記者会見 2021年12月

 

連合記者会見

12月定例記者会見

芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2021年12月16日)

連合記者会見全文

(※聞き取れない部分、不明な部分には「●」を使っています)

芳野会長

 大変お疲れさまでございます。ありがとうございます。本日、第3回中央執行委員会また第1回中央闘争委員会を開催いたしました。特にまず1点目は雇用保険について確認をしています。現在審議会のほうでまさしく審議中ではありますが、後ほど事務局長ならびに担当部門より詳しく説明があるかもしれません。補正予算における一般会計からの繰り入れが閣議決定をされ、当面の雇用保険財政の安定化に一定の目途がついた一方で、国庫負担割合と雇用保険料率、累積繰り入れ額の取り扱いなどが論点となっています。連合は中執確認した考え方に基づきながら、国庫負担割合の本則回帰などの財政措置をはじめ、雇用保険財政の安定化につながる対応を求めていきたいというふうに考えております。
 2つ目は、来年の参議院選挙に向けた取り組みの強化につなげていくための取りまとめについてです。この間構成組織また地方連合会から様々なご意見をいただき、選挙結果ですとかこの間の連合の取り組みを整理するとともに、その中で明らかになった課題について認識を共有し、今後の政治活動に生かしていくということで取りまとめを行いました。これについても後ほど触れていくかというふうに思います。
 また3点目になりますが、2022春季生活闘争で、労働組合が人への投資を積極的に求めることで未来を作っていく「未来づくり春闘」としてはじめておりますが、今日第1回目の中央闘争委員会を開催しましたので、その都度情勢の認識と合わせながら取り組みについて議論をしてまいりたいということを確認しています。
 また中執の最後になりますが、私が会長になってから「ジェンダー平等をすべての運動に」ということで申し上げてきましたが、今日、構成組織・地方連合会における女性の労働組合の参画に関する調査報告書が出来上がりましたので、その内容についても報告をさせていただいております。また、非正規雇用の問題についてもしっかりと取り組んでいくという中では、いわゆる曖昧な雇用、フリーランスのためのWor-Q(ワーク)共済、皆様のお手元にこうしたカードをお配りしています。これは手作りなのですが、こういったものも取り組みをはじめておりますので、今日その宣伝と構成組織また地方連合会への協力のお願いということで確認をしております。もしかすると後ほど担当者のほうからご説明あるかも知れません。よろしくお願いいたします。

清水事務局長

 それでは、第3回中央執行委員会で協議事項として確認をいただいた中から何点か申し上げます。
 1点目は、2022年度の診療報酬等の改定に対する連合の考え方についてまとめたところでございます。安心安全で質の高い患者本位の医療を確保することを前提に、医療従事者全体の働き方改革や処遇改善、医療保険制度の持続可能性、国民負担の状況、物価・賃金の動向、新型コロナウイルス感染症の影響等を総合的に考慮した改定率にするよう求めることで確認をいただきました。
 2点目は、2022年度の最低賃金取り組みの方針案についてでございます。地域別最低賃金では生存権を確保した上で、労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準への引き上げと地域間格差の是正に向け、まずは誰もが時給1000円到達を目標に取り組むことで確認をいただきました。この件は、2022春季生活闘争にも関わることなので、この後担当の仁平総合政策推進局長からも説明があろうかと思いますのでそちらにお任せいたします。
 3点目は、第49回衆議院選挙の取りまとめのまとめ案について協議をいたしました。連合として政治センター幹事会をはじめ、各構成組織・地方連合会との意見交換を重ねてまいりましたが、選挙結果やこの間の連合の取り組みを整理するとともに、その中で明らかになった課題について認識を共有し、今後の政治活動、とりわけ来年の第26回参議院選挙に向けた取り組みの強化につなげていくことが重要であるとのことで、提案通りにご確認をいただきました。詳細についてはお配りしている資料をお読み取りください。
 もう1点は、会長からありました労政審の雇用保険部会についてでございます。雇用保険財政については、補正予算における一般会計から2.2兆円の繰り入れが閣議決定され、当面の安定化に一定の目途がついた一方で、第159回の部会以降の議論では国庫負担割合と雇用保険料率のあり方、雇用保険二事業の累積借入額の取り扱いなどが論点になっています。12月中の部会の報告の取りまとめが予定されていますが、連合としてはこれまでの中央執行委員会の確認に基づき厚生労働省への要請活動を行っております。また、国庫負担割合の、現在2.5%ですが、25%の本則回帰などについての財政措置をはじめ、雇用保険財政の安定化につながる対応を次期の通常国会も含めて求めてまいりたいと思っております。
 次に、先月の18日の第2回中央執行委員会当日の定例記者会見で技能実習制度に関わるご質問があり、私の回答において誤解を招きかねない点があったことから、技能実習制度などに対する連合の考え方を改めて申し述べておきたいと思います。まず1点目として、まずは、外国人、日本人を問わず、日本国内で働くすべての者の労働者としての権利が保障され、基本的人権が守られることが必要なことはいうまでもないということであります。2点目に、技能実習制度は発展途上地域等への技能移転という国際協力が制度の本旨です。制度本旨にしたがい、しっかりと技能移転に取り組んでいる実習実施者や管理団体等がいる一方、人手不足解消の手段として利用している実習実施者がいることも事実でございます。3点目は、連合は国際協力という制度の本旨に沿った形で適正に運用されなければならないと考えています。4点目に、技能実習生が送り出し機関に多額の保証金を徴収されている問題をアメリカから指摘をされていますが、不当な保証金を徴収するような送り出し機関は認めないなどきちんと政府間でも適正化の取り組みを行い、技能実習生が技能習得のために安心して来日できるよう、より一層取り組むことが求められていると考えます。5点目ですが、特定技能制度の創設に際しては、まずは労働関係法令違反や人権侵害が発生しない状況を実現した上で検討すべき課題だということを連合として主張してまいりました。特定技能制度は技能実習制度とは異なり、外国人労働者の受け入れの必要性や技能水準等に関する公開の場での議論もなく、所管省庁を主導で決めることができる制度設計になっています。トータルな労働市場政策としての視点が欠落していると考えており、検討にあたっては日本国内の雇用や労働政策の視点を重視すべきであると考えています。連合としての考え方、前回に伴って私のほうから申し添えさせていただきました。私からは以上でございます。

仁平総合政策推進局長

 別紙のほうで第1回の闘争委員会の確認事項を配らせていただいていると思いますのでそちらをご覧ください。本冊のほうは少し日程が古いものが入ってございまして、別紙のほうご覧いただきたいと思います。
 2ページでございますが「当面の闘い方」ということでは、12月2日に、これもマスコミオープンでやらせていただきましたが、共闘連絡会の確認されたことをもう1回中闘としての確認をしているということが中心でございますので、新しいのは当面の日程のところでございます。5つの共闘連絡会、これについて昨日の午後の段階で全部揃いましたので、そのへんについて本冊から差し替えてこちら新しくさせていただいたというところでございます。諸行動につきましても、2月3月記載の通り、今年はWEBも併用いたしますが、リアルで開催したいと思っております。日程の配置です。4ページ、裏見ていただいて、交渉日程も勘案いたしまして、3月3日、18日、25日で、集計の日程および記者会見ということを予定しておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 あと事務局長から補足でございました最低賃金の方針の関係でございます。本冊子の21ページのところで最低賃金の取り組み方針ございますが、事務局長からございましたとおり、今年の夏の地賃の審議の中で全都道府県800円をクリアということになりましたが、連合の目標といたしましては「誰でも1,000円」ということを掲げてございますので、それも踏まえまして22ページのところでございますが、1000円未達のところは1000円以上、1000円達成地域、東京と神奈川ということになりますが、リビングウェイジ等を勘案し、というところでございます。表現ぶりは昨年と変わりませんが、連合リビングウェイジ、今年改訂をしてございますので、そんなことも踏まえた取り組みということでございます。私から以上です。

質疑応答[1]
Q.(フリージャーナリスト・シバ氏)

 質問の機会いただきましてありがとうございます。芳野会長に質問させていただきます。先日、自民党の遠藤選対委員長が、先の衆院選の勝因として芳野会長が「立憲民主党と共産党の共闘はダメだ」といったからというふうに発言しています。また、多くの選挙区で大接戦であったことは厳然とした事実かと思います。そうした中で、もし共闘というものがなければ、より多くの野党の議員が負けていたかもしれないということですよね。そこで質問ですが、会長のお考えをお聞きしたいんですけども、仮に自民党に利することがあっても野党共闘を潰すことを優先されるのか、そういったことをちょっとお伺いしたいです。

A.(会長)

 連合としては、立憲民主党を基軸に国民民主党と連携をしながら選挙戦を戦っていくということはこれまでもそうですし、これからもそういうことになるかというふうに思いますので、「もしかしたら」というようなことについてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。これまでもお伝えしておりますが、立憲民主党と市民連合、共産党との関係で連合組合員の票が行き場がなくなったということが事実としてあったのではないかというふうに考えています。以上です。

質疑応答[2]
Q.(フリー・ヨコタ氏)

 フリーのヨコタハジメです。今の質問に関連して、ということは自民党を利したという自覚や反省はないということでしょうか。自民党の遠藤選対委員長が自民党を利して勝因の1つになったと朝日新聞の記事で語っているんですが、そういう自覚がまったく無いということですか。反省もしてないということですか。

A.(会長)

 そういったことは考えておりません。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 そういう受け止めはしてないと。

A.(会長)

 はい。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 過去2回の参院選では、共産党を含む野党連携をして一人区で善戦したと、一本化に成功したと。それに比べて9年前の共産党を含む野党連携、共闘しなかった時は惨敗をしたと。そういう明らかに効果がある結果が出ているにも関わらず、共産党を含む野党共闘を否定するのは、これはどういう理由なのかよくわからないんですが、それを具体的なデータとか根拠に基づいて説明していただけないでしょうか。

A.(会長)

 何度もご説明をさせていただいておりますが、連合の考え方と共産党の考え方が違いますので、ここは相容れないことかというふうに思います。また過去の選挙はそれぞれその時その時の状況がありますので、連合としてはこれから向かう参議院議員選挙に向けて全力を注いでいくということになるかというふうに思います。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 過去の3回の参院選の結果に目を向けないということですか。3回の結果を見れば、芳野会長の言う通りに立民、野党が従ったらですね、野党議員の議席が減るのは明らかなんじゃないですか。それでもいいということなんですか。

A.(会長)

 そういうことではなくて、これまでその選挙のたびに連合としては総括をし、その総括に則って新しい考え方、新しい考え方っていうとまたマスコミの皆さん書いてしまいますが、その総括に則って次の選挙に向けての考え方を明らかにしていますので、そういった意味です。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 新しい考えを打ち出す理由が全くわからないんですが、過去2回成功していたのを否定する何か新しい根拠が出てきたんですか。どういう総括をしたんですか。過去3回の、惨敗したのと2回善戦したというのをどう総括しているんですか。

A.(会長)

 (事務局に)過去の総括、ちょっと触れていただいていいですか。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 芳野会長ご存じないんですか。それを受けて、踏まえて、そういう共産排除発言を繰り返されてるんじゃないんですか。

A.(会長)

 知らないということではなくて。今明確にお答えしなければならないというふうに思っていますので。はい。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 驚きですね。なんでこうすぐ出てこないんですかそういう総括が。それを踏まえて連合会長・芳野さんは発言してるんじゃないんですか。そんな過去のことをちゃんと総括、整理しないで、勝手に新しい解釈を自分で言い出したんですか。

(司会・今、事務局のほうからコメントいたしますので少々お待ちいただけますか)※声のみ

A.(川島政治センター総合局長)※声のみ

 今ご質問の趣旨の、過去の総括はどうであったのかということについては、今回衆議院選挙の取りまとめの中でも一部触れているところでありまして、候補者の、参議院選挙における選挙区調整については連合もこれまで認めてきた経過があるということ、まずはそれが1つです。その上でそのご指摘ので、連合のその取り組みスタンス、過去の参議院選挙は、それによって野党の惨敗につながったというような認識については、私どもの受け止めと違いますので、そこについて何か認識の相違があるんじゃないかという…

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 いや、9年前惨敗して3年前6年前は成功したのは共産党を含む野党連携一本化の成果以外の何か考え方あるんですか。捉え方はあるんですか。

A.(川島政治センター総合局長)※声のみ

 まずですね、根本的な認識の違いのところがあるのかもしれませんが、ご質問されているその野党連携だとか野党共闘だとか、あるいは候補者調整だとか、いろいろなことを何かこの同じような概念で捉えているような、受け止めしたんですね。ぜひ今日確認した衆議院選挙の取り組みのまとめをご一読いただきたいと思います。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 衆院選じゃなくて参院選の一人区過去3回の結果をどう総括整理しているのかというのを聞いてるんですよ。3回比較すれば、9年前が惨敗で共産党との連携なしで、3年前と6年前は善戦してるわけですよね、他に何か理由があるとお考えなんですか。そういう総括しているのであれば、それを見せてください、説明してくださいといってるんですが。

A.(川島政治センター総合局長)※声のみ

 そういった意味では、先ほど会長の芳野もお答えした通り、例えば前回2019年の参議院選挙はどうであったのかと、その前の年、前回の、その前のですね2016年との振り返りなどの比較というのはしていますが、先ほどおっしゃったそれを過去何回までにもわたって一貫して何か評価取りまとめているということは必ずしもしておりませんので、今おっしゃられたようなご質問に対して、前回、その前、さらにその前と比較してどうだったのかっていうのはまとめておりません。もちろんそれはその時その時の取りまとめというのを比較すれば、あることはいえるとは思いますが、直接今ご質問されたことのような3回にわたる選挙を比較してどうだったのかというまとめはしていないということです。

Q.(フリー・ヨコタ氏)

 いや驚くべき発言だと思うんですが、芳野会長はその過去3回の結果を総括せずに整理もせずに、共産党排除、連携を否定発言をされてるんですか。これ全然、結果、データから学んでないというか、勝手に自分の共産嫌いを押し付けてる、野党議員の議席を減らしてもいいというふうに考えているとしか思えないんですが、なんか具体的根拠はあるんですか、新しい解釈をする。過去3回の例を比べれば共産党などの連携ありなしで…

(司会・恐れ入ります。見解の相違のある中でのやりとりになってますので、具体的な中身につきまして文書でご質問いただければまたこちらからしかるべき回答などをさせていただきますので、本日のところは他の記者の皆さんの質問もありますので、それでよろしくお願いしたいと思います)※声のみ

質疑応答[3]
Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 朝日新聞のキハラです。よろしくお願いします。同じく衆院選の取りまとめについて伺います。ページ数でいうと47ページを見ていますが、上から3段落目の「なお」からはじまるところで、参議院選挙の選挙区の候補者調整について書かれています。端的に伺いたいんですけれども、共産党との選挙区調整というのは、これは容認されるんでしょうか。まず教えてください。芳野会長に。

A.(会長)

 連合としては、調整は立憲民主党と国民民主党でやっていただきたいということを申し上げているので、そういうことです、そういう考え方です。

Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 この文章を読みますと、候補者調整については選挙戦術について容認してきたと書かれていて、その後、部分的一致を理由に個別の政策協定を締結することは理解を得ることは難しいと書いておられるんです。これだけ読むとですね、共産党と例えば立憲民主党が政策協定を結んでしまうことっていうのはもちろん容認できないけれども、それ以外の、そういうことがない形で選挙区調整をするっていうのをこれまで通り容認するというふうに読めるんですがその理解でよろしいんでしょうか。

A.(会長)

 経過を説明します。(事務局長へ)

A.(事務局長)

 選挙区調整をすることについて、基本的に連合は容認してきたとここに書いてあるとおりですので、まずそれぞれの、野党は何党もありますから、そこが話し合って選挙区調整することについてうちはどうこういうつもりはないです。ですからその形で進むことについて、うちがいいとか悪いとかということはありません。まずは、まずは連合としては政策協定を結んでいる立憲民主党、国民民主党できちっと必要なところ1人に絞るなら絞っていただいて、その先に他の、共産党だけではありませんが、他の野党も含めてさらに1本化に調整することについて反対することはございませんので、だからそこは連合が関わるところではありませんので、政党間、公党である政党間で話し合って決めることであろうと思っています。

Q.(朝日新聞・キハラ氏)

 その認識は芳野会長も同じでしょうか。

A.(会長)

 はい。

質疑応答[4]
Q.(読売新聞・ソバタ氏)

 読売新聞のソバタです。よろしくお願いします。同じく衆院選の取りまとめなんですが、47ページの上から3行目で「立憲・国民と連合の三者が十分に政策を共有し」とありますけれども、芳野会長は以前、立憲と国民の合流について言及されたことあると思うんですけれども、こういった文書が出て会長の考えをあらためて教えていただけますか。

A.(会長)

 おそらく「合流」という言葉はテレビ番組でのこと思いますが、私が申し上げたのは静岡補選の時のように立憲民主党と国民民主党と連合三者が協力し合って戦える態勢という意味での、まあ合流という表現を使ってしまったので、おそらくそこだけ見ると立憲民主党と国民民主党が一緒になるという受け止めになってしまったかというふうに思いますが、そういうことではなくて、あくまでも三者でできるようにということの意味です。

Q.(読売新聞・ソバタ氏)

 1点別の観点で、47ページの中ほどから下のほうに「連合本部の発信力・調整力・徹底力・指導力のどれもが十分ではなかった」などと反省の言葉が一部並んでいるかと思いますが、こういった部分について芳野会長のお考えを教えていただけますか。

A.(会長)

 今回、構成組織もそうですし現場で本当に制約がある中で選挙戦を戦っていただいた地方連合会、もしくは加盟組合の皆さん方がたくさんいらっしゃったんですが、やはり今回その選挙を戦うにあたって、それぞれの地域で温度差はあるものの、やはり市民連合との関係ですとか様々なことが選挙期間中にきちんと連合本部として、指導という言葉がいいのかどうなのかということもありますが、そこをきちんと整理しながら対応するということがなかなかも難しかったかなということがあります。結果的に、取りまとめにも出ていますが、「比例は共産党」というようなハガキが連合組合員のところにも行ってしまいましたし、そういうことはやはり期間中に連合としてきちんと整理させなければいけなかったことではないかというふうに思いますので、今回の総選挙については連合本部としてしっかりと反省をしていきたいということです。

質疑応答[5]
Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 朝日新聞の記者のフジサキですが、大きく2点伺えればと思っています。まず1つ目が、他紙さんなんですけど産経新聞さんのほうで芳野会長のインタビューで維新の会について「敵ではない」というふうに話されていたかと思うんですけれども、確かに政策要請などをされてきている政党だとは思うんですが、一方で労組に対してまあ厳しい対応を取られてきた側面もある政党かなと思うんですけれども、そのへんでこの「敵ではない」という言葉の意味合いというものを教えていただけますでしょうか。

A.(会長)

 これは「敵か味方か」と聞かれたので「敵ではない」といういい方をしただけで、切り取られてしまいました。それと維新の会についてはその後の記事を見ていただけると思いますが、地域のほうでは組合つぶしですとか、不当労働行為ですとか、かなりそういったことで地域では大変な思いをしていますので、今後のお付き合いの仕方については慎重にしていかなければいけないというふうに考えていますが、ご指摘のように共産党を除く各政党には連合として政策制度要求を出していますので、そういう中で整理をしていく必要性はあるかなというふうに考えています。

Q.(朝日新聞・フジサキ氏)

 あともう1つが全然政治の話ではなくて恐縮なんですけれども、日本で働く外国人の女性の労働問題としてお伺いしたいと思います。技能実習生がまあ妊娠とかが理由で実習中断したっていうケースが2017年11月から2020年12月まで637件あってですね、継続の意思が示せているのが47件で、実習を再開する計画を確認できたのが11件に留まっています。本来は労働法に守られて、産休・育休も取れるんですけれども、政府も企業や管理団体に通知を出していますが、それが十分に守られていないということで事件化しているケースとかもあります。この点、連合としてどのようにお考えになっているか、お聞かせいただけますでしょうか。

A.(会長)

 まず連合としては、外国人、日本人を問わず日本国内で働くすべての労働者としての権利が保障されて基本的人権が守られるということが必要だというふうに考えています。技能実習生には日本人労働者と同様に労働関係法令が適用されていますが、2020年度の労働基準監督機関によると、実習実施者に対する監督指導では7割に法令違反が指摘されているという事実を見れば、技能実習法における適正化を所管省庁および外国人技能実習機構において一層進めていく必要性があるのかなと考えています。そして、相談支援体制の充実について外国人技能実習機構では相談の多言語対応への取り組みを進めているということですが、支援についても機構の地域協議会等で情報を共有し、支援していく取り組みが求められているのではないかというふうに思います。マスコミに出たベトナム人のリンさんの件、非常に私もこの事件については本当にご本人の気持ちを考えるといたたまれないというか、周りの人たちも何か手を差し伸べることができなかったのかなというふうに思いますが、やはりこういう事件がありますとリプロダクティブヘルスライツ、要は性と生殖の自己決定権はやはり女性にあるんだということをもっともっと国民一人ひとりがきちんとそこを理解する必要性があるというふうに思っていますし、やはりこういう事件があると女性の地位って低いんだなということを実感しますので、連合としてはそういったことについてもしっかりと女性の地位が向上していくように取り組みを強化していきたいというふうに考えています。

質疑応答[6]
Q.(共同通信・ミツヤマ氏)

 共同通信のミツヤマといいます。共産党との関係で改めて伺います。会長従来から立民と共産党との共闘についてはあり得ないと繰り返してこられたわけですけども、立憲も代表選を経て新執行部になったわけですけども、これ今後のいずれかの機会にこの新執行部に対して共産党との連携の懸念ですとか、あるいは共産党との決別ということをお伝えする考えがあるのかどうかいうことについて。

A.(会長)

 新執行部体制になりましたので改めて連合の考え方についても今後コミュニケーションをよく取ってお伝えしていきたいというふうに考えています。やはり連合組合員からすると共産党との関係というのは、もちろんあり得ないんですが、慎重姿勢を持っているところもありますので、そういったことも改めてきちっと話し合いが必要かなというふうに思います。あと判断するのは政党のほうが判断することですので、連合としては考え方をしっかりお伝えするということになるかと思います。

Q.(共同通信・ミツヤマ氏)

 重ねてすみません、共同通信です。産経さんのインタビューでは確か共産党との決別を伝えるというふうにありましたけれど、これもその伝えるおつもりなんですか、決別…。

A.(会長)

 はい、それはいっていきたいと思います。連合の考え方ははっきりしているので、お伝えするということはそういうことになるかと思います。

質疑応答[7]
Q.(日本テレビ・カワカミ氏)

 日本テレビのカワカミです。よろしくお願いします。会長冒頭、選挙の話で連合としては立憲民主党と国民民主党と連携しながら選挙を戦っていくという話ありました。こちらの取りまとめの総括資料にも書かれてますけれども、改めてですね、来年の参議院選挙に向けて立憲民主党と国民民主党はどうあるべきか、そしてどう戦っていくべきか、もう少し具体的に会長のお考えがあればお聞かせください。

A.(会長)

 立憲民主党にも国民民主党にも連合組織内議員がいますので、戦い方については今度の参議院選挙というのは名前を書く選挙ですので、それぞれの構成組織が職場の組合員に対して名前を徹底していくということになるかというふうに思います。もう1つは今回の総選挙もそうだったんですが、やはり投票率が非常に低いですので、選挙に関心を持っていただいて投票に行くということも連合としては徹底していきたいというふうに考えています。

質疑応答[8]
Q.(読売新聞・サカバ氏)

 読売新聞のサカバと申します。政治の話でなくてちょっと恐縮なんですが、すいません雇用保険制度についてお伺いさせていただきます。冒頭、芳野会長や清水事務局長からもお話あった通り、本則回帰、本則戻しということをご主張されていらっしゃると思いますし、雇用保険料率の過度な引き上げ、まあ引き上げ自体にご反対されているということを審議会での議論でも承知しておりますが、仮に年内の結論の中で本則戻しが実現されなかったり、料率のそれなりの引き上げということになった場合、連合としての対応かつそれからその後の運動について方針などございましたらご教示いただければと思います。よろしくお願いします。

A.(村上副事務局長)

 担当の副事務局長の村上からお答えいたします。今ご指摘の雇用保険関係の財政の問題で、おそらく来週、労政審では来週の審議になってくるかと思います。どういった中身が示されていくのかということによってくるかと思います。私どもとしては中央執行委員会で確認いただいた雇用保険の考え方を最大限反映できるよう頑張っていきたいと思います。その後についてはまたその段階で、通常国会の対応ということで考えていくということになっていきます。以上です。

質疑応答[9]
Q.(東京新聞・イノウエ氏)

 東京新聞のイノウエです。芳野会長に伺います。政治の話に戻るんですけれども、共産党を含む野党共闘には与さない、あり得ないということをおっしゃってますけれども、この場合野党共闘というのは何を指しているのかというのを改めて伺わせてもらえますでしょうか。選挙区調整も含む話なのか、政策協定まで含んだ話をしているのか、教えてください。

A.(会長)

 選挙区調整については、与野党1対1の構図を作っていくことは戦略としてあり得る、これは今までもいってきています。その中で調整するのは、連合としては立憲民主党と国民民主党の間でやっていただきたいという考え方で一貫していますので、その先については政党がやることですので、連合としては連合の考え方をお伝えするということになるかというふうに思います。

Q.(東京新聞・イノウエ氏)

 44ページの「そもそも」の段落の最後のところで「候補者調整~結果的に容認してきた」とあるのは今おっしゃったような政党としてやったものを容認してきたということに読めるんですけど、そうすると今後も政党として調整する場合は容認するということになるんでしょうか。

A.(会長)

 連合としてはやはり連合の考え方をきちっとお伝えするということを、お伝えするんですが、具体的にやることについてそこまで組織介入できないということです。

Q.(東京新聞・イノウエ氏)

 最後に確認ですが、選挙区調整だけならばそれは野党共闘とは連合としては認識していないということですか。連合として使っている「野党共闘」という言葉に、単なる選挙区調整は含まれない。

A.(事務局長)

 44ページにも書いてありますが、野党共闘あるいは野党連携という言葉で、2016年等に参議院選挙で使ってきましたから、その意味では野党共闘というのを引き続き今回も同じ意味で使っていましたが、いわゆる野党共闘が共産党さんなんかは共闘からいわゆる「政権を共に」とか、それぞれが過半数に迫った場合には一緒の連立あるいは外からの閣外協力という意味で「野党共闘」という言葉が使われはじめたので、連合としてはそれは違いますよと、そういうことでいえば「選挙区調整」ですと、いうことで切り替えていく説明をもう少ししっかりと構成組織や地方連合会にもしていく必要があっただろうなと。そのあたりがいわゆる市民連合のところや、そこに関わってきた共産党皆さん方がいわゆる野党共闘という言葉を使いながら、政権を一緒にするというふうに踏み込んでいった過程で組合員が非常に混乱したということですから、あくまで選挙区調整については会長おっしゃっているように元々容認もしてきましたし、公党同士が行うことですから、先ほどの質問にもありましたが1本に絞ることは与党に対しては、与党も1本で来てるわけですから、1対1の小選挙区という制度がある以上はそれは効果があることだと思います。

Q.(東京新聞・イノウエ氏)

 そうなりますと今回会長がずっとおっしゃって否定してきた野党共闘というのは、今回共産党さんが使っていたような意味での野党共闘であって、この44ページの上のほうに書いてある従来使っていた野党共闘という意味ではないということですか。野党共闘、野党連携という言葉が使われ始めたという記載が44ページの上のほうにありますけれども、その意味での野党共闘を否定しているわけではなくて、今回共産党なりが使って今おっしゃった意味が変わってきた意味での野党共闘を否定していたという理解でよろしいでしょうか。

A.(事務局長)

 そうですね。そもそも参議院選挙の時に使ってきたところはありますが、そこは政権選択の選挙ではありませんでしたので、いわゆる一人区について1人に絞らないととても自民党の候補には勝ちきれないというところからはじまった、6年前の参議院選挙とかもそうでしたから、そういう意味でいうとそもそも政権選択ではないところに今回共産党さんのほうが「政権を共に」とか「閣外からの協力」とか「閣内の協力ではない」とか、そういう話になっていること自体が大きな混乱を招いたと。そこについて連合としてきちっとした説明を十分にしきれなかった。それが指導力であったり調整力であったり発信力は弱かったというふうに地方連合会からもいわれていますので、真摯に反省の弁を書いているということでございます。参議院選挙に向けては、一人区を1人に絞っていくことについて野党間で行うことについては反対しませんが、一人一人の候補についてはその関わり方について、推薦できる人物であれば連合は地方連合会の推薦に基づいて推薦していきますが、この方のやり方ではとても地方連合会が推薦を上げられないということであれば、それはそもそも上がってきませんから、全員が横並びで推薦になるというふうにはならないと思いますけども。以上です。

質疑応答[10]
Q.(毎日新聞・フルカワ氏)

 毎日新聞のフルカワです。芳野会長にお聞きします。昨日なんですけども、国民民主党の玉木代表が小池百合子都知事と会談をして、明日からなんですけど、意見交換会の勉強会を都民ファーストと国民民主党で行うことになったんですけれども、こうした動きについてどう評価されているかっていうことと、参院選に向けた2つの党の連携強化と見る向きもあるんですけれども、その点どう見ているか教えてください。

A.(会長)

 評価するかどうかということですが、それぞれの政党がそれぞれ勉強会を行ったり、そういった活動をするのは政党がやることなので、こちらが何か評価するということではないのかなというふうに思いますのでコメントは控えたいというふうに思います。

質疑応答[11]
Q.(シカタ氏)

 労働ジャーナリストのシカタといいます。事実確認ですけど、44ページに候補者調整とかって、「しかし」から入りますけど、今度の場合は前の相原事務局長もいわれたけれど、市民連合が蝶番になってやったわけですよ。だから、立憲民主党がやったとかね、ということではあく市民連合を蝶番にしてやったんだというのが相原さんの見解であって、そういうことまで良くないということになるのかどうか、しかもこれは野党共闘は●●●(2回目迎えますけど)いずれにしても市民連合の政策とそれから要するに各野党が結んで、今度の場合は6項目で●●●(聞き取れず)20項目ありますけれど、その前はもうちょっと項目が少なかったと思いますけれど、いってみれば市民連合という組織がなんとかしようという形で、それで政策をつくり呼びかけて作ったわけで、連合の方針じゃなきゃダメだという形になるとそういう市民連合を蝶番にすることも認めないというね、そういうことになるんですか。それでこれはもう前回2年前の選挙も、いってみれば市民連合を蝶番してやっているわけです。そういう点で1対1の構図をどう作るかっていう、1つの工夫だと思いますけど、そのあたりの事実関係をどう捉えているのかということと、その市民連合のそういうやり方も良くないといわれるのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

A.(会長)

 (事務局に)川島さんいいですか。

A.(川島政治センター総合局長)※声のみ

 補足説明しますと、今ご指摘された部分と同じような記述を47ページの第3段落のところに記載してまして、「なお」という文章のところです。「参議院選挙の選挙区で候補者調整という選挙戦術については結果的に容認してきた」、ここは先ほどから繰り返しあった話です。「しかし、国政選挙において、その範囲を超えて、基本政策や綱領等で掲げる国のめざす方向が大きく異なる政党同士が連携・協力することや、そのように根本的に整合を欠いた状態で部分的一致を理由に個別の政策協定を締結することは、組合員はもとより多くの有権者の理解を得ることは難しいと思われる」という部分です。先ほどシカタさんがおっしゃられた指摘の部分は、市民連合と立憲民主党、市民連合と共産党、あるいは市民連合とれいわ新撰組などと9月8日に協定を結んでいますが、私どもの理解としては、立憲民主党、共産党が何か協定を結んだと、ここでいう「政党同士が政策協定を締結する」という認識は持っていません。そのようなことも、連合の機関会議の中で説明をし、認識の共有は図ってきたところですので、もしご指摘の趣旨が9月8日のような、市民連合との政策について提案を受けてそれに協力すると応じたこと自体を否定しているものではございません。ただ、この間の議論の中でも、やはりそういうことはわかってても写真だとかテレビの映像で政党のトップ同士が一緒に映るというと、なかなかそういうことを組合員に意味合いを伝えるのが難しいというような指摘があったことは事実ですので、そのようなことについて運動としての難しさがあったという1つであったというのは、補足説明としてこの文書についてさせていただきます。

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