日、「日米地位協定の抜本見直しに向けた連合要求(PDF)」を決定しました。

 その主な内容は以下の通り。キーワードは「」です。

  • 言で言えば「日本の主権・法律を守らせる」。
  • 見直し内容つのポイント
    「(1) 安心・安全」
    「(2) 環境」
    「(3) 権利」
  • 見直し内容つの項目
    「(1) 関係地方自治体の関与を明確化」
    「(2) 環境保全(基地内の汚染の原因者責任、原状回復義務)の明確化」
    「(3) 雇用・労働条件・権利関係の明確化」
    「(4) 裁判権、民事請求権(損害賠償)」
    「(5) 国内法の遵守と平等な適用」
  • 日米合同委員会の情報公開

 その後、2つの補足協定が締結されるなど、一定の改善は得られました。

(1)「日米地位協定の環境補足協定(日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定)」(2015年9月28日締結)

(2)「日米地位協定の軍属補足協定(日本国における合衆国軍隊の軍属に係る扱いについての協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定)」(2017年1月16日締結)

 しかし、依然として、在日米軍基地に関する問題が起こるたび、日米地位協定の「運用改善」による対応にとどまっています。

 私たちがめざす平和で安定した社会・暮らしの実現のためには、日米地位協定の運用改善ではなく、抜本見直しを求めていかなければなりません。

沖縄県における基地問題の解消に向けて

 特に沖縄県は、日本全体のわずか0.6%の面積ながら、米軍専用施設面積の70%が集中し、米軍関係者による事件・事故などにより住民の生命・人権・財産が日常的に脅かされています。
 連合は、6月23日の沖縄「慰霊の日」に合わせ、毎年6月に沖縄で「平和行動in沖縄」の開催をはじめ、各地で集会、学習会を開き、関係省庁への要請行動などにも取り組んでいます。


米軍基地の整理・縮小と
日米地位協定の抜本改定を求める行動

平和行動in沖縄のデモ行進

 沖縄県の日本復帰40周年にあたった2012年には、「日米地位協定の抜本的見直し、在日米軍基地の整理縮小、沖縄の負担軽減を求める署名活動」を実施し、4,755筆にのぼる署名を集めることができました。
 また、在日米軍による実弾射撃演習の沖縄県への集中を軽減するため、1997年から全国5ヵ所(北海道・矢臼別、宮城県・王城寺原、山梨県・北富士、静岡県・東富士、大分県・日出生台)に移転して分散実施されています。
 しかし、本来は沖縄県と「同質・同量」を前提としていたにもかかわらず、弾数・日数が増えたほか、早朝・夜間での実施など、移転演習が拡大しているという問題もあります。
 連合は、移転演習の拡大・固定化を防ぐとの考えに立って集会、シンポジウム、要請行動などに取り組んでいます。
 在日米軍基地の整理・縮小と、日米地位協定の抜本見直しについて、その具体的履行と跡地利用、雇用対策の確保を求める運動を連合は続けていきます。

7つの絆
平和運動
核兵器廃絶・被爆者支援
人権を守る(差別撤廃・拉致問題)
新型コロナウイルスへの対応
被災地支援と自然災害への取り組み
愛のカンパ(NGO支援/災害支援)
メーデー
より強固な絆にしよう