記者会見 2024年1月25日

 

連合記者会見

記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2024年1月25日)

連合記者会見全文
芳野会長

 大変お疲れさまでございます。本日も定例記者会見にご参加いただきまして誠にありがとうございます。1月5日の年頭記者会見には多くの皆様にお越しをいただきました。改めて御礼を申し上げたいと思います。定例記者会見としては今年初めてとなりますので引き続きよろしくお願いいたします。
 まず、はじめに2024春季生活闘争について触れたいと思います。後ほど担当総合局長の仁平より本日の闘争委員会の概要について説明をさせていただきますが、私からは一昨日の政労使の意見交換について触れておきたいと思います。2024春季生活闘争に関しては2回目の開催となりました。構成組織・加盟組合において具体的な交渉がスタートする直前で、改めて政労使が一同に会して賃上げに向けた心あわせができたことは大変有意義であったと思います。大手企業だけでなく中小・小規模事業者でも昨年を上回る賃上げが実現するためには原資の確保が必要であり、そのためには労務費を含む価格転嫁が行われることが重要であることを連合としても強く訴えてきたところでございます。また、政労使の心あわせは中央のみならず地方でも行うことで全国での賃上げへの機運を高めることにつがるものと思っておりますので、その点についても改めてお願いをしてまいりました。賃上げへの機運は高まっていると感じていますので、この流れに乗ってそれぞれの労使の交渉に弾みがつくことを期待しております。
 今週末から通常国会がスタートをいたします。連合としてもいくつかの法案を重点法案と位置づけて各種取り組みを進めていることを確認いたしました。重要な政策課題がある中にあって、自民党の裏金問題によって国会議員への不信感が非常に高まっているのは報道からも承知をしているところでございます。検察当局の捜査が終局を迎えたことも報じられており、全容解明の舞台は国会に移ることになるかと思います。徹底した解明を行っていただかなければ国民の政治不信は解消することが難しいと思いますので、与野党の真摯な議論をお願いしたいと思います。一方で能登半島地震への対応をはじめ重要な政策課題がたくさんあります。政治と金の問題によって政策論議が滞ることのないようにしっかりと国会運営をしていただきたいと思います。
 以上、簡単ですが冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

清水事務局長

 それでは、今日、お配りをしている通りでございますが、協議事項をいくつか重ねてまいりました。まず1月1日に発災をしました能登半島の地震に対する取り組みで、この間すでに三役会等を含めて、事前に発信をして持ち回り等で確認してきたことを改めて中央執行委員会でも確認をしたところでございます。冒頭、連合石川の福田会長から、北陸ブロックそして石川の現状についてご報告をいただき、その後本部のほうからこの間の経過そして現在の取り組み、今後に向けてということで確認をしたところでございます。お手元の資料にもありますが、この発災によって現在構成組織からの報告でも連合の組合員も3人の方が亡くなり、34人の方が負傷、そして連合組合員のご家族の方も11名お亡くなりになって、5名の方が安否不明という状況、21人のご家族が負傷を負っていると。家屋においても組合員の甚大被害は377件、そして要補修等が組合員で1263件という、極めて大きな被害です。震災の状況について連合石川でも今のような状況でございます。石川の職場含めた事業所等においても、石川、新潟も含めて、甚大な被害が生じている組合は29件、そして1ヶ月未満で復旧できる見通しは428件ということでございますが、多くの、特に半島の先のほうではまだ地方連合会の状況が十分に把握できていないことがありますので、この後また状況の把握とともに対応についてやっていきたいということを確認したところでございます。
 続いて、今会長の話でありましたが、明日からはじまる通常国会における法案対応でございます。資料にお示しした通り、連合としては12本の通常国会における法案対応で今日は判断を示したところでございます。現段階で成立を求めるものが5本で、特に重点法案としては雇用保険法の改正案、そして入管法等の改正法案、これについて成立等を求めながらやっていくということでございます。また、修正を求めるものとして4本で、1つは24年度の予算案、そして税制改正の関連法案、それから子ども・子育ての支援法等の一部を改正する法律案、これは非常に束ねの広い法案になりますが、それに関わって。また、いわゆる日本版DBSと言われる児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案、これを4本とも最重点法案としながら国会対応の中での修正なども求めながら対応していくということでございます。その他が3本で現在12本を予定しながら国会対応をはかってまいることを今日確認したところでございます。
 また、衆議院選挙の候補予定者の推薦も決めましたが、取り消しも決めたということでございます。1つは前回からもご質問等もございましたが、今回神奈川の第18区の鈴木敦さんにつきまして連合神奈川からの推薦取り消しの申請がございましたので、今日そういう形での推薦取り消しを行ったということでございます。逆に、第50回の衆議院選挙に向けては、今日は7地方連合会の13名、合わせて累計32地方連合会118名の推薦決定で現段階に至っているということでございます。 また、協議事項ではございませんが確認事項として、現在ILOの理事ですが、労働側の委員の理事としてアジア太平洋地域から連合参与でありますUAゼンセン出身の郷野晶子さんが現在理事でございますが、6月のILO総会で任期の終了になりますので、新たな3年の任期について今日連合として推薦をすることを決めましたので、6月のILOの総会での3期目の選出に向けて手続きに入りたいということを今日確認させていただきました。
 以上が今日の中央執行委員会でございます。中央執行委員会が終わった後、第2回の中央闘争委員会がございました。これについては担当の仁平のほうから説明をさせていただきます。

仁平総合政策推進局長

 資料で言いますと合紙の後ろの資料のナンバーの4-1でございます。お手元にあればご覧いただきたいと思います。本日確認したのは2ページ目でございますが「当面の闘い方」のところでございます。会長、事務局長ともございましたが、能登半島地震との関係も1つ確認をさせていただいております。まずもって日本全体で被災地の復旧・復興を支援していくということを確認した上で、3行目でございますけど、新たなステージ、特に2024という歴史的な意味を考えると、「新たなステージのもとでわが国の経済社会の好循環と活力を取り戻すことが、被災地域の復旧・復興の環境整備、スピードアップにもつながるとの認識のもと、積極的な要求と労使交渉に全力を」みんなで尽くしていくということを確認しました。
 3ページ目、「5.社会対話の促進」でございます。来週以降になりますが、経団連はじめ中小企業団体との意見交換を順次進めてまいりたいと思いますし、ご取材等について改めて企画のほうからご案内なども今後差し上げることになってございます。その下の「・」でございますが、現在地方版の政労使会議も進んでいるところでございます。各地の取材などもいただいていると思います。本日段階までに4都県で実施をされているところでございます。次の「・」でございますが、2月5日には連合として開始宣言集会を開きます。またこれについてもご取材等お願いしたいと思っております。この集会以降、要求提出という動きが本格化してくるものと考えております。
 もう1つご案内しておきたいと思っております。6ページ以降に連合総研が本日発表いたしました経済シミュレーションなどについても情報共有をはかっているところでございます。8ページのほうに結果の表が出ておりますが、賃上げを主な変数といたしまして、ケース1、ケース2でマクロ経済にどんな影響があるのかということで、ケース1については連合の要求通り物価を上回る賃金が実現した場合、ケース2については賃上げについて残念ながら昨年の実績を下回るような賃上げとなった場合について、国内の民間消費支出など主な要因として、なかなかケース2の場合ですと政府が描くような経済の好循環なり緩やかな成長というのも上手くいかないというものが発表されているので共有した次第でございます。
 9ページは先般発表いたしました連合の経労委報告に対する見解を載せております。説明は省略させていただきます。以上でございます。

質疑応答[1]
Q.(時事通信社・コムロ氏)

 春闘でお尋ねいたします。金属労協やUAゼンセン、電機連合など産別の組合では23年を大きく上回る要求水準を掲げています。こうした動きについて会長の受け止めを教えてください。以上です。

A.(会長)

 連合の目標としては5%以上を掲げていますので、それぞれ期待をしているということです。

質疑応答[2]
Q.(共同通信・ヤマザキ氏)

 教育無償化を実現する会について伺います。これまで、連携できる政党か見極めると立ち位置の判断には一定の時間かかるという見解でしたが、この間、維新の会と統一会派を組んだりですとか、今日は合同で政策懇談会もやられてます。この動きについて会長はどうご覧になってるかというのと、今後の立ち位置の判断にどういう影響を与えるでしょうか。

A.(会長)

 動きについては承知をしているところですが、前原代表が私のところに来られた時に、6項目のうち、教育無償化、All for All、労働法制について、前原代表と馬場代表が座長を務める協議体が設置されること、また、All for Allと労働法制について前原代表の意向により盛り込まれたことは、前原代表ご本人から説明をまず受けているということをご報告したいと思います。ただ、今後の動きですが、前原代表の真意と、協議体において教育無償化を実現する会がどのような主張を行っていくのか、ひいてはそれにより日本維新の会の政策に変化があるのかないのかは今後慎重に見極めていく必要があると思います。現在でも連合としては教育無償化を実現する会との関係性については見極めていくことを継続しておりますので、今の段階ではそういった対応になるかと思います。

質疑応答[3]
Q.(NHK・カミノ氏)

 春闘についてお願いいたします。去年以上の賃上げを実現していくということですけども、改めて連合としてどういった取り組みをしてそれ実現していくか、どういった後押しをしていきたいかっていうところを意気込み含めて教えていただければと思います。芳野会長お願いします。

A.(会長)

 まさしく今年は経済社会のステージを変えていく正念場という位置付けを持っています。そして、経済も賃金も物価も安定的に上げていくことが重要だという認識を持ってる中での2024春季生活闘争にこれからから交渉に入っていくわけですが、まずはこの間もご説明しているように、中小・小規模事業所とりわけ地方の中小・小規模事業所がどのくらい賃上げが達成できるかが非常にポイントになってくるかと思います。その意味では、連合は労働組合ですので、底上げというところがどれだけできるのかということになりますが、今回は価格転嫁のガイドラインが出されましたので、まずはこれを職場の担当者のところまで落とし込んでいくことが重要だということはこの間も言ってまいりましたので、現在ブロック単位で説明会も実施をされていますので、そうした説明会も労働組合サイドもきちっとYouTubeなどで確認をしていくということと、これから交渉に入っていく中では調達部門がどう対応してるのかということとも確認をしていくということと、やはり1月2月は地方版の政労使会議がありますのでそこで地域地域の実情に合わせた政労使の心あわせができれば、労働組合のないところにも今回の賃上げの機運というものが波及できるかと思いますので、そこに期待をしているということです。

質疑応答[4]
Q.(朝日新聞・サワジ氏)

 2点がありまして、1点目は芳野会長に。共産党で女性の委員長が誕生しました。芳野さん、関心ないかもしれませんが、ジェンダー問題に取り組んでいらっしゃることもあり、ご関心なりご所感があれば伺いたいのが1点目。それから2点目は、これは細かいことなので冨高さんがいらっしゃれば担当局長でも構わないんですが、厚労省の研究会で労働基準法の改正の議論がはじまりました。先日、経団連側から提言が出ていますが、これについては事務局長談話も出ていますが、連合として今後どういった形で組織内で議論し、あるいはその厚労省での議論にその意見を反映していくのか、今後のその見通し、手続きなどについて現段階である程度見通しがあれば教えてください。以上、2点お願いします。

A.(会長)

 まず1点目ですが、時代の流れだなというふうな感想を持っています。

A.(事務局長)

 労働法制に関わって、新しい検討会も厚労省の中に設置されまして、その中で具体的に詰めていくことになろうかと思いますが、1点は今ご指摘があった経団連が出した部分の労使自治を軸とした労働法制ですか、それに関する提言でございますけども、基本的には労働者の健康保持確保等に関わって最低限のルールを守っていくことは大事だということは、まず提言の最初に書かれていますのでそのことは私たちと軌を一にするところかなと思っています。その上で、新しい今の働き方の全体として、いろいろな見直しがあっていいのではないかということについて、それについては連合とすればそういった声が経団連の中にこの間もあること、あるいは労働法制含めた働きの幅を広げるとかそういったこと、あるいは労働者代表制について組合だけじゃないんじゃないのかといったこと、ここについてのご意見があったことはよく分かっております。ただ、労使の力関係ということを私たちは見ていますので、労働組合がしっかりあるところについては十分な形が取れますが、そういったところがないところで労働者代表の形が進むこと、そこで決めればいろんな労働協約も広げられるという、そういったことでいくと、私たちとすれば、それは職場が崩れてしまうことになるのではないのかということを基本的には談話でも書かせていただいたところであります。具体の検討会への対応については村上さんのほうからまたお話をしてもらいたいと思います。

A.(村上副事務局長)

 今ご指摘あった検討会については有識者の検討会ということで、第1回が開かれたばかりだと承知をしております。今後、連合としてどのように対応していくのかということですけれども、談話にも書きましたように、やはりその強行法規としての労働基準法が大切だということは堅持しつつ、また集団的労使関係も大事だというところで、基本的なスタンスはそういったところにございます。今後どのような方向で議論していくのかということに関しましては、もう少し見極めながら連合内でも対応方針を決めていくことになろうかと思っております。以上です。

質疑応答[5]
Q.(シカタ氏)

 2点お聞きしたいと思います。1点は闘争体制についてと、2点は争議権についてです。1点目の闘争体制ですが、1月23日に金属労協が第1回の連合金属部門共闘連絡会と、「第1回」と銘打ってやったわけで、これも私も長く春闘取材してますけど連合はじまって以来のことなんですよ。で、この第1回の共闘連絡会議で金属労協とね、金属労協はこれは共催だと、金子さんは挨拶で、私はJC議長としての挨拶だし連合金属部門としての挨拶だということを言われたわけで、どういう経緯でそういうその第1回の支援共闘会議が開催されたのか、多分これは事務局長が担当されてるんじゃないかと思いますけれど、その経緯をお聞きしたいということと、それから共催と相手は言ってるわけで、共済である以上は条件があると思うんですね、例えばその要求の中身とかあるいは行動の費用とか、そういうあたりで例えば要求について要するに連合と共催する以上は連合の要求に準拠してほしいというようなことを合意された上での共催になってるのかどうか、費用については要するにこれは会場とかいろいろあるわけですから、費用については連合が一部負担するような形になってるのかどうかという点をお聞きしたいのが1点です。
 あと第2点目は、いつも1月の中闘段階では連合は労働基本権にこだわるというのは早くから出してるわけですけれど、2月の中闘確認事項では争議権確立というのを提起したことがあると思うんですけれど、今回その1月の中闘委員会の中で争議権というのは提案されてるのかどうか、大会の時に芳野議長に聞いたんですが、もし実質賃金が下回る時には争議権発動をされるのかって言ったら芳野議長のほうが担当者会議で論議したいということで、論議の結果として、もし実質…去年の場合は2.12だったかな、で、今度の場合はベアで実質賃金を取ることが必要ですから、もしそのベアで実質賃金を割った場合は連合としてそういう争議権の確立と言いますか、そういうものを提起されるのか、で、今どういう論議状況になってるのか、この2点についてお聞したいと思います。

A.(仁平総合政策推進局長)

 金属共闘の話も私のところと連絡を取りながらやらせていただいてるところでございます。実は私も当然ながら金属共闘の事務方の一員ですので、あの場に居させていただきました。2階から一緒に拝見させていただきました。事実関係から行けば、いつからかと確認していないんですけど、この2、3年同じような形で2枚看板でやらせていただいてるので今年がはじめてではないということは事実関係としては申し上げておきたいと思っています。まさにJCMという枠組だけではなくて、連合の中の金属共闘としてしっかりやっていくんだということなんだと思います。それは去年も今年も変わらない。もう1つは今年これも方針の説明の中でも確か中田次長が説明していたのではないかなとは思いますけど、言わずもがななんだけどと前置きをしつつ、文章としても「上部団体の方針なども踏まえ」(※)というふうな文言も含めて今年入れましたと、当たり前のことなんだけどと言いつつ、そんなことを言われていたなというのは私もその場で記憶をしております。(※末尾に訂正コメントあり)
 それと、2月の中闘、次の確認事項どうするのかというのは、また中闘あるいは三役の皆さん方とも相談しながらという中身になろうかと思っておりますので、現状でどうするのかということは未定でございます。ただ、本日付けさせていただいた、17日に発表しました別紙の2で出しておりますけど、見解の中においても、そういう意味でいけば、しっかりと労使交渉をしていくんだ、特に賃上げの部分については、まさに賃上げ分としてきちっと物価以上のものを取っていくんだということも明記させていただいた上で、一番終わりのところでありますが、連合としては基本的には建設的な労使関係を基礎としているがやはり様々な労使関係もあることも踏まえ、社会的に広がりのある運動としては憲法に基づく労働基本権の行使ということは、経営側がいろいろ言おうが、やはり否定されるべきじゃないだろうということについてははっきり明記をさせていただいてるところでございます。

Q.(シカタ氏)

 連合の要求を守るというのを合意の上でやってるということと、それからあと要するに、あそこはこの8年間連合要求を下回っているわけですよ、で、今年初めて上部団体の要求を踏まえるということを入れてます。そういう点では連合と共催するっていう点では当然のことだと思うんだけど、そのあたりで上部団体の要求を入れるというのは、合意というのは前提でやったのかどうかという確認と、それからあと費用についてはどういう形になっているんですか。

A.(仁平総合政策推進局長)

 すっかり細かいところを落としておりましたけど。そういう意味では別にJCMとしての方針はJCMの機関のメンバーで作っていく話なものですから、そこのメンバーでは私はありません。ただ今年そういう意味では1万円ということを掲げたというのは、そういう意味では連合の3%以上も考慮していただいてそういうことになったんだろうなとは思います。そこについて相談をしてそうなったというよりはやはり各産別の中の議論含めてJCMとして検討した結果なんだろうなと。ある程度水準感が揃ってくるという意味ではまさに2015年くらい以来ということになるのではないかなと思っています。ただ、先ほど中田次長の話も出させていただきましたけど、それまでも気持ちとか中身という意味では連合の方針も考えた上でこの間も決められてきていると思っています。費用については、ちょっと細かい話なんで私も詳細把握していなくて、いずれしても会場費等々、ダブルの看板でやるということと費用負担が半々にしなければいけないということではないと思うので、その辺は確認をしながらお答えをしていきたいと思っています。

質疑応答[6]
Q.(朝日新聞・カタダ氏)

 芳野会長に2点お伺いします。1点目が、経団連の経労委報告で連合の目標に対して評価するような記述がありますけども、改めて受け止めというか、昨日の労使フォーラムの講演では「共感を持って拝読した」というふうにおっしゃられてますけども、その共感のところを噛み砕いた形でどういったところが共感を持ったのかっていうのを詳しめに教えていただけたらと思います。
 あともう1点が、関連して今回の春闘は経営側も賃上げにすごい積極的だというところで、労使が同じ方向を向いているのかなと思いますけども、そういった面で労使の距離感といったものがこれまでの春闘と比較して、どういうような変化があるのかというのを教えてください。

A.(会長)

 談話も出していますのでそちらもご覧いただきたいと思いますが、今年は昨年以上に賃上げが必要だというところで、政労使になりますが、昨年以上に同じ方向に向かっているという認識を持っています。また、中小企業ですとか、労務費を含めた価格転嫁についてもしっかりと取り組んでいくということも言われておりますので、この間はどちらかというと中小・小規模事業所のほうからなかなか価格転嫁ができないという意見をいただいていて、大手と中小との差というものが出ていたんですが、そこのところにも踏み込んでいるということは非常に共感を得るところだと思います。昨年も同じ方向を向いていましたけれども、今言ったように今年のほうが踏み込んでいますので、そういう点では今年のほうが期待をしているところですし、また、政労使の意見交換会が昨年11月そして今月と続けてできた、そこのテーブルに載ってくださったということも評価できる点ではないかなと思います。

質疑応答[7]
Q.(日経新聞・マツイ氏)

 芳野会長にお願いします。先日Amazonジャパンで個人事業主のドライバーの方の労組が結成されました。これは個人加盟の合同労組が支援をしていらっしゃいます。スターバックスなど最近立ち上がった他の労組でも同様の構造です。連合傘下の各産別・単組も組織化に力を入れてらっしゃいますけれども、UAゼンセンを除くと苦戦をしていらっしゃるように見えます。労組のサポートを求める個人が増えているという現状と、それに対して連合加盟労組の組織率が上がってこないという、この一種のギャップについてどういうふうに評価をされるでしょうか。組織化の手法の課題などについてお考えがあればお願いします。

A.(会長)

 組織化プランがありますので、今まで通りの説明になるかもしれませんが、プランの実効性を高めていくということになるかと思いますし、集団的労使関係にない労働者のためには今Wor-Q(ワーク)という緩やかなネットワーク会員を募りながら組織化に向けて動いていますので、そこも充実させていく必要性があるのかなと思います。それから、組織率については雇用労働者数が増えていますので、分母が増えている中で、組織率という点では下がってきている状況になってるのかなと思いますが、連合本部としては労働相談から組織化に持っていくということを日常的にはやっていますので、なるべく連合の敷居を低くして、多くの方にお声がけいただけるように連合の体質改善も必要だと思いますし、また、何か問題があった時にはこちらから声をかけていくことも連合の取り組みとしては必要ではないかと思っていますので、組織率低下に歯止めをかけられるようにしっかりと取り組みは強化していきたいと思います。

質疑応答[8]
Q.(東京新聞・アツミ氏)

 会長に伺います。今回春闘なんですけども、好循環に向けたチャンスということで、労使も言っていますし政府も言っているという状況だと思うんですが、ある種昨年に関しては30年ぶりの賃上げ率を記録しながらも実質賃金はマイナスになり、消費が低迷しているという状況があると思います。このチャンスの背後にあるリスク、賃上げが上手くいかなかった時のリスクというのを一応どういう認識でいらっしゃるかというのをすいません伺えるでしょうか。

A.(会長)

 これから交渉に具体的に入っていきますので、先のことについてコメントは差し控えたいと思いますが、今の段階では5%以上の目標を連合としては掲げ、現在加盟組合が要求を組み立てていって、具体的に2月に出し、2月後半から3月に交渉に向かっていくかと思いますので、そこの交渉について期待をしていきたいと思います。昨年30年ぶりの高水準だったわけですが、やはり物価がそれ以上に上回ってしまって実質賃金がマイナスになったということは紛れもない事実ですので、今年の賃上げの交渉はしっかりと加盟組合の真摯な協議の中で行っていただきたい、そこに期待をしたいと思います。もう1つは消費者である私たちのマインドも変えていかなければいけないと思っています。賃上げももちろん大事ですが、やはり良いものはそれなりの価格があるわけですので、その製品の価値を認めていかないと、それを作っている人たちの価値も賃金も上がっていかないということになりますので、消費者である私たちのマインドを変えていくということも重要だと思っています。このことも今期は割といろんなところで訴えさせていただいてるところです。例えば送料無料というのがありますが、それを配達してくださっているのは連合組合員の皆さんなので、やはりそういったことも私たちは労働者の立場と消費者の立場と両方から見ながらお互いに価値を認め合いながら賃上げもやる、掛かる費用にはしっかりと私たちも払っていくと、両方やってくことがとても重要じゃないかなと思いますので、今のところリスクは考えていませんが、私たちがやるべきことをしっかりと着実にやっていくということが重要ではないかなと思います。

Q.(東京新聞・アツミ氏)

 ありがとうございます。もう1点なんですけど、今価格転嫁の話がありましたのであれなんですが、産別の中でJAMがそこのところを強く強調して存在感示してますし、あとUAゼンセンが非常に早い時期に高い賃上げ率を掲げまして全体引っ張ってくようなそういう雰囲気を作ってくれてるというのはあると思うんですが、かつてのその製造大手が全体を引っ張っていくみたいな形と春闘のあり方そのものがなんか変わってきてるようにも感じるんですが、そのあたり会長はどのようなご見解か伺えばと思います。

A.(会長)

 確かにかつては製造大手が賃上げを引っ張ってきた、相場形成をしてきたということかと思いますが、それぞれの産別また加盟組合の考え方、またそれぞれの労使関係があって、今年は昨年末から大手が賃上げ率を発表したりですとか、年明けも大手のところが発表したりだとか、いろいろあるかと思いますが、そこに至る間でも労使で話し合いの結果そうした行動に出てるかと思います。今後これまでと違う春闘の流れも含めて、多分様々出てくるかと思いますので、連合の中でも検討は必要かなという認識を持っています。1つには、大手中心にというかグローバル企業中心に決算月が12月のところが増えてきています。この間は3月が中心だったと思いますが、12月が増えてきますと、やはり賃上げって向こう1年間の自分たちの給与がどうなのかという人件費計画のところに影響を与えてくるので、そうした実態なども踏まえながら、春闘の闘い方は今後検討していく必要性はあるかなと思います。ただ、多くのところがまだ4-3なので決算が、そんなにすぐには変わるとは思えませんけれども、実態的には少しずつ変わってきているので、そんなことも加味していく必要性はあるかなと思ってます。

質疑応答[9]
Q.(NHK・シカノ氏)

 法案対応について伺います。記載いただいた法案のうち、子ども・子育て支援法の改正案について、こども未来戦略に関しての談話というのはすでに12月に出されているかと思うんですけれども、改めてこの法案の中にも盛り込まれる支援金について、すでに給付と負担の関係が不明確で使途がそれ以外にも広がりにくいなどとして、その財源の確保策を見直すべきというふうにありますけれども、改めて連合としてこの支援金に対する考え方とですね、あとその今回支援金に1兆円程度の財源とするという方針ですけれども、この1兆円程度の財源、支援金ではなく、ではどういった形で財源確保すべきというふうにお考えでしょうか。お願いいたします。

A.(事務局長)

 法案対応なので私のほうからお話をします。子育てに関わる部分で、基本的に申し上げたように束ねになっているので、制度としての法案の部分とそれから財源のところの法案の部分が別の委員会で話し合われるような状況がありますので、対応がその委員会によって違ってくるかとは思いますが、まず制度としては子育てに関わる部分とかそういったところについて、連合としては基本的には賛成の立場ではありますので、ただ財源についてそういった形で持ってくることについては再度法案の中で議論が必要ではないのかと。じゃあどこから持ってくるのかということで言えば、それで言えばこの間も様々な部分の、すでにある部分のそこから回すという話もありますが、新たに、負担になるような形であったり、私たちからすればその支援金で特に保険に関わるところであったりとか、そういったところから持ってくることについては基本的には反対だというのをこの間ずっと申し上げてきましたので、これについても具体の法案の中ではじめて出てくることですから、そこについては私たちとすれば基本的には国民・立憲の両党を通じて申し上げていく中で、国会対応していきたいと思っています。

質疑応答[10]
Q.(東洋経済・クロサキ氏)

 一昨日、日本銀行の政策決定会合を受けて日銀の総裁は物価の目標2%の実現可能性について確度が高まっているということを発言しています。今年の連合の賃上げ目標5%以上、ベア3%以上っていうのは、この3%という数字は物価2プラス実質生産性1ということかと思うんですけども、この物価2の確度が高まっていく、先々いくとなると、この5%という賃上げ目標はもう連合としても先々、今年今年度だけでなく、先々のこう1つのメルクマールのようなものになるのでしょうか。ちょっと今年の春闘がまだこれからという段階でなかなか先のことは、ということはあるかと思うんですけれども、イメージとしてお聞かせいただければ幸いです。

A.(仁平総合政策推進局長)

 こういった記者会見の場でありますので、あまり方針を乗り越えた個人の意見を言ってもしょうがないかなとは思っておりまして、決めてるのは今年どうするのかという話でありまして、来年以降についてどのような見通しでどうやっていくのかということは改めて議論して決めていくということになると思います。ただ、若干申し上げておけば、連合が出した例えば討論集会での資料などでは、政府の目標なりが、というか、その金融政策、物価政策なども含めて安定的に一定の物価の上昇があるということは望ましいことなんだろうなと。賃金はそれを上回って実質が伸びていかないと国民の暮らしは良くならないわけでありますから、一定程度そこはプラスであるべきだと。それはマクロ的な整合性、インフレを加速させないという意味でいけば、マクロの生産性というのは1つのメルクマールなんだろうなと思っておりますが、そういうふうな認識のもとに次年度以降の検討もしていきたいなと思っております。

質疑応答[11]
Q.(日経新聞・ウラサキ氏)

 芳野会長に1つお願いします。先ほどから出ている政労使の話で地方版政労使、今年初めて賃上げがテーマだと思うんですが、厚労省がなるべく知事も参加するようにという通知を出していたり、最後は労使が決めるものだと思うんですが、公・政が積極的に関わることについてどう考えか、地方版政労使に期待するところをお願いします。

A.(会長)

 春季生活闘争はまさしく労働組合があるからこそ要求を出して会社との協議交渉で自分たちの処遇を改善できるということですので、その意味ではやはり中小含めて労働組合のないところが圧倒的に多いですので、今回のその政労使会議で心あわせをするというのは労働組合のないところで働いてる人たちへの影響というところでは期待をしているということになるかと思います。

質疑応答[12]
Q.(時事通信・ミフネ氏)

 芳野会長にお伺いします。教育無償化を実現する会の鈴木議員の推薦取り消しに関してなんですけれども、同じく凍結した前原代表らへの対応はまだ出ていませんけれども、今回の決定について、その他の教育の議員にも今後の推薦議論に影響を与えるのか、その辺についてお考えを伺えればと思います。

A.(会長)

 今回、鈴木議員の件については連合神奈川の考え方を尊重したということになります。そして、その上で今後ですけれども、連合の考え方は現在出ていますので、その考え方に基づいてそれぞれの地方連合会がまず議論をすると思います。その議論結果を踏まえて連合本部としては確認をしていくということになるかと思います。

(司会)

 最後に仁平から先ほどの発言について一言コメントございます。

(仁平総合政策推進局長)

 シカタさんからご質問いただいた件で、私の記憶がちょっと定かではなかったものですから、改めて方針をチェックしてみて、私の発言を訂正させていただきたいと思います。JCMの方針については、上部団体云々の記載は、私の頭がごちゃごちゃになっていて申し訳ありません。1つの産別のところのお話でありましたので、JCMのところには書いておりません。ただ、JCMの記載としては、連合と金属共闘連絡会において役割発揮をしていくという項目の中で、金属労協として金属共闘連絡会の活動を担う組織として、2024闘争においてその役割を果たしていく、それと連合本部、連合他部門との連携を強化して闘争を進めていくという記載は文言上ございます。あと、ヤマ場の対応について、共闘全体として、連合の共闘全体として最大限の効果を発揮できるように、連合の拡大戦術委員会等との連携のもとに進めていくということで、一定程度ここについては事実関係としてはこういった記載でございますが、金属部門共闘としてしっかりやろうとしているという気持ちは多分変わらないんだと思っておりますが、引っ張ってくる文言が違ってたものですから、そこは事実関係訂正させていただきたいと思います。

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